■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■

少年「じいさん、俺を弟子にしてくれ!」

1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 02:04:23 B8ukMZSQ
山奥

爺「ほう…小僧、その歳で冗談が言えるのか」

少年「俺は本気だ!」

爺「本気と言われてもなぁ」

爺「何故、ワシに弟子入りを?」

少年「じいさん、めちゃくちゃ強いらしいな」

爺「見ての通り、ただの老いぼれじゃよ」

少年「いや、強い!」


"
"
2 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 02:07:32 B8ukMZSQ
爺「そこまで言い切る根拠は?」

少年「眼だ」

爺「なんじゃと…?」

少年「じいさんの眼は強い奴の眼だ」

少年「……俺には分かるんだ」ギリッ

爺「ふむ…」サスリ

爺(よほどの強敵に出くわしたようじゃの)


3 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 02:13:06 B8ukMZSQ
少年「頼むよ、じいさん!」

爺「そうじゃのう…小僧、名はなんと言う?」

少年「俺に名前はないよ…」

爺「名前がないとは、まったく哀れな小僧よ」

少年「くっ…」

爺「ではワシが名前をつけてやろう」

爺「お主の名は、少年と名付ける」

少年「そのまんまじゃんか!」

爺「ほっほっほ、良い名じゃろ?」ニコ


4 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 02:17:02 B8ukMZSQ
爺「さて、少年よ」

爺「まずは、お前さんの実力を見せてもらおうかの」

少年「お、おう!じいさんと闘えばいいのか?」

爺「いや、闘うのはワシではない」

少年「?」

爺「出てきなさい」

少女「……………」サッ

爺「この子は少女と言ってな、ワシの一番弟子じゃ」

少年「一番弟子?!」


5 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 02:22:03 B8ukMZSQ
爺「歳もお主とは変わらんようじゃな」

少女「……………」ジッ

少年(可愛い子だなぁ)

爺「まずは少女と闘ってみよ、ほれ…これを貸してやる」ブン

少年「おわっ?!」ガシ

少年「木刀…?」

爺「少女も剣を取りなさい」

少女「はい、お爺様」スッ


"
"
6 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 02:27:46 B8ukMZSQ
少年(相手は女の子だし、見るからに弱そうだなぁ)

少年(俺は、じいさんと闘いたいんだけど…)

少女「あの、お爺様」

少女「手合わせする前に一つ確認したいことが…」

爺「ふむ、何じゃ?」

少女「どこまでやってよろしいのでしょうか…」

少女「その、殺してしまっても構わないのですか?」

少年「……………は?」

爺「ほっほっほ、そうじゃのう…殺す気で相手なさい」

少女「…わかりました」


7 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 02:31:51 B8ukMZSQ
少女「よろしくお願い致します」ペコ

少年「えっ、あっ!よろしくっ」ペコ

爺「準備は良さそうじゃな」

爺「では、始め!」バッ

少女「……………」ググ

少年(来る!)バッ

少女「……………」ダンッ

少年「はやっ?!」

少女「はっ!」ドス

少年「かはっ!」


8 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 02:58:08 B8ukMZSQ
少年「このっ!」ブン

少女「……………」スッ

少年「おりゃ!」ブン

少女「……………」スッ

少年(くそ!何で当たらねぇんだ)ブンブン

少女「終わりです」ドスドスドス

少年「ぐえっ…」バタ

爺「………勝負ありじゃな」


9 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 10:31:37 B8ukMZSQ
───
──


少年「んあ…?」パチ

少年「っ…どこだここ…」

少女「大丈夫…ですか?」

少年「えっ、あ…あぁ」

少女「かなり強く突きましたから、まだ体が痛むのでは?」

少年「俺は男だぞ?あれくらいで…」ズキ

少年「っ〜!?」

少女「もう暫く、安静にしていて下さい」スッ


10 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 10:34:50 B8ukMZSQ
少年「それにしても、お前スゲー強いな!」

少女「いえ、そんなこと…」

少年「強いし速いしかっこ良かった!」

少女「か、カッコいい…?」


11 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 13:06:27 B8ukMZSQ
少年「俺も早く強くなりてぇ」

少女「…どうして強くなりたいんですか?」

少年「……………」

少女「ごめんなさい、余計なことを…」

少年「強くなきゃ誰も守れないだろ?」

少女「……………」

少年「誰かも自分自分も…」


12 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 13:10:04 B8ukMZSQ
少年「あっ、傷の手当てありがとな」ニッ

少女「いえ…」

少年「これからよろしくな、少女!」キュッ

少女「あっ…///」カァァ

少年「ん、どうした?」

少女「…よろしくお願い致します//」ドキ


13 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 16:18:47 B8ukMZSQ
爺「何をイチャついておる」

少女「お、お爺様?!」

少年「あっ、じいさん!」

爺「少年よ、お主の力量は見た」

爺「ワシについて来なさい」

少年「おう!」スッ

少女「あっ…」


14 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 16:44:54 B8ukMZSQ
少年「じいさん、どこ行くんだよ」

爺「今日の晩飯を捕りにいく」スタスタ

少年「狩りでもすんのか?」スタスタ

爺「まぁ、そうじゃな」

爺「お主もいずれはすることじゃ」


15 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 16:48:28 B8ukMZSQ
洞窟

少年「それで何を狩るんだ?」

爺「丁度出てきたようじゃな…」

熊「……………」ノシ

少年「く、熊?!」

爺「ふむ、随分と大きくなったのう」

少年「じいさん!あんな熊、どうやって狩るんだよ!」

爺「まぁ、お主はここで見ておれ」スタスタ

少年「お、おい!じいさん!」


16 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 16:52:20 B8ukMZSQ
熊「グォォォ!!」

爺「ほっほっほ、威勢がいいのぉ」カチャ

少年(日本刀?まだ使ってる奴いたのか)

爺「ワシと一つ勝負といこうじゃないか」

爺「この老いぼれた体」

爺「上手くはなかろうが、多少は腹の足しにはなるじゃろう」ニコ

熊「グォ!グォォォ!」ダンッ

爺「……………」スッ


17 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 16:55:14 B8ukMZSQ
熊「!!」ダンダン

爺「……………」

少年(じいさん、何で刀抜かねぇんだよ!)

少年(このままじゃ!!)

熊「ガァァァ!」ブン

爺「……………」

少年「じいさ────」

爺「……………」ヒュン

ズバッ!


18 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 17:41:15 yPH8Pf1U
王道wktk
支援


19 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 20:21:16 B8ukMZSQ
熊「────」ドサッ

爺「ふむ、まだ腕は鈍っておらんようじゃの」

少年「……………」スタスタ

少年「なぁ、じいさん」

爺「なんじゃ?」

少年「あんた、いつ刀を抜いたんだ?」

爺「さて、いつじゃったかのぅ」

爺「年寄りはすぐに忘れてしまうからの」

少年「……………」

少年(見えなかった…)


20 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 20:26:38 B8ukMZSQ
───
──

夜 爺の家

少年「うめぇ!熊鍋うめぇ!」ガツガツ

少女「あの、おかわりはありますのでそんなに急がなくても…」

少年「お前、料理も出来るんだな!」

少女「多少ですけど」コクン

爺「ほっほっほ、少女は間違いなく良い嫁さんになるわい」グビ

少年「あぁ、間違いねぇ!」ニッ

少女「お、お嫁さ…///」

少女「っ〜!//」チラッ

少年「むぐむぐ」モグ


21 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 20:30:51 B8ukMZSQ
爺「さて、少年よ」

爺「お主にこれからしてもらいたいことがある」

少年「ごくっ!してもらいたいこと?」

爺「そうじゃ、これは修行だと思え」

少年「お、おう!それで何をすればいいんだ?」

爺「見極めよ」

少年「…ん?」

爺「ありとあらゆるものを見極めるのじゃ」

少年「具体的に頼む」

爺「言葉通りじゃ」

少年「……………」


22 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 20:35:05 B8ukMZSQ
───
──

翌朝

少女「よろしくお願い致します」ペコッ

少年「よろしくお願いします」ペコッ

爺「…始め!」

少年「うぉぉ!」ダッ

少女「……………」スッ

カンッ カンッ バキ

少年「くっ!おりゃ!」ブン

少女「……………」タン

少年(後ろに下がった!)

少年「逃がすかぁ!!」ダッ

爺「…勝負あったかのぅ」フゥ


23 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 20:37:57 B8ukMZSQ
少女「……………」キッ

少年「!!」ゾワ

カンッ!

少年「なっ?!」グラ

少年(体勢が…!)

少女「はぁぁ!」ヒュン

ドス ドス バキッ!

少年「ぐへっ!」ドサッ

爺「そこまで!」


24 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 20:40:42 B8ukMZSQ
少年「いてて…」

少女「大丈夫ですか?」ピト

少年「うっ…へーきへーき!」ニッ

爺「お主、ワシが言ったことをもう忘れおったのか?」

少年「見極めるってやつか?」

少年「あれだけじゃ、わかんねぇよ!」

爺「…そうか」


25 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 20:43:07 B8ukMZSQ
爺「少女よ、もう一度少年と手合わせを」

少女「はい、お爺様」

爺「少年よ、お主は剣を持たなくたて良い」

少年「は?じゃあ、どうやって闘えばいいんだよ」

爺「お主はひたすら少女の攻撃を避けてみよ」


26 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 20:50:35 B8ukMZSQ
少女「行きます」スッ

少年「こい!」

少女「……………」ダッ

少女「はっ!」ブン

少年「!」

バキッ

少女「せいっ」ヒュン

ドス バキ メキ

少年「かはっ!」ビチャ

少年(ダメだ、全然避けれね)

ドス ドス ドス


27 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 21:48:35 B8ukMZSQ
少年「くぅそぉ!!」ギリッ

少女(これで!)ヒュン

少年「っ!」バッ

少女(かわされた?!)

少女「はぁぁ!」クルッ ブン

少年「なっ?!」

バキッ

少年「いってー!!」ドサッ

少女「はぁ…はぁ…」


28 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 21:52:05 B8ukMZSQ
少年「くっ…そ!」ググッ

少年「もう一回だ…!」

少女「で、でも…」

少年「頼む!」

少女「…わかりました」スッ

少年「絶対、強くなってやる」

爺「……………」


29 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 21:57:26 B8ukMZSQ
───
──



少年「げほっ…はぁ…」ボロッ

少女「はぁはぁ…」

爺「今日はここまでじゃな」

爺「今回はワシが晩飯を用意しよう」スタスタ

少女「お爺様…!」

少年「……………」

少女「…私も行きますね」スタスタ

少年(まだ動けんのかよ…)


30 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2015/07/20(月) 22:05:27 B8ukMZSQ
ガサ

少年「…ん?」

少年「じいさん?少女?」

ガサガサ

少年「っう…」ググッ

ガルルル

少年「?!」

野犬「ハッ…ハッ…」ペロ

少年「い…犬?」

野犬「ガルルル」バッ

少年「マジかよ!」ブン

野犬「!」ヒョイ


"
"

■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■