今回の本で、本の中に書いていないキーワードは「Rest of us」(残された自分たち)。僕は1980年代にAppleとたくさん仕事をしたんだけれども、当時Appleは、自分たちがやっていることは「“Computer for the rest of us”(残された自分たちのためのコンピュータ)を作ることだ」と言っていた。その頃、コンピュータはものすごくITリテラシーが高い人が使うもので、それ以外の「残りの人」は使えなかった。Windowsもない時代で、コンピュータを使うためにプログラミングの勉強する時代だった。
今回の本のタイトルを英語で書くとしたら“Web Revolution for the Rest of Us”(残された自分たちのためのウェブ革命)。ただ、僕は英語が下手なので、英語で書くのはありえないと思った。
「ウェブ進化論」は、「ウェブってこうなってる」と世の中に伝えたい、というのが頭で読む人のための部分。心の部分で誰に届けたいかというと、ネット時代を切り開いていく最先端の若い人たち。中学生とか高校生とかネットベンチャーでがんばっている人とか、エッジが効いた最先端の人に「がんばれば自分たちもできるかもよ」と伝えたかった。こういうことを日本で言う人は少ないから。心はRest of usではなく、先頭で走っている人に込めた。
残念な気持ちとは言ったけど、生き方に筋を通して一所懸命やってきた自信はあるんです。僕のようなRest of us(※編集部注:ごく一部の優れた能力を持つ人以外の人々。詳しくは前編を参照)、似たような感慨を持ちながら生きている人は多いと思うんだよね。Rest of usの生き方があるとは誰からも教わってない。そういう道筋があるなんて。だけど、多くの人の人生はそんなものですよね。
3月17日の僕のブログ(※編集部注:「My Life Between Silicon Valley and Japan」の「直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。」)は、酔っ払って書いたから言葉がすべっちゃって。でもあっというまにブックマークがたくさんついちゃったから直せなくなったんだけど、ブログが炎上しかけて。なんであんなもんで炎上しなきゃいけないんだと思うんだけど(笑)
「大学時代のクラブの先輩の手作り結婚式」にかこつけて「豊かさというのは、何を持っているかではなくて、何を与えられるかで計るべきだ」なんて小学校の道徳や朝礼の訓示みたいなこと言って、あっオレまたなんかいいコト言っちゃったよエヘヘ的なエントリ上げてる暇があったらさっさとHatena.incの総括をしろよと思っていた矢先にIT Media Newsに記事が出たのでさっそく読んでみましたが全然だめですよこりゃ。