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ラノーン (Ranong)
26
:
ハジャイ・プーケット・サムイ
:2013/02/13(水) 11:13:50 ID:mvRf2lo20
ランボー 最後の戦場 [DVD]
初代ランボーはベトナム帰還兵の苦悩を若きランボーに投影することで、逞しくも悲しいヒーローとしてのランボーを印象付けました。
その後の続編にしても、ベトナムに置き去りにされたまま救われることのない捕虜たちや、ソ連に侵略を受けているアフガニスタンの人々といった、冷戦当時の世界情勢を反映した何かしらの『メッセージ』が込められたものばかりでした。
昨今はハリウッドでも、独善的な勧善懲悪思想や利益優先が更に極端化し、舞台背景を簡単なものにしたり曖昧にしたりして観客に分かりやすいシナリオ設定をする作品が増えました。
それは何かを訴える作品が減ったということでもあると私は思います。
そんな中、安易な続編にしなかった今作は良い意味で非常に驚きました。
軍事政権の支配するミャンマーの実際の資料映像を使用した惨状を冒頭に、迫害される少数民族や、人権侵害行為を包み隠さず描いています。
単に敵を悪逆非道に描く演出ではなく、実際にミャンマーではそういったことが起きているのだと予備知識がなくとも伝わってくる説得力が凄い。
また、そうした狂気の世界では暴力なくしては身を守れないという複雑な無力感が、国境なき医師団のヒロインの、正論ながらどこか平和ボケした言動と対比されています。
思想的なことを押しつける気はありませんが、平和憲法が世界を救うといった考えの人にも「問答無用の現実の戦争は果たして憲法という紙きれだけで防げるか?」という一つの問いかけになっていると思います。
激しいアクションシーンも圧巻ながら、ただのアクション映画として一年後には忘れられているような内容ではないのが、さすがはランボーです。
残虐なシーンも多いので、万人にオススメできるものではないのですが、多くの方に見て欲しいと思います。
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