だが、2004年入社の中国人技術者一期生である華忠広氏(TRE China ITO第一事業部事業部長)は、「最初は、『より良いものをより安く』という考え方が全く理解できなかった」と振り返る。華氏は山東省の一流大学でソフトウエア技術を専攻し、トライアルに新卒入社した。持ち前の技術力を生かしてプログラミングを担当したのち、今は事業部長に昇進。30人の部下を抱えて、パート社員管理など総務・人事系システム構築のプロジェクトリーダーを務める。西川CIOが「新しい業務や技術を覚えるのに熱心で、一緒に働く日本人社員を立ててくれる礼儀正しさもある」と賞賛する人材でも、同社のビジョンをすんなり受け止めるには育った風土が違い過ぎた。