幼馴染「男君、あそぼー」
男「いや、お前何時だと思ってんの？」
幼馴染「夜の8時くらい？」
男「わかってんのかよ！」
男「しかも雪降ってんだぞ？」
幼馴染「雪降ってるから遊ぶんだよー」
男「寒いから嫌だ」
"
男「お前が低すぎるんだよ」
幼馴染「雪合戦しよーよ」ｸﾞｲ
男「二人で雪合戦とか楽しくねーよ」ｸﾞｸﾞ
幼馴染「楽しいよー」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
男「お前寒いんだろ、めっちゃ震えてんぞ！」
幼馴染「うん、寒い…」
男「………もう入れよ」
幼馴染「わーい、久しぶりの男君の部屋！」ﾄﾞｻｯ
男「いきなりベッドに入んなよ」
幼馴染「だって寒いんだもん」
男「雪合戦しようとしてたくせに？」
幼馴染「えへへ」ﾆｺ
男「何だよ」ｽﾀｽﾀ
幼馴染「えいっ！」ﾊﾞｻｯ
男「ちょっ、何も見えな…！」
幼馴染「ふぁ…あったかい」ｷﾞｭｯ
男「いきなり抱きつくな」
幼馴染「びっくり成功？」
男「大成功だよ…」ﾊｧ
幼馴染「やったー♪」ｷﾞｭｩ
男「お前は犬か…」
幼馴染「ワンワン♪」ｽﾘｽﾘ
男「おー、よしよし」ﾅﾃﾞ
幼馴染「くぅーん」ｷﾞｭｩ
男「ほんと似てるなぁ」
幼馴染「ほんとに？嬉しい！」
男「嬉しがるところなのか…？」
"
男「………は？」
幼馴染 「男君が犬になるの」
男「何言ってんだ、お前」
幼馴染「はい、お手」ｽｯ
男「…………」ﾍﾟﾁ
男「えぇー………」
幼馴染「ほら、もう一回！」
幼馴染「はい、お手」
男「…ワン」ﾍﾟﾁ
幼馴染「良い子良い子〜♪」ﾅﾃﾞ
男「………っ//」
男「…いきなり目閉じて、どうした？」
幼馴染「犬なら主人の顔舐めるでしょ？」
男「舐めるかっ！！」
幼馴染「ちゃんと犬になりきらなくちゃ！」
男「なりきりたくないから！」
幼馴染「私は、なりきれるよ？」ﾄﾝ
男「なっ……？！」
男（う、嘘だろ…？！ほんとに舐めて…）
幼馴染「ワンワン♪」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ
男（楽しそうだな……）
幼馴染「男君の顔、ベタベタだね 」
男「ほんとに舐めんなよ、馬鹿」
男「いや、本格的過ぎんだろ」
幼馴染「えへへ、ごめんねー」ﾌｷﾌｷ
男「でも幼馴染は本当に演技上手いよな」
幼馴染「そんなことないよー」
男「ん？」
幼馴染「男君に演技の練習手伝ってもらいたいの」
男「嫌だ」
幼馴染「うぅ、ちょっとだけ」ｷﾞｭｩ
男「…どんな役だよ」
幼馴染「新婚夫婦の役」
男「却下」
男「難易度高すぎんだよ！」
幼馴染「やってみないと分かんないよ！」
男「そりゃそうだけど…」
幼馴染「やってみようよ！」
男「でもな…」
幼馴染「じー」
男「………」
幼馴染「やったー！」ｷﾞｭｩ
男「で、台本は？」
幼馴染「ないよ」ﾆｺ
男「は？」
幼馴染「じゃあ、スタート！」
男「おい、待て！」
幼馴染「やったー！」ｷﾞｭｩ
男「で、台本は？」
幼馴染「ないよ」ﾆｺ
男「は？」
幼馴染「じゃあ、スタート！」
男「おい、待て！」
男（もう始まってんのかよ）
男「なんだよ」
幼馴染「貴方の服から知らない女の名刺が出てきたんだけど」
幼馴染「説明してもらえるかしら？」ﾆｺ
男「えっ？」
男「いや、それは…あれだ！上司との付き合いだよ」
幼馴染「そう、付き合いなのね」
幼馴染「ワイシャツに口紅の跡がついてるのも付き合いなのよね」
男「………………」
幼馴染「正直に言えば許してあげる」
男「いかがわしい店に行きました、ごめんなさい！」
幼馴染「もう別の女が良くなったの？」
男「そうじゃない」
幼馴染「なら、なんなの？」
男「えっと………」
男（わかんねぇよ！こんな状況、普通あり得ないだろ）
幼馴染「…ぐすっ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
男「？！」
男「ち、違っ…」
幼馴染「うっ…ひっく…」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
男「好きだよ！あの日は俺がどうかしてんだ」ｷﾞｭｯ
幼馴染「ほんとに…好き？」ｷｭｯ
男「あ、あぁ…好きだ！」
男（演技だから、これ演技だから！）
幼馴染「なら、キスして…」
男「な…に…？」
男（何で目瞑ってんの？！マジで、やる感じですか！）
男「………………」ﾄﾞｸﾝ
男「お、幼馴染………」ｽｯ
幼馴染「……ふふ」
男「？！」
幼馴染「えへへ、ありがとう男君」
男「えっ？」
男「何を掴めたの？！」
幼馴染「ねぇ、本気でキスしようとした？」
男「し、しねぇよ！」
幼馴染「…そっか、残念」ｽﾀ
幼馴染「そろそろ帰るね」
男「もう帰るのかよ」
幼馴染「うん、またね」ｽﾀｽﾀ
男「えっ、お、おい！」
幼馴染「ふぅ……」
ﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝﾄﾞｸﾝ
幼馴染「あはは、凄いドキドキしてる」
幼馴染（演技で自分からするのはドキドキしないのに）
幼馴染（男君の方からだと凄く鼓動が早くなる）
幼馴染「あれは、演技なのになぁ」
幼馴染「………私も、まだまだだね」