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栃木県のカメムシについて6

1Aelia ◆mYl7EDbJMI:2009/05/14(木) 21:45:21
栃木県のカメムシについてのスレッド
カメムシ以外の虫もOKです

前スレ
h ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/travel/1614/1131291343/

664Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/13(土) 12:35:01
各科解説

クビナガカメムシ科
1 ヒメクビナガカメムシ 下野 宮岡 遊水地 迫間
2 クロクビナガカメムシ 下野 宮岡 遊水地 

各地に多い。特に冬には落ち葉やごみ、石の下に幼虫がみられる。
宮岡橋では成虫の群飛が観察された。林の下草に多数の成虫がおり
比率は圧倒的にヒメクビナガカメムシが多かった。

665Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/13(土) 12:37:13
オオムクゲカメムシ科
3 ムクゲカメムシ 宮岡 遊水地 迫間

山地に分布の中心があるが平野部でも得られる。
しかし同一種かどうかは分からない。
草地の枯れ草から採集され、山地では落ち葉層に見られる生態から、平野部でも
腐食した植物遺体、またそこに発生する小昆虫を捕食することが予想される。

666Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/13(土) 12:38:07
ムクゲカメムシ科
4 カワラムクゲカメムシ 下野 宮岡

河原の石の下に見られる。小規模な河川でも
少しでも河原が発達していれば生息している。

667Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/13(土) 12:39:34
タイコウチ科
5 タイコウチ 下野 宮岡
6 ミズカマキリ 下野 宮岡
7 ヒメミズカマキリ 遊水地

沼に生息するヒメミズカマキリを除いて
河川や付近の水たまり、学校のプール、用水路に普通。
ただし最近の調査ではミズカマキリが多く目についた。タイコウチはなかなか見られない。

668Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:40:31
コオイムシ科
8 タガメ 下野 遊水地

下野市では1990年代前半までは灯火に飛来する個体がしばしばみられた。

669Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:43:14
ミズムシ科
9 チビミズムシ 下野 遊水地
10 コチビミズムシ 下野 宮岡
11 ミゾナシミズムシ 遊水地
12 ハラグロコミズムシ 遊水地
13 コミズムシ 下野 遊水地

コミズムシ類は文献記録も引用した。
水環境の豊富な遊水地に最も多くの種を産するが
ミゾナシミズムシを除いて各地に普通の種。
下野市では3種が灯火で得られた。
その他河川の水際にはチビミズムシ類が多い。

670Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:43:49
メミズムシ科
14 メミズムシ 下野 宮岡 遊水地

泥地や水際に多く見られる。

671Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:44:38
マツモムシ科
15 マツモムシ 遊水地

沼で採れている。平野部ではあまりみかけない。

672Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:45:28
ミズカメムシ科
16 ムモンミズカメムシ 遊水地

ヒシのある沼に多く見られる。遊水地は多産地として貴重。

673Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:46:31
ケシミズカメムシ科
17 ケシミズカメムシ 遊水地 迫間

湿地の地表に生活する。迫間は狭い範囲に多数の個体が生息しており
今後乾燥化によって消滅してしまう可能性がある。

674Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:48:16
イトアメンボ科
18 ヒメイトアメンボ 下野 宮岡 遊水地 迫間

各地に普通。池や田んぼの水際にいて灯火にもよく飛来する。
よく似たオキナワイトアメンボは木陰になるような場所を好み
平野部にも広く分布しているかもしれない。

675Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:50:57
カタビロアメンボ科
19 ケシカタビロアメンボ 下野 宮岡 遊水地 迫間
20 ホルバートケシカタビロアメンボ 下野 宮岡 遊水地 迫間
21 マダラケシカタビロアメンボ 遊水地
22 ナガレカタビロアメンボ 下野 宮岡

マダラケシカタビロアメンボは分布が限られ、他種のように田んぼや河川敷の水たまりには見出されない。
遊水地に多数の個体が生息している。
ナガレカタビロアメンボは河川の水際で採れており
下野市では水の染み出した流れの周辺に多数の個体が集まっていた。

676Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 09:56:52
アメンボ科
23 オオアメンボ 下野
24 アメンボ 下野 宮岡 遊水地 迫間
25 ババアメンボ 遊水地 迫間
26 ヒメアメンボ 下野 宮岡 遊水地 迫間
27 ハネナシアメンボ 遊水地
28 ヤスマツアメンボ 下野 迫間
29 エサキアメンボ 遊水地
30 シマアメンボ 下野 宮岡

遊水地に産する25 27 29は南部における数少ない安定した生息地として
昔から知られていた。観察でも多数の個体が見つかったが
このむ環境は違っており、水路の日向には25が
日陰となりスゲの茂る水路には29が、ヒシの多い沼には27がそれぞれ優占していた。
オオアメンボは下野市で水門にいた一頭を確認した。
アメンボは河川本流に多く、一時的なものを含む小規模な水たまりにはヒメアメンボが多い。
ヤスマツアメンボは平野部では
森林の中にできた水たまりに生息しており河川で見つかることはごくまれ。
シマアメンボは用水路や河川水際の強流部にいる。

677Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:04:50
ミズギワカメムシ科
31 モンシロミズギワカメムシ 遊水地
32 クロツヤミズギワカメムシ 宮岡
33 コミズギワカメムシ 下野
34 ウスイロミズギワカメムシ 下野 宮岡 遊水地
35 エゾミズギワカメムシ 下野 宮岡 遊水地 迫間
36 ミズギワカメムシ 宮岡

もっとも普通な34-36のSaldulaは近似種がまだ混じっている可能性はあるものの
河川敷の水際や湿地にもっとも普通。
他の三種は分布域が限られ
モンシロミズギワカメムシは湿地の地表部にいる。少ない。
クロツヤミズギワカメムシは大きな河川敷の石の多い場所を好む。
コミズギワカメムシは休耕田のような草の多い湿った地表にみられた。

678Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:09:14
水生の種類は平野部において河川敷や水田、用水路、水たまりに
広く見られる普通種を軸に、遊水地に安定した生息地を持つ分布制限種
および二次的環境に生息する種類から構成される。
灯火への誘因性も強い群で、水域から離れた自宅の灯火にも
数種の水生類が飛来しており、ナガレカタビロアメンボも含まれている。
水域の乏しい平野部においては、
今後はライトトラップの併用により各地で記録が増えてゆくものと思われる。

679Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:26:17
グンバイムシ科
37 オオウチワグンバイ 下野 宮岡 遊水地
38 ウチワグンバイ 下野 宮岡 遊水地 迫間
39 ズグロナガグンバイ 下野 宮岡
40 プラタナスグンバイ 下野 宮岡
41 アワダチソウグンバイ 下野 宮岡 遊水地 迫間
42 ボタンヅルグンバイ 遊水地
43 キクグンバイ 下野 宮岡 遊水地
44 ヤナギグンバイ 下野 宮岡 遊水地 迫間
45 コリヤナギグンバイ 宮岡

今後構成種の多い科は分断して解説する。
グンバイムシ1
ウチワグンバイ類は地表部で生活し、ほかの種は植物とのかかわりが強い。
ウチワグンバイはもっとも普通で冬には石の下などで越冬する個体が見つかる。
オオウチワグンバイはより少ない。自宅の灯火に飛来するCantacaderはほとんどが本種である。
スゲにつくズグロナガグンバイは森林など暗い場所のスゲを好み
遊水地のような湿地、水生スゲにはつかない。
他の種は双子葉植物につき、各地に広がる草原にはかつてキクグンバイが生息していたが
最近では移入種のアワダチソウグンバイが増えてしまった。

680Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:34:48
アワダチソウグンバイの栃木県への正確な侵入経路は分かっていないが
自らの観察での初出記録は2006年9月の足利市迫間湿地となっている。
関東南部での生息拡大が知られていた当時、本県でも記録されたことで
注意を喚起し、その後佐野市唐沢山のふもとでも見つかった。
しかし遊水地では見つからず、翌月以降の数日にわたる調査でも見出されなかった。
翌2007年の春、県の中央に近い宮岡橋や遊水地でも本種が見つかり急速な拡大が懸念された。
さらに驚いたのは、高い山々を超えて6月に奥日光中禅寺湖畔でもトラップにかかった個体が記録され
付近のキク類植物群落にも少ないながらも生きた個体を見出した。
おそらく車両や貨物、人の移動により急速に分散したと考えられ
現在では、毎回の調査で見ない日はないほどに県内各地に優勢となった。

681Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:39:23
少数はヨモギなどの根元で成虫越冬し五月から再び増え始める。
アワダチソウのほか畑の畔に生えるようなキク科などの雑草にも多くみられ
かつてキクグンバイが生息していたニッチが奪われているような感がある。
河川敷の草原でのスイープでも、キクグンバイの入る回数はめっきり減ってしまった。
アワダチソウグンバイとともに北米から移入した同属のプラタナスグンバイは
よりホスト選択性が強く、学校や市街地に植栽されたプラタナス以外にはみられない。
下野市では学校、宮岡橋ではかつてあった大木に発生していた。

682Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:42:44
ヤナギには二種のグンバイムシがつくが
ヤナギグンバイは圧倒的に多く分布も広い。
宮岡橋の若いヤナギ群落から迫間のヤナギ大木まで
好む木は様々で、しばしば捕食者として
キモンクロハナカメムシやグンバイカスミカメとともに採集される。
コリヤナギグンバイは宮岡橋の限られた範囲に見られ
周囲にはイヌコリヤナギが多数あるが、生息している株は非常に限られている。
現在もっとも絶滅の可能性が高い栃木県産グンバイムシであろう。
2007年の発見からこれまでの調査で10に満たない成虫が採れただけ。

683Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:44:34
ボタンヅルグンバイは名前にボタンヅルとついているが
栃木県の個体はボタンヅルからは採れず、湿地から点々と記録がある。
これまで明確なホストはわからなかったが
遊水地ではすべての個体がタデ科のウナギツカミ類から採れており
これをホストとしている可能性が高い。

684Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:52:01
46 ヤマコウバシグンバイ 下野 宮岡 迫間
47 クスグンバイ 遊水地
48 ナシグンバイ 下野 宮岡 遊水地 迫間
49 ツツジグンバイ 下野 遊水地
50 シキミグンバイ 下野
51 トサカグンバイ 下野 宮岡 遊水地
52 ヒメグンバイ 下野 宮岡 遊水地 迫間
53 クルミグンバイ 遊水地
54 クチナガグンバイ 下野

グンバイムシ2
いずれの種もよく知られ、それぞれ名前に冠した植物を好む。
46-51のStephanitisは害虫として有名なものを含み
平野部ではツツジ植栽にはツツジグンバイ、アセビなどにトサカグンバイ、
ウワミズザクラにナシグンバイ、ヤマコウバシにはヤマコウバシグンバイが多い。
他の二種は暖地性で県内では少なく
シキミグンバイは下野市で寺に植えられたシキミについていたが
現在この木は枝が切られてしまった。その他点々と記録があり灯火にも飛来した。
クスグンバイは同定に怪しい部分がありタブグンバイかもしれない。
遊水地に植えられたタブに多数の個体がいて、移入と考えられる。

685Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:54:16
ヒメグンバイは雑木林の代表的な種でコナラから多数の個体が採集される。
冬には落ち葉の中から越冬中の個体もよく見つかる。
クルミグンバイはクルミにつくので産地は局限される。
遊水地の記録は文献による。
クチナガグンバイはまとまって得られることは少ないが産地は広い。
下野市では雑木林で採れたことがある。カエデと関連するらしいが幼虫はみたことがない。

686Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 10:55:45
グンバイムシは一通り調査されているので
特に解決すべき問題点はない。
記録の少ない種の追加、また関東南部まで到達した
ヘクソカズラグンバイにも注目を置いてこれからも調査を続けてゆく。

687Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 11:01:52
カスミカメムシ科
55 ヒメダルマカメムシ 迫間
56 ダルマカメムシ 下野 遊水地
57 コモンキノコカスミカメ 迫間
58 オオクロトビカスミカメ 下野 迫間
59 クロマルカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
60 ツヤクロマルカスミカメ 下野 宮岡
61 カタグロミドリカスミカメ 下野
62 ケブカキベリナガカスミカメ 下野 宮岡
63 テンサイカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
64 クヌギヒイロカスミカメ 迫間

カスミカメムシ1
ダルマカメムシ亜科〜アオナガカスミカメ亜科まで。
このリストをみると草原性の種が多いアオナガカスミカメ亜科(58-64)だが
県内全体では樹上性の種がほとんどでその多くが
北部や山間地を中心に分布しており、平野部には僅かに62と64を産するに過ぎない。

688Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 11:12:22
ダルマカメムシ科は県内二種すべてが平野部にも分布するが、ダルマカメムシが圧倒的に多い。
下野市では雑木林から1♀が採集されただけで
しばらく平野部からの記録はなかったが、最近遊水地の植栽タブの樹幹に
餌のコナカイガラムシとともに多数見つかった。六月から成虫が出る。
ヒメダルマカメムシはより少なく、迫間ではクヌギから8月に成虫が得られた。
キノコカスミカメ亜科はコモンキノコカスミカメが迫間の枯れ蔓から幼虫が採集された。
山地に分布の中心があり平野部では少ない。
今回選ばれなかった宇都宮市鶴田沼、壬生町天神沼では成虫も採れているが
四地域の中でもっとも標高の高い下野市よりも
さらに山地寄りに位置するため、迫間湿地の位置とともに山地への移行帯要素なのかもしれない。

689Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 11:14:57
58-60は草原性でいずれも黒い体をしている。
下野市には3種とも分布するが
出現の時期やホスト植物はまったく異なる。

690Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 20:04:31
クロマルカスミカメはヨモギにつき姿川の河川敷に5月ごろ最も多い。
6月以降は姿を消す。
オオクロトビカスミカメは夏から秋にかけて出現し雑草間にいる。
ツヤクロマルカスミカメはもっとも局地的でフジバカマの類に5〜6月にかけて出現する。
宮岡橋の鬼怒川河川敷の堤防は定期的に草刈りがされ、本種も数多い。
61-64はOrthotylini族に含まれそれぞれ異なった木本・草本につく。
木本につくのは二種でいずれも里山の雑木林に見られる。
ケブカキベリナガカスミカメは最も早く出現するアオナガカスミカメ亜科で
コナラにつき5月に成虫が出る。
クヌギヒイロカスミカメはクヌギにつくが栃木県では稀で
現在のところ足利市迫間で7月に採集されているだけ。
草本につく残り二種のうち荒れ地などに生えるアカザにはテンサイカスミカメが多く
夏から秋にかけて出現し、灯火にもよく飛来する。
カタグロミドリカスミカメは稀で灯火に飛来した個体が記録された。
西日本では水田などにいる普通種。

691Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 20:05:55
65 ホソヒョウタンカスミカメ 下野 宮岡 迫間
66 ツヤヒョウタンカスミカメ 迫間
67 マツヒョウタンカスミカメ 下野 遊水地
68 オオクロヒョウタンカスミカメ 下野 宮岡
69 ミツボシヒョウタンカスミカメ 下野 迫間
70 ヒョウタンカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間
71 クロヒョウタンカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間
72 ヒョウタンカスミカメ族の一種 宮岡

カスミカメムシ2
平野部に産するヒョウタンカスミカメ類は最近の調査で8種にまで増えた。

692Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 20:14:10
草原の雑草上に多いのはクロヒョウタンカスミカメとヒョウタンカスミカメで
後者は特にヨモギなどからケアリとともに採集される。
河川敷のヤナギにもヒョウタンカスミカメは多く、平野部のヤナギから得られるのは
この一種だけである。
他の種は広葉樹、一部は針葉樹のスペシャリストとなり
コナラ・クヌギからはミツボシヒョウタンカスミカメが主に採集される。
出現は六月から八月にかけてで、その後はヒョウタンカスミカメが稀に採れる。
ホソヒョウタンカスミカメもコナラ・クヌギ林に僅かに混じることが判明したが
スイカズラなどからも採れている。
ヒョウタンカスミカメ同様にいろいろな植物上にいて
山地ではヤナギから採れることもあるが、平野部では今のところ混じらない。
その他オオクロヒョウタンカスミカメが宮岡橋で多産し
クサアリのついたコナラの枝を好む。下野市では灯火に飛来したこともある。
ツヤヒョウタンカスミカメは低山地に広く分布し平野部では稀。
山地にほど近い迫間ではコナラから採れている。

693Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 20:18:39
栃木県内の針葉樹には以下二種のヒョウタンカスミカメ類が生息しており
平野部にも分布している。
マツヒョウタンカスミカメはアカマツにいるが
平野部では本来の環境から採れたことはなく灯火採集によるもの。
遊水地の記録は文献だがライトトラップであろうか。アカマツの生える場所を知らない。
ヒョウタンカスミカメ族の一種はスギがホストで
宮岡橋の調査でも僅かながら生息していることが判明した。
Pilophorusに比べ小型で太短く、翅の斑紋や脚の色彩が変わっており
同属とするよりも広汎な意味で族としておいた。

694Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 20:50:54
73 イッカクカスミカメ 迫間
74 モンキハシリカスミカメ 宮岡
75 チャイロホシチビカスミカメ 下野 宮岡
76 コミドリチビトビカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間
77 シラゲヨモギカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
78 コブヒゲカスミカメ 下野 宮岡 迫間
79 マツトビカスミカメ 下野
80 キアシクロホソカスミカメ 下野

カスミカメムシ3
ハシリカスミカメ族の73と74は産地が局地的で
73はクヌギやヤナギの幹、枝についている。
74は堤防の草原にいて地表部からよく見つかる。普通種ながら全国的にも産地が多くないようである。

695Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 20:56:18
75以降はチビカスミカメ族となり構成種が多い。
下野市にはすべての種が分布し雑木林・草原にそれぞれ特有の種が生息する。
コナラ・クヌギにはコブヒゲカスミカメとキアシクロホソカスミカメがつくが
コブヒゲカスミカメはもっとも早く羽化するカスミカメで
早い年では4月20日前後に成虫となる。
キアシクロホソカスミカメは5月に入ってから成虫が出て6月まで残る。
針葉樹のアカマツにはマツトビカスミカメがつくが下野市ではすべての個体が灯火で得られた。
チャイロホシチビカスミカメはスギ・ヒノキに多い。
76と77は草原性でヨモギやアワダチソウからよく採集され灯火にも飛来する。
雑木林の発達しない遊水地はこれらのカスミカメが貧弱であり
これから述べていく各科においてもその傾向は顕著である。

696Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 21:02:25
81 ムグラホソカスミカメ 下野 宮岡 迫間
82 ヒメヨモギカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間
83 ベニモントビカスミカメ 下野 迫間
84 クリトビカスミカメ 下野 宮岡 迫間
85 クヌギトビカスミカメ 下野 宮岡 迫間

カスミカメムシ5

81と82がPlagiognathusで残りはPsallus、前者は雑草食、後者は広葉樹食となる。
81はカナムグラにつき、秋に成虫が出る。河川敷などの草原を好む。
82は5月から夏にかけて成虫が出て、ヨモギから得られるほか灯火にも集まる。
いずれも分布は広い。
Psallusも分布は広いが出現時期は晩春と短い。一部初夏まで残るがピークは5月。
下野市ではクヌギ・コナラ林が舞台で
まずクヌギトビカスミカメが出現し、その後クリトビカスミカメが出る。
ベニモントビカスミカメはかなり少なくクリトビカスミカメとともに見つかる。

697Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 21:19:30
86 リンゴクロカスミカメ 迫間
87 ニセクロツヤチビカスミカメ 下野
88 クロツヤチビカスミカメ 遊水地
89 ムナグロキイロカスミカメ 下野
90 チビカスミカメの一種 下野

カスミカメムシ6
残りのチビカスミカメ。いずれも分布は局地的だが前3種は北部にも広く分布し分布辺縁となる。
リンゴクロカスミカメは県内ではフジにつくものとズミにつくものが知られ
フジのものは従来迫間のものだけが知られていたが
最近北部でも日光市の河川敷数か所から発見されている。
他県ではエノキにつく個体群もあるが、このグループが同一なのかどうかはわからない。

698Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/15(月) 21:23:40
Sejanusは南方に多く栃木県には日本本土に広く産する2種が知られる。
クロツヤチビカスミカメは南部では山間部に多く、平野部では
示した通り遊水地のアカメガシワから採集されている。
ニセクロツヤチビカスミカメはクルミにつき、北部には比較的産地が多いが
南部では下野市の細いクルミから得られている。
かつて自宅の灯火にも飛来したことがあった。
ムナグロキイロカスミカメはカタグロミドリカスミカメ同様
西日本には普通だが栃木県では稀な水田性のカスミカメで移動することが知られている。
下野市で11月に採れただけで追加記録はない。
最後のチビカスミカメの一種は当てはまるグループが分からない。
後で詳しい形態を示す予定である。
灯火で採れた一頭だけが知られている。

699Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 09:15:54
91 クビワシダカスミカメ 下野 宮岡
92 ズアカシダカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
93 ノイバラホソカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間

カスミカメムシ7
シダカスミカメ亜科。いずれの種も平地に普通で
シダカスミカメの二種は雑木林のシダに、ホソカスミカメは河川敷などのノイバラに生息している。
ノイバラホソカスミカメは出現時期が晩春〜初夏に限られるが
シダカスミカメは成虫越冬し夏と秋に出る。

700Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 09:20:10
94 マツノヒゲボソカスミカメ 下野
95 カザリツヤカスミカメ 下野 宮岡 迫間
96 ケブカアカツヤカスミカメ 下野 迫間
97 カイガラツヤカスミカメ 下野 宮岡

カスミカメムシ8

ツヤカスミカメ亜科Deraeocorini族のうちDeraeocoris以外。
マツノヒゲボソカスミカメはアカマツに普通だが下野市ではすべて灯火に飛来した個体。
雑木林には95と97が多いが出現時期は重ならず
連休ごろに97が、盛夏のころ95が出る。
クヌギから得られることが多いがカイガラムシ捕食の97よりは
95のほうがホスト選択性としてより強くクヌギと結びついているようだ。
96は平野部では稀で、迫間での記録は山間部に近いためと考えられる。

701Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 09:24:08
98 ウスバツヤカスミカメ 下野 迫間
99 カワヤナギツヤカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
100 ヤナギウスバツヤカスミカメ 遊水地 迫間
101 ケヤキツヤカスミカメ 下野 迫間
102 グンバイカスミカメ 下野 宮岡 迫間
103 ヒコサンテングカスミカメ 下野 宮岡 迫間

ツヤカスミカメ類の残り。98-101は大所帯のDeraeocoris属。
この属は寄せ集めの状態で県内全種の幼虫形態をみても、将来数属に分けられそうだが
今のところDeraeocoris属一つにまとめられている。
平野部では乏しく4種が知られているが99と100は北部にも広く分布する。
それぞれ違った樹木上に見出されるので次でまとめる。

702Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 09:30:06
ウスバツヤカスミカメ類は2種生息し
クヌギ・コナラ林にはウスバツヤカスミカメがいる。
成虫は盛夏に出て、九月まで残る。
ヤナギにはヤナギウスバツヤカスミカメがつくが局地的。
出現は七月。少ないながらも北部の山地にも生息する。
どちらも成虫越冬個体は確認していない。
芽吹きからクヌギを調査しても成虫が採れないことからおそらく卵越冬。
カワヤナギツヤカスミカメはもっとも普通のツヤカスミカメで
ヤナギから採れるが灯火にも飛来する。成虫越冬する。
ケヤキツヤカスミカメはエノキの実から7月に得られ
下野市では毎年発生しているが局地的。幼虫もともに採集された。
この種も成虫で越冬する。

703Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 09:32:35
グンバイカスミカメとヒコサンテングカスミカメは
それぞれ別の族に所属しヒコサンテングはいろいろな植物上に見られ
成虫で越冬する。
グンバイカスミカメはグンバイムシの発生した木に見られ
自宅でもツツジから採れたが、この株にはツツジグンバイが発生していた。
他にヒメグンバイのいるコナラや、ヤナギグンバイのついたヤナギからも採れている。
盛夏から初秋にかけて成虫が出る。

704Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 09:46:31
104 ナカグロカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
105 ブチヒゲクロカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
106 ヒゲナガカスミカメ 下野 宮岡 迫間

カスミカメムシ9

ここからはカスミカメムシ科中最大の群であるカスミカメムシ亜科Mirinae。
106はAdelphocorisellaで残りはAdelphocoris。ともに近縁。
北部に種類の多いAdelphocorisは南部の平地では貧弱で
周囲の山間部まで広げてもこの二種しかいない。
ナカグロカスミカメとブチヒゲクロカスミカメはそれぞれ雑草上に見られ
ナカグロカスミカメは特に個体数が多い。
Adelphocorisellaは日本とその周辺に限られるが
オーストラリアからも新種が見つかっており
実際の分布は未記載種も含めかなり広がるかもしれない。
ヒゲナガカスミカメはこの属の中で最も北まで分布しており
平野部では少ない。クズの花から採集され初秋に多い。

705Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 09:57:27
107 コアオカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
108 ウスイロツヤマルカスミカメ 遊水地
109 ヤナギツヤマルカスミカメ 遊水地
110 ツヤコアオカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
111 ツヤマルカスミカメの一種 宮岡

ツヤマルカスミカメ属。もっとも普通な草原性のコアオカスミカメと
河川敷や休耕田のタデに固有なツヤコアオカスミカメは分布も広い。
夏と秋に現れともに緑色をしている。
遊水地にはもう2種いて、一つはウスイロツヤマルカスミカメで
植栽のタブの花などについている。暖地性の要素として
平野部では遊水地だけに生息している。
アカメヤナギにはヤナギツヤマルカスミカメがいて
こちらは局地的ながら発生木での個体数は夥しい。五月末から六月の短い期間にだけ発生する。
その他フジにつく薄緑色をした大型のツヤマルカスミカメの一種が
宮岡橋でも得られエゴの花にいた。五月に出る顕著な種でフジの花期に成虫が出る。

706Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 18:14:29
112 ヨツボシカスミカメ 遊水地
113 クヌギカスミカメ 下野 宮岡
114 ヒメセダカカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間
115 メンガタカスミカメ 下野 宮岡
116 ミイロカスミカメ 迫間

カスミカメムシ11
この中で暖地性の要素が112で、周辺の山間部にも分布を広げているが
栃木県における唯一の産地であり北限に近い。
ヘクソカズラにつき、遊水地にもこの植物の広大な群落があるが個体数は少ない。
ミイロカスミカメは山地性だが迫間にも見られクヌギにつく。
クヌギカスミカメは五月にのみ出現し雑木林にいるがまとまっては採れない。
114と115は分布も広く、とくに114は成虫越冬するため冬にも見られる。
115は山地に多く平野部では少ない。

707Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 18:25:13
117 セダカマルカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間
118 ツヤクロカスミカメ 下野 宮岡 迫間
119 アシマダラクロカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
120 オオクロセダカカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間
121 アカスジカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
122 ウスモンミドリカスミカメ 下野 遊水地
123 カスミカメムシ亜科の一種 宮岡

カスミカメムシ12
いずれの種も広域分布で普通種。草原性の117,119,121,122
ツユクサにつくやや暗い場所を好む120、ササにつく123、クヌギにつく118に分かれる。
117はノイバラに寄生し、コブヒゲカスミカメとともにもっとも早く現れるカスミカメで
孵化した幼虫は四月初めに観察され、その後5月には成虫が出る。
119はアカネにつき、初夏と秋の二回に成虫が出る。
121はイネ科などにつき堤防の草原に多い。これも二回現れる。
122は秋に出るカスミカメで、アワダチソウの花に多いがやや局地的。

708Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 18:26:52
クヌギにつくツヤクロカスミカメはクヌギカスミカメと同時期に現れる。
個体数はより多く分布も北部まで伸びる。
ササにつく種は新種記載される予定で県内ではまだ局地的だが
生息地での個体数は多い。宮岡橋では成虫は五月に出る。

709Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 18:28:52
124 フタトゲムギカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
125 アカミャクカスミカメ 下野
126 ナガムギカスミカメ 下野
127 イネホソミドリカスミカメ 下野 宮岡 遊水地 迫間

カスミカメムシ13
最後のStenodemini族でいずれも細い体をしている。
125と126は平地では少ない。森林の下草に発生することがある。
124は河川敷に多く成虫越冬する。
127は卵越冬だが小規模な荒れ地にも多く灯火にもよく飛来する。

710Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 18:32:06
平野部のカスミカメムシは特徴としては
1. 山地性の要素が乏しく、ミドリカスミカメLygocorisやオオマダラカスミカメPhytocorisを欠く。
2. 暖地性の種を南端の遊水地にいくらか産する。
3. 里山が残存する地域では固有種の数が多い。遊水地はそのような環境がなく欠如する。
4. 総じて広域分布の種が多く、北部ともよく共通しており暖地性の種の進出はごく少ない。

具体的にどのようになっているのか。次で述べる。

711DX-9:2010/03/19(金) 19:14:35
久々にお会いしたいですねえ。

712Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 19:48:40
秋が瀬以来ご無沙汰ですね。
日曜は休めない身になってしまったので
平日ならいつでもいいですよ。

713Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 19:49:40
以前は月一で観察ポイント巡りに縛られていたけど
今期からはもう少し自由にできるので
いろんなところに行きたい。
もちろんそちらに行くことも可能です。

714Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/19(金) 19:56:17
金もたまってきたからネット買うか
スイープに備え腕力も少し鍛えた

715DX-9:2010/03/20(土) 07:22:00
オフしますか。
すいません。携帯壊れて
電話番号なくしたんで
電話頂けると幸いです。

716Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 08:46:03
私も携帯替えてしまい失念してしまったのよね・・
DXさんの画像掲示板のほうに貼っていいですか?

時期は新緑の季節がいいなあ・・
梅雨入り前には会いたい。
蛾Loveさんとか元気かな。

717Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 08:48:11
本日夕方から深夜は出かけてしまうのです

718Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 08:49:23
画像掲示板は消す手間をかけさせてしまうのでアプロダにはるか
時間指定してくれれば貼ります
何時頃がいいですか?

719Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 09:40:54
h ttp://blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=dachori&logNo=130081250090&categoryNo=67&viewDate=&currentPage=1&listtype=0&userTopListOpen=true&userTopListCount=15&userTopListManageOpen=false&userTopListCurrentPage=1

720Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 09:41:36
Homalogonia griseaで検索したら韓国のカメムシのページが。ブログ?
なんか凄そうなので見てます。

721Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 09:42:25
ホソナガヒラタカメムシの生態写真もある。すげー・・・

722Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 09:55:59
ケブカミゾカスミカメのメス、短翅個体の素晴らしい生態写真もあるな・・凄すぎるぞ

723Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 09:57:01
あっちでもイシハラカメムシは
イシハラノリンジェなんだな
ノリンジェとはカメムシのこと。カメムシ目も、ノリンジェモクとなってる。

724Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 10:02:42
間違ってルイスナガカメに同定されてるけど
Sadoletusもいるんだね。クロキノウエナガっぽい。
大陸系分布なのかな。
本州西部(兵庫・広島・山口)、九州、韓国。凄いな。まだ三ページしか見てない。

725Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 10:12:04
日本でも記録されたトゲクチブトカメムシもあっちでは結構いるんだね

726Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 10:14:55
ミツバウツギにつくクロヤマカスミカメもみつけた
交尾してる

727Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 10:22:44
最近もお話したモンキハシリカスミカメが
分かりやすい写真で解説されてる。
向こうでは11月下旬にもオスがいるけど
成虫越冬なのかな。韓国のカメムシ、もっと調べたら面白いと思うんだけどね・・

728Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 10:54:50
クロスジツヤカスミカメのようで怪しいものも張られてた

729Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 10:58:42
ケブカミゾカスミカメについても昔レスしたことがあったけど
やっぱりメスは地表徘徊性か。
オスは灯火に来る。
四国と対馬にいるモリモトケブカミゾも灯火で採れたのかな。
Henryのレビジョンではモリモトは触れられてなかったけど。

730DX-9:2010/03/20(土) 13:03:55
090-9154-6183

731Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 13:48:01
お手数かけます
お電話しました
メッセージ聞いてください

732Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 14:26:40
訛りが強くてよくわかんなかったかな?
もし聞いたら電話かレスください
五時に外出します

733Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 15:23:37
お電話ありがとうございます。
逢える日を楽しみにしています。

734DX-9:2010/03/20(土) 16:49:55
了解しました。
さて、何がでてくるでしょう?

735Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 22:20:19
チビアオゴミムシとか
あとはカメムシかな・・
スジハサミムシモドキとかも見れるかもね
アリスアトキリのポイントというかいた場所にもいけたらいいですね

736Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/20(土) 23:53:21
結局VoigtやStehlikの言うように
日本産ヒメホシカメに充てる学名はparviceps Blote, 1931でいいのか?
検索表見た限りでは複眼の大きさがキーだが・・
新しい大図鑑ではStehlikに習ったのかparvicepsだけど
Kさんのアカホシ類報告では従来の学名のまま。
矢作川研究のカメムシ報告はparvicepsになってる。検討待ちか。

737DX-9:2010/03/22(月) 17:23:37
ワタラセハンミョウモドキとか。。。

738Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/22(月) 20:31:05
ワタラセは四月末に採ったことがあります
結局野焼きは今週末に持ち越しになりましたね
いつにしましょうかね会うの
四月は第三と第四土曜を休みにしますた

739Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 10:28:29
ヒラタハナカメムシ採りたい

740Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 10:32:50
土手を案内してきたけどヨモギが伸びてた
本当にあと二週間でクヌギから
コブヒゲカスミカメが孵化してくるのかな

741Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 11:00:29
>>710続き

平野部に一番近い山地からのLygocorisの記録は
佐野市豊代のフタモンウスキカスミカメ、益子町高館山からのコモンミドリカスミカメがあり
南部ではこの二種のLygocorisしか記録がない。
一方の北部日光地域からは20種以上記録されており
南部での貧弱さが対照的である。

同様にオオマダラカスミカメ類Phytocorisの平地からの記録は比較対象の四地域からはなく
宇都宮市豊郷台で灯火に飛来した黒い小型種が知られるのみ。
この地域は平地というよりは、低山地に位置付けられる。
このことから平野部では欠如としてよさそうである。
南部山間部ではこの一種のみが佐野市や足利市から得られている。
日光地域からは10種ほどが知られ個体数も多い。

742Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 11:03:21
2の特徴として際立っているのがヨツボシカスミカメの存在である。
この種は栃木県では南西部のみに産し
平野部では遊水地が唯一の生息地となっている。
ヘクソカズラに寄生するが個体数は少ない。暖地では普通。
ウスイロツヤマルカスミカメも平野部では遊水地にのみ見つかり
タブの花などから得られる。他のツヤマルカスミカメに比べ
南部に多く、国内でも西日本に個体数が多いとされる。

743Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 11:04:15
3の項目では、下野市のカスミカメと遊水地のカスミカメを比べ
遊水地に欠落している種を考えてみよう。

744Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 19:29:00
下野市に産するが遊水地から記録のないカスミカメムシ
(末尾の●は平野において主に里山に生息)

オオクロトビカスミカメ
ツヤクロマルカスミカメ
カタグロミドリカスミカメ
ホソヒョウタンカスミカメ●
オオクロヒョウタンカスミカメ●
ミツボシヒョウタンカスミカメ●
チャイロホシチビカスミカメ●
コブヒゲカスミカメ●
マツトビカスミカメ
キアシクロホソカスミカメ●
ムグラホソカスミカメ
ベニモントビカスミカメ●
クリトビカスミカメ●
クヌギトビカスミカメ●
ニセクロツヤチビカスミカメ

745Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 19:42:39
ケブカキベリナガカスミカメ●
ムナグロキイロカスミカメ
チビカスミカメの一種
クビワシダカスミカメ●
マツノヒゲボソカスミカメ
カザリツヤカスミカメ●
ケブカアカツヤカスミカメ●
カイガラツヤカスミカメ●
ウスバツヤカスミカメ●
ケヤキツヤカスミカメ●
グンバイカスミカメ●
ヒコサンテングカスミカメ●
ヒゲナガカスミカメ
クヌギカスミカメ●
メンガタカスミカメ●
ツヤクロカスミカメ●
アカミャクカスミカメ●
ナガムギカスミカメ●

746Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 19:49:15
33種中23種が平地林に生息している。アカマツにつくものはすべて灯火で得られているが
マツトビ、マツノヒゲボソも自然下では森林のアカマツが本来の生息場所だろう。
森林を構成する代表的なクヌギ・コナラと特に強く結び付いているのは

ケブカキベリナガカスミカメ●
ホソヒョウタンカスミカメ●
オオクロヒョウタンカスミカメ●
ミツボシヒョウタンカスミカメ●
コブヒゲカスミカメ●
キアシクロホソカスミカメ●
ベニモントビカスミカメ●
クリトビカスミカメ●
クヌギトビカスミカメ●
カザリツヤカスミカメ●
カイガラツヤカスミカメ●
ウスバツヤカスミカメ●
クヌギカスミカメ●
ツヤクロカスミカメ●

であり、それぞれ決まった時期にだけ現れる。

747Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 19:50:46
遊水地にはこのような環境が乏しく高木層はヤナギ、ニセアカシア、エノキなどからなる。
そのために上にあげた里山的な要素をほとんど欠くのが特徴といえる。

748Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:06:24
4の広域分布種とは、北部の平地、または山地からも記録があり
ヨツボシカスミカメなどのように南部平地に限られた分布をしない種のことである。

南部平地産カスミカメムシのうち北部から記録のないものは

63 テンサイカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
64 クヌギヒイロカスミカメ 迫間
66 ツヤヒョウタンカスミカメ 迫間
69 ミツボシヒョウタンカスミカメ 下野 迫間
72 ヒョウタンカスミカメ族の一種 宮岡
73 イッカクカスミカメ 迫間
74 モンキハシリカスミカメ 宮岡
84 クリトビカスミカメ 下野 宮岡 迫間
85 クヌギトビカスミカメ 下野 宮岡 迫間
89 ムナグロキイロカスミカメ 下野
90 チビカスミカメの一種 下野
95 カザリツヤカスミカメ 下野 宮岡 迫間
98 ウスバツヤカスミカメ 下野 迫間
101 ケヤキツヤカスミカメ 下野 迫間
102 グンバイカスミカメ 下野 宮岡 迫間
109 ヤナギツヤマルカスミカメ 遊水地
112 ヨツボシカスミカメ 遊水地
113 クヌギカスミカメ 下野 宮岡
116 ミイロカスミカメ 迫間
121 アカスジカスミカメ 下野 宮岡 遊水地
122 ウスモンミドリカスミカメ 下野 遊水地

21種だが捕食性や草原性のものは少なくとも
北部鬼怒川の塩谷町、旧今市市からは記録されると思う。

749Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:12:14
南部平地産73種中
○北部にも産する種52種
○北部からまだ記録のない種21種
となったが、調査次第ではこの比率はさらに広がると予想される。

750Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:20:36
かなり冗長なものになってしまったが
カスミカメムシはこの辺で終わりにしたい。
まとめとしては里山・草原とカスミカメの好む植物の豊富な環境ほど種類が多く
遊水地のように高木層がヤナギしかない、クヌギ・コナラ林里山欠如の環境では
カスミカメムシの数は減り、草原性の種が代表的となる。
南部平地全体を見ても、南部に限られた分布をする種は3割と少なく
北部と共通した広域分布を示す種が全体の7割を占める。
北部の平地は未だ調査が遅れているため、今後さらに広域分布種が増え
南部に限られるものはごく僅かになってしまうことも予想される。

751Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:27:26
南部を特徴づけるカスミカメムシは
1. 里山環境に依存する種
2. 暖地性種の北限
だが、明確に2の条件に当てはまるものは僅かにヨツボシカスミカメしかおらず
他のカメムシよりも気温が分布要因に大きく影響していることが分かった。
1の条件を満たすものは主にクヌギ・コナラと大きくかかわっており
決まった時期にだけ現れる種がほとんどであった。
北部に比べ種類も少なく固有度も高いものではないが
人の営みの中で存続された環境とともに生き抜いてきたカスミカメムシを
今後も絶やさぬようにしていくことが求められるのではないだろうか。

752Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:30:01
マキバサシガメ科
128 ハネナガマキバサシガメ 下野 宮岡 遊水地
129 セスジマキバサシガメ 下野 宮岡 遊水地
130 アシブトマキバサシガメ 下野 宮岡 遊水地
131 キバネアシブトマキバサシガメ 下野 宮岡 遊水地 迫間

128は草原性で129は湿地を好む。ともに灯火によく飛来する。
130と131は地表性だが後者のほうが目にする機会は多い。

753Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:35:47
ハナカメムシ科
132 クロハナカメムシ 下野 宮岡 遊水地
133 キモンクロハナカメムシ 下野 宮岡 遊水地 迫間
134 モンシロハナカメムシ 迫間
135 ヒメハナカメムシ類 下野 宮岡 遊水地 迫間
136 ツヤヒメハナカメムシ 下野 宮岡 遊水地 迫間
137 ケブカヒメハナカメムシ 下野 宮岡

ハナカメムシ1
Anthocorinae亜科。雑草間に多い136を除いてすべて樹上性だが
135はいろいろな雑草や灌木にも見られる。
広域分布種が多くクロハナカメムシ類は133がクヌギ・ヤナギからよく採集される。
ヒメハナカメムシ類は、ヒメハナカメムシ類、ツヤヒメハナカメムシは草原に多い。
冬には樹皮下で越冬するクロハナカメムシ、ヒメハナカメムシ類が見つかる。
分布が限られる134と137はクヌギから採れるが分布は重ならず
134はごく限られた木にしかいない。
137は比較的分布は広いが同属の他種のようにまとまって採れることはない。

754Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:43:36
138 クビレヤサハナカメムシ 下野
139 モリモトヤサハナカメムシ 下野 宮岡 遊水地 迫間
140 ヤサハナカメムシ 下野 宮岡 遊水地 迫間
141 ケシハナカメムシ 下野 宮岡 遊水地 迫間
142 ユミアシハナカメムシ 下野 宮岡 迫間
143 ズイムシハナカメムシ 下野
144 クロアシブトハナカメムシ 下野 宮岡
145 コバネアシブトハナカメムシ 下野
146 ケブカハナカメムシ 下野 宮岡 迫間

ハナカメムシ2
146のケブカハナカメムシはケブカハナカメムシ亜科、それ以外はズイムシハナカメムシ亜科。
しばしばこの亜科が科にランク上げされるが追随しない研究者も多く様々。
138から140のヤサハナカメムシ類は138を除いてもっとも平野部で普通のハナカメムシで
ヤサハナカメムシは特に個体数も多く、栃木県全体でももっともよく目にするカメムシの一つである。

755Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:47:34
ヤサハナカメムシは枯れ葉の中にいるがビーティングや灯火でも良く得られる。
モリモトヤサハナカメムシはササやススキなど単子葉類の枯れ葉を好む。
草原などで個体数が多い。
クビレヤサハナカメムシは栃木県では個体数が少なく
下野市だけから記録がある。灯火や枯れ葉から採れる。
ケシハナカメムシはクヌギの生木から採集されることが多い。
ユミアシハナカメムシもクヌギの枯れ葉付き枯れ枝から多数採集される。
クビレヤサハナを除いたこれら4種は里山とも強く結び付いている。

756Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 20:50:58
訂正
下野市国分のクヌギ・コナラ林ではクビレヤサハナカメムシが採れている。
現在追加はできないが貴重な環境といえる。

ズイムシハナカメムシは下野市の記録しかない。枯れ木の上にいた。
コバネアシブトハナカメムシも同じ環境に見出され樹皮下から採れた。
比較的まとまった個体がいたが採集はせず、環境も変わってしまった。
同属のクロアシブトハナカメムシはより産地も多く灯火でもしばしば採れているが
普段採れることは稀で少ない。
ケブカハナカメムシは森林の朽木の樹皮下から採れる。

757Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 21:14:36
四月からまた虫とりがスタートするが
その日見たカメムシの報告はここでするか
それとも別スレでするか考えている。
報告見てる人いるのか?このスレでいい?
それとも今やってるシリーズものがgdgdになるから
別スレがいいですか?

758Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/24(水) 21:15:06
別スレ

栃木のカメムシについて2010年
h ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/travel/3240/1263371327/

759Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/27(土) 14:30:25
平野部のハナカメムシの構成は次のようである。
樹上性でなおかつ大陸系のクロハナカメムシ類が北部に多い反面平野部では少ない。
逆に東洋区などで繁栄するズイムシハナカメムシ類は平野部で最も種類が多くなる。
ヒメハナカメムシ類も南方に優勢で、本県でも平野部に多くの種が産する。
よって南方系のハナカメムシが多いことから
必然的に県内においても、平野部が最も多くのハナカメムシの生息地となる。

760Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/27(土) 14:37:35
樹上・植物上で捕食活動を行うハナカメムシ亜科は
森林、草原にみられる。
枯れ葉、枯れ草の中で捕食活動を行うズイムシハナカメムシ亜科は
枯れ葉のついた枯れ枝、枯れ草の中などにいる。
平野部でもこの傾向は顕著で
森林のクヌギからはキモンクロハナカメムシ、モンシロハナカメムシ、ヒメハナカメムシ類、
ケブカヒメハナカメムシ、ケシハナカメムシが
クヌギの落下して枯れた枝の葉にはヤサハナカメムシ、ユミアシハナカメムシが多い。
倒木の朽ちた樹皮下にはケブカハナカメムシが多い。
草原の雑草間にはヒメハナカメムシ類が多く
湿地の草原にはツヤヒメハナカメムシが見られる。
ススキの枯れた部位にはモリモトヤサハナカメムシがいる。

761Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/27(土) 14:43:23
灯火に飛来する性質も強く
自宅の調査ではヒメハナカメムシ類、ヤサハナカメムシ、
モリモトヤサハナカメムシ、クビレヤサハナカメムシ、
ケシハナカメムシ、ユミアシハナカメムシ、クロアシブトハナカメムシが採れている。
県内では個体数の少ないクビレヤサハナカメムシとクロアシブトハナカメムシは特筆できる。
県外では最近各地の河川調査でズイムシハナカメムシが報告されているが
この少なくなった種も灯火が有効的なようである。

762Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/27(土) 14:54:45
待望のサシガメじゃよ

763Aelia ◆mYl7EDbJMI:2010/03/27(土) 14:55:27
Tiarodesの新種が台湾から書かれたとき
痛いという意味の名前がついたが
キイロサシガメに刺された時は死にそうだった




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