雑談 - 1224677617 - したらば掲示板

973：ＡＦＵＳＡＫＡ（三　補充情報な　ど）：2013/09/27(金) 23:40:46: 【刑事裁判例評釈】いわゆる大東被告人の控訴審判について：典　拠ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9934/1224677617/
▽掲載集ttp://www.hanta.co.jp/　　：　（紙）中心.判タ２０１３年’９’月号「　刑事法分野／刑事訴訟法　紹介　」項目
掲載集が摘示する、参照条文「刑事訴訟法３８１，同３９７条”１項”，同法４００条”但し書き”」ttp://www.houko.com/00/01/S23/131.HTM#s3.2
判旨部分（二）「……弁護人は、原判決の量刑判断は　行為責任の枠　を踏み外したものであって、責任主義に違反　し、この点で法令適用の誤りttp://www.houko.com/00/01/S23/131.HTM#380　が有る、というのである。しかし、刑事訴訟法381条が広く量刑不当を　独立の控訴理由としていることからすると、（中　略）あえて法令適用の誤りに含めて救　済する　必要性　も認められない……」（もつとも、判決全文を検討すれば、原判決は、何ら、行為責任の枠を踏み外してなど無いのだから、責任主義違反には「　そもそも　」該当「しない」）
（四）「……しかしながら、原判決の説示する犯情及び一般情状についての認定・評価には是認　しがたい　ところが有る……原判決が本件犯行の経緯動機についてｱｽﾍﾟﾙｶﾞｰ生涯の影響があったことは認められるがこれを重視すべきでないと説示している点は是認　できない。……原判決は……動機形成過程にｱｽﾍﾟﾙｶﾞ障害が大きく影響している点を　過小評価　し，本件犯行の実体を　見誤った　ものといわざるをえない……ｱｽﾍﾟﾙｶﾞｰ障害に対応する受け皿についての前　提　事　実に誤　認がある上、被告人の再犯可能性についての評　価を誤　っ　ている。そうすると、原判決は、被告人の　行為責任の基礎　となる　本件犯行の実体　を正しく評価せず、また、一般情状に関する評価をも誤った結　果、不　当　に重い量　刑をした　といわざるをえない。量刑不当をいう論旨は、認められる…」
破棄自判部分（　狭　義　）「そこで刑訴法397条1項、３８１条により，　原判決を破棄　し、同法４００条但し書きを適用して、被告事件　について　【更に判決】　する。原判決が認定した（罪となるべき事実）に、原判決のとうりの法令を適用（　刑種の選択を、ふくむ　）し、て被告人を懲役１４年に処することとする。また、刑法２１条を適用して、原　審における未決勾留日数中２１０日を」控訴審としての、独自、量刑説示「……大阪府地域生活定着支援センターの相談員と面談し、社会復帰後の精神科の受診や同センターの支援を受けることについて同意するなど　更正に向けての意欲　を示していることが　認められる。そこで、所定刑　中、有期懲役　刑を選択　した上，所定刑期の範囲内で、上記の犯　情を基に、上記の一　般情状事実をも考慮して、主文の刑を量定した」／（裁判長松尾昭一，右陪席：五十嵐常之，；左陪席：潮海二郎　）
＝概・説＝
１.「法的な」
イ）本控訴審判決では、責任主義違反の点につき、　”仮　に、そのような誤りが存在しても、是正手　段としては、法３８１条の量刑不当による是正で足りるので、３８０条是正の余地は無　い”旨　の説　示をしているが、これは、なるほど、格式の高い高等裁判所としての貴重な説示だけれども、最高裁の説示ソレ自体ではないから、掲載誌解説にあるように「この点については今後議論の余地があろう」ということで、掲載雑誌解　説　欄では、原田國男基判事の単行本（ただし、増補版！）を参照文献として提示している。。
ロ）　三鷹事件最高裁判決以　来、学界からは、「量刑不当破棄についても、書面審査だけでなく、上訴審でも、破棄判決の場合には、あらかじめ、事実取り調べをすべし」との声は大きく（　学界上は「ほぼ」定説化していたといって良い　）控訴審では、自判　部分に示されたような背景については、大阪府～センター関係者を　証人尋問　するなど、「　一定の、新証拠　」を公開法廷で取り調べた上で、結審し、破棄判決を宣告した。
２.　社　会　的解説
なお、弁護人の控訴趣意においては「　事実誤認　」を本格的に主張する項目も有り、それによると、「論旨は，要･す･る･に」真実、本件被告人は　心神喪失であるから無罪であるし、仮にそうでなくても心神こう弱者であることは明らかな　筈　であるのに、これを排斥して”完全”責任能力とした１審判決には、重大な事実誤認が有る（無罪主張）というのであるが、本判決は、標　準　的　な精神医学論に立脚して、同主張を一蹴しており、被告人が「　完全有罪　」であることは　優に事実認定される、としている。