■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
貴族「昔から奴隷(あなた)ってほんと反抗的ね、別に良いけれど」
-
奴隷少年「―――」シャリシャリ
貴族少女「………」
奴隷少年「――…」シャリ…
貴族少女「……―」ペラッ
奴隷少年「…なあ」
貴族少女「…なにかしら」
奴隷少年「邪魔なんだけど」
貴族少女「…邪魔してないけれど?」
奴隷少年「お前がいるだけで邪魔なんだよ!」
"
"
-
奴隷少年「つか、本読むなら他の所いけよ。なんでわざわざ俺のところに…」
貴族少女「…いつものことじゃない」ペラッ
奴隷少年「ああ、そうだな。そしてその度「どっか行け」って言ってるよな、俺! このやり取り何度目だよ!?」
貴族少女「…何百度?」
奴隷少年「お前、マジでそろそろ聞き分けろよ…」
貴族少女「…あなたもそろそろ妥協なさい」
奴隷少年「…この分からず屋め」
-
貴族少女「…――」サワッ
奴隷少年「おい」
貴族少女「きれいに剥けてる」
奴隷少女「さわんな」
貴族少女「昔と全然違うのね」ナデナデ
奴隷少年「いじんな」
貴族少女「なめてもいい?」
奴隷少年「…我慢しろ」
貴族少女「このりんご、とても良い香り」
-
貴族少女「皮を剥くの、下手だったのに」
奴隷少年「いつの話だよ、それ」
貴族少女「私とあなたが喋れなかった頃」
奴隷少年「…はっ」
貴族少女「発音も上手くなった」
奴隷少年「そりゃどーも」
-
貴族少女「…ねえ?」
奴隷少年「なんだ?」
貴族少女「あなたが最初に口にしたここの言葉、覚えてる?」
奴隷少年「………」
貴族少女「どう?」
奴隷少年「さあな。忘れたよ」
貴族少女「…あら」
"
"
-
貴族少女「その言葉、誰が教えたかも?」
奴隷少年「先生か?」
貴族少女「…違うわ」
奴隷少年「じゃあ誰だ?」
貴族少女「……ほんとうに、覚えていないの?」
奴隷少年「嘘ついてどうすんだよ」
貴族少女「………」
-
貴族少女「むー」
奴隷少年「なんだよ」
貴族少女「やっ」
シュッ――パシッ
奴隷少年「――おい」
貴族少女「ふっ」
クルッ、シュッ――パシッ
奴隷少年「あ、あのな…」
貴族少女「はぁぁ――りゃっ、りゃっ、りゃっ」
ピシッ、ピシッ、ピシッ
奴隷少年「やめんか!」
-
奴隷少年「なぜ何度も叩いてくる」
貴族少女「頭に衝撃を与えれば、思い出すかもしれないでしょ?」
奴隷少年「んな訳あるか!」
貴族少女「叩かれるのが嫌なら、ちゃんと思い出しなさい」
奴隷少年「どんな理屈だよ、それ…」
貴族少女「そりゃ」ピシッ
奴隷少年「あーのーなー!」
貴族少女「…あなたは私のものなんだよ」
-
貴族少女「だから、私の許しなく忘れていいことなどありません」
奴隷少年「…アホか」
貴族少女「忠誠心が足りない」
奴隷少年「あってたまるか」
貴族少女「あと頭も足りない」
奴隷少年「ちょっと待て」
貴族少女「どこで育て方を間違えたのかしら…」
奴隷少年「俺とお前は同い年だろうが!?」
-
また後で更新する。
-
続きに期待
-
がんばれ
-
素晴らC
-
貴族少女「けど、私の方が年上みたいじゃない?」
奴隷少年「そのちっけえ体で年上って言われても説得力ねえよ」
貴族少女「ほら、精神的に」
奴隷少年「どこがだ」
貴族少女「私があなたを導いてきた」
奴隷少年「わがままで振り回してきたの間違いだろ」
貴族少女「…私があなたの頭を振り回せば思い出す?」
奴隷少年「ねえよ! ってか何だその話題の戻し方!?」
貴族少女「ねえ」
-
貴族少女「さっきから手が止まってるわよ?」
奴隷少年「それはお前が話しかけてくるからだろうが!」
貴族少女「…なんであなたって、そんな怒りやすいのかしら?」
奴隷少年「そいつは大体お前のせいだな」
貴族少女「やっぱり私の育て方が…」
奴隷少年「だからそのボケはもういい!」
貴族少女「…うーん」
-
貴族少女「これは手詰まりかしら?」
奴隷少年「つか、なんでそこまで拘るんだよ」
貴族少女「だって大事な思い出じゃない」
奴隷少年「………」
貴族少女「……あ」
奴隷少年「ふーん」
貴族少女「えっと」
奴隷少年「…なあ?」
-
奴隷少年「それって、誰にとってって意味だ?」
貴族少女「………」
奴隷少年「………」
貴族少女「……―」ダキッ
奴隷少年「は!?」
貴族少女「―――」ギュー
奴隷少年「お、おい?」
貴族少女「――ねえ」
奴隷少年「な、なんだ―――」
ガツッ!
奴隷少年「〜〜ッ」
貴族少女「…バカ」
-
バタン
奴隷少年「ってぇ…」
奴隷少年「いきなり頭突きすんなよ」
奴隷少年「たく…」
奴隷少年「………」
奴隷少年「あの頃ねぇ」
-
次回はちょっと時間かかる。
-
了解!
-
乙
-
部屋の外
貴族少女「………」ウズクマリー
傭兵長「よお。嬢ちゃん」
貴族少女「…こんにちは、傭兵長」
傭兵長「頭抱えてどうした?」
貴族少女「…少し、頭が痛くてね」
傭兵長「そりゃ大変だな。二日酔いか?」
貴族少女「…私、まだお酒で馬鹿する気はないわよ」
傭兵長「わっはっは」
-
傭兵長「冗談だ、冗談。で、マジでどしたん?」
貴族少女「…頭をぶつけたの」
傭兵長「おっ、珍しくドジ踏んだな。何にぶつけた?」
貴族少女「…石、かしら」
傭兵長「転んでぶっけたか?」
貴族少女「…いいえ。立った状態で」
傭兵長「…随分と器用な真似するな、嬢ちゃん」
貴族少女「はぁ…」
-
乙
-
貴族少女「それで、今日はどうかしたの?」
傭兵長「ああ。旦那に報告があってな」
貴族少女「お父様に?」
傭兵長「家庭教師の嬢ちゃんがな」
貴族少女「先生が?」
傭兵長「街に使いに出てたろ」
貴族少女「ええ」
傭兵長「そこで、憲兵にしょっぴかれたらしい」
貴族少女「…また?」
傭兵長「まただ」
-
傭兵長「ウチの客分ってのは先方に伝えたが、どうにも信用されないらしくてなぁ」
貴族少女「短剣は?」
傭兵長「ああ。嬢ちゃんに渡してあった、家紋の入ったアレか?」
貴族少女「ええ。あれなら身分を証明するものとしては申し分ないでしょう?」
傭兵長「あれなら忘れてったみたいだぞ」
貴族少女「」
傭兵長「あの嬢ちゃんも、妙なとこで間が抜けてるよな。いや、まったく」
-
傭兵長「報告ってのはそういうこったな。とりあえず書状の一つでも送れば問題ないんだが…」
貴族少女「何か問題が?」
傭兵長「ウチの傭兵(ろくでなし)どもは、調練の関係で今は動かせないんだよ」
貴族少女「あら」
傭兵長「書状を届けさせようにも、生憎ヒマなやつがいない状況でなぁ」
貴族少女「ふむ…」
-
傭兵長「なあ嬢ちゃん。ヒマそうなやつで、誰か心当たりいねえかな?」
貴族少女「いるわよ」
傭兵長「おお。そいつは助かる。で、誰だ?」
貴族少女「はい」ピョコ
傭兵長「………」
貴族少女「はい」ピョッ
傭兵長「…なあ」
貴族少女「なに?」
傭兵長「そりゃ嬢ちゃんが単に街で遊びたいだけじゃねえ?」
貴族少女「うーん。まあ、そうかも」
傭兵長「」
貴族少女「ダメかしら?」
-
まってた
-
乙
-
傭兵長「んー。嬢ちゃんが誠意を見せてくれるなら、可にするぜ」
貴族少女「…お土産に、氷湖産の火酒でどう?」
傭兵長「を、2本な」
貴族少女「うーん…」
傭兵長「くっくっく。嬢ちゃん、人の上に立つ者ってのは気前が良くなくちゃ駄目だぜ?」
貴族少女「わかったわ」
傭兵長「」ニヤリ
貴族少女「買うのは2本、渡すのは1本」
傭兵長「…は?」
貴族少女「それでどうかしら?」
-
傭兵長「あと1本は?」
貴族少女「最初の1本を飲んだ後に渡してあげる」
傭兵長「へ? それなら最初から2本とも渡してくれよ」
貴族少女「ダメ。傭兵長のことだから、それでは飲み過ぎるでしょう」
傭兵長「」
貴族少女「どう?」
傭兵長「ったく…。嬢ちゃんには負けるよ」
貴族少女「? 何の話?」
傭兵長「いーや。了解した。それでいい。旦那には俺から言っとく」
貴族少女「ありがとう」
-
傭兵長「じゃあ護衛は奴隷の坊主でいいよな?」
貴族少女「………」
傭兵長「あいつなら馬にも乗れるから、嬢ちゃんは後ろに乗っけてもらえ」
貴族少女「…ええ」
傭兵長「あいつにも俺から言っとくわ。んじゃ、頼むぜ嬢ちゃん」
貴族少女「ええ。こちらこそよろしくね」
傭兵長「おー」スタスタ
貴族少女「………」
『それって、誰にとってって意味だ?』
貴族少女「はあ…」
貴族少女「なんで私って、こんなに器が小さいのかしら…?」
-
お、いいぞぉwww
-
おつ
-
傭兵長「って訳だ、頼むぞ坊主」
奴隷少年「って訳じゃねえよ、おいこら」
傭兵長「なんだ不満か?」
奴隷少年「使いなら俺一人で十分だろうが。あいつが行く必要ねえだろ」
傭兵長「…バカかお前」
奴隷少年「あ?」
傭兵長「せっかく嬢ちゃんと二人きりにしてやるんだから、もうちょい素直になれよ」
奴隷少年「馬鹿はてめえだ!」
-
傭兵長「そういやお前、おっぱい膨らんでるのが好みだったか?」
奴隷少年「他人の話聞けよ、おい」
傭兵長「たしかに嬢ちゃんはなぁ。顔はともかく、胸は日照りでやられた果実もかくやって程に潰れ―――」
―――チャッ
傭兵長「うおっ」
奴隷少年「話を聞くのと、このまま首をえぐられるの。どっちがいい?」
傭兵長「こええからやめろ、バカ」
奴隷少年「けっ」スッ
傭兵長「冗談の通じないやつめ」
-
乙
-
乙乙
-
奴隷少年「で、あいつが一緒に行く必要性…はあるのか? 一人で行けば十分なことに、二人で行くのは合理性に欠けると思うが?」
傭兵長「そういう難しいこと聞くなよ。頭が痛くなんだろ」
奴隷少年「どこまで馬鹿なんだてめえは!」
傭兵長「ただの使いにそこまで頭使ってもなぁ…」
奴隷少年「つ、か、え! 大体雇い主を護るのはてめえの仕事だろうが! 俺に押し付けんな!」
傭兵長「なるほど」
-
傭兵長「つまりお前さん、嬢ちゃんと二人っきりで照れてる訳か」
奴隷少年「うわ殺してえ」
傭兵長「しょうがねえなぁ。いい店紹介してやっから、夜にそこ行って気持ちに余裕作ってこい」
奴隷少年「…何の店だ?」
傭兵長「娼館」
奴隷少年「いらんわ!」
傭兵長「嬢ちゃんには黙っててやるぞ?」
奴隷少年「そういう問題じゃねえ」
傭兵長「おっぱい好きだろ?」
奴隷少年「死ね」
-
乙
-
傭兵長「お前、まさか嬢ちゃんを…」
奴隷少年「な訳ねえ。絶対ねえ」
傭兵長「それはそうだな。お前にそんな甲斐性ねえもんな」
奴隷少年「節度と言わんか! …ったくてめえの頭には酒と女だけしかねえのかよ」
傭兵長「馬鹿言うなよ。あと金のことだって俺はいつも考えてるぜ」
奴隷少年「………」
傭兵長「とにかく嬢ちゃんのこと護ってやれよ」
-
奴隷少年「おい、話はまだ―――」
傭兵長「文句あるなら、嬢ちゃんに直接言えよ」
奴隷少年「」
傭兵長「ちなみに嬢ちゃんはすげえ楽しみにしてたぞ。何せお前と二人っきりでの旅だからな」ニヤニヤ
奴隷少年「…ウソつけ」
傭兵長「ウソじゃねえさ。んじゃ、俺との話は終わりでいいな?」
奴隷少年「………」
傭兵長「馬の方は手配しとく。出発は早めで頼むぞ」
バタン
-
まとまったお金が欲しい人はこちらへ
http://www.fc-business.net/qgesw/
-
こういう微妙な関係性は大好物だ。
-
奴隷少年「…余計なことしやがって」
奴隷少年(あいつに、直接ね)
『…バカ』
奴隷少年(誰が馬鹿だ、誰が)
奴隷少年(………)
奴隷少年「はあ…」
奴隷少年「明日の弁当でも拵えてやるか」スッ
ギイッ、バタン…
………………
…コンコン
-
ガチャッ
貴族少女(…いない)
貴族少女(仕事、かしら?)
貴族少女(探しに行っても良いけれど)
貴族少女(急ぐことではないし)
貴族少女(それに、あの子と話すとしたらやっぱり場所は…)
貴族少女(………)
貴族少女「…うん」
貴族少女「待たさせてもらうから」ボフッ
-
乙
-
貴族少女(………)
貴族少女(………)
貴族少女(……―)…ウト
貴族少女(―――)
貴族少女(――…)ハッ
貴族少女(…あぶない)
貴族少女(………)
貴族少女(珈琲…)
貴族少女(………)
貴族少女(あの子のいれた、こーひーがのみ、たい、な…)
………………
………………
…バフッ
スゥ、スゥ…
-
奴隷少年「………」
貴族少女「」スースー
奴隷少年(なんでいるんだ、こいつ)
奴隷少年(つーか、また勝手に部屋に入りやがって)
貴族少女「」スースー
奴隷少年(呑気な顔で寝やがって)
奴隷少年(………)
奴隷少年(…毛布、となりの部屋にあったよな)
キイッ、バタン
-
乙乙
-
ガチャ――パタン
奴隷少年(かったりい)
貴族少女「」スー-スー-
奴隷少年(…そういや、今夜は俺どこで寝ればいいんだろ)
貴族少女「」スー-スー-
奴隷少年「………」
『お前、まさか嬢ちゃんを…』
奴隷少年「――ッ」ブンブン
-
奴隷少年「…な訳ねえ。絶対ねえ」バサリ
貴族少女「」スー-…
奴隷少年(…しばらく様子見て、起きないようなら運べばいいか)スッ
貴族少女「…―――」…ジッ
奴隷少年「」
貴族少女「―――」チラッ
奴隷少年「………」
貴族少女「ねえ」
奴隷少年「…なんだよ」
貴族少女「毛布、かけてくれないの?」
奴隷少年「ッ! め、目覚めたならさっさと起きろ、この馬鹿!」
-
新年早々いいね
-
乙乙
-
貴族少女「おはよー」
奴隷少年「…いま夜だぞ」
貴族少女「あー…」
奴隷少年「ほら、さっさと――」
貴族少女「おやすみー…」バフッ
奴隷少年「寝なおすな!」
貴族少女「えー…だめ?」
奴隷少年「お前がここで寝ちゃ、俺が寝れないんだよ」
貴族少女「そっか」
奴隷少年「わかったら、いい加減に――」
貴族少女「じゃあ一緒に寝る?」
奴隷少年「アホかてめえぇ!?」
-
貴族少女「あほかなぁ…」
奴隷少年「アホだよ、アホ。ったく、お前は…」
貴族少女「昔のことずっと覚えてる私って、やっぱりあほなのかなぁ…」
奴隷少年「………」
貴族少女「今日あなたとお話ししたよね?」
奴隷少年「…ああ」
貴族少女「あのときね、あなたが『忘れた』って言ったときね」
貴族少女「…私ちょっと腹が立ったの」
貴族少女「あなたが忘れたことは、私にとっては大事な思い出だったから」
-
貴族少女「ねえ…」
貴族少女「あなたが思い出してくれるなら、私は何でもするよ」
奴隷少年「…主が奴隷に言う台詞じゃねえぞ、それ」
貴族少女「そう?」
奴隷少年「そうだ」
貴族少女「そっかー」フフフ
奴隷少年「?」
貴族少女「…何でも、してあげる」
奴隷少年「」
貴族少女「えへへ…」
-
お、佳境っぽくなってきたな。
-
貴族少女「こういう言葉って、私らしくないかな?」
奴隷少年「…でもねえよ」
貴族少女「そう?」
奴隷少年「ああ。寝惚けたお前なんて、いつもこんな感じだ」
貴族少女「ふふふ。…それ、奴隷が主に言っていい言葉じゃないよ?」
奴隷少年「何を今更」
貴族少女「うん。私は寛大だね」
奴隷少年「…ばーか」
-
ええぞ
-
乙
-
奴隷少年「…何でもするって言ったよな?」
貴族少女「うん」
奴隷少年「じゃあ、もう寝ろ」
貴族少女「………」
奴隷少年「明日は早いぞ」
貴族少女「…ねえ」
奴隷少年「なんだ」
貴族少女「ごまかしてる?」
奴隷少年「………」
-
奴隷少年「いや」
貴族少女「どうしたら、あなたは思い出してくれるの?」
奴隷少年「今、言ったろ」
貴族少女「私が寝たら、思い出してくれるの?」
奴隷少年「どうだろうな」
貴族少女「………」
奴隷少年「………」
貴族少女「…そう」…シュン
-
貴族少女「寝るわ」
奴隷少年「…明日は、俺が起こしてやるよ」
貴族少女「え?」
奴隷少年「朝になったら、名前を呼んでやる」
貴族少女「………」
奴隷少年「それでいいだろ」
貴族少女「…ねえ」
奴隷少年「なんだ」
貴族少女「それはどういう意味?」
-
奴隷少年「そのままの意味だ」
貴族少女「…もしかして、最初から?」
奴隷少年「なにをだ」
貴族少女「最初から覚えてたの?」
奴隷少年「…だから何をだよ」
貴族少女「………」
奴隷少年「………」
貴族少女「…いじわる」
-
貴族少女「意地が悪いわ、貴方」
奴隷少年「けっ。それこそ今更だ、バカ野郎」
貴族少女「うん。ばか」
奴隷少年「…そりゃ、どっちがだ」
貴族少女「どちら、かしらね…わかる?」
奴隷少年「…さあな」
貴族少女「ふふふ…」
-
貴族少女「そっかぁ。えへへへへ」
奴隷少年「気持ち悪ぃ」
貴族少女「…――」…オホン
奴隷少年「?」
貴族少女「『なにかあったら、私の名前を呼んで』」
奴隷少年「!」
貴族少女「『いつでもどこでも、私はそれに応えてあげる』」
貴族少女「『私は貴方の主』」
貴族少女「『だから私は貴方を絶対に独りにしない』」
奴隷少年「………」
貴族少女「この言葉、覚えてる?」
-
貴族少女「もっとも昔はこんなに流暢に喋れなかったけれど」
貴族少女「あの時は苦労したわ。貴方、こっちの国の言葉全然しゃべれないんだもの」
奴隷少年「………」
貴族少女「不思議ね。あの時は、あなたのために教えた言葉だったのに、今は私の方がこの思い出を大事にしている…」
貴族少女「ふふふ。こういうのも、馬鹿っていうのかしら?」
奴隷少年「…へったくそ」
貴族少女「え?」
奴隷少年「今の言葉の発音だよ。何が流暢だ、全然なっちゃいねえ」
貴族少女「そ、そう?」
奴隷少年「ったく…」
-
奴隷少年「あの時と、全然変わってねえのな、お前」
貴族少女「そんなことは―――え?」
奴隷少年「………」
貴族少女「あの時?」
奴隷少年「………」
貴族少女「あの時のこと、覚えてるの?」
奴隷少年「……―」フン
貴族少女「わあ」
-
貴族少女「どうしよ。寝たくない」
奴隷少年「寝ろ」
貴族少女「や」
奴隷少年「おい」
貴族少女「ねえ」
奴隷少年「だから…」
貴族少女「今夜、ずっと貴方と一緒にいたい」
奴隷少年「は?」
奴隷少年「―――はぁあ!? なななぬぁにゆってんだてめえはっ!?」
.
-
はよ
-
乙
砂糖吐きそう。
-
貴族少女「ねっ。いいでしょ?」
奴隷少年「何をトチ狂ってんだてめえ!?」
貴族少女「昔のこと、話そっ」
奴隷少年「」
貴族少女「ねえってば」
奴隷少年「…だよな。お前はそういうやつだ」
貴族少女「?」
奴隷少年「いや、すまん。気にするな」
-
奴隷少年「じゃねえ。寝ろ」
貴族少女「あら、いいじゃない」
奴隷少年「明日起こしてやらねえぞ」
貴族少女「構わないけど?」
奴隷少年「あのなぁ…」
貴族少女「詰めを誤ったわねー」
奴隷少年「…明日の朝、お前寝てたら置いてくが、それでもいいのか」
貴族少女「あら、平気よ」
奴隷少年「お前、朝弱いだろ」
貴族少女「うん。けど、この寝台であなたと一緒に寝れば大丈夫でしょ?」
奴隷少年「」
貴族少女「」ドヤァ
-
乙!
-
まだかね?
-
マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
-
age
-
うむむ……
-
待機
-
ほ
-
星
-
一年超
"
"
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■