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師弟シリーズ 木像

1木の葉:2016/03/13(日) 13:19:53 ID:.hs6SHEU0
 僕が小学4年生の時の話だ。僕が、心霊系オカルトに興味を持ち始めたのは、ある人がきっかけだ。僕が師匠と仰ぐその人は、霊感が強く霊と話せたり、触ったりできる。
学校が終わると僕はランドセルを家において、師匠の家に遊びに行くのだ。師匠はだいたい家にいて僕が来ると、「来たな。」と言って快く迎えてくれるのだ。

 そんなある日、師匠が突然、「なぁ、生きている仏像を見たことがあるか。」と訊いてきた。「生きている仏像って、この世にないよ。」と僕が言うと、「いや、あるんだよ。」と師匠が言う。
師匠が昔、ある寺に「霊能力の修業ができる寺だと聞いてきた、霊能者の卵の者ですが。」と言って、中に入り、離れのほうにある木で作った像のところに案内されたらしい。「立派な木造だったよ。」
と師匠が興奮しながら言った。「木でできた像でも中でも、こんな大きくて立派なのは、初めてだったね。」と言うと僕は、興味を持ち始めていた。「どんな感じの木像だったの?」「デカくてな、威圧感があったよ。」
と師匠がお茶を音をたてながらすすった後、「でも俺は、気づいたんだよ。ものすごくゆっくりなんだが、目が開いてきてるんだよ。」僕は生唾を飲んだ。この人が話すと全部本当のように聞こえるので、不思議だった。

 「本物だって思ったよ。目があいてきて、色がよくわかった。真っ赤な瞳で黒目もあって、怖かった。俺を見ているんだよ。ジィーとな。このまま開いっていったら、どうなるかと思ったけど、好奇心よりも恐怖が勝っていたから、すぐに出ていったよ。おしいことしたなぁって、今になっても思っている。」
僕は正座をしてその話を聞いていた。怖いけど、不思議な話だ。

「でな、この前、行ってみたんよ、そこ。」僕が「えっ。」と声を上げた。
言ったのかよと内心ビクビクしていた。怖かったなら、もう行かなければいいのに、この人は、一遍死にかけないとわからないのかとも思った。

「でも、なかったよ。火事で燃やされて無くなったって言ってたんだ。」僕は、ホッとした。なんだ、なくなったのか。
安心したのもつかの間、「でも、面白い話を手に入れたよ。」師匠の眼が爛々と輝いている。「火事になった時に、離れのほうから、オーンだとかウオーンだとか、この世ならざる声が聞こえたらしい。」
怖って思った。泣いていたのか、助けを求めていたのかわからないけど、怖いと感じた。

 「今のところは何もないって言ってたけど、近いうちに、雷が一回ぐらいは、落ちるだろうな。」と師匠がハハハと笑っていた。
だけどこっちは笑えない。「なぜ火事に?」と訊くと「タバコって言ってた。」
「し、師匠。もしかして、僕連れて行くっていうんじゃ・・・。」
と僕は、恐る恐る訊いた。「行かない。今、金欠なんだ。」と師匠がため息をついた。春の夕方ごろの出来事である。

2名無しさん:2016/03/13(日) 14:50:33 ID:JBxapKII0
【悲報】東北のばあちゃん、水道の蛇口を閉め忘れる
http://bit.ly/1LDQe1i


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