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山中伸弥(やまなかしんや)

30iPS細胞 掲示板:2011/09/27(火) 18:22:29
時代を駆ける:山中伸弥/3 基礎研究に引き込まれ
ttp://mainichi.jp/select/opinion/kakeru/news/20110923ddm012070033000c.html

《神戸大医学部を卒業後、整形外科医を目指し研修を始めたが、無力感に襲われた》
 整形外科は、自分のようにスポーツでけがをした人を治し、元気にして送り出すという明るいイメージがあったんです。でも、整形外科の領域の中でスポーツ医学はほんの一部。大多数の患者さんは関節リウマチや骨肉腫、脊髄(せきずい)損傷など、状態が悪化していくことの多い病気やけがでした。
 最初に担当したのは慢性関節リウマチの女性。みるみる悪化し、やせて寝たきりになりました。枕元にふくよかな女性が写った写真があったので「妹さんか誰かですか」と聞いたら、「先生、それ1〜2年前の私です」と言われ、驚きました。
 僕は手術が下手で、他の人がやったら30分で終わる手術が2時間くらいかかったんですね。でも、手術の上手な先輩でも治せない病気があるという現実を痛感しました。医者になってから知るのも、ちょっとお恥ずかしい話なんですけど。
 研修医の2年間は、その間に父親を亡くしたこともあり、非常につらい時期でした。治らない患者さんを多く診るうち、こういう人を治せるとしたら基礎研究だろうな、と思いました。
 《いったん基礎医学を学ぼうと、大阪市立大大学院に進学。薬理学の研究室を選んだ》
 臨床とは全く違う世界でした。整形外科は職人芸的で、手術も決まった手順があり、それ以外は許されません。研修というより修行といった感じで、最初は面白いですが、単調に感じてしまうこともありました。
 基礎研究では、真っ白なカンバスに何を描いてもいい。非常に大変だけど自由でした。大学院生でも良い論文を書けば、世界中の人に読んでもらい、影響を与えられる。外国の人と競いながら交流もし、友人もできる。そういうところを魅力に感じました。
 最初は臨床に戻るつもりが、だんだん、もうちょっとやりたいと思うようになりました。10年20年頑張ったら、今治せない病気の人を治せるようになるかもしれないと。「基礎研究で頑張る」という、新しいビジョン(目標)ができました。

毎日新聞 2011年9月23日 東京朝刊


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