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エジプト カイロの留学・生活情報スレ

228在カイロ スルタンホテル 塾長まる。:2012/01/12(木) 17:31:06 ID:e5tcpE2k
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120112dde012070059000c.html

私だけのふるさと:西加奈子さん エジプト・カイロ


作家の西加奈子さん
 ◇寝転がって見た砂漠の星空
 父の仕事の関係で、生まれたのはイランの首都テヘランですが、2歳でイラン革命が起き帰国しました。再び父が海外勤務となり小学1年から4年生までを過ごしたのがエジプトのカイロです。エジプトにはミイラやピラミッド、砂漠のイメージしかなく、砂にテントを張って住むものと本気で思い込んで。父、兄と一緒にお風呂に入ったとき、父に「加奈子も行くよね。約束して」と言われたけど、指切りしなかったのを覚えています。

 でも実際には、ヨーロッパ風の建築やモスクの建ち並ぶ大都会でした。街では荷物を運搬するロバやヤギが歩いてるし、大渋滞もあって、なんだかほこりっぽい。それに独特のにおいもしました。衛生面では日本と大分、違っていたようです。親に「絶対飲んではいけない」と言われた生水は、こっそり飲んでいました。子どもたちだけで買い食いをしても腹を壊さなかったし、そういう意味ではたくましかったと思います。エジプシャンの子の家に遊びに行くと、家がみすぼらしく、格差の大きさに衝撃を受けました。

   * * * *

 エジプトといえばやっぱり砂漠。そこで見た星空の美しさは忘れられません。日本人学校に通っていたのですが、夏休みに生徒と先生で星空の観察に出かけたときのこと。途中でバスのタイヤがパンクしてしまい、助けが来るまで皆で砂に寝転がって夜空を見上げたんです。周囲は真っ暗なので、星座がとてもきれいに輝いていて。理科の先生が懐中電灯を空に向けて、説明をしてくれました。特に美しかったのがピンク色の天の川。天の川が見られるのは世界共通なんだと驚きました。

 ピラミッドのそばでたこを揚げたりもしましたが、あまりに何度もピラミッドに行ったせいで、少し飽きてしまいました。ぜいたくですよね。正月に餅つきもしました。日本を離れている分、祖国の文化を大切にしようという大人たちの思いは強かったようです。日本人学校の友だちが毎年先に帰国して、寂しく思ったこともありましたが、自分が去るときは、家事をしてくれたエジプシャンのメイドさんとの別れがとてもつらかったです。

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 帰国して入った大阪の小学校は大規模で、一斉に食べる給食に最初はなじめなくて。食事がどうしてものどを通らなかったんです。カイロでの日本人学校は1学年10人くらいでしたし、ギャップのあまりの大きさにストレスを感じたのでしょうね。でも、カイロで仲良しだった日本人の友だちとずっと文通していたから、寂しくはありませんでした。「今の環境がすべてじゃない。私には別の世界がある」という思いって、大切ですよね。

 昨年は「アラブの春」と呼ばれた中東の民主化運動があり、エジプトの大規模デモの映像がテレビで何度も流れました。エジプシャンはノリがいいから大勢集まったのだろうと思いますが、優しく楽観的な人たちが、あんなに思い切った行動を取るなんて、私の知らない歴史があったんですね。映し出された町並みに懐かしさを覚えながらも、なんだか複雑な気持ちになりました。【聞き手・写真、江畑佳明】

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 ■人物略歴

 ◇にし・かなこ
 作家。1977年生まれ。04年「あおい」でデビューし、05年に発表した「さくら」がベストセラーに。07年「通天閣」で織田作之助賞。ほかの著書に「きいろいゾウ」「円卓」など。先月、大阪を舞台にした「地下の鳩」を出版した。

毎日新聞 2012年1月12日 東京夕刊


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