したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

ステレオタイプについてじっくり語るスレ3

588名無しさん:2020/07/11(土) 22:40:20 ID:SJLONATQ0
しかし本来、“上方の女”とは控えめで品のある女性だ。それを井上氏が本書でていねいに解説しているのだが…この原稿を書く関西出身の私は思う。「きっと“大阪的”を好む関西圏以外の人々はそれほど聞きたい話ではないのではないか?」。

 今日も“大阪的なおばちゃん”は元気に街を賑わしている。そのイメージは“つくられた”ものだろうし、関西圏以外の人々の願望も少しだけ入っているような気がする。

■著者が本書で最も言いたい“大阪らしくない”歴史と文化
 井上氏が本書につめこんだ思いは強く、全国で散見される“大阪的”なイメージを覆そうと様々な分野について言及している。

 たとえば、大阪の超人気プロ野球球団「阪神タイガース」。今でこそシーズン中は毎試合4万人のファンが甲子園球場に足を運ぶが、実はこれ、小さなテレビ局「サンテレビ」のおかげだった。その昔、驚くべきことに大阪では、というより、全国の野球ファンはみんな「読売ジャイアンツ」を応援していた。大阪人も“ジャイアンツファン”が大半を占めていたのだ。当然甲子園は閑古鳥が鳴く。しかしサンテレビが行った“あること”をきっかけに、ジャイアンツ人気の牙城にヒビが入る。

 また、一部の人々は大阪のことを“エロい街”と考えるのだそうだ。なぜこのような印象を抱かれてしまったのだろう。本書をひもとくと、確かに大阪が作り上げた“エロ産業”が関係していたのだが、それを最も利用したのは“東京の男”だったらしい。東京の男たちが行った“なすりつけ”のような罪深き行為が本書には克明に記されている。

 そして最後に、井上氏が本書で最も言いたいことをこの記事でも触れておかなければならない。ほとんどの人が存じないだろうが、1930年代、大阪は東京と互角の経済力を有していた。それを表すかのように有名な大企業の多くが大阪に本社を置いていた。そのため大阪がどんどん工業化し、全国から労働者が集まった。結果、生活するには環境の良くない土地になってしまう。

 そこで起きたのが、阪神間の山すそへ本宅を移すことだ。その結果、阪神間の一部の地域の“ブルジョア化”が起こる。美人な女性が多く集まるようになり、“音楽の都”と表現しても過言ではないほどクラシック音楽が盛んになるのだ。なにより、この阪神間に住む人々の言葉が、大阪弁と標準語を交えたような、独特の言葉になった。京都弁よりも上品だったかもしれない。

 しかし今のメディアは、安易に目を引く“大阪的”に釣られ、この大阪らしくない歴史や文化を取り上げようとしない。井上氏は本書で嘆いている。

ひやかすような物言いは、ひかえてほしい。そこをあおって、一面的な大阪人像をおしつけることも、やめてもらいたいのである。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板