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エルフの少女「うわわわわ、オークさん、これが海ですか……?」
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オーク「本当に初めてなんだな」
エルフ「森の民を舐めないで下さいよ!」
エルフ「本当にしょっぱいんですね、泉の水とは全然違う」
エルフ「おおっと、ここで貝殻とカニさんを発見!オークさんコレはどうすれば!?」
オーク「はしゃぐのはいいが泳ぐならまず準備運動からな」
女騎士「ふふふ、たまには私に感謝する気持ちが生まれたかね?」
オーク「しかしなんで騎士様がライフセイバーの真似事なんか」
女騎士「湾岸警備の応援だぞ、正式な仕事なのだからアルバイトのように言って貰っては困る」
オーク「はいはい、それでなんで中央勤めのお前が湾岸警備を?」
女騎士「停戦後の緊張も解けてくると、いつもの騎士業務が閑職でな……」
エルフ「おっ、そろそろリストラいきますか?」
女騎士「やめて!冗談で済まないかも知れない薄らとした不安が!!」
オーク「……まあ、こんな機会でもなけりゃエルフに海を見せてやれなかったろうしな」
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あ、言い忘れてましたが↓の続編的なものになります
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1419364313/-100
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オーク「しかしなんだ、お前のその恰好は」
女騎士「流石のオークと謂えどこれには注目せざるを得ないようだな!」
エルフ「これが噂に聞くビキニアーマー……」
女騎士「海だからな!」
オーク「正しいような正しくないような……」
女騎士「どうした、思わず劣情が押えきれなくなったか?」
オーク「いやそれは無いが」
女騎士「本当に?これっぽっちも?」
オーク「くどい」
女騎士「……まあいいさ、一応これでも正式採用装備だからな、自分で選んだワケでも無し」
エルフ「えっ、それで正式な装備なんですか!?」
オーク「かねがね思ってはいたが、人間軍の装備とはいったい」
女騎士「そっちの話題には食いつくのか……」
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女騎士「まあお前たち亜人と比べて人間の身体能力は劣るからな」
女騎士「その分鎧自体も軽量化して、素材強度ではなく聖別や加護によって防御力を高める方向に進化したのだよ」
女騎士「特に我々のような技量はあれど非力な女騎士の場合、更に極端になると」
オーク「非力……?」
女騎士「おいコラ真っ先に突っ込むところがそこか!」
エルフ「それで、ビキニにする意味は?」
女騎士「ぶっちゃけ開発者の趣味だ」
オーク「本当にぶっちゃけたな」
女騎士「ハンドメイドの職人技に頼ると、ご機嫌取りにどうしてもデザインぐらいは自由にさせてやらねばならぬのだ」
女騎士「しかも性質が悪いことに、替えが利かないほど高性能なんだよなあ」
エルフ「女騎士の闇は深いですね……」
オーク「お前の痴女姿にはそんな理由があったのか」
エルフ「でも着せられてまんざらでもない?」
女騎士「まあな、己の肉体に恥じることろ無し!」
オーク(せめてその頭の中身ぐらい恥じらいでくれぬものか)
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エルフ「オークさん、女騎士さんだけではなく私の姿の感想もお願いします」
オーク「ああ、かわいいぞ」ニコッ
女騎士「ついぞ私には言わなかった一言をそんなにアッサリと!?」
エルフ「日頃の教育の賜ですね、ついにオークさんにも少女趣味の世界が開かれたのです!」
オーク「いや、やましい意味は一切なく少女らしくてかわいいというだけなのだが……」
女騎士「残念だったな、やはりオークは君をまだ一人の女性とは認めていないようだぞ!」
エルフ「そういう女騎士さんは一人の女性として認められた上で積極的に無視されているワケですが」
女騎士「その事実は改めて説明されると重いぞエルフ……」
エルフ「まあ、この趣味の良さぐらいは認めてあげてもいいです」
女騎士「私が見繕ってきた水着だと言うのに上から目線か君は」
エルフ「今日はすでに一勝してますからね」
女騎士「くっ……」
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女騎士「エルフのイメージに合わせた淡いグリーン系で統一されたカラーに」
女騎士「これでもかとばかりに贅沢に使用されたフリル」
女騎士「少女の未発達な体を強調せず、さりとて隠し過ぎもしない絶妙な布面積」
女騎士「流行を取り入れて背面は少し大胆に、大人びた解放感を与えてくれる」
女騎士「ちなみに価格は経費でプライスレスだ」
オーク「一体誰に向かって語っていたんだ……?」
エルフ「プレゼントという割には自分の懐は痛めてないんですね」
オーク「俺たちが乗ってきた馬車の手配と言い職権乱用が過ぎないか?」
女騎士「乱用とは何だ、金は国の血液ぞ、使ってやらねば端から腐る」
オーク「これで門閥貴族のポケットマネーなら恰好はつくのだがな」
エルフ「経費ですよね、国防費ですよね、国民の皆さんの血税なんですよね」
女騎士「実は水着は魔力親和素材の試作品、馬車は乗り合わせだから手配料金に差は出ない」
エルフ「ネタ晴らしされると一気にケチ臭くなりましたね」
女騎士「ねえ、私いったいどうすれば評価して貰えるのかな……?」
オーク「もう諦めろとしか」
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女騎士「では今度はオークのファッションチェックだな」
オーク「需要あるのかそれは……?」
エルフ「露出が少ないですねー」
女騎士「我々が露出度に気を使っているなかで全身水着など」
オーク「あのなあ……」
オーク「こうでもしておかないと一般客の方が怖がるだろう」
女騎士「何故だ?」
オーク「古傷、結構生々しいのがいっぱい」
エルフ「あ……」
オーク「もちろんお前から受けた刀傷も残ってる」
女騎士「あ、あのときは貴様だって棍棒で思いっきり殴ってきたではないか!」
オーク「鉄の塊でも殴ったような手応えだったし、吹き飛んだもののお前ぴんぴんしてたじゃないか」
女騎士「ガワは無事でもああいうのは内側に結構くるんだぞ!?」
エルフ「おおっと、昔のワケあり関係トークで私は蚊帳の外ですかー?」
オーク「あ、いや……そういうことではないぞエルフ」
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女騎士「まあ全身水着自体はまだいいとして、そのスイカ柄はどうにかならなかったのか……」
エルフ「かわいいといえばかわいいですけど……」
女騎士「ぶっちゃけダサい」
オーク「急いで準備したからな、安い投げ売り商品買ってきたらコレだよ」
オーク「まあ俺はあまり見た目など気にしないほうだし」
女騎士「他の悪い虫が近寄らないと思えば悪くも無い」
女騎士「それによくよく見れば似合っているぞ、特に……」
エルフ「お腹とか本物のスイカみたいでおいしそうですね」
女騎士「くっ、先を越された!?」
エルフ「ふふふ、不純な意味合いをどう入れるかで言葉選びに悩みましたね?」
女騎士「その隙を突きおったか……この女騎士一生の不覚!!」
エルフ「このエルフ容赦せん!」
オーク「君たちはいったいさっきから何の戦いをしているんだね?」
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エルフ「あはははは」キラキラ
女騎士「うふふふふ」キラキラ
オーク「それじゃ俺はそこの海の家でなんか買ってくるから」
女騎士「女ふたりが波打際でキラキラキャッキャウフフしているのに無視か貴様はッ!?」
オーク「面倒臭い奴だな……二人で楽しんでいればよかろう」
エルフ「えー……オークさんも見てないのにこのテンションを維持しなきゃダメなんですか?」
女騎士「エルフお前、やはり得点稼ぎに過剰なリアクションを……」
エルフ「そういう女騎士さんだってあざとい角度を探そうとオークさんの方をチラ見しまくってたんじゃ」
女騎士「……」バチバチ
エルフ「……」バチバチ
女騎士「あっ、オークが消えてる!?」
エルフ「いつの間に!!」
オーク(あの二人に付き合ってたらいつまでたってもあの場を離れられん)
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コボルト「へいらっしゃい!!」
オーク「お前か」
コボルト「旦那ですかい、こんなところで出会うなんて奇遇ッスね」
オーク「世間は狭いと言うか……なんでこんなところまできてバイトしてるんだ?」
コボルト「ほら、去年の末に酔っぱらいのオーガに家の壁がぶち抜かれたじゃないですか」
オーク「そういえばそんなこともあったな」
コボルト「未だに色々と物入りで、稼げるときに稼いでおこうかと」
オーク「お前も大変なんだな……」
コボルト「それで旦那、何にしやしょうか?」
オーク「焼きそばは鉄板だな、あとは焼きモロコシも貰おうか」
コボルト「今日は焼きハマグリとサザエのつぼ焼きもありますぜ」
オーク「おお、じゃあそれも追加で」
コボルト「毎度!」
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コボルト「旦那がきてるってこたあエルフちゃんも来てるんでしょう?」
オーク「ああ、なにかオススメとかあるか?」
コボルト「ホウレン草とベーコンのガレットがあるッスよ」
オーク「またえらく洒落たものを売っているな」
コボルト「鉄板あるならクレープ売ろう、ついでにガレットも売ろうみたいな考えらしいッスね」
コボルト「そういう層向けの需要拡大ってことで、フレンチトーストも売ってやすぜい」
オーク「最近の海の家はいろいろと頑張ってるんだな」
コボルト「昔からやけにイタ飯メニューが充実した海の家とかあったじゃないッスか」
オーク「それもそうか、まあアレはソースが作り置きできて楽だからなんだろうが」
コボルト「うちのは出来立てホカホカですぜい……それで結局、何にしやしょうか?」
コボルト「キッズ向けなら他にホットケーキやアメリカンドッグとかもあるッスけど」
オーク「せっかくだしガレットにしてみるか、俺も興味があるし」
コボルト「じゃあ二人前でいいッスね」
オーク「あと枝豆とビールと……カキ氷はまた後の方がいいか」
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コボルト「えらく買い込みやしたが、これ全部旦那が食うんで?」
オーク「まあ俺も人並み以上には食うが、流石にこの量はな」
コボルト「エルフちゃん成長期?」
オーク「お前分かっててわざと回答をはぐらかしてないか?」
コボルト「まあ、こんだけ食いそうな上に海まで付いてきそうな旦那の知り合いといやあ……」
オーク「お前の想像で合ってるよ」
コボルト「女二人連れて真夏のビーチたあ旦那の色男っぷりにも磨きがかかってきたッスね」
オーク「替わってくれるか?」
コボルト「冗談はよしてくだせえよ、あの二人を同時に捌けるのは旦那ぐらいのものですって」
オーク「その冗談の真っただ中に俺はいるんだが」
コボルト「まあ贅沢な悩みだと思っておけばいいんじゃないッスかね?」
オーク「こういう状況に憧れるバカも世の中にゃいるんだろうなあ……はあ」
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オーク「ただいまー、いろいろ買ってきたぞー」
エルフ「くらえ!スーパーエルフ水鉄砲!!!」ブシャアアアア
女騎士「ちょ、勢いつよっ……ぶはっ!?」
オーク「おいおい、少しは手加減してやれよ」
エルフ「ああオークさん、これは女騎士さんの方からの要求なんですよ」
エルフ「なんでもこの水着は一応装備の試作品なので、その性能を確かめたいとか」
女騎士「水の魔力をここまで使いこなすとは……あっぱれ……なり……」ガクッ
オーク「そうだ、これガレットなんだけどさ」
エルフ「へえ、海の家でガレットを売ってるなんて珍しいですね」
女騎士「おおおおおおおおおおおおおおおおい!!」
女騎士「人が力尽きてるのに何事も無かったかのように話を進めようとするなよ!?」
オーク「充分元気じゃないか」
エルフ「大丈夫ですよ、女騎士さんの丈夫さは私たちちゃんと心得てますから」
女騎士「二人からの信頼の厚さが辛い」
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女騎士「くうううっ、海水の塩分が効いた獲れたてハマグリのジューシーなぷりぷり肉に溶けたバターが絡んで……」
女騎士「まるで口の中が乱交パーティやーっ!!!」
オーク「なんだその食い歩きレポーターみたいな感想は」
女騎士「しかしというかやはりというか、この味にはアレが欲しいな、うん」
エルフ「また貝に対してどうこうなどというつもりですか?」
女騎士「……えっ?」
エルフ「そんな、まさかこの私が自爆するなんてッ!?」ガーーーン
女騎士「まあいい……というワケだオーク、私にもビールをくれ」
オーク「何をいっている、一応仕事中なんだからアルコールはご法度だろう?」
女騎士「くっ……殺せ!!!」キラキラ
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エルフ「おめでとうございます、ノルマ達成ですね!」
女騎士「最後のオチまで取っておくのもいいが、溜め込み過ぎは体に悪いからな」
エルフ「いつもに違わずいいくっころでしたねー」
女騎士「やはりくっころはいい……こうして叫ぶと心が洗われるようだ」
オーク「お前、もしかして既にどこかでビールでも飲んでたか……?」
エルフ「オークさん、女騎士さんの発言が前後不覚なのはいつものことですよ」
オーク「そうだったな」
女騎士「そこで納得しないで!!!」
女騎士「というか君もノリノリで持ち上げておいてよくも一気に落してくれたな!?」
エルフ「このエルフ容赦せん!」
オーク「なに君そのフレーズ気に入ってるの?」
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女騎士「あっ、そのガレット私も食べたい」
オーク「すまんな、これ2つしか買ってきてないんだ、残りはエルフの分」
女騎士「貴様の食べかけでも私は一向に構わん!」
エルフ「それなら私がオークさんの食べかけを貰います、代わりにまだ手を付けていない方をどうぞ」
女騎士「なっ!?」
エルフ「ふふふ、どさくさに紛れて間接キスなんて許しませんよ」
女騎士「君はオークと一緒に暮らしてるんだからいつでも間接キスの機会があるだろう、ここは譲りたまえ!」
エルフ「ところがどっこい、オークさんはそういうの気にしておかず毎に取り箸を用意しちゃう人なので」
エルフ「私からの『はいあ〜ん』も受け付けてくれた試しがないですし……」
女騎士「それは……悪いことを聞いたな」
エルフ「いえいえ、だからこそこういうチャンスは逃したくないんです!」
女騎士「君の戦う理由も分かったが、しかし私もここで退くことはできぬ!」
エルフ&女騎士「「さあ、オーク(さん)!!」」
オーク「すまんな二人とも、もう全部食い切った」
エルフ&女騎士「「ええええええええええええええええええっ!?」」
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コボルト「へいらっしゃい!!」
オーク「さっき買ったガレットをもう一つと、カキ氷を3つ」
コボルト「味はどうしやしょう?」
女騎士「メロン」
エルフ「マスクメロン」
女騎士「なっ、そんな高級感溢れる味が存在していたのか!?」
エルフ「メニューはちゃんと確認しなきゃダメですよ女騎士さん」
女騎士「じゃあ私もそっちに変更だ!!」
オーク「俺はみぞれで」
コボルト「すいやせん、みぞれ味はないんッスよ」
オーク「……マジかぁ」
コボルト「どうも地味で人気が無いので経費節約してるっぽいッスね」
オーク「うむ……では抹茶で頼む」
コボルト「あいよ」
オーク「……マスクメロンがあってみぞれが無いのか、時代を感じるな」
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女騎士「やはり夏にはカキ氷だな」
女騎士「おっ、キーンときた……」
エルフ「大丈夫ですか女騎士さん?」
女騎士「いいんだよ、これもカキ氷の醍醐味だからな」
エルフ「しかし大当たりですね、このマスクメロン味のフラッペは」
女騎士「……何を言っている、これはカキ氷だろう?」
エルフ「まったく、こういう所で細かく女子力アピールしないでどうするんですか」
女騎士「しかしだな、フラッペといえば上にアイスクリームを乗せ櫛切りのメロンやらオレンジやら」
エルフ「まあスイーツとして出てくるときはそれがスタンダードでしょうね」
エルフ「しかし何も載せていない、シロップだけのオーソドックスなカキ氷だって立派なフラッペなんです」
女騎士「なん……だと……ッ!!」
エルフ「フラッペと気取って呼ぶ店では豪華に盛られて出てくるので、ときたま別の料理だと勘違いする人がいますが」
女騎士「くっ……しかし君もやけに詳しいではないか」
エルフ「実は私もオークさんに教えて貰ったんですけどね」
女騎士「いつもながらオークの女子力高すぎだろう」
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女騎士「さーて、本格的に海で遊ぶか!」
エルフ「オークさんも、ほらほら!」
オーク「わかったからそう引っ張るなよ二人とも」
女騎士「海の家で借りてきた浮き輪も膨らましておいたぞ!」
エルフ「わーい……えっ!?」
オーク「どうしたエルフ」
エルフ「な、なんで……」
エルフ「なんで浮き輪がこんな生々しい肉系の色なんですか!?」
オーク「そりゃ素材が大型モンスターの浮き袋や腸や膀胱なんだし」
エルフ「ファッキンファンタジーッ!!!」
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エルフ「私はもっとかわいい、ピンク系の浮き輪とか欲しかったんですよ!?」
女騎士「いや、充分これもピンク色だろう」
エルフ「こんなドス黒さ漂う血管の浮いたピンク色じゃないんです!!」
エルフ「こう透明な部分とピンクの部分が半分ずつで、腰に装着したときに透明部分が透けて見える……」
エルフ「そういう画を私は望んでいたワケでありますよ!!?」
オーク「落ち着けエルフ、なんか口調がおかしい」
エルフ「そもそもここにきて、なんでいきなりファンタジーに設定を戻すの!?」
エルフ「さっきまで散々飲み食いしてた食べ物が入ってたあのパックは何なんですか!!」
オーク「ありゃ油紙を生物硬化魔法を転用した術式で加工したもんだろう」
エルフ「なんでそういう設定部分に全力を尽くすんですか!!」
エルフ「それなら錬金術やらなんやらで伸縮性に優れたスケスケ素材を生み出してくださいよ!!!」
女騎士「まあ、君の水着の繊維がそれに近いものなのだがな」
女騎士「なにぶん高価なもので、こんな海の家にそうそう置いておくようなものでもないのだよ」
エルフ「理論補強だけは逞しいですね!あとアピール要素増やしてくれてありがとうございます!!!」
女騎士「お、おう」
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オーク「そもそもそんなイメージを君はどこから吸収したんだ」
エルフ「まあ同人誌ですね」
オーク「……ッ!!!」ギロッ
女騎士「こ、今回は私ではないぞ!?」
エルフ「今日の参考にとコボルトさんにお願いして調達して貰いました」
オーク「わかったアイツは今度〆る」
女騎士「しかしオーク、あまり過剰に彼女の趣味に干渉するのも良いとは言えぬぞ」
女騎士「多感な時期だしお前が気に揉むのも解るが、彼女だって十二分に分別が付く年頃だろう」
オーク「うっ……確かにそう言われればそうだな」
エルフ「御心配をお掛けしたみたいで……でも安心してください」
エルフ「今回の同人誌は触手も傭兵も下衆貴族も獣人も出てこない、ラッキースケベソフトエロものでしたから」
オーク「……お、おう」
エルフ「ええ、いつもコボルトさんが持ってくる時々ガチで引くレベルの同人誌に比べれば青少年的に健全ですね」
オーク「やっぱりアイツは今度〆る」
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女騎士「さあ、気を取り直して泳ごうではないか」
エルフ「あれ……オークさんも浮き輪使うんですか?」
オーク「泳げないワケではないがな、こうやって穴の部分に尻を乗せるようにして」
オーク「波に揺られながらゆっくりするのも楽しいものさ」
女騎士「なるほど、一人乗りの小型ボートのように浮き輪を使うのか」
エルフ「私もやってみようかな」
オーク「おいおい、君は万が一にも浮き輪が外れないように気を付けておくように」
女騎士「本当に貴様は過保護だな、あの水着も特別性だしエルフは普通に泳げるぞ」
エルフ「かつて妖精の泉の河童と呼ばれた私の泳ぎ、みせてあげますよ!」
オーク「エルフなのに河童とはこれいかに」
女騎士「私がつきっきりで見ていてやるから安心しろ」
オーク「……本来の仕事でいうと、お前はもっと広い範囲に気を配らねばならないハズだが」
女騎士「今日の浜辺は平和だし大丈夫大丈夫」
オーク(危機管理意識が全体的にゆるいなあ……)
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エルフ「海の中といえばアレですね」
女騎士「アレとは」
エルフ「水着がトラブルで流されてしまって、陸地に上がれず云々の展開ですよ」
女騎士「繰り返すが君の水着は特別なんだから紛失なんてしてくれるなよ!?」
女騎士「弁償するとなれば私の今月の給料がまるまる吹き飛ぶのだからな」
エルフ「それは困りますね……」
女騎士「そうだろう?」
エルフ「どうせ食糧難に喘いでオークさんに晩ご飯をたかる機会が激増するんでしょうし」
女騎士「どこまでも理由が利己的だな君も!?」
女騎士「まあ我がことながらその状況が目に映るようで若干へこむが」
エルフ「そうだ、折角こんな水着を着てるんだし私の限界に挑んでみようと思います」
女騎士「へ?」
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ド ド ド ド ド ド ド ド ド
一般客A「なんだアレは、シーサーペントか!?」
一般客B「いや、クラーケンだ!リヴァイアサンだ!!」
一般客C「して、その正体とは?」
エルフ「私だあああああああああああ!!!」ザバアアアア
一般客たち「「「うわああああああああああああああああああ!!!?」」」
女騎士「テロ?違います、はい、彼女には新装備の試作品の実地試験の手伝いを……」
女騎士「ここでやるな?はい、ごもっともです、すみません……すみません……」ペコペコ
エルフ「オークさあああああああああん!!!」ザバアアアアア
オーク「ぬわあああああああああっ!!?」
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エルフ「すー……すー……」ZZZ
オーク「疲れて寝てしまったようだな」
女騎士「まあアレだけ暴れればな」
オーク「元はといえばあんな水着をお前が持ってくるから」
女騎士「あれさえ着ていれば溺れる心配は100%無いし、良かれと思ってやったのだが」
オーク「それにしても、いつものエルフからいって今日のはしゃぎっぷりは異常だったな」
女騎士「それだけ楽しかったということなのだろう」
オーク「……やはり、普段は気負いして我を潜めているということか」
女騎士「ネガティブに捉えるな、確かにお前を苦労させないように気を付けてはいるのだろうが……」
女騎士「彼女だってそれで辛いとは感じていないだろうさ」
オーク「もっと子供らしく、わがままぐらい好きなだけ言えばいいものを」
女騎士「そのわがままは貴様がいつも無碍にしている部分だろ」
オーク「む……」
女騎士「無碍にされると分かっているから、気兼ねなくわがままとして振るえるのかも知れぬがな」
オーク「結局、我慢を強いていることには変わりないのか」
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女騎士「人間関係はどこかで必ず我慢や妥協を必要とするものだろう」
女騎士「相手からそれを取り除こうと、自分の方が雁字搦めになるのもまたいただけない」
女騎士「それこそ相手から見れば耐え難い苦痛なのだからな」
オーク「今の関係のままでいいと?」
女騎士「君がエルフのわがままを受け入れれば、距離はぐっと縮まるだろうが」
オーク「エルフのことは愛している、だがそれは家族としてだ」
女騎士「発達途上で少女が父性に過度の愛情を示す、だったか……私も詳しくは無いが」
女騎士「一般論でいっても今のエルフから溢れる愛情は、まあ健全な家族のそれの範疇なのではないかな」
オーク「ああ……お父さんと結婚する、みたいなやつか」
女騎士「だから素直に受け取れる部分は受け取って、素直に喜んでおけばいいさ」
女騎士「貴様とて迷惑だとも思っていないのだろう?」
オーク「……やれやれ、お前に諭されるとはな」
女騎士「乙女心はやはり乙女にしか分からぬよ」
オーク「乙女……?」
女騎士「おい貴様!この流れでそれは酷過ぎではないか!?」
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オーク「だってお前、自分で忘れてるかも知れないがビキニアーマーだからな?」
女騎士「それを言うならお前だってスイカ柄ではないか」
オーク「……真面目に語りあえる恰好では無かったな」
女騎士「まあ十分ではないか、今日は楽しかったとそういうことで」
オーク「お前は仕事だろう」
女騎士「仕事もちゃんとしていただろう」
オーク「エルフの暴走を止められなかったのに?」
女騎士「始末書を書くという立派な仕事をこれから行う羽目になるからな」
オーク「それでよく組織の人間が務まるなお前は」
オーク「……とはいえ、今日のことぐらいは素直に感謝しておくべきかな」
女騎士「お、オークがデレた!?」
オーク「そこまで驚かんでもいいだろう」
女騎士「いや、いつもの扱いがいつもなだけにな」
オーク「それはお前の言動がだな……全く、黙っていれば可愛げがあるものを」
女騎士「なっ……!?」
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女騎士「いったいどうしたオーク、いつもの枯れた台詞はどうした!?」
オーク「…………」
女騎士「熱でもあるのか!?熱中症になりかけているなら急いで日陰へ……」
オーク「……もういい、帰る準備を始めるぞ」
女騎士「えっ、本気だったの!?」
女騎士「ちょ、今の無し!最初からいい雰囲気でやり直して!!」
オーク「俺は好機を逃した戦士に情けをかけるほど甘い男ではない」
女騎士「くっ……殺せ!!!」
オーク「はぁ……全く、コイツはこれだから」
エルフ「えへへ、オークさぁん……」ZZZ
おわり
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おまけ
女騎士「しまった!夏の海だったというのにスイカ割りを忘れていたぞ!?」
オーク「まだ食う気だったのか……」
女騎士「そういう問題ではないのだよ、スイカ割りというイベントは」
オーク「どうせ目が回った振りをして俺の方に倒れて流れで押し倒すとか言い出すんだろう」
女騎士「うっ……流石はオーク、鋭いな」
女騎士「じゃあアレ、砂で体を埋めるヤツ!」
オーク「またなんでそれを」
女騎士「砂で全身がっちり拘束したオークにあんなことやこんなことをする折角のチャンスが!!」
オーク「お望みならお前を砂に埋めてから帰ろうか?」
女騎士「じょ、冗談はよしてくれオーク……目が笑っていないぞ……?」
ほんとうにおしまい
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祝日とはいえこんな朝早くに乙乙
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ほのぼのしてておもしろかった
おつおつ
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乙!
"
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