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ユニバース【パート2】

605鮭のお母さんはかわいそうでしょう:2015/12/12(土) 02:51:13
魚が旨いからと言うからにはと思い米と塩を店の前に置いてから帰宅したら程なくして
お隣の奥さんが青森から人が来ると教えてくれた。前にはないから砂糖をくださいと
泣きついてきた青森の雪は砂糖と間違える程に白く甘くそれでいてさわ
やかな甘みがあるんだと経験者は語る。もし一歩間違えばどうなるかと魚に醤油をつけ
庭に干していたと

庭に干したらたぬきがつまみ食いに来てそれにつられてクマまで来て
その頃青森からの客人が北鉄に乗ってやってきてさぞかし驚いていた食物連鎖あっぱれと天野アキちゃんもじぇじぇじぇな光景でしたとね

もちろんその食物連鎖の最後たるは人間様なのさ庭に干した魚を食ったたぬきを食らったクマを調理して
まめぶなんか拵えて食べた自然の恵に感謝して神様仏様旦那様にも手を合わせてその美味しさに心踊り狂った
お隣さんなんかにも分けて賑やかな催しになった寒くなってきて体も温まる時期に雪が来る甘くそして白くそれは綿飴のような雪を楽しみに私はそっと頬を崩す

折角だから北鉄の駅に差し入れにと大向駅長を尋ねた吉田副駅長とともにクマの入ったまめぶ汁は見たことがないと驚きつつもその美味に酔いしれた
その後に青森からの客人もお隣の奥さんを見送るまたいらっしゃいとね 冬は厳しいから次は春に桜でも見に来てねと海女さんの実演も見たいからといい残し北鉄の列車に乗り込む
その表情はどこか哀愁漂う感じに見えた私は窓越しにとっておきの生うにを渡した 本当はこっそりと晩酌の肴にするつもりだったがお世話になったからと差し出した
客人はとても喜び二戸からはやぶさに乗り換えて青森へ帰っていった
そうさ そうだった 何かに理由をつけていたがあの人を私は知っている 天野 春子と同級生だった私だがもう一人同級生がいたその人こそ私の初恋の人だったしかし彼女はすでに所帯を持ち三人の子供もいて1番大きい子は大学医学部に入ったと

そんな幸せを享受する家庭に私などが水を指すわけにはいかない
見送りもそこそこに私は店の前の冬支度をする北の冬は厳しいが冬が来たら春が訪れるその喜びは何事にも替えがたい だがら泣き言など言ってられない六郎さんから貰った鯵や秋刀魚を天日干しにしているとあんべちゃんがうにを持ってきた大向駅長から私が客人にうにをあげたことを聞いたようだ
これは良かったさあさあがってけれとあんべちゃんを家へ向かえ入れる
客人から頂いた青森の地酒を頂きうにを肴に昔話に花を咲かすのだった


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