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生贄の祭壇
12
:
大万里浄土
:2015/07/04(土) 17:56:10
Pure Land's file 48 「地獄の杯」
これは僕―大万里浄土が知り合いのお誕生日会に呼ばれた時のことです。
「ヒャッハー!!宴デース!!」
「ピザとズワイガニもっと持ってこーい!」
「ギロロロロロオェェェェ!」
そのお誕生日会はピザ屋で開かれていました。誰も彼も狂ったようにピザとズワイガニを貪り、ビールを浴びるように飲んでいましたよ。なかにはリバースしている人なんかもいましたね。そこまでして何故、人は酒を飲むんでしょうね?
……まぁ人間以外もいたんですけど。
お誕生日会の間、僕はピザ屋の店員さんのお仕事を手伝っていました。人手が不足してるってことで働かされることになったんですよ。頼まれるとあまり断れない性格でして…。
それで結局、お誕生日会の主役である邪神様さんにも会えずじまいでした。
お誕生日会は早朝近くまで続いて、僕は朝の4時くらいにやっと開放されました。それまで騒いでいた皆さんもぐったりした様子で死んだように眠っていましたよ。聖職者のような格好をした方は子守唄替わりなのかしばらく歌を歌っていましたね。
僕も相当疲れていたので、適当な場所を見繕ってごろんと寝転がって目を閉じました。それから15分位たってからですかね。なんかね、小さく音がするんですよ。
ぴちゃぴちゃぴちゃ。
その頃にはもう子守唄も聞こえなくなっていて、皆さん寝静まっていたはずなんですが。
ぴちゃぴちゃぴちゃ。
何か水が滴るような音でした。
僕はもう心底怖かったんですけど……探求者としての血が騒いだといいますか、好奇心が勝ってしまいまして、とにかく何の音か確かめに行こうと思い起き上がりました。
どうやら音はキッチンの方からのようです。あたりを見回してみましたが、スタッフの皆さんも帰っていらっしゃいますし、当然どなたも見当たりません。
ただの気のせいだったのかなと思い、僕は寝床に戻ろうとしました。そうしたらまた
カタッ。
また音がしたんですよ。今度は何かが動いたような音。聞こえてきたのは大きな冷蔵庫の中からでした。ここまできて確かめないわけにはいかないと思って、僕は冷蔵庫のドアに手をかけて、ゆっくりとドアを開きました。
ドアの隙間から中を覗き込むと、うっすらと中に人の影があるのが分かりました。
「う゛っ!!」バタン!
僕は驚いて、反射的にドアから手を話しました。今はこうして冷静に話せますがその時は心臓が止まるかと思うほど怯えていました。でもちゃんと確かめないわけにはいかないと思って、もう一度ドアを開けたんです。するとそこにあったのは……。
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