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王「よくぞ戻られた勇者よ」
-
勇者「……」
姫「必ずや魔王を打ち倒し戻られると信じておりました…」
勇者「………」
姫「勇者様…?」
王「誰か勇者に手当てを!
そして人類の勝利を存分に祝おうぞ!!」
勇者「……」
姫「あの…勇者様…お仲間の方々はどちらへ…。
私の友人の魔法使いもご一緒だったはずですが…」
勇者「…」ピクッ
姫「…あの」
勇者「……ました」
姫「…え?」
勇者「死にました。
この国から旅立った物は皆、殺されました」
"
"
-
姫「……嘘…」
王「おお…なんという事だ…」
勇者「…旅の報告をさせて頂いてもよろしいでしょうか」
王「…許可する」
姫「………」
勇者「…この国を共に旅立った魔法使い、僧侶、戦士。
今、話したように彼らはもうこの世にはいません。
彼らは決して弱いわけではありませんでした。
魔法使いは聡明で、年端もいかぬ少女でしたが常に冷静で対局を見据えていました」
姫「…はい。私と同じ歳で天才と呼ばれ、この国で最高の魔導師だったと言われています」
勇者「ええ。彼女がいなかったらここへは戻ってこれなかったでしょう」
-
姫「…とても可愛い子でした。
そんなあの子が死んだなんて…うぅっ…」
勇者「…僧侶はとても優しく、慈愛の溢れる女性でした」
王「ふむ…儂も彼女の話はよく耳にしたぞ」
勇者「その優しさが彼女の弱点でもありました。
最初に死んだのは彼女です」
姫「…!」
-
勇者「この国を出て、俺たちは王様の助言通りにサイタマ村を目指しました。
道中、幾度と無く魔物の襲撃を受け、僧侶も魔法使いも魔力をほとんど使い果たしてしまい、近くにあったヤマナシ村で一晩泊まることにしたのです」
勇者「村人達は快く迎えてくれました。
宿も食事も無償で提供してくれ、ヤマナシの人々はとても優しくしてくれました」
姫「まぁ…後でお礼の言葉を送らせてーーーーー」
勇者「必要ありません。
ヤマナシ村はもう誰もいませんからね」
姫「…はい?」
勇者「罠だったんです。
村人は俺たちを殺そうとしました」
姫「っ!?」
-
王「何故そのような事を…」
勇者「…魔法使いが気付かなかった全滅していたでしょうね。
僧侶、戦士は何の疑いも持たずに施しを受けた。
食事に薬物が入ってる事にも気付かずにね」
"
"
-
魔法使い『勇者様』
勇者『どうした?
夕食の準備ができたみたいだ。
食堂へ行こう』
魔法使いはフルフルと首を横に振った。
魔法使い『ダメ。これは罠』
勇者『何を言って…』
魔法使い『この村に来た時におかしいと思った。
夫婦が多いのに、って』
勇者様『…それが何か?』
魔法使い『子供が1人もいない』
-
勇者『…!』
魔法使い『民家の前に子供の遊具があるのに、子供がいないのはおかしい。
勇者様が村に来たというのに、年頃の子供達が家に籠っているでしょうか?』
勇者『…人質に取られている、か』
魔法使い『確証は無い。
この計画はとても粗さが目立つ。
恐らく頭の悪い魔物が急いで考えたと思う』
-
勇者『なるほどな…普段ならあり得ない道中の魔物の多さは時間稼ぎをしつつ、ここへ誘導するため…か?』
魔法使い『その可能性が高い』
勇者『……村人達が計画を失敗すれば子供達は殺される。
いや、村ごと消されるか…』
魔法使い『成功すれば私達が死ぬ。
そしてこの村も無くなる』
勇者『つまり元凶の魔物を倒すしか無いってわけだな』
魔法使い『この村を見捨てて逃げ出すこともできる』
-
勇者『ダメだ』
魔法使い『ならば1度向こうの策に乗ろう。
ちょうどお腹も空いている』
勇者『ちょっと待て。
お前の口ぶりから、食事に何か盛られているってことじゃないのか?』
魔法使い『恐らく。
これを飲んで』
魔法使いから白い錠剤が渡された。
魔法使い『解毒剤。
飲んでから数時間、睡眠薬程度なら解毒できる』
-
勇者『…即死するような猛毒の可能性は?』
魔法使い『ない。村人の受けた命令は
「勇者を拘束及び眠らせて連れて来い」
のはず。
勇者様を自分の手で殺して手柄にしたい、頭の悪い魔物の考えそうな事』
勇者『即死するような猛毒だったら、全員同時に食べさせなきゃいけなくなるからな…』
魔法使い『そう。恐らく遅効性の強力な睡眠薬。
夜中寝静まった頃に捕らえようとしている』
-
勇者『睡眠薬で寝たフリして、敵の所まで連れて行かせるってことか…もし村人達がその場で殺そうとしたら?』
魔法使い『その時はその時。
出来るだけ危害を与え無いようにする』
勇者『…分かった。
お前も無理はするな』
魔法使い『平気。
もう食堂に向かった2人が心配』
勇者『不味いな…どうにか2人にも解毒剤を飲ませ無いと…』
魔法使い『ごめんなさい。
手持ちはこれだけ』
勇者『気にするな。
ここで話していても怪しまれる。
早く行こう』
魔法使い『ええ』
-
ちょいと中断
-
支援
-
再開
支援thx
『』は過去の会話です
-
戦士『おお勇者!
何してんだ!早く食えよ!うまいぞ!』
ガツガツと料理にを口に放り込みながら戦士が呼んでいる。
僧侶『もう戦士さんたら…。
もっと行儀良く召し上がりましょうよ。
でも本当に美味しいですね』
ニコリと微笑みながら、上品に料理を口に運んでいた。
勇者(よかった…2人とも無事だったか)
勇者『ああ。俺もいただくよ』
魔法使い『いただきます』
-
村人『どうでしょうか、この村の自慢の料理は』
勇者『とても美味しいです。
すいません、このような贅沢をさせてもらって…』
村人『とんでもない。
勇者様となれば、これ位当然ですよ』
勇者『ありがとうございます。
あ、一つお伺いしてもいいですか?』
村人『何かございますか?』
勇者『すいません、トイレの場所を…』
村人『この食堂を出て突き当たりにございます』
魔法使い『……』モグモグ
-
勇者『トイレお借りしました』
村人『ささ。どんどん召し上がってください』
カサッ
魔法使い『……?』
魔法使い手元に紙クズが転がっていた。
キョロキョロと軽く見渡し、紙クズを開く。
魔法使い『……!』
-
魔物に囲まれている
数は分からない
油断するな
こう書かれていた。
魔法使い(……読み違えた)
勇者『………』コクリ
無言で魔法使いに勇者は頷いた。
魔法使い(…でも想定内)
-
ガタンッ!
突如、僧侶が椅子から崩れ落ちた。
戦士『どうした僧侶?
そんなに疲れて…た……の…』
べチャッ
前のめり倒れた戦士は料理に顔を埋める。
勇者『う…なんだ…?』
魔法使い『………』
ドサッ、ドサッと2人も続けて倒れ込んだ。
村人『……申し訳ありません。
こうするしか…』
-
勇者達が倒れているのを確認したのか、魔物が一斉に雪崩れ込んでくる。
魔物『ヨクヤッタ。コレデ全員ダナ』
村人『は、はい。
約束通り子供達を…!』
魔物『イイダロウ』
ドスッ
村人『あ…え…?』
槍が腹部を貫いていた。
ゴポッと村人の口から血が溢れ出す。
村人はそのまま崩れ落ちた。
魔物『ガキ共トアノ世デ会ウンダナ!グハハ!』
魔物共がゲラゲラと下品に笑う。
-
勇者(くそッ…すまない…!)
魔物『サッサト殺ッチマオウゼ!』
魔物『男ワ殺セ。
女ワアトデ楽マセテモラウ』
魔物『僧侶ワ上玉ダァ!
ヒヒッ!イツマデ持ツカナァ!』
魔物『コッチワガキジャネーカ』
魔法使い(…ガキじゃない)
魔物『無様ダナ勇者。
ココデ無惨ニ死ネ』
スッと槍を勇者に向けた。
勇者『ああ。お前が死ね』
ドバッ!
-
勇者の放った一閃で魔物の首が空を舞った。
頭を失った魔物の体を蹴り飛ばし、後ろにいた魔物を仰け反らせる。
魔物『ドウイウコトダ!』
魔物『クソッ!勇者ヲ殺セ!!』
魔物が一斉に勇者の方へと向かう。
食堂内が足音と怒声で揺れる。
勇者『今だ魔法使い!飛べ!!』
魔物『!?』
魔物『アノガキモオキテヤガッタノカ!』
-
魔法使い『ガキじゃない。
勇者様も早くこっちへ』
魔法使いは戦士と僧侶のそばに移動し、詠唱を始めていた。
勇者『ああ!』
魔法使いの方に注意が逸れた隙に、勇者が魔物達を飛び越えて魔法使いの横に着地する。
魔法使い『御機嫌よう』
魔物『逃ガスナ!!』
再び魔物が勇者達を目掛けて走り出す。
しかし、嘲笑うかのように勇者達は消えていった。
魔物『クソッ!転移魔法カ!』
魔物『見ツケダシテ殺セ!!』
-
魔物の駆けずり回る足音と叫び声が響き渡る。
勇者『ふぅ…助かったよ魔法使い』
魔法使い『ここはどこです?』
勇者『二階の倉庫だ。
さっき抜け出したときに、お前から渡されたこれを貼っておいた』
魔法陣の書かれた紙を指差す。
魔法使い『ごめんなさい。
転移魔法は得意ではない、座標となるその魔法陣が無いと上手く飛べない』
勇者『いや、頼りになるよ。
とは言ってもここもすぐ見つかるだろう。
起きる気配の無い2人はとりあえずそこの押入れにでも詰めておくか』
魔法使い『敵は残り11体。攻めるなら私達を探してばらけている今』
勇者『ああ。行くぞ』
-
ザクッ!
魔物『ガアアッ!!』
勇者『今ので終わりか…。
……なんて酷いことを』
魔法使い『ごめんなさい。
もっと早く気付けていたら』
勇者『お前は悪くない。
悪いのは俺だ』
魔法使い『生存者0。
家の中も外と同じ惨状』
勇者『…そうだ!子供達は!?』
魔法使い『さっき魔物を縛り上げて吐かせた。
ここから北の洞窟にいる。
排泄物を垂れ流しながら泣いて言ってた』
勇者『…お、おう』
魔法使い『ちゃんとトドメは刺した』
勇者(何をして吐かせたんだ…)
-
勇者『ここか…』
魔法使い『……見張りがいない』
勇者『俺が先に行く。
後ろに気を付けてくれ』
魔法使い『……』コクリ
洞窟内に勇者と魔法使いの足音だけが響く。
勇者『…暗いな。足元に気を付けて』
-
魔法使い『これを』
ポッと小さな火の玉が勇者の前に浮かび上がる。
勇者『おい、魔物が…』
魔法使い『大丈夫』
勇者『確かに物音一つ聞こえないが…』
魔法使い『………』
勇者『……曲がりか。
気配は無いが油断するな』
魔法使い『………』コクリ
勇者の動きが止まった。
-
勇者『………来るな!』
魔法使い『……分かっていた』
勇者『なんで…なんで……』
無惨に殺された子供の亡骸を勇者が抱え上げる。
勇者『…気付いていたのか』
魔法使い『…見張りがいなかったから。
それと食堂で魔物がこう言っていた。
「ガキ共トアノ世デ会ウンダナ」と』
勇者『すまない…すまない…!』
-
魔法使いは手を合わせ軽く会釈し、亡骸を調べた。
魔法使い『…血の乾き方から殺されて1日以上経っている。
私達が村に着いた時にはもう…』
勇者『…くっ』
魔法使い『…弔いましょう』
勇者『…ああ。
村人達も…俺達ができるせめてもの償いだ』
魔法使い『…はい』
-
戦士『……ふざけ…やがって』
僧侶『…ごめんなさい…ごめんなさい』
魔法使い『…魔法陣の準備は終わった』
勇者『ああ。やってくれ』
魔法使い『…はい』
魔法使いが詠唱を始めると巨大な火柱が村を包んだ。
勇者『行こう。
…そして必ず魔王を討つ』
-
今日はここまで
久々にしたらば使ってるけど広告が邪魔過ぎる…
-
乙、面白い
あの有名な勇者SSを彷彿とさせるな
あ、専ブラ使うと良いかと
-
パクリ臭半端ねえ
-
乙乙
-
>>33
いやそんな事…
-
専ブラ落とした
-
姫「……」
姫は呆然とした表情で立ち尽くしていた。
勇者「それがヤマナシ村での出来事でした」
王「…辛かったであろう」
勇者「いえ、辛かったのは村人です」
姫「…酷い」
勇者「…酷い、か。
…そんなもの地獄への序章にも過ぎませんでしたよ」
姫「…え?」
勇者「俺達は野営をしながらサイタマ村に着きました。
魔法使いはともかく、気の優しい僧侶はヤマナシ村の件で限界だったのです」
-
勇者『いい加減にするんだ僧侶!』
僧侶『ごめんなさい…ごめんなさい…』
戦士『もういいから!こんなん唾付けておけば治るって!』
魔法使い『…怪我した』
僧侶『どこ!?どこを怪我したの!!』
血相を変えて僧侶が魔法使いに詰め寄る。
そこには美しかった淑女はもういなかった。
魔法使い『手の平…よく見て』
僧侶『早く見せて!!すぐ治すから!!』
魔法使い『えいっ』
ポンッと魔法使いの手の平から煙が立つ。
僧侶『…あ…う』
僧侶はその場に倒れ込んだ。
-
戦士『お、おい。魔法使いちゃん…』
魔法使い『大丈夫。ただの催眠魔法。
いつ起きるかは分からない。
早くサイタマ村へ』
戦士『あ、ああ…』
勇者『ヤマナシ村の件もある。
先ずは俺一人で行って様子を見てくる。
戦士と魔法使いは僧侶を頼む』
戦士『待て待て。俺が行く』
勇者『大丈夫だ』
戦士『この村は昔住んでて土地勘がある。
何かあったらすぐに戻るからよ』
勇者『そうか…なら任せる。
気をつけるんだぞ』
戦士『わぁーってるよ』
-
サイタマ村
戦士『久しぶりだなこの村も…。
何も変わってねぇや』
武器屋『さーいらっしゃい!
おっ!そこの戦士さん!
いい剣が入ってるよ!』
戦士『よっ。おやっさん。久しぶり』
武器屋『…っ!?
お前…戦士か!?』
戦士『おやっさんも変わってねぇな。
娘さんは元気か?』
武器屋『…勇者のパーティーに入ったってのは本当か?』
戦士『…?ああ、そうだが』
武器屋『逃げろ!!今すぐこの村から離れるんだ!』
戦士『は?』
-
勇者『遅いな…』
魔法使い『…戻ってきた』
勇者『すぐ戻れって言っただろ!』
戦士『逃げるぞ。次の目的地に行こう』
勇者『何言って…』
戦士『これを見ろ』
1枚の紙を勇者に見せた。
勇者『…!?』
魔法使い『……嵌められた』
そこにはこう綴られていた。
-
勇者がヤマナシ村を襲い物資を強奪
村人を皆殺しにして火を放つ
勇者『何だこれは…!』
戦士『…最後まで読め』
勇者達を捕らえた者には賞金を与える
生死は問わない
その横には四人の似顔絵が描かれていた。
-
戦士『…すぐに逃げてきたが、もしかしたら俺も気付かれたかもしれん。
今すぐここを離れた方がいい』
勇者『魔物の仕業か…?
物資も底を尽きている。
補充無しに進むことは難しい…』
魔法使い『僧侶さんの治療もしたい』
戦士『……分かった。
ここにいても魔物に襲われるかもしれない。
裏山に俺が住んでいた家がある。
そこで夜を明かそう』
-
戦士『あれだ。
良かった、まだ住めそうだな』
勇者『入ろう。日も暮れてきた』
魔法使い『…汚そう』
戦士『何年も手つかずの家なんだからしょうがないでしょ…』
勇者『僧侶をとりあえずベッドに寝かせよう。
水はあるか?』
戦士『外に井戸がある。
沸かせば使えるはずだ』
勇者『分かった。
魔法使いは火の用意を頼む』
魔法使い『…ん』コクリ
-
僧侶『…う』
勇者『…目が覚めたか?』
戦士『飯出来たぞー。
あ、僧侶ちゃんも目が覚めたのか。
ちょうどよかった』
魔法使い『私も手伝だった』
戦士『いや…うん…助かったよ』
勇者『魔法使いって料理は…』
戦士『察せ』
-
戦士『はい。僧侶ちゃんの分』
ベッドの上の僧侶に取り分けた器を渡す。
僧侶『…ありがとうございます。
美味しい…とても温まります』
戦士『そこら辺の食べれる山菜とかキノコを調味料で煮ただけだけどねー。
男の料理って奴だよ』
勇者『…意外だな。
お前料理上手だったとは…。
(ちょっと具がデカイが…っていうか切ってなくない?)』
魔法使い『私が野菜を切った』
僧侶『ふふっ。美味しいですよ』
-
勇者『さて…。
この後どうするか…』
戦士『村へは入れないぞ』
勇者『分かってるよ…』
魔法使い『私なら入れる。
この手配書はフードでほとんど顔が描いていない。
フードを外して行けば…』
勇者『ダメだ。危険過ぎる』
魔法使い『それに私は気配を消す魔法も使えるからほとんど危険は無い』
勇者『……無理はするな。
危ないと思ったらすぐに逃げるんだ』
魔法使い『はい』
-
魔法使い『いってきます』
勇者『最低限の物だけ買ってすぐに戻って来るんだ。
いいな?』
戦士『初めてのおつかいじゃねぇんだから…』
魔法使い『…子供じゃない。大丈夫』
僧侶『魔法使いちゃん…ごめんなさい』
魔法使い『…なんで僧侶さんが謝るの?』
僧侶『私がこんな風だから迷惑かけちゃって…』
魔法使い『…?
僧侶さんが迷惑だと思ったことはない』
-
戦士『ったく、助け合うのが仲間だろ?
魔法使いちゃんが迷惑なんて思ってるわけないって』
魔法使い『いや…戦士さんは汗臭くて迷惑』
戦士『嘘だろ!?』
勇者『マジだ』
戦士『嘘だと言ってよ僧侶ちゃん!』
僧侶『あ……いえ……ふふっ…』
戦士『そんなことないよな!?』
僧侶『……少しだけ』
戦士『 』
-
魔法使い『これとこれください』
村人『毎度あり!
おつかいとは感心だな!ハッハッハ!』
魔法使い『…お母さんに頼まれて』
村人『おお偉いな!
ウチの娘にも見習ってもらいたいもんだ!』
ワシワシと魔法使いの頭を撫でる。
村人『そうだ嬢ちゃん、この手配書に乗ってる奴らを見たら…』
魔法使い『!』
村人『すぐに大人に報告して……って、あら…消えた?』
魔法使い(…やはり村中に手配書がある)
魔法使い『…食料と薬草はこれでいいかな…あとは…』
-
村人達が集まっている。
魔法使い『…?』
『裏山の小屋に誰かいるらしいぞ』
『まさか…勇者達か?』
『その可能性は高い。
あそこは勇者の仲間の戦士が住んでいたらしい』
『どうする?
男を集めて捕まえに行くか?』
『ああ。あんな外道どもを野放しにしておく事はできん』
『勇者なんてクソ食らえだ!
ヤマナシ村の弔いに皆殺しにしてやれ!』
『オオオオオオオ!!!』
-
魔法使い(…知らせなきゃ)
ドンッ
魔法使い『ッ!?』
村人『何かぶつかったか…?』
魔法使い(しまった…魔法が…!)
村人『なんでいきなり女の子が……。
…ん?君、この村の女の子じゃないな?』
村人『…なぁ。この子、手配書の魔法使いに見えないか?』
魔法使い『……!』
-
僧侶『遅いですね魔法使いちゃん…』
勇者『大丈夫さ。戦士じゃないんだから買い物くらいわけないだろ』
戦士『俺の扱い酷くない?』
カラン カラン
勇者『…何の音だ?』
戦士『俺が昔仕掛けた罠だ。
紐を張った先に缶を結び付けたやつだな。
引っかかると音が鳴って誰かが近付いていること知らせてくれる』
勇者『ちょっと待ってくれ。
ってことは誰か近付いてきてるってことか…?』
戦士『…俺が見てくる。
僧侶ちゃんは任せた』
-
戦士『…チッ』
戦士は木の上に山を潜めていた。
村人『この先のボロ小屋だ。
勇者とは言えどこの人数で押し込まれれば何もできまい』
村人『全員準備はいいか?
一斉に突っ込むぞ』
戦士(不味いなこりゃあ…。
魔法使いちゃんの料理より不味いなぁ…。
クソッ…勇者1人で僧侶ちゃん抱えて逃げるのは無理だ…と、なると…)
戦士は溜息を吐いた。
戦士『おい!こっちだ野郎共!!』
戦士(気付け勇者!
んで僧侶ちゃん連れてさっさと逃げろ!!)
-
勇者(…村の方が騒がしい。やはり…)
僧侶『…あの勇者様』
勇者『…ん?』
僧侶『あの…私を…置いて行ってください』
勇者『…馬鹿なことを言わないでくれ』
僧侶『このまま足手まといになる位なら私は…』
勇者『動けるか?とりあえずここを出よう』
僧侶『勇者様!』
-
勇者『…ッ甘えるな!
ヤマナシ村の事を想うなら走れ!
魔王を倒すまで止まるんじゃない!!』
僧侶『…!』
勇者『行くぞ!』
僧侶『ま、魔法使いちゃんは…』
勇者『魔法使いは大丈夫だ』
僧侶『その根拠はどこから…』
勇者『…大丈夫だ』
僧侶『…ええ。魔法使いちゃんなら心配ないですよね。
…行きましょう』
-
戦士『ハァ…ハァ…』
戦士は村人を撒きつつ小屋の裏手に戻っていた。
戦士(反撃しねーで逃げ回るのはキツイな…。
どうにか勇者達も逃げれたみたいだ。
さて、どう合流するか……おっと)
村人が小屋から出てくる。
村人『もぬけの殻か…』
村人『まだベッドが暖かった。
そう遠くまで行っていないだろう』
ガッ
村人が1人倒れる。
村人『なっ!?』
戦士『悪い』
ガッ
戦士『当身だ…って聞こえてないか。
さて、勇者達追わねーと……ん?』
-
倒したはずの村人の1人が立ち上がる。
戦士「あら…?ちゃんと入ったはずなんだが…」
ビキッ
村人「見ツケタ」
戦士「!?」
ビキビキッ
村人「オオオオオオオオッ!!」
村人の姿が変化していく。
人間の姿の5倍ほどのに膨れ上がり面妖に形を変えた。
戦士「デーモンか!」
魔物「ふん。下等なデーモンと一緒するでない」
戦士「うっせ。
魔物なんざどいつも一緒だ」
魔物「クハハ。減らず口を叩く元気がいつまで続くかなぁ!?」
ドオオオン!!
戦士「ぐっ!!」
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倒したはずの村人の1人が立ち上がる。
戦士「あら…?ちゃんと入ったはずなんだが…」
ビキッ
村人「見ツケタ」
戦士「!?」
ビキビキッ
村人「オオオオオオオオッ!!」
村人の姿が変化していく。
人間の姿の5倍ほどのに膨れ上がり面妖に形を変えた。
戦士「デーモン!?
村人に化けてやがったのか!」
魔物「ふん。下等なデーモンと一緒するでない」
戦士「うっせ。
魔物なんざどいつも一緒だ」
魔物「クハハ。減らず口を叩く元気がいつまで続くかなぁ!?」
ドオオオン!!
戦士「ぐっ!!」
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二回書き込んでもうた…
ここまで
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二回書き込んでもうた…
ここまで
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パクリ乙
というか今更勇者系のssに新しさは期待できないわな
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いいじゃないか王道
すばらだよ
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勇者系はあまり読んだことないから面白く読める
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>>62
なぜそんなに自分に厳しいんだ?
面白いぞ、乙
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あっ……
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自分に厳し過ぎる
"
"
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