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女騎士「クッコロさん!」
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〜 これまでのあらすじ 〜
突如、王国に攻め込んできた凶暴な魔物、オーク。
騎士団の奮闘により、かろうじてこれを撃退するが、
オークはさらに強力な仲間が再びやってくると言い残し、息絶える。
今のままでは次の襲撃を防げないと悟った騎士団の面々は、それぞれ修行を開始する。
騎士団の紅一点である女騎士も戦いの道を選び、魔族クッコロに弟子入りするのだった。
それからおよそ半年後、ついに戦いの時が訪れた。
数匹のスライムを引き連れ、二体のオークが攻め込んできたのである。
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〜 荒野 〜
王子オーク「騎士どもの数も六匹か……ちょうどスライムと同じ数だな」
王子オーク「どうだ、きさまら! スライムと一匹ずつ戦ってみんか? ゲームだ!」
クッコロ「ゲームだと!? ふざけやがって……!」
ハゲ騎士「まあまあ、いいじゃないか!」
ハゲ騎士「こっちはまだ、団長が到着してないんだしさ!」
三つ目騎士「よし……こっちはオレが出る」ザッ
デカオーク「ぐひひひ……よぉし、お前から出ろ!」
デカオーク「人間の騎士ごとき、とっとと片付けちまえよ!」
スライムA「ピーッ!」
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三つ目騎士「……来い!」チャキッ
スライムA「ピィーッ!」ギュンッ
三つ目騎士「はあっ!」
ズバァッ!
スライムA「ピィ……ッ」ドサッ…
三つ目騎士「ふぅ……」
チビ騎士「やったぁ! さすが三つ目騎士さん!」
女騎士「みごとな一撃だった……!」
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王子オーク「ほう、なかなかやるじゃないか」
デカオーク「なにやってやがんだ、情けねえ! 人間なんかによ!」
王子オーク「さて、次はどいつだ?」
ハゲ騎士「よぉーし……」
イケメン騎士「オレにやらせてくれ」ザッ
イケメン騎士「ここらでお遊びはいい加減にしろってとこを見せてやりたい」
ハゲ騎士「イケメン騎士さん……」
イケメン騎士「さあ、きやがれ!」チャキッ
スライムB「ピィーッ!」バッ
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ドゴォォォンッ!!!
ハゲ騎士「イケメン騎士さぁぁぁん!」
クッコロ「なんて奴だ……自爆しやがった……!」
女騎士(バカな……!)
デカオーク「ちっ、相討ちかよ! 情けねえスライムだぜ!」
王子オーク「おい、汚いから片付けておけよ! そのボロクズを!」
ハゲ騎士「くそったれ……!」ギリッ…
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ハゲ騎士「うおおおおおおおっ! ――必殺、四連斬ッ!」
ザシュッ! ズバッ! ザクッ! ビシュッ!
スライムC「ピギャ!」 スライムD「ギャァァ!」
スライムE「グェ!」 スライムF「ピィ!」サッ
ハゲ騎士「ちぇっ、一匹外しちまった!」
スライムF「ピギャアアアッ!」ギュンッ
女騎士(しまった! 外した奴が私に!)
クッコロ「くたばれ!」バッ
ドゴォッ!
スライムF「ピギャア……」
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女騎士「ありがとう……クッコロさん!」
クッコロ「勘違いするな。あの二匹と戦う前に、ウォーミングアップをしたにすぎん」
王子オーク「スライムがあっさり全滅とはな、面白くなってきた」
デカオーク「よぉし、オレにやらせてくれ」
デカオーク「一瞬で五人まとめて片付けてみせるぜ」
王子オーク「好きにするがいい」
クッコロ「ここからが本番だ……くるぞ!」
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デカオーク「はああああっ!」ドドドッ
三つ目騎士「!」チャキッ
ボゴォッ!
三つ目騎士「ぐはぁっ!」ドザァッ
三つ目騎士「がはっ、げほっ!」
三つ目騎士「たった一撃で……これほどのダメージを……!」ゲホッ
ハゲ騎士「三つ目騎士!」
女騎士「拳が鎧にめり込んだだと!?」
クッコロ「バケモノめ……!」
王子オーク「ふん、もろい奴らだ……」
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チビ騎士「三つ目騎士さんは死なせない! ボクがあいつをやっつける!」ジャキッ
三つ目騎士「あ、あれは、命と引きかえに放つ必殺剣!」
三つ目騎士「やめろぉーっ!」
チビ騎士「さよなら三つ目騎士さん、どうか死なないで……」
チビ騎士「だああっ!」ブオッ
パキィンッ!
チビ騎士「剣が……!」
デカオーク「なにが必殺剣だ、こんなヘナチョコ技が通じるかよ」
チビ騎士「うぅ……」ドサッ…
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三つ目騎士「許さんぞ! うおおおおおおっ!」
デカオーク「お!? ――なんだこの殺気は!?」
ボゴォッ!!!
デカオーク「ふうっ、おどかしやがって……」
三つ目騎士「む、無念……」ガクッ
女騎士「あの二人が立て続けに……!」
ハゲ騎士「団長ーっ! 早くきてくれーっ!」
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王子オーク「団長? そいつはきさまらのリーダーか」
ハゲ騎士「そ、そうだ! お前たちを倒すために修行して、今ここに向かってる!」
王子オーク「ほう、面白い。なら、到着するのを待ってやる」
王子オーク「ただし、三時間だけだ」
デカオーク「なにいってんだ、王子!」
デカオーク「こんなゴミども、とっとと片付けちまおうや!」
デカオーク「オレは今遊ぶぜ!」ドドドッ
王子オーク「デカオーク! オレのいうことが聞けんのかっ!!!」
デカオーク「!」ビクッ
デカオーク「す、すまねえ……! つい調子に乗っちまって……」
女騎士(あの怯え方……! 後に控える小さなオークはさらに強いということか……!)
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王子オーク「……三時間経った」
王子オーク「どうやら、きさまらの切り札は来ないようだな」
デカオーク「ぎひひひ……残り三匹か、たっぷり遊んでやるぜ!」
クッコロ「くっ……!」
ハゲ騎士「なにやってんだよ、団長……!」
女騎士「くそっ……」
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ハゲ騎士「いくぜ!」
ハゲ騎士「でやあああああっ!」スタタタッ
ハゲ騎士「だりゃあっ!」ザシュッ
デカオーク「ぐっ!?」
王子オーク「ほう、動きだけはなかなかのものだ!」
デカオーク「よくもオレに傷をつけやがったな!」ドゴォッ
ハゲ騎士「ぐはっ……!」ドサッ
クッコロ「次はオレが相手だ!」
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ガッ! ドガガッ! バキィッ!
クッコロ「ぐおぉっ……!」
デカオーク「いい気になるんじゃねえぞ、ザコが!」
女騎士(クッコロさんでも歯が立たんのか……!)
女騎士「クッコロさん逃げてくれ!」
女騎士「団長が来るまでは、この巨大なオークは私が食い止める!」
クッコロ「へっ、てめえだけで食い止められるわけないだろ……」
デカオーク「オレを食い止めるだと……!?」
デカオーク「笑わせやがって、このアマァ!」ダッ
クッコロ「しまった!」
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デカオーク「くたばれっ!」ブオッ
女騎士「はああっ!」タンッ
ザシュッ!
デカオーク「ぐわぁぁ……! いてぇぇっ!」
クッコロ「なんだと!?」
ハゲ騎士「す、すげえ……!」
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デカオーク「ぐはっ……ち、血が出てるじゃねえかぁ……!」ポタポタ…
デカオーク「このアマァ……これまでだ! 本気でやってやる!」
デカオーク「死ねぇぇぇっ!!!」ダダダッ
女騎士「う、うわっ!」
ドゴォォンッ!!!
女騎士「…………」
女騎士(あ、あれ……?)
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クッコロ「逃げろ……女騎士……」ドサッ…
女騎士「クッコロさん!? 私をかばったのか……!」
デカオーク「ん……?」
デカオーク「ちっ、殺す順番が変わっちまったか!」
クッコロ「情けない話だぜ……クッコロ大魔王ともあろう者が……」
クッコロ「女をかばっちまうなんて……最低だ……へへへ……」
クッコロ「きさまら騎士団のせいだぞ……甘さがうつっちまった……」
クッコロ「だ、だが……」
クッコロ「きさまといた数ヶ月……わ、悪くなかったぜ……」
クッコロ「死ぬなよ……女騎士……」ガクッ
女騎士「クッコロさぁん!!!」
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女騎士「うおおおおおおおっ!!!」
デカオーク「な!?」
ハゲ騎士「うぐ……女騎士、すごい気迫だ……」
王子オーク「ほう」
王子オーク「人間は精神状態によっては大きく力を上げるというが……」
王子オーク「なるほど、大したものだ」
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女騎士「だああああっ!」ヒュオッ
デカオーク「うおおおおおっ!」ブオッ
ガキィンッ!!!
女騎士「ぐ……!」
デカオーク「女のくせにすげえことやってくれるじゃねえか……」
デカオーク「腕がちょいとばかりシビれちまったぜ……」
女騎士(くそっ、今の一撃で力を使い果たしてしまった……!)ガクッ…
デカオーク「さてと、トドメを刺してやるぜ!」
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女騎士「クッコロさん……すまない……!」
デカオーク「ぎひひひ……すぐにあの世で会わせてやるよ!」
王子オーク「ふん、ここまでのようだな」
王子オーク「!」ピクッ
王子オーク「この気配は!?」
騎士団長「待たせたな」ザッ…
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女騎士「団長……!」
女騎士「ついに……ついに来て下さったのですね!」
騎士団長「うむ、遅れてすまなかった」
騎士団長「どうやら力を使い果たしてしまったようだな、女騎士」
女騎士「は、はい……」
騎士団長「もう戦うどころか、立つこともままならんだろう」
女騎士「お、おっしゃるとおり、です……」
騎士団長「つまり、全てシナリオ通りというわけだ」ニヤ…
女騎士「え……?」
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騎士団長「みんな、もう起きていいぞ!」
女騎士「え……?」
スライムA「ピィ」ムクッ スライムB「ピッ」ムクッ スライムC「ピギッ」ムクッ
スライムD「ピィィ」ムクッ スライムE「ピィィ」ムクッ スライムF「ピィ!」ムクッ
三つ目騎士「よっと」ムクッ チビ騎士「ほいっ」ムクッ ハゲ騎士「じゃあオレも」ムクッ
デカオーク「ぎひひひひ……うまくいったな!」
王子オーク「ああ」
女騎士「え……? え……!?」
女騎士(なんだこれは!? ――どういうことなんだ、これは!?)
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女騎士「これはどういうことですか、団長!?」
騎士団長「全ては演技だったというわけだ」
騎士団長「力を使い果たしたお前を、こうして大勢で取り囲むためのな」
女騎士「そ、そんな……」
騎士団長「ああ、ついでに半年前に騎士団で倒したはずのオークも来ているぞ」
騎士団長「シナリオはあの時からすでに始まっていたからな」
オーク「ちわっす!」ザッ
デカオーク「久しぶりだな、弱虫!」
王子オーク「ご苦労だったな」
三つ目騎士「あの、団長……」
三つ目騎士「イケメン騎士は、ニセの自爆で本当に死んでしまったようですが……」ボソッ
騎士団長「なに? ……仕方あるまい。あいつはもういい」ボソッ
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女騎士「だれだ!? こんなふざけたシナリオを考えたのは!?」
女騎士「団長か!? それともオークどもか!?」
騎士団長「いいや、そのどちらでもない」
王子オーク「オレたちはあのお方のいうとおりにやっただけのことだ」
女騎士「な、なにっ!?」
クッコロ「みんな、ご苦労だったな」
クッコロ「女騎士の驚愕に満ちたその表情……実にすばらしい。すばらしいぞ!」
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女騎士「クッコロさん!? な、なぜ……!?」
クッコロ「オレのなによりの楽しみは、絶望を味わった女を大勢でなぶることなんだ」
クッコロ「そのために、騎士団とオークたちに協力してもらったのだ」
クッコロ「師匠にも上司にも仲間にも、敵にさえも裏切られ、絶望したお前を」
クッコロ「オレと騎士団とオークで蹂躙するという、一大イベントのためにな……」
女騎士「そんな! ウソだ、ウソに決まっている!」
クッコロ「フハハハ、ウソじゃねーよ!」
クッコロ「オレの死を乗り越え、騎士団長と一緒に王子オークとデカオークを倒したら」
クッコロ「次は宇宙オークだの、人造オークだの、魔人オークだのが出るのを期待したか?」
クッコロ「出ねーよッ! このバカ女が!」
クッコロ「オレは大魔王だぞ!? 下心なしで女を弟子にするわけねーだろ!」
クッコロ「さぁ、皆の者よ! この女をしゃぶりつくしてやるぞ!!!」
オーッ!!!
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クッコロ「おい」
女騎士「え……?」
クッコロ「悔しいだろ? 絶望してるんだろう?」
クッコロ「さぁいったらどうだ! あのセリフを!」
女騎士「く、くくくぅ……」
女騎士「くっ、殺せ!」
クッコロ「よくできました! もちろんいうまでもなく、残念ながら殺しはしない!」
クッコロ「お楽しみの始まりだァ!!!」
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女騎士(なんてことだ……!)
女騎士(私はこの大芝居にまんまと引っかかってしまった……)
女騎士(なのに、こんなにも大ピンチだというのに……)
女騎士(これから私が味わわされるであろう苦痛や快楽のことを考えると……)
女騎士(どうしてもワクワクしてしまう……!)
おわり
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そんなのってないよと思ったけど女騎士が楽しそうだからまぁいいか
乙
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どう落とすのかと思ったら実に女騎士らしいオチだった
乙
-
乙
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だめだ、理解が追いつかん……
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ヤムチャがイケメンって時点でついていけなくて脱落した
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