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1 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:40:06 ID:6chJA4w.

勇者「王国から持ってきた、旅の成功を意味する先代勇者の剣」

武闘家「まさか抜刀しただけで木っ端みじんなんて…」

僧侶「勇者が力任せに抜くからよ」

魔法使い「この先不安じゃの」

2 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:42:06 ID:6chJA4w.

勇者「なに、たかが剣一本」

勇者「どうにでもなるよ」ｽﾞｩｰﾝ

僧侶「凄い落ち込んでるわ」

武闘家「新しい武器見つけようぜ」

魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「いや、いいんだよ」

3 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:43:02 ID:6chJA4w.

勇者「敵だ！」

武闘家「正拳！」ﾄﾞｶｯ
僧侶「回復！」ﾎﾟﾜﾜﾜ
魔法使い「火の玉じゃ」ﾎﾞｯ
勇者「いいぞ！皆！行けぇ！」


…………

仲間達「何してるの？」
勇者「いや、その、応援というか、指示を」

4 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:44:43 ID:6chJA4w.

仲間達「勇者、武器を手に入れてきたよ」

勇者「皆…すまない」ｳﾙｳﾙ

勇者「鞭か…」ﾋｭﾝﾋｭﾝﾌﾞﾁｯ
勇者「あれ」

勇者「斧か」ﾌﾞﾝｯﾊﾞﾘﾊﾞﾘｨ

勇者「あらら」

勇者「弓か」ｷﾘｷﾘｯﾌﾟﾂﾝ

勇者「皆、すまない…」ｳﾙｳﾙ

僧侶「魔王に呪われてるのかしら、勇者」

武闘家「俺もそう思う」
魔法使い「ふぉっふぉっ」

5 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:47:29 ID:6chJA4w.

勇者「自分たちの武器はいいの？」

武闘家「俺は拳がある」
僧侶「私は直接殴らないし…」

魔法使い「わしもじゃ」
勇者「そうか…」

6 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:49:21 ID:6chJA4w.

僧侶「どうなってるのかしらね、勇者」ﾋｿﾋｿ

武闘家「力がありすぎるんじゃないか、馬鹿だし」ﾋｿﾋｿ

魔法使い「不器用過ぎるのか、運のよさが１なのかもしれん」ﾋｿﾋｿ

勇者「聞こえてるよ」ﾎﾞｿｯ

僧侶「ほっ本心じゃないわ」
武闘家「そ、僧侶の言う通りだ」
魔法使い「ふぉっ」

7 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:50:37 ID:6chJA4w.

勇者「今日は野宿だ」

武闘家「薪を集めてくる」
僧侶「魚を釣ってくるわ」
魔法使い「テントを張るぞい」

勇者「誰か手伝おうか」
武闘家「いや、いい」（薪が粉々になりそうだ）
僧侶「結構よ」（竿が折れるわ）

魔法使い「大丈夫じゃ」（テントが壊れそうじゃ）
勇者「そ、そうか」

8 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:51:45 ID:6chJA4w.

僧侶「勇者、何を作ってるの？」

勇者「ああ、魚のムニエルだよ…完成！」ｼﾞｭｳｳ

勇者「召し上がれ」

仲間達「う、美味い！」ｶﾞﾂｶﾞﾂ

勇者「ははは、ありがとう、僧侶の釣った魚のおかげだ」

魔法使い「不器用な訳では無いようじゃ」ｸﾁｬｸﾁｬ
武闘家「ああ…ｸﾁｬｸﾁｬすんのやめろよ」ｸﾁｬｸﾁｬ

僧侶「あなたたち、下品な音たてないでよ」ｼﾞｭﾙｯｽﾞﾁｭﾙｯ

武闘家「お前はどうしたらそうなる」

9 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:52:28 ID:6chJA4w.

勇者「くっ、取れない…」
武闘家「どうしたんだ勇者」
勇者「ああ、薬草が生えているんだが、抜けなくて」ｸﾞｸﾞｸﾞ
武闘家「根が深いのか…よっ」ｽﾎﾟｯ
武闘家「なんだ、子どもでも抜けるぜ」
勇者「ありがとう、流石武闘家だ」
武闘家「意外と力無いんだな」
僧侶「何してるの〜行くわよ〜」
勇者＆武闘家「今行くー」

10 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:52:48 ID:mZ73ZSpk

素手で戦えばいいじゃん……

11 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:57:29 ID:6chJA4w.

魔法使い「ほっほっ、みなさん」

魔法使い「薬草を調合して作った丸薬じゃ、疲れがとれるぞ」

武闘家「お、サンキュー」ﾊﾟｸ

武闘家「苦ｪ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

魔法使い「普通じゃつまらんからの、3つのうち2つは激苦じゃ」

僧侶「ううっ」ｸﾗｸﾗ

勇者「おいしい！」

魔法使い「運がいいのぉ、勇者」
僧侶＆武闘家「ついてなかった」

12 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 00:58:35 ID:6chJA4w.

勇者「敵だ！」

武闘家「回し蹴り！」ﾄﾞｶﾞｯ
僧侶「攻防強化」ﾌﾞｵｵｵ
魔法使い「火の柱じゃ」ｺﾞｯ
勇者「いいぞ！武闘家！魔法使い、後ろ！」


…………

僧侶「勇者って指示うまくなったわね」
武闘家「そうか？一番後ろで大声出してるだけだろ」
魔法使い「いや、勇者のおかげで助かったぞい」
勇者「武器があればなぁ」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

13 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:00:19 ID:6chJA4w.

勇者「山だ」
僧侶「やまびこね…ヤッホー！」ﾔｯﾎｰ!
魔法使い「ヒェーックシ！冷えるのう…」ﾋｪｰｯｸｼ!
武闘家「わははは！大丈夫か」ﾜﾊﾊﾊ!
勇者「ブッキー！！なんちて…」ｼｰﾝ


仲間達「どういうことだ」

14 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:01:39 ID:6chJA4w.

僧侶「なにこれ、岩に剣が刺さってるわ」

武闘家「抜いてみるか…ぐっ」ｸﾞｯｸﾞｯ

魔法使い「ダメじゃの…勇者、やってみい」

勇者「無理だよ、武闘家より力ないから」ｽﾎﾟｯ

僧侶「ぬ、抜けた！」

魔法使い「ほお…」

武闘家「柄だけな、刀身が刺さったままだ」

僧侶「シュールね」

勇者「」ｶﾞｯｸﾘ

15 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:02:33 ID:6chJA4w.

僧侶「勇者が使える武器ってないのかしら」

魔法使い「何でも使えるから勇者なんじゃぞ」

武闘家「でも何でも壊すからなぁ」

仲間達「うぅ〜ん」

勇者「ほらっ小鳥たち、お食べ」ﾎﾟｲﾎﾟｲ

16 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:03:31 ID:6chJA4w.

勇者「無人の武器屋だ」
勇者「これいいな」ﾋｭｯﾊﾞｷｯ
勇者「これとか」ﾊﾞｷｯﾊﾞｷｨｯ
勇者「…」

…………

勇者「皆、すまない」

僧侶「お金なんてまた稼げばいいのよ」

武闘家「そうだな、そしてもう武器に触るなよ」
魔法使い「ふぉっふぉっ」

17 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:04:35 ID:6chJA4w.

勇者「森林だ！」

僧侶「果物があるわ」

武闘家「きのこもあるぜ」
魔法使い「勇者に料理してもらうかの」ｼﾞｭﾙ

仲間達「いいね！」ｷｬｯﾎｳ
勇者「皆、目印とかつけて道覚えてよ？まったく…」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

18 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:08:00 ID:6chJA4w.

僧侶「霧が濃くなってきたわ」
勇者「晴れるまでここらで休もう」ｶﾗﾝ
魔法使い「賢明じゃな」
武闘家「俺はまだ行けるぜ」
勇者「まあ、これでも食べようよ」
武闘家「きのこのパイか！」
僧侶「果物のサラダね…」
魔法使い「いつの間に作ったんじゃ」ｸﾁｬｸﾁｬ
勇者「得意なんだ」
武闘家「僧侶は最後に食えよ」ｸﾁｬｸﾁｬ
僧侶「何で」

19 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:08:35 ID:6chJA4w.

勇者「平原だ」ﾎﾟｲｯ

魔法使い「やっと森を抜けたのう」

僧侶「今の…見た？」

武闘家「あ、ああ」

僧侶「ひのきの棒よね」
武闘家「投げ捨てたな」
僧侶「しかも今まで地面をガリガリ引きずっていたわ」

20 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:10:58 ID:6chJA4w.

勇者「どうかした？…あッ」
僧侶「気付いたようね」
勇者「もしかしたら…武器を使える？」ﾋｮｲ
武闘家「かもな、棒が壊れていない」
勇者「よしっ…えいやっ」ﾍﾞｷﾍﾞｷｨ
僧侶「ああ…」
武闘家「折れた」
僧侶「なぜかしら」
武闘家「武器と思って使うのが駄目なのかもな」
魔法使い「ふぉっふぉっ」

21 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:13:02 ID:6chJA4w.

勇者「湖だ」
魔法使い「広いの」
武闘家「泳ぐか！」ﾇｷﾞﾇｷﾞ
僧侶「ちょっ、やめてよ」ﾎﾞｶｯ
武闘家「イッテ」
勇者「魚が逃げるからね」
僧侶「そうじゃないわよ」
魔法使い「むう、釣れんのう」

22 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:16:55 ID:6chJA4w.

僧侶「やった、釣れたわ」
勇者「僧侶ってさ」
僧侶「なに？」
勇者「魚釣り上手いよね」
僧侶「そんなことないわ」
勇者「可愛いし」
僧侶「やめてよ」
勇者「僧侶なのがもったいないくらい」
僧侶「やめてってば、勇者ったら」
魔法使い「ふぉっふぉっ、若いのぉ」
僧侶「やめてよ！」
勇者「あははは」

23 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:18:18 ID:6chJA4w.

勇者「武闘家、静かだね」
僧侶「あら、風邪かしら」
武闘家「ち、ちげぇよ」
魔法使い「ふぉっふぉっ、こっそり泳ぐからじゃよ」
武闘家「…泳いでねぇよ」
勇者「今日はもう休もうか」

24 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:19:34 ID:6chJA4w.

勇者「これでよし」
魔法使い「干し魚じゃな」
勇者「起きてたんだ」
魔法使い「年寄りは早起きなんじゃ。勇者、寝ておらんな？」
勇者「あはは、疲れてないから眠くないんだ」
魔法使い「本当に疲れてないからかの？」
勇者「え？」
魔法使い「…何でもないわい」

25 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:20:16 ID:6chJA4w.

勇者「朝だ」
僧侶「何言ってるの、もう昼よ」
勇者「あれっ」
魔法使い「…ふぉっふぉっ」
勇者（寝てしまったのか）
武闘家「おい…勇者」
勇者「うん？」

26 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:21:36 ID:6chJA4w.

武闘家「俺、パーティーを抜ける」
勇者「！！…ど、どうしたの急に」
僧侶「…」
魔法使い「……武闘家」
武闘家「うるせぇ！俺はお前らとは行かねえ」ｽﾀｽﾀ
勇者「あっ、ちょっ」

27 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:22:38 ID:6chJA4w.

勇者「待ってよ」ｶﾞｯ
武闘家「離せ！勇者ｧ！」ﾊﾞｼｨ
勇者「うわっ」ﾄﾞｻｯ
僧侶「ちょっと、武闘家！」
武闘家「」ｽﾀｽﾀ
勇者「イツツ…武闘家！」
魔法使い「ふむぅ…」
僧侶「どうしたのかしら」

28 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:23:45 ID:6chJA4w.

魔法使い「多分な、僧侶に好意を抱いていたんじゃ」
僧侶「えっ？」
魔法使い「勇者と仲良くしている様子を見て、嫉妬したんじゃろ」
僧侶「そんなこと…」
勇者「そっか…」ｽｸｯ
僧侶「勇者！どこ行くの！」

勇者「武闘家を連れ戻す」

29 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:26:17 ID:6chJA4w.

僧侶「私も行く」
勇者「いや、駄目だ」
僧侶「どうして！」
勇者「…誰がその干し魚を見張るんだい？」
僧侶「こんな時に魚の心配！？」
魔法使い「そうじゃの、わしだけじゃ不安じゃ」
魔法使い「それに」
僧侶「？」

30 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:27:36 ID:6chJA4w.

魔法使い「こういうことは男だけで解決するもんじゃ」
勇者「すぐ戻ってくる」ﾆｶ
僧侶「…わかったわよ」
勇者「武闘家っ…！」ﾀﾞｯ
僧侶「」ﾆﾀｧ

31 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:28:25 ID:6chJA4w.

勇者「武闘家ぁ！」
武闘家「…勇者、か…今更なんの用だ」
勇者「お前を連れ戻しに来た」
武闘家「イヤだね…うっ！？」ｶﾞｯ
勇者「なんと言おうと…ぶん殴ってでも連れ戻す！」
武闘家「くっ…馬鹿が、素手で俺に勝てると思うな！」

32 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:29:32 ID:6chJA4w.

魔法使い「さて、僧侶よ」
僧侶「…何よ」

魔法使い「随分、上手くいったようじゃの、顔に出ておる」
僧侶「何を言ってるの？」
魔法使い「そろそろ、本当の姿を見せい、夢魔」
僧侶「！」

33 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:30:58 ID:6chJA4w.

魔法使い「騙されたふりも楽じゃなかったの」
魔法使い「あやつらもおらんことじゃ、本気をだすとしよう」ｽﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

…………

魔法使い「片づいたわい」
魔法使い「夢魔の話ではこの辺の草っぱらに」ｶﾞｻｶﾞｻ
魔法使い「おったわい、のんきに寝ておる」
僧侶「くぅくぅ」

34 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:31:46 ID:6chJA4w.

勇者「はあ、はあ」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

武闘家「はあ…はあ…」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

勇者「くっ」ｶﾞｸ
武闘家「むぅっ」ｶﾞｸ

勇者「やるな」
武闘家「勇者こそ」

勇者「殴りあっていたら」

武闘家「どうでもよくなったな」

勇者「…戻ってくれる？」
武闘家「…ああ」

35 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:34:05 ID:6chJA4w.

勇者「魔法使いだ」
魔法使い「ほほ、二人とも、話がある」
武闘家「…なんだよ」

…………
勇者「僕が夢魔に魅了されて」
武闘家「俺はそれに加えてに錯乱状態にさせられた」
魔法使い「そうじゃ。夢魔はおぬしらの同士討ちを企んだ」
勇者「夢魔本人はひ弱そうな魔法使いを狙った、と」
武闘家「甘かったな、殴り合いで正気に戻ったぜ」

36 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:39:00 ID:6chJA4w.

魔法使い「わしも下級の悪魔なんぞに負けんわい」
勇者「でも、一体いつから僧侶と代わっていたんだろう」
魔法使い「湖に着くころじゃろ」
僧侶「んん…」ﾑｸｯ
勇者「あ、起きた…」
僧侶「…ああっ！」
武闘家「ど、どうした」
僧侶「夢魔が…、出てしまったようね…」
勇者「どういうこと？」

37 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:39:47 ID:6chJA4w.

僧侶「私と契約した悪魔よ…！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ
魔法使い「神に仕える者が、悪魔と契約とな」
僧侶「そうよ、私は僧侶の前は悪魔祓い師だったの」
勇者「それで使い魔を召喚したんだ」
僧侶「して無いわ！勝手に出たのよ！」
武闘家「悪魔祓い師が転職ね…聞いたことがない」

38 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:40:33 ID:Tp5lnmTE

行間空けて書くのを統一しろよ
読みづらいやろこれ

39 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:41:13 ID:6chJA4w.

魔法使い「悪魔を殺す事に魅入られた者を悪魔祓い師、じゃったな…一度就くと死ぬまで辞められぬ呪いの職業…」

勇者「でも僧侶になってるよ」
僧侶「私、一度死んでるの」
武闘家「何だって、幽霊か」

40 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:42:55 ID:6chJA4w.

僧侶「ちがうわ…悪魔に殺される間際に、その悪魔と契約したの。まだ生きられることを条件に」
勇者「その悪魔が夢魔か」
武闘家「なぜ勝手に出たんだろうな」
魔法使い「僧侶が男と遊ばず退屈だったからじゃろ」
僧侶「過去の私は、誰も信じられず、ひたすら悪魔を殺していたわ」
僧侶「でも、そんな私が死ぬ間際に、もう一度神様を信じようと思って…」
武闘家「一度死ねば悪魔祓い師を辞められて、僧侶に転職できたってわけだ」
勇者「なるほどね」

41 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:48:16 ID:6chJA4w.

武闘家「夢魔は僧侶になるとは思わず、真面目な僧侶の生き方にしびれを切らした」
僧侶「いつかこうなると思ってたけど…黙っててごめんなさい」
魔法使い（僧侶を生かしていた神は、低俗な悪魔だったということか、皮肉なもんじゃな）
僧侶「夢魔は死んだけど…契約はまだ続いてる。まだ生きていられるわ」
勇者「まあ、何があろうと僧侶は僧侶！今まで通り、旅を続けようよ」
仲間達「…おお！」

42 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:49:14 ID:6chJA4w.

勇者「谷だ」

魔法使い「一時はどうなるかと思ったの」
僧侶「ええ」
武闘家「これで良かったと思うぜ」
勇者「ねえ、聞いてる？谷だよ」

魔法使い「知っておる」
武闘家「深いな、迂回するか？」
僧侶「このまま行きましょうよ」
魔法使い「道具が無いから危険じゃ」

43 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:51:19 ID:6chJA4w.

武闘家「魔法使いの言う通りだ」
勇者「魚の骨でピッケルを作ったよ」
魔法使い「本当に器用じゃの」
僧侶「食料も充分、じゃあ行きましょう」
武闘家「ああ」

ｶｯ､ｶｯ

僧侶「ねえ武闘家」

武闘家「ああ…」

魔法使い「うむ…」


仲間達「あれも武器だろ」

44 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:51:54 ID:6chJA4w.

僧侶「普通に使ってるわ」

武闘家「勇者にこの事実を伝えるか」

魔法使い「やめた方がいいぞい」

武闘家「あっ、そうだな」

僧侶「武器と意識して使うと壊れてるからね」

魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「〜♪」ｶｯ､ｶｯ

45 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:53:07 ID:6chJA4w.

勇者「谷を越えたね」

僧侶「ええ…食料も尽きて危なかったわ」

武闘家「そろそろ肉が食いたいぜ」

魔法使い「わしもじゃ」

勇者「見て、動物の足跡！」

武闘家「熊だな」

勇者「じゃあ、狩りをしよう」
僧侶「無理よ」

46 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:54:23 ID:6chJA4w.

途中で行開けるの忘れた…こいつは失敬

47 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 01:55:08 ID:6chJA4w.

勇者「なんで」

僧侶「武器が無いわ」

武闘家「俺なら勝てる」

僧侶「厚い毛皮に打撃は通用しないわ…魔法もね」

魔法使い「やはり剣かのぅ」

勇者「うーん…遭ったらマズいね」

48 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:00:52 ID:6chJA4w.

勇者「熊だ」

僧侶「どうしてこうなったのかしら」

武闘家「腹空かしているみたいだぜ」

魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「…みんな、僕の言う通りに動いてくれ」

49 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:01:59 ID:6chJA4w.

勇者「この作戦で…よし、今だ！」

魔法使い「へいへい！熊公こっちじゃ！」

魔法使い「…きたぞい、とっておきの干し魚じゃ」ﾎﾟｲ

僧侶「食らいついたわね…拘束魔法っ」ﾋﾞｼｯ

僧侶「くっ、なんて力なの、数秒しか持たないわ」

武闘家「充分だぜ、眉間にっ」ﾀﾞｯ

武闘家「正拳んぃぃえ゛ああぁ！」ﾐｼﾐｼｨｯ
ｽﾞｽﾞｰﾝ

勇者「やったね、みんな！」

50 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:06:47 ID:6chJA4w.

勇者「じゃ、僕が〆るよ」

武闘家「ああ、俺そういうの苦手だから頼む」

僧侶「私も」

魔法使い「ふぉっふぉっ、手慣れておるの」

勇者「全ての生き物に、感謝を」ｻﾞｸｻﾞｸ

武闘家「勇者って何者なんだろうな」

僧侶「こういう事ができるから勇者なのよ」

51 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:08:12 ID:6chJA4w.

勇者「熊鍋だ」

武闘家「うめぇ」ｸﾁｬｸﾁｬ

魔法使い「うむ」ｸﾁｬｸﾁｬ

僧侶「そうね」ｽｯ

武闘家「食べて無いだろ
」
僧侶「頂いているわ」ｽｯ

魔法使い「おしとやかな食べ方じゃ」ｸﾁｬ

武闘家「悪魔が消えたからか？」ｸﾁｬ

勇者「あー疲れた」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

52 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:09:15 ID:6chJA4w.

勇者「熊もいないだろうし、ここらで野宿だ」

僧侶「魚を釣ってくるわ」

勇者「もう釣ってきたよ」

武闘家「薪を集めてくる」

勇者「もう集まったし、火も起こしたよ」

魔法使い「テントを張るかの」

勇者「もう張ったよ」
仲間達「早いな」

勇者「じゃあ、しばらく休もうか」

53 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:15:15 ID:6chJA4w.

勇者「ねえ…、武闘家」

武闘家「なんだ」

勇者「どうして戦士じゃないんだい？」

武闘家「わはは、そんなことか」

武闘家「俺はな、本当は魔法を使いたかったんだ」

勇者「へえ」

武闘家「だが、どんな生物も魔力は生まれもった素質」

武闘家「俺には素質が無かったのさ」

54 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:17:42 ID:6chJA4w.

武闘家「それに、武器は俺の趣味じゃないからな」

勇者「そうか」

武闘家「俺は寝るぜ、勇者」

勇者「うん」

55 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:19:03 ID:6chJA4w.

勇者「街だ」

僧侶「誰もいないわ」

武闘家「ああ」

魔法使い「……」

勇者「改めて…この世界が魔王に滅ぼされたと実感するよ」

勇者「みんな、魔王を倒そう。絶対に」

56 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:21:43 ID:6chJA4w.

勇者「魔王城だ」

勇者「そして…」

勇者「魔王！」

僧侶「なんて魔力…！」
魔法使い「勝てるかのう」

武闘家「ヤバいかもな」

勇者「みんな…この作戦で行くよ！」

57 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:24:31 ID:6chJA4w.

…………

武闘家「はあ、はあ、ダメだ！」

僧侶「傷が10秒で塞がるなんて」

魔法使い「手で魔法を跳ね返すようじゃ」

勇者「…」

勇者「みんな、今までありがとう、楽しかったよ」ﾎﾞｿｯ

勇者「最後の作戦だ！」

58 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:33:28 ID:6chJA4w.

勇者「魔王のガードをこじ開けてくれ！」

仲間達「うおおお！」

勇者「武器じゃないと決定的な一撃は与えられない」

勇者「非力な僕ならなおさらだ」

勇者「だから、命を犠牲に、能力強化」ｷﾞｭﾝｯ

勇者「この武器だけは唯一壊れなかった」ｽﾁｬｯ

勇者「岩に刺さっていた剣の…柄！」

勇者「食らえぇぇぇあああああぁ！」ｽﾞﾄﾞｫｫﾝ

……………

59 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:36:50 ID:6chJA4w.

僧侶「終わったようだわ」

魔法使い「ふむ、街に人が戻っておる」

武闘家「勇者は戻ってこないけどな、…あの馬鹿やろう」

魔法使い「まったく、勝手に死におって」

僧侶「ほんと…勝手だわ…」

60 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:42:07 ID:6chJA4w.

武闘家「これからどうする？」

僧侶「勇者のこれ…教会で手厚く葬るわ」

魔法使い「柄しか残らんとはな…そうじゃ、わしは、孫娘に合いにゆく」

武闘家「俺より強い奴がいないか探すか…勇者以上はいないと思うけどな」

「武器には恵まれなかったけど」

僧侶「ん？何か言った？」

「仲間に恵まれていたよ」

魔法使い「空耳かの」

「みんな、本当にありがとう」

武闘家「…」

仲間達「こちらこそ」

61 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 02:44:13 ID:6chJA4w.

以上でおしまい
改行をミスったのは全力で後悔
色んなエンディング考えたけどやめとくかな

62 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 08:39:04 ID:aKmw0RuQ

乙！！ 他も見て見たいです

63 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 11:16:25 ID:6chJA4w.

一つだけ別エンディングを書ぎますわ
パラレルだと思ってください

64 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 11:19:20 ID:6chJA4w.

勇者「街だ」

武闘家「だれもいないぜ」

僧侶「ええ」

勇者「改めてこの世界が…魔王に滅ぼされたと実感するよ」

魔法使い「そうじゃの」
仲間達「…」

65 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 11:21:40 ID:6chJA4w.

僧侶（まだバレてないようね）

武闘家（まだバレてないな）

魔法使い（気づかれてないようじゃ）

仲間達（実は私が魔王だということを）

66 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 11:27:53 ID:6chJA4w.

武闘家（俺は生まれつき魔力がほとんど無かった歴代最弱の魔王）

武闘家（とはいえ、勇者の武器を封じる呪いをかけ、機会があれば殺そうと思ったが…）

僧侶（勇者を倒すため、複数の悪魔と契約した結果）

僧侶（悪魔達に力を奪われるなんて、末代までの恥だわ…勇者の武器を封じる程度が精一杯なんて）

僧侶（夢魔が勝手に出たのは焦ったけど、倒してくれたのは助かったわ）

僧侶（このまま力を取り戻して、この手で勇者を…）

67 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 11:34:57 ID:6chJA4w.

魔法使い（先代勇者に倒されたが、復活し、勇者を殺さんとしたが）

魔法使い（復活しただけで魔力がもう持たん、こけおどしの火柱を出すのが精一杯じゃ）

魔法使い（谷や湖…殺す好機はいくつもあったが）

魔法使い（僧侶にさえ力負けしそうじゃ）

魔法使い（何より）

仲間達「勇者との旅が楽しすぎるぅ！」

勇者「え？」

68 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 11:41:39 ID:6chJA4w.

勇者「そっか、僕もだよ」

武闘家「あっ、いや、これは」

僧侶「そっそそうね、これはあれよ」

魔法使い「ふぉっっ」

勇者「さあ、進もう、魔王を倒すために」

仲間達（私が魔王なんだがな）

武闘家「まあいっか」

僧侶「まあいいわ」

魔法使い「まあ良かろう」

仲間達「最期まで勇者との旅を楽しませてもらおう」

勇者「僕からも、最後までよろしく」

69 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/21(木) 11:43:06 ID:6chJA4w.

おしまい
行間開けなかったのは本当にすいませんでした
ではさよならﾉｼ

70 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/24(日) 06:02:54 ID:mUHs7Dzs

乙

71 ：以下、名無しが深夜にお送りします：2013/03/26(火) 06:54:20 ID:3PeKhrZY

乙

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