いた - 1474959214 - したらば掲示板

1：夢の中のたらちゃん：2016/09/27(火) 15:53:34 ID:UzNKOZDk0: 時期を問わず怖い話が大好きな俺が、仲間内なんかで怖い話をしたときによく話す、俺の実体験の話。

俺が中学2年くらいの頃。
特に霊的なものとは無縁な日々を送っていたある日、変な夢を見た。

夢の中で、俺は薄暗くて絨毯みたいなのが敷かれた薄暗い通路を走っていた。
どっちの手だったかは覚えてないけど、片手で誰かの手を引っ張りながら、走っていた。

走っていると、突然後方からたくさんの人の怒声が聞こえてきた。
男も女も、子供も老人も、いろんな人の声がたくさん重なって、口々に『殺せ！』だの『捕まえろ！』だの物騒なことをわめいていた。

俺はそんな声を背中に受けながら、俺と同じくらい息の上がってる誰かの手を引いて逃げていた。

ふと、狭い通路から出て、ほんがぎっしり詰まった本棚に囲まれた部屋に出た。
俺は慌てて立ち止まって、どこへ逃げればいいか辺りを見回した。
そうしてる間にも、はっきり姿が見えない黒っぽい人みたいな影が、本棚にそって上につながってる階段からゾロゾロと降りてきていた。

そこで、俺はその階段の反対の壁にある大きな扉を見つけた。急いでそっちに向かおうと走り出すと、俺の隣に居た誰かが、つないでいた手を振りほどきながら『もう無理だよ!』と叫んだ。
2：夢の中のたらちゃん：2016/09/27(火) 16:01:37 ID:UzNKOZDk0: 続き

俺は「何言ってんだよ！」みたいなことを叫びながら、振り返った。

そしたら、周りがはっきり見える明るい部屋の中なのに、その誰かの顔の部分だけに影がさしてて、顔が見えなかった。

その瞬間、俺はゾッとして、次の瞬間には目が覚めた。

でも、目が覚めても体が動かせなかった。金縛りにあっていた。

意識ははっきり夢から覚めているのに、俺の耳にはさっきまで夢の中で聞こえていたたくさんの怒声が聞こえてきた。

『殺せ！』『追え！』『逃がすな』『捕まえろ!』『あっちだ！』

どんどん声が近づいてくるけど、俺の視界には見慣れた薄暗い部屋の天井が見えるだけ。
声も出せない状況で、怒声がどんどん近づいてきた。

でも、手の届く距離で大声を出されているんじゃないかというくらい近づいたところで、ふと声が消えた。

俺はもうパニックになってて必死で体を動かそうと躍起になっていたから、突然音が消えて逆に驚いた。

次の瞬間、ほんのちょっとだけ安心しかけていた俺の耳元で、老婆なのか爺なのかわからないしわがれた声で、

『いた』

って言われたんだ。
3：夢の中のたらちゃん：2016/09/27(火) 16:05:45 ID:UzNKOZDk0: そのあとは、また突然金縛りが解けて、俺は慌てて飛び起きた。

正確な時間は覚えてないけど、早朝だったはず。5時とか6時くらい。

それ以来もなんどか金縛りにあったり変な体験をしたりしたけど、あの誰かが誰だったのか、なんで俺と二人で追われてたのかは、いまだにわからない。