今年のメーンテーマは「宇宙のフロンティアに挑むTMT」。TMT(Thirty Meter Telescope=30メートル望遠鏡)とは、今年からハワイ島マウナケア山に建設が始まった次世代超大型望遠鏡で、日本・米国・カナダ・中国・インドとの国際協力で進められているプロジェクト。492 枚の複合鏡からなる口径30 メートルの光学赤外線望遠鏡で、2021年の完成を目指している。
講演会は25日、東京大学の本原顕太郎准教授による「赤外線で宇宙を見よう〜動き始めたTAO望遠鏡計画〜」を東京大学天文学教育研究センターで11時30分〜開催。プリンストン大学のEdwin L. Turner教授による「The Search for Planets and Life Outside the Solar System(太陽系外の惑星と生命の探索)」(同時通訳あり)を13時〜、国立天文台・総合研究大学院大学の家正則教授による「30メートル望遠鏡TMT、いよいよ建設開始!」を14時30分〜、すばる棟・大セミナー室で行われ、同2講演はネット中継され、会場に入りきれなかった人や来場できなかった人も聞くことができる。
ギャラクシーフォーラムは、宇宙という共通のテーマを通しての教育プロジェクト。ハワイに本拠を置くILOA(国際月面天文台協会: International Lunar Observatory Association)が主催し、アメリカはもちろんのこと、インド、ヨーロッパ(チェコ)、カナダ、南アフリカ、中国での開催実績ある。日本では2010年から開催されるようになった。
講演会では、3名の教授が登壇。「トモエゴゼンが木曽の空に観る宇宙」「 Listening to the universe with gravitational waves(重力波で聴き取る宇宙の声、同時通訳付き)」、「重力波を電磁波で見る?―電磁波追跡観測で重力波源の正体に迫る―」という3つの講演を通じ、重力波天文学という新しい研究分野と多波長観測を合わせた、国立天文台が取り組む包括的な天文学研究の最前線を紹介するという。
今年のテーマは「重力波が拓く天文学」。国立天文台講演会ではFLAMINIO,Raffaeleさん(国立天文台重力波プロジェクト推進室長特任教授)が「Listening to the universe with gravitational waves(重力波で聴き取る宇宙の声)」(同時通訳あり)を、吉田道利さん(広島大学教授)が「重力波を電磁波で見る?-電磁波追跡観測で重力波源の正体に迫る-」をテーマに、それぞれ話す。東京大学天文学教育研究センター講演会では酒向重行さん(東京大学助教)が、東京大学木曽観測所で開発中の超広視野高速CMOSカメラ「トモエゴゼン」の開発と科学成果を紹介する。「トモエゴゼン」は動画で星座をまるごと監視できる技術で、重力波を生み出す星と星の合体現象を捉えられると期待されている。