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男「田舎者のオレが都会の学校に転校した結果wwww」
-
父『すまない、おまえには本当に悪いことをした』
男「さっきから何度も言ってるだろ。そんなに気にすることないって」
父『だが…』
男「ほんとにさ、気にしてないから。親父が大変なのは俺にもよくわかってるし」
父『とは言っても向こうに友達がいたろうに』
男「…………」
男「もう慣れたからさ」
父『男……』
父『すまん……』
"
"
-
男「だからいいってば」
父『……っとすまん。そろそろ仕事に戻らないといけないから切るぞ』
男「うん」
父『なにかあったらまた電話をかけてきてくれ』
男「わかったよ。そのときはよろしく」
父『ああ、じゃあな』
ピッ
男「……よし」
男(来た。とうとうこの日がやって来たんだ)
男(憧れの東京モンの仲間入りになる日が)
<まもなく2番線に列車が到着します。危ないですから、黄色い線までお下がりください。
男(ここから俺の第二の人生がスタートするんだ!)
-
・・・・
男「はぁ〜〜〜つかれた」
男(うわさの満員電車というものを初めて体験してみたけど……)
男「やっぱ東京モンはすごいなぁ〜。みんな平気な顔して立ってやがんだから」
男「…………」
男「それにしても」
ザワザワ
男「ほえ〜」
男(行きかう人と人。並び立つ高層ビル)
男(俺は本当に東京に来ちゃったんだなぁ)
男「あとでたっちゃんに電話してやろ。きっと驚くぞ」
-
男「あとはこの道をずっと真っ直ぐ、と」
男「おお、見えてきた。でっかい学校だなぁ」
男(えっと……寮の場所は)キョロキョロ
ジャージ「どうした探し物か?」
男「あ、はい」
男(ジャージに竹刀。生活指導の先生っぽい。美人だ)
男「実は寮を探してるんですけど」
ジャージ「はっはっは!」
男「な、なんで笑うんですか?」
ジャージ「そりゃ笑うさ。きみが探してるのは校舎の隣にあるあれだよ」
男「え?ええええええええええ!?」
-
男「あ、あれが寮だなんて」
ジャージ「一体なんだと思ってたんだ?」
男「美術館?」
ジャージ「まぁ、わからんでもない。実際、有名な芸術家の先生がデザインを提供してくださったしな」
ジャージ「芸術のよしあしは私にはよくわからんが……」
男「寮は冷暖房完備って聞いたんですけど」
ジャージ「ああ、そうだ。それに加えて最近はドアもオートロックになった」
男「マジっすか!!」
ジャージ「最近はなにかと物騒だからな。親御さんからの強い要望もあり導入したというわけさ」
男「よっしゃああああああ!!」
ジャージ「い、いきなり大声を出すな。耳が痛い」
男「す、すんません」
"
"
-
ジャージ「おっと、つい話が長くなってしまった。用があるんだったな」
男「はい」
ジャージ「うちの寮は異性は立ち入り禁止になっていてな。用がある生徒の名前を教えてくれ。呼んでくるから」
男「え?オレ入寮しに来たんですけど」
ジャージ「ん?入寮?」
男「え?」
ジャージ「…………」
男「オレ、この寮に入ってもいいんですよね?」
ジャージ「…………」
男(え?なんなのこの沈黙?)
-
ジャージ「もしかして、きみ男くんか?」
男「はい。男です。よかった、オレ入寮できるんですね」
ジャージ「ああ、できることにはできるんだが……ただ」
男「ただ?」
ジャージ「男くん、期待を裏切るようで大変申し訳ないんだが、きみはこの寮には住めない」
ジョージ「これは女子寮だからな」
男「え?」
男(ということは寒空の下に野宿?ダンボール生活?)
男(……ホームレス?)
-
男「それだけはいやだあああああああ!!」
ジャージ「お、男くん?」
男「もう冷暖房完備とか贅沢言いませんから!我慢しますから!」
ジャージ「少し落ち着け!さっきも言ったろ?『入寮はできる』と」
男「…………」
男「入寮……できるんですか?」
ジャージ「正確に言えば、男子寮には入寮できる」
男「よかったぁ」
ジャージ「ただし過度の期待はしない方がいいぞ」
-
ジャージ「着いたぞ」
男「あの、倉庫に一体なんの用が?」
ジャージ「男子寮だ」
男「でもこれってどうみてもプレハブ小屋……」
ジャージ「男子寮だ!」
男「…………」
ジャージ「うちは元々女子校だったんだがな、今年から男子を加えて共学になったんだ」
ジャージ「当然男子寮もちゃんとしたものを用意する予定だった」
ジャージ「が」
ジャージ「工事のことでいろいろと手間取ってしまい、男子が編入する時期までに完成が間に合わなくなった」
ジャージ「だから急遽この仮の男子寮を建てたというわけだ」
-
ジャージ「まことに申し訳ないが、本来の男子寮が完成するまではこれで我慢してもらいたい」
男「完成まではどのくらいかかるんですか?」
ジャージ「来年には……恐らく」
男「来年って……」
男(半年以上はここで過ごさないといけないのかよ)
チャリン
ジャージ「三号室のカギだ。明日からは授業だから早めに準備をするといい」
ジャージ「きみのクラスは一年D組。担任は私だ」
ジャージ「まぁ、そうガッカリするな」ポン
男「はい」
-
ジャージが一瞬ジョージになっててワロス
-
・・・・
男「ここが三号室か」
コンコン
男「すみませーん」
<あいよー
男「しつれいしまーす」ガチャッ
ネチャッ
男「どわっ!」
男(なに?なんか踏んだんだけど!?)
ネチャー
男「……ガム?」
-
男友「悪いな散らかってて。ガムとか落ちてるからうっかり踏んづけるなよ」ピコピコ
男「…………」
不良女「男友ー。もしかしてこいつ、例の転校生じゃねーか?」
男友「るせー!今いいとこなんだから話しかけんな!昇竜拳ッ!!」ピコピコ
不良女「ま、いいけど」
男「あのー」
友「悪い、ちょっとだけ待ってくれるか。もうちょっとで終わると思うから」
男「はぁ」
-
かなしかな
-
男友「よっしゃ!KO!!」
男「…………」
友「男友」
男友「わりーわりー、待たせたな。あんた、転校生だっけ?名前は?」
男「男です」
男友「よろしく、男っち。オレは男友だ。男友って呼んでくれ」
男「よろしく、男友くん」
男友「男友って呼んで」
男「え?」
男友「呼んでくれないの?」
男「いや、いきなりはちょっと……」
友「男友、男くんが困ってるだろ」
男友「ま、いいや。徐々に慣れていけば」
-
男友「で、こいつは友。あっちで寝転がってるのは不良女だ」
友「よろしく」
不良女「よろしくなー」ヒラヒラ
男「うん、よろしく」
男「ところでみんなは何組なの?オレはD組なんだけど」
男友「決まってるだろ。同じクラスだよ」
男友「男子寮三号室へようこそ。男っちは今日からオレたちの仲間だ。そういうことだ、不良女」
不良女「!!」ガバッ
不良女「おまえ、男とかいったな!」
男「な、なに?」
-
不良女「よろしくなっ!アタシたちは今日からマブダチだ!」
男「よ、よろしく」
不良女「男友、友、早速買い出しに行くぞ!今日は朝まで歓迎会だー!」
男(不良女さん、さっきとキャラ変わってないか?)
友「やれやれ」
男友「つーわけでオレらは適当に買い出しに行ってくるけど、男っちはどうする?」
男「オレも行くよ。外で色んなところを見て回りたいし」
男友「よし決まりだな。出発しんこー!」
不良女「おー!!」
-
・・・・
男友「それでは乾杯の音頭を男っちよろしく」
男「えー本日はお日柄もよく……」
不良女「長いー省略しろー!」
男「まだ始めたばっかりなんだけど!?」
男友「いいからいいから」
男「えー……三号室のみなさんの仲間になれたことを祝って乾杯!」
男友・友・不良女「乾杯!」
-
不良女「おとこー!飲んでるかー!」
男「飲んでるよ。ジュースだけど」
不良女「そうか、そりゃよかった」
男「気になったんだけど男子寮って女子が入っても大丈夫なの?」
不良女「もちろん原則立ち入り禁止だぜ」
男「あははーそっかー」
男「……っておい!なに普通に入ってきちゃってんのさ!バレたら大変なことになるよ!」
不良女「はは、男はマジメだなー」
男「マジメって別に普通だよ」
不良女「へへ、でもこういうのって不良っぽいだろ。なんつーか、カッコいいと思わねーか?」
男「ごめん、よくわかんない」
不良女「んだとコラアアアアアアアア!!」
男「み、耳元で叫ばないで……」キーン
-
乙乙
-
恐らくバレないと思ってるんだろうが、さくらさくらのパクリだろこれ
-
前に逆のシチュで書いたか? だからと言ってどうという訳でもないが
-
>>21
てへりんこ♪
>>22
書いてないです
-
男友「男っち、不良女、ちょっとこのジュース飲んでみなよ。マジうまいから」
男「な、なんか変な匂いがするんだけど」
男友「しどい、しどいよ!男っちはオレを疑うのか?友達であるこのオレを!」
男「疑うってそんな……」
男友「不良女は違うよな。オレら、友達だもんな?」
不良女「おう、もちろんだぜ!友達だからな!」
グビッ…グビッ…
不良女「ぷはーーーっ!」
男友「さすが不良女、あれだけの量を一気にあおるとは」ゴニョ…
男「え、なんか言った?」
男友「なんでも〜。ささ、不良女を見習って男っちもグイッといっちゃって」
-
ゴクッ
男「うえ……苦ぁ。これほんとにジュースなの?」
男友「大人になったら美味しさがわかるよ。多分」
男「ふーん」
友「男友、それ日本酒じゃないのか?」
男友「てへ、バレちった」
友「おい!」
男「日本酒……?」
男(ってことはお酒?)
男(そういえばさっきからなんだか頭がフラフラするような……)
-
バタンッ!
友「男くん!」
男友「男っち!?だい……のこえ……える……!?」
不良女「……!!あ……!!…………!!」
友「…と…………!」
男友「…………!!……!?」
男(え、なんだって?よく聞こえないよ)
男(ああ、眠い。とてつもなく眠い。このまま眠っちゃおう)
男(おやすみ)
-
――――――――
――――
――
―
グワングワン…
男「うぷ……うヴぉぉえ」
男「うぶぉえろ……」
友「起きたか。まずは洗面所で顔を洗ってきなよ。少しは楽になるから」
男「こ、ここはいったい?さっきから気持ちわるくて……」
友「ここは下騾馬学園の男子寮三号室。気持ち悪いのは無理やり酒を飲まされたから」
男「……ああ」
男(そうか、昨日は歓迎会で……)
友「思いだしたか?」
男「うん、顔洗ってくるよ」
-
・・・・
友「ちょっとは落ち着いたか?」
男「うん、ありがとう」
友「昨日はほんとにすまなかった。あいつらにはオレからよく言っておく」
男「いいよいいよ!なんだかんだで昨日はオレも楽しかったし」
友「ありがとう、男くんはいい人だな」
友「オレたちはいつも三人でつるんでばっかで、他の生徒とはあまり関わりを持たなかった」
友「だから嬉しかったんだ。男くんが三号室にやってきてオレたちの仲間になってくれて」
男「たはは、なんか照れるな」
友「ごめん、ちょっと臭かったか?」
男「いや、意外だなーって思ってさ。てっきり友くんはクールキャラだと思ってたから」
友「そうだな、オレも普段はここまで熱く語ったりしないんだが」
-
男「ところで今何時?今日登校日だったよね」
友「マズイ。本鈴まであと五分しかない」
男「ご、五分ッ!?」
友「男くんは先に行ってろ。オレは二人を起こしてから行く」
男「お、オレも待つよ!」
友「ダメだ。転校生が初日から遅刻したら印象が悪いだろ。それにこいつらは寝起きが悪い」
男「でも今から行って間に合うのかな」
友「オレの経験上、走れば間に合う」
男「わかったよ!友くんたちも早めに来なよ!」
友「善処する」
-
・・・・
男「はぁはぁはぁ……やった!なんとか間に合いそうだぞ!」
男(ん?校門の前に誰かいる)
男「あのー通りたいんですけどー」
お嬢様「…………」
男「どいてくれませんかー遅刻しそうなんでー」
嬢「…………」
男「あのー!!通りたいんですけどーッ!!」
嬢「そんなに大声出さなくても聞こえてますわよ!」
男(じゃあ返事ぐらいしてくれてもいいのに)
-
嬢「そこの男子生徒、学年クラス出席番号名前を今すぐ述べなさい。さあ今すぐに」
男「いえ、それより早く教室に行きたいんですけど……」
嬢「……!!」ギロッ!
男(うう、そんなに睨まなくても……)
嬢「早くお言いなさい。どうせあなたは遅刻なのですから」
男「でもこの時計だとあと二分ぐらい余裕が」
嬢「そんなの遅刻しているも同然ですわ」
男「ぐぐぐ」
嬢「悔しければ次からは時間に余裕を持って来ることですわね。おーほっほっほっほ!」
男(一体なんなんだ〜!この生意気な女は〜!!)
-
男「どいてください。ほんとに遅刻しそうなんで」
嬢「学年クラス出席番号名前をまだ聞いていませんわよ」
男「一年D組男です!出席番号は転校初日だからまだわかりません!」
嬢「あ、あなたD組なの?しかも……転校生!?」
男「ええ、それがなにか?」
嬢「はぁ……転校初日に遅刻なんて、問題児の集まりですわねあそこは」ボソッ
男「とにかくこれで満足でしょ!通してください!」
嬢「まだダメですわ。今度はこちらの紙に遅刻した理由と……」
男「うがー!!」
ガシッ
嬢「きゃっ」
-
嬢「手を離しなさい!この無礼者っ!」
男「いいからそこをどけ!今日はオレにとって大切な日なんだよ!明日からの学校生活の全てがかかってんだよ!」
嬢「減点2。汚い言葉遣い」
男「は?」
嬢「減点1。ボサボサの頭。減点2。制服のボタンの閉め忘れ。減点5。血走った目。減点10。女子に対する暴力」
男「なあ、さっきから一体なんなの?」
嬢「決まってますわ。あなたの欠点をひとつずつ数え上げているのです。これで少しは頭も冷えるでしょう?」
男「冷えるかボケー!!」
嬢「減点2。汚い言葉遣い」
男「むぐぐぐ……!」
-
キーンコーンカーンコーン
男「あ」
嬢「本鈴が鳴りましたわね」
男「どうしてくれるんだよ!あんたのせいで遅刻だ!」
嬢「あなたが早めに登校すればなにも問題なかったのではなくて?他人に責任をなすりつけるなんてみっともないですわよ」
男「うぎぎ……」
嬢「さて、わたくしは教室に戻りますけれど、その紙は職員室に提出しておきなさい」
男(だれが提出するもんか)
嬢「まあ、もし万が一に提出しなかったとしても、あなたの内申点に傷がつくだけですけれど」
嬢「それではごきげんよう」クルッ
男「…………」
男(なんなんだよ一体)
-
・・・・
ジャージ「ほぉ、初日から遅刻してくるとはなぁ、なかなかいい度胸してるじゃないか。おい」
男「いや、それほどでも」
ジャージ「だれも褒めとらん!」
ゴンッ
男「あいてっ」
ジャージ「みんなには伝えるのが遅くなってしまったが、今日から一年D組の一員になる男くんだ。仲良くしてやってくれ」
シーン
ジャージ「……まぁ、いいだろう。男くん、委員長の隣の席が空いてるからそこに座れ」
男「はい」
-
委員長「…………」
男「委員長さん」
委員長「…………」ビクッ
男「男です。今日からよろしく」
委員長「…………」コクリ
ジャージ「では早速だがHRを始める」
男(なんだ?うまく言えないけどなにかがおかしいような)
男「…………」
男(ただの気のせいか)
-
数学教師「であるからしてーここで求められるxはー」
男「…………」
男(しまったなぁ、教科書忘れちゃうなんて。委員長さんに借りようかな)
男「委員長さん」
委員長「…………」ビクッ
男「委員長さん?」
委員長「…………」
男「教科書忘れちゃったんだけど見せてもらってもいい?」
委員長「…………」
男「ダメかな?」
委員長「…………」
ススス…
男「あ、ありがとう」
男(オレ、なにか嫌われるようなことしたかなぁ……)
-
キーンコーンカーンコーン
男友「ちーっす、男っち。昼飯行こうぜー」
男「男友くん、昼休みに登校なんてなにかあったの?」
男友「いんや、別に何も。友に叩き起こされてからはゲームしてただけだよ。なー、不良女」
不良女「なー!」
男「あのさぁ……それで内申点だいじょうぶなの?」
男友「出席日数足りてるからだいじょぶだいじょぶ。なー、友」
友「…………」
男(そういう問題か?)
-
男友「なになにー?男っちはオレのこと心配してくれちゃってるわけー?嬉しいなー」
男「し、してない」
男友「素直じゃないなーこのこのー」
友「イチャつくのはそれくらいにして早く購買に行こう。カツサンドが売り切れてしまう」
不良女「たしかに腹が減ってきたぜ」グキュルルル
男友「あら、かわいい音」
不良女「れでぃーに対して失礼だぞ」
男友「レディー?どこにいるんだ」キョロキョロ
不良女「て、てんめぇ……」ピクピク
男「は、はやく行こうよ!」
-
パクって開き直る屑の鏡
-
・・・・
男「オレ、委員長さんに嫌われてるのかなぁ」
友「なんだやぶから棒に」モグモグ
男「話しかけるんだけど毎回無視されるんだよ」
男友「あちゃー残念、男っち振られたな」モグモグ
男「ちゃ、茶化さないでよ。普通の会話だよ。教科書貸してとかそういう感じの」
男友「冗談抜きでいうと、オレもこの前話しかけたら無視された」
友「オレは話したことがない」
不良女「アタシには普通に話しかけてくれるぜ」
男(このことから導き出される答えは……)
-
男「委員長さんは友くんのことが好き?」
友「……は?」
不良女「ああ、そういうことか!」
友「いや、納得するなよ。おかしいだろいろいろと。なぜそういう結論になる?」
男「友くんは委員長さんと一度も話したことはないんでしょ?無視されるとは決まったわけじゃない」
男「もしかしたら話をしてくれるかもしれない」
友「微妙に納得がいかんな……」
男友「いいじゃん、次の休み時間に話しかけてみなよ。面白そうだし」
友「断る」
男友「頼む!一生のお願い!」
友「絶対に断る。おまえのオモチャにされるのはもうコリゴリだ」
-
男友「なー、不良女からも言ってやってくれよ」
友「!?」
不良女「友、頼むよ。アタシたち友達だろ?」
友「き、貴様……」
男友「どうだ、このキラキラした目を裏切れまい」
友「卑怯者め……!」
不良女「友?」
友「わかった、話しかけるだけだからな」
-
男「で、休み時間になったわけですが」
不良女「男友!もう少ししゃがめ!よく見えねーじゃねーか!」
男友「静かにしろ。向こうに聞こえるでしょーが」
不良女「ご、ごめん」
男「あ、始まるみたいだよ」
-
友「委員長」
委員長「…………」ビクッ
友「国語の宿題はやったか?」
委員長「…………」
友「いや、別にやってないんならそれでもいいんだ」
委員長「…………」
友「今日はいい天気だな」
委員長「…………」
友「…………」
ダッ
男「逃げた」
男友「逃げちゃった」
不良女「逃げたな」
-
男「お疲れさま」
友「もう限界だ」
男友「帰ってくるの早くねーか?もう少しネバってくれた方が面白かったのに」
友「アホか!これ以上あの空気に耐えられるわけがないだろうが」
男「でもこれで答えが出たね」
男友「委員長さんは男子が苦手。だから話かけても無視される、というわけか」
-
不良女「なにもそんなにビクビクすることねーのにな」
友「ここは元女子校だから、そういうのはよくある話だと思うがな。逆に不良女のようなタイプの方が珍しい」
男友「だな。それだけ委員長さんは女の子らしいっていうわけだ。不良女もちょっとは見習った方がいいぞ」
男友「なー男っち!」
男「へ、返答に困るような質問しないでよ」
不良女「んだと!?それはどういう意味だあああああ!!」グイッ
男「ぼ、暴力反対です……」
-
キーンコーンカーンコーン
ジャージ「本日の授業はこれで終わりだ。寄り道をせずに帰るように。以上!」
ジャージ「っと言い忘れたが、男くんと委員長はあとで私のところに来るように」
ジャージ「解散!」
ガヤガヤ
男「先生、オレと委員長さんになにかご用ですか?」
ジャージ「明日の朝に配る予定のプリントが何枚かあるんだが、それをクラスの人数分刷らないといけない」
ジャージ「私は今から職員会議に出ないといけないからコピーしてる暇がないんだ。すまんが頼まれてくれないか?」
男「オレはいいですけど委員長さんは……」
委員長「わかりました」
-
ジャージ「助かるよ。あとついでに委員長」
委員長「はい」
ジャージ「男くんに校内を軽く案内してやってくれないか?登校初日でなにかとわからないこともあるだろうから」
委員長「わたし……ですか?」
ジャージ「委員長は男くんと席が隣同士だろう?それにきみは学級委員長じゃないか」
委員長「それは、そうですけど……」
男友「はいはーい!その役ならオレがやりまーす!ちゃんとプランは考えてありまーす!」
ジャージ「ほぅ……ちなみにそのプランとやらを聞かせてくれるか?非常に興味がある」
男友「屋上の入り方を筆頭にいろいろ伝授するつもりでーす!」
ジャージ「屋上は生徒立ち入り禁止だ、馬鹿者!いろいろの部分については聞かなかったことにしておいてやる」
-
ジャージ「そういうわけできみが一番の適任なんだ、委員長」
委員長「…………」
委員長「わかりました」
男(露骨に困った顔してるよ)
ジャージ「ありがとう、よろしく頼んだぞ」
委員長「はい」
男「じゃ、行こうか委員長さん」
委員長「…………」ビクッ
男「…………」
男(はぁ……)
-
ピッピッピッ…ガー
委員長「…………」
男「委員長さん、なにか手伝うことある?」
委員長「…………」
男「そっか」
委員長「…………」
男「…………」
ガーガーガー
-
委員長「…………」
男「せめてプリント持つのぐらい手伝わせてよ。この量は女の子一人じゃ無理だよ」
委員長「……っ!」
ばささささっ
男「ああ、ほら言わんこっちゃない」
委員長「……さい」ボソッ
男「え?」
委員長「…………」
男「オレが半分持つから、もう半分を委員長さん頼むよ」
委員長「…………」コクリ
-
男「このあとどうしようか?」
委員長「…………」
男「学校の案内だけど無理にしなくてもいいよ。委員長さんはその……男子が苦手みたいだし」
委員長「……す」ボソッ
男「帰ろうか」
委員長「……れば……です」ボソッ
男「え?」
委員長「はやく終われば問題ないです」
男「えっと……案内してくれるの?」
委員長「行きましょう」スタスタ
男「ま、待って!委員長さん、歩くの速いって!」
-
委員長「…………」キョロキョロ
男「?」
委員長「ほっ……」
男「委員長さん?」
委員長「ここは中庭です。お昼休みには生徒が集まってここでお昼ご飯を食べます」
男「委員長さんもお昼はここで食べるの?」
委員長「いえ」
男「へーそうなんだ」
委員長「外で一人で食べるのって、周りから浮いてるみたいで嫌じゃないですか」ボソッ
男「え?」
委員長「行きましょう」スタスタ
男「あ、ちょっと!」
-
委員長「…………」キョロキョロ
男「?」
委員長「ほっ……」
男「委員長さん?」
委員長「ここは図書室です。試験前にはたくさんの生徒がここで追い込みをします」
男(それ、図書館の正しい使い方として間違ってないかな?)
委員長「ちなみにわたしは読書が趣味なので、ここをよく利用します」
男「委員長さんはいつもどんなジャンルの本を読むの?」
委員長「…………」
委員長「行きましょう」スタスタ
男「あ、待って!」
-
いいんちょステキ
-
男「だから歩くの速いって、委員長さん!」
ガシッ
委員長「…………」
男「さっきからなにをそんなに急いでるの?」
委員長「…………」
男「急ぎの用事があるなら無理しなくてもいいから。今日はもう帰ろう」
委員長「用事なんて……ないです」
男「だったらどうして」
-
<委員長さん
黒髪女「こんにちは、隣のカレと随分親しげね。手なんか握っちゃって」
取り巻き女1「もしかして付き合ってたり〜?」
取り巻き女2「うっそ〜マジで〜!?」
男「委員長さんの友達?」
委員長「……あ」
男「委員長さん?」
委員長「あ……ぁ……」ガタガタ
-
黒髪女「約束したはずよね?男子と話をしないって」
委員長「…………」ガタガタ
黒髪女「クスッ……見つからないとでも思った?」
委員長「ぅ……ちが……」
黒髪女「違わないわよ。現に、うちのクラスの子があなたたち二人が親しげに喋ってるのを見たって言ってたんだから」
黒髪女「私、約束を破る人は嫌いなの。嘘つきにはそれ相応の罰が与えられて当然よね」
委員長「ちが……ちがう……」
黒髪女「嘘つき」ギロッ
委員長「!!」ビクッ
-
黒髪女「明日から覚悟しておきなさいよ。泣いても許してあげないから」
黒髪女「それと委員長さんの彼氏くん」
男「…………」
黒髪女「この子と付き合うのはやめておいた方がいいわよ。この子猫かぶるのだけは得意なんだから」
黒髪女「本性を知ったらきっと嫌いになるわ」
男(本性……?)
黒髪女「行くわよ」
取り巻き女1・取り巻き女2「は、はいっ!」
-
男「…………」
男(友達って雰囲気じゃないよな。友達にしては妙にギスギスしすぎてる)
男「委員長さん、今言われたことオレは別に気にしてないから……」
委員長「…………」
男「委員長さん?」
委員長「…………」フラッ
ドサッ
男「い、委員長さん!?」
委員長「……さい」ボソッ
男「委員長さん、しっかりしてよ!委員長さん!!」
委員長「ごめん……なさい」
-
・・・・
保険医「貧血ね。この年頃の女の子には多いのよ」
男「そうなんですか」
保険医「様子見でしばらくベッドに寝かせておくから男くんは帰りなさい」
男「ありがとうございました」
ガラララッ
男(いきなり倒れた時はびっくりしたけど、大事じゃなくて本当によかった)
-
ガチャッ
男友「おかえり、遅かったじゃん。むひひ、さては委員長とよろしくやってきたな〜」
友「おまえ、言ってることが親父くさいぞ」
不良女「男友、男は委員長となにをよろしくやってきたんだ?」
男友「あーそれはね、男の子の大事な部分と女の子の大事な部分が重なり合って……」
友「真面目に解説するな!」
男「…………」
男友「男っち、なんだか元気ないね。どしたの?」
男「今日はいろいろあって……疲れた」
友「転校初日だからな。疲れるのは当たり前だ」
男「そういうもんなのかな?」
-
友「今日ははやく寝た方がいいぞ」
男「うん、そうするつもり」
男友「つーわけで不良女はさっさと退散しろ」
不良女「なんでだよ!」
男友「アホ。二日連続で帰らなかったら向こうの寮長さんに怪しまれるでしょうが」
不良女「てめぇ、一体だれのせいだと思って……!」ギリギリ!
男友「うるさい。けーれけーれ」
友「男友の言うとおりだ。今日はおとなしく女子寮に戻れ」
男「その、ごめん」
-
不良女「ぐすっ……なんだよ、アタシだけ除け者にしてさぁ」
不良女「おまえらなんか……おまえらなんかなぁ……」
不良女「タンスの角に小指をぶつけて死んじまえッ!!」
バタンッ!!
<うわあ〜〜〜ん!!
男「ねえ、よかったの?不良女さん泣いてたよ」
男友「いいんだよ。あいつはバカだから明日になったら全部忘れてるさ」
友「バカだからな」
男(そこまで言うことないのに。でも否定できないのが悲しい)
-
男友「さて、お子ちゃまにはお帰りいただいたところで早速始めるとしようか」
男「え?始めるってなにを?」
男友「たは〜男っちはニブチンだな〜。そんなの決まってんでしょうが」
男友「正直なところどうだったんだよ。委員長さんと放課後いろいろあったんだろ」
男「いろいろってそんな大したことじゃないよ。ちょっと話をしたぐらいで」
男友「嘘つけ。そんなことを言ってとっくの昔にキスは済ませた……」
男友「……んえ!?」
男友「ごめん、オレの聞き間違い?話をしたって聞こえたんだけど」
男「本当のことだよ」
-
男友「あり得ない」
男友「あえてもう一度言わせてもらおう。あり得ない」
男「本当のことなのに……」
男友「誰かがプロジェクターを使って委員長さんの映像を投射して、男っちがその映像に向かって話をしてたっていう方がまだ現実味がある」
男「そっちの方が現実味がないよ!どこの誰がわざわざそんな面倒なことをやりたがるんだよ!」
友「しかしにわかに信じられないな。あの堅物の委員長が男子に口をきくとは」
男友「わかった、なにか弱みを握って脅したんだろ?『げへへ、秘密をバラされたくなければおとなしく言うことを聞きな!』って感じで」
男「オレがそんな極悪人に見える!?」
-
男友「さあ?人の本性はわからんからなぁ」
『本性を知ったらきっと嫌いになるわ』
男「…………」
男友「男っち?」
男「ごめん、なんでもない」
『明日から覚悟しておきなさいよ。泣いても許してあげないから』
男(明日なにが起こるんだろう。委員長さんの怯え方も普通じゃなかった)
男「…………」
男(気にしすぎかな)
-
――――――――
――――
――
―
チュンチュン…
男友「なぁ、早起きは三文の得っていうけど、三文程度の得ならギリギリの時間まで寝てる方がマシじゃね?」
男「つまりなにが言いたいの?」
男友「こんな朝早くに登校しなくてもいいじゃん」
男「いうほど早くないよ。予鈴まであと10分しかないし」
男友「オレの感覚がおかしいのかな。いつのまにか一限目の授業をサボるのが当たり前になってた」
男(ダメ人間だ……ダメ人間がここにいる)
-
友「ありがとう、男くん。男くんのおかげで今日は遅刻せずに済みそうだ」
男「うん、それはいいんだけど不良女さんは一人で起きれたかな?女子寮って基本一人部屋なんでしょ?心配だよ」
男友「ムリムリ。あいつは、他人に起こされるまでは無限に眠り続ける一種の化け物だから」
男「明日から起こしに行こうかな?」
男友「やめとけやめとけ。女子寮が男子禁制なのは知ってるだろ?裏ルートを使うというのなら話は別だけど」
男(聞かなかったことにしよう……)
-
友「せめて不良女に女子の友達が一人でもいればいいんだが」
男友「バカ言え。いいとこのお嬢様があいつに話かけられる場面を想像してみろ?どうなると思う」
男「…………」
友「…………」
男「泣く」
友「逃げだす」
男友「だろう?そもそもこんなお嬢様学校に入学したのが間違いだったんだよ」
友「オレたちも人のことは言えないけどな」
男友「まーねー」
男「そ、そこは認めるんだ」
-
・・・・
一年女子「嬢さん、おはよー!」
嬢「おはようございます、制服のリボンが曲がってますわよ。次からは気をつけなさい」
一年女子「はーい!」
二年女子「おはよー!嬢ちゃん!」
嬢「おはようございます先輩。いくらわたくしが年下だからといって、ちゃん付けはやめていただけませんか」
二年女子「えーいいじゃーん!」
男「…………」
男「オレ帰ってもいい?」
友「なぜこのタイミングで!?もう校門の前まで来てるじゃないか」
男「減点されるの嫌なんで」
友「は?」
男「ごめん、こっちの話」
-
乙乙
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