【創価】谷口元一と川田亜子自殺【ケイダッシュ】 - 1213372184

225：Dragonforce ◆xdszxH5rLE：2009/11/03(火) 21:32:47: 彼らがほんの少しの残り物にもハゲタカのように集まるのを三日も見ていると、わたしはまったく落胆してしまった。そしてわずかの食べ物を探しまわるように世界ができあがってしまっているその少年たちには何の望みもないんだと感じつつ、その街を後にした。

「連中がかわいそうだと思うか？」とドン・ファンは尋ねるような口調で声高に言った。「むろんさ」「なぜだ」「そりゃぼくの同胞は裕福だからさ。あの子供たちや、彼らの世界は醜くて安っぽいもの」「まてまて！連中の世界が醜くて安っぽいとなぜ言えるんだ」ドン・ファンはわたしのことばをまねて言った。「お前は自分が裕福だと思ってるんだろう」私がそうだと答えると、彼はなぜだと言った。そこでわたしは、あの子供たちの世界に比べてわたしの世界は、経験についても豊かで変化に富み、自分の欲求や進歩ということについても多くの機会があると言った。ドン・ファンの笑い声はやさしく純粋なものだった。彼は、わたしが自分の言っていることに無頓着で、子供たちの世界にある豊かさやチャンスについて知る方法はないのだと言った。

わたしはこのガンコ者めと思った。本当に彼はただわたしをやりこめるために反対の意見を言っているのだと思いこんでいた。わたしはあの少年たちには、知的成長のためのほんの少しのチャンスもないと信じきっていた。わたしがしばらく自分の考えを話していると、ドン・ファンが突然こう言った。「たしか以前お前はわしに、人間の最も偉大なことは知者になることだと言わなかったか」たしかにそう言ったことがあった。そしてもう一度、知者になることは最も大きな知的完成のひとつだと言った。「お前のその豊かな世界が、知者になるのを一度でも助けてくれたことがあると思うか」とドン･ファンは皮肉をこめてきいた。わたしが答えないでいると、彼はわたしが彼に理解してもらえないときにいつもするような口調で、もう一度同じことをきいた。

「つまりだな、お前の自由とチャンスが知者になることを助けられるかってことだ」と彼は笑いながら言った。彼はわたしが彼の皮肉に気づいていることを知っていた。「いいや！」とわたしは力をこめて答えた。「それでもあの子供たちがかわいそうだと思うか」今度はまじめであった。「あの連中の誰だって知者になれる。わしの知っている知者はみんな、お前が見たような残り物を食い、テーブルをなめまわす子供だったんだ」こう言われて、わたしはいささか居心地が悪くなった。わたしが恵まれない子供たちをかわいそうに思ったのは、食べ物が十分にないからではなく、わたし流に言えば、彼らの世界が彼らに不十分な知的環境しか与えないように運命づけていたからなのだ。しかしドン・ファンの言い方では、子供の誰もが人間の知的完成の縮図、つまり知者になることができるのである。わたしが彼らを憐れむ理由はバカげていた。ドン･ファンは巧妙にわたしをくぎづけにしてしまったのである。

「たぶんあんたの言うことが正しいよ。でもどうやって同胞を助けようという本当の望みに目をつぶっていられるんだい？」「どうしたら助けられる？」「重荷を取り去るのさ。同胞に対してしてやれる一番小さなことは、彼らを変えてみることだよ。あんた自身そうしてるんじゃないのかい？」「いいや。わしには同胞の何を、なぜ変えにゃならんのかわからんぞ」「ぼくについてはどうだい。ぼくが変われるように教えてくれたんじゃないのかい？」「いいや、お前を変えようなどとは思ってもいない。ある日お前は知者になれるかもしれん－－そんなことはわからん－－だが、それがお前を変えることはない。いつか人間を別な仕方で見られるようになるだろうが、そうすれば人間を変える方法などないことがわかるだろうよ」

「人間を見る別な仕方って何だい？」「見れば人間が違った風に見える。小さな煙が人間を光の繊維として見るのを手伝ってくれるのさ」「光の繊維だって？」「そうだ。白いクモの糸のような繊維だ。頭からヘソまでぐるぐる巻いているすばらしい糸さ。つまり、人間は繊維でぐるぐるまきになったタマゴみたいに見えるんだ。腕と足は四方八方へ飛び散る輝く毛みたいに見える」「それは誰もが見る仕方かい？」「誰もだ。それだけじゃない、みんな手で物に触れるんじゃなくて、腹の真中から飛び出した長い繊維の束で触れるんだ。それが人間をまわりの物に結びつけてバランスを保つのさ。そうして安定させるんだ。お前もいつか、大様だろうが乞食だろうが人間は輝くタマゴだってことを見るだろうよ。それに何かを変える方法なぞないということもな。いや、輝くタマゴの何が変えられる？何が？」