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怖い話Part2

1名無しさん:2013/04/11(木) 20:47:22 ID:kJlroZZA0
霊的な怖い話を集めてみましょう

前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/study/9405/storage/1209619007.html

915回帰5 呪いの地へ再び ◆cmuuOjbHnQ:2014/01/31(金) 05:35:28 ID:bz1odVGo0
浅い池の表面を叩くのではなく、深い池に重い石を投げ込んだ時、高く水柱が立つように、呪詛は仕掛けた者に直接降り掛かるようになったのだ。
今後、他人に呪詛を仕掛ける者は、恐らく、予想外の激烈な形で滅びを迎えるだろう。
俺は思う。
これは恐らく、『生命の樹』に備わった免疫反応なのだ。
他人に呪詛を仕掛ける存在を……『生命の樹』を傷つける『癌細胞』をより効果的にデリートするための。
先に延ばされた、次の変化のために。。。
俺には、これといった欲望は無い。
マミや他の家族と、仲の良い隣人に囲まれながら、平和に穏やかに暮らしたいだけだ。
だが、大人しくしているだけで、多分、俺の中には今尚住み着いているのだ。
激しい憎悪を内包した『鬼』が。
『鬼』の憎悪や怨念は、俺とマミの平穏を何れ破壊するだろう。
一度は『滅び』を免れたが、今尚俺は『生命の樹』を傷つける『癌細胞』の一つなのだ。
目を逸らして、知らない振りをしても無駄だ。
真の意味で『鬼』を鎮めなければならない。
和解しなければ。
既に途絶えているはずだった、俺の一族が今日まで存続し続けたのは、その為だったのかも知れない。

916回帰5 呪いの地へ再び ◆cmuuOjbHnQ:2014/01/31(金) 05:38:26 ID:bz1odVGo0
「カズキ、お父さんに頼んで、コンタクトを取って欲しい人がいるんだ」
「行くんだね?」
「ああ。お前達には、全てお見通しだったな」
「まあね。お父さんにはもう頼んであるよ」
「そうか」
「おじさんが、本当は『赤い人』なのか『青い人』なのか、見極めさせてもらうよ」
マサさんが再会してから一度も外さなかったサングラスを外した。
マサさんの両眼は、俺が榊家に向かう直前に、マサさんの息子が見せたのと同じ青い光を帯びていた。
「この光が見えるということは、オジサンも僕らと繋がっていると言う事なんだよ」
「だから、俺は知らないはずのマミの治療法を知っていたんだな」
「そういうこと」
「マミを介して、オジサンは僕らと繋がっている。
オジサンが『赤い人』なのか『青い人』なのかは、まだ判らない。
マミが目覚めないのは、その為だろうね」
『赤い人』とは、多分、鏡に映った、夢の中でマミを手に掛けた、『鬼』の事なのだろう。

917回帰5 呪いの地へ再び ◆cmuuOjbHnQ:2014/01/31(金) 05:40:41 ID:bz1odVGo0
「マミの為にも、オジサンには『青い人』になって欲しいな。
無事に帰ってきて、『今度は』セイジにオジサンの空手を教えてあげてよ。
あいつはオジサンの事が大好きなんだ。マミのこともね。
くれぐれも『赤い人』には気を付けて」

俺たち一族にとっては、捨て去った筈の呪いの地。
かつて、その地で俺たちに向けられた『呪詛の視線』を思い出し、俺の掌には冷たい汗が滲み出していた。
其処に何が待つのかは判らない。
だが、俺は行かなくてはならない。
俺たち一族を呪い続ける人々との『和解』のために。
それが、坂下家同様に、既に絶えていた筈の俺たちの一族が存続し、俺が今日まで生き延びてきた理由だと思えるからだ。 
今度こそ、逃げる訳には行かない。
逃げた先に安住の地はない。
今度こそ、手に入れるのだ。
マミや家族との平穏な暮らしを。
俺は父の実家のあった『田舎』、怨念の地へ向かう事にした。
  
 
おわり

918名無しさん:2014/01/31(金) 07:38:29 ID:zHvUt4BE0
おはよう〜。投稿ありがとうございます〜

919名無しさん:2014/01/31(金) 16:35:40 ID:Y5MfK1xY0
管理人さん、「影の家族」へのリンクが無いッス

920名無しさん:2014/01/31(金) 17:32:16 ID:FCXakptQO
そんなもの無くていい
それより長い!長い!

921名無しさん:2014/02/01(土) 00:10:45 ID:wxxmMX7U0
祟られ屋さんの方、続きの投稿乙でございました。

さらに続きのお話があるようですね。

そちらもよろしければ、タイミングの良い時にお聞かせくださいね。

922名無しさん:2014/02/01(土) 15:50:03 ID:07sYpnycO
sharekowaの日韓ワールドカップ

923名無しさん:2014/02/02(日) 05:56:47 ID:APnxACFwO
霊的でないとダメなの?
普通の日常的な怖い話じゃダメ?

924名無しさん:2014/02/02(日) 13:59:06 ID:Z0T6NISs0
なんでもいいから怖い話なのが基本だから日常的な怖い話でもOK

925名無しさん:2014/02/02(日) 16:27:37 ID:APnxACFwO
皆さんは騒音オバサンをご存知かと思う。

布団叩きを持って引っ越せ!引っ越せ!と叫んでいたあのオバサンです。
10年ほど前にテレビに出ました。

私の近所にもそれに似たオバサンがいます。(年は70くらい)
私の家は一戸建てで隣にも同じ家が2件並んでいます。
その向かい側にボロく小さい家が1件あります。
3件の家沿いにブロックの壁が立っており私の家はボロから見て一番右側になります。
そのボロい家に問題のオバサンが住んでいます。

いつかの日曜日−
私は昼頃まで寝ていました。
隣(真ん中)の住人から掃除機音が鳴りすっかりその音で起こされてしまいました。
掃除機音が鳴って数分後

うるさいッ!

という声を聞いたのです。(ボロ家からです)
その声で掃除機音はピタリと止まりました。
そして意味不明なことを叫んだのです。

お前は歩く吸い取り屋〜!

って叫んでたような…

別の日に空気を入れ換えようと窓を開けるとボロ家のオバサンが外で草取りをしているのが見えたので私はワザと馬鹿デカいクシャミをしてすぐに隠れ、窓の隙間から外を覗くとオバサンがこっちを睨みつけていました。(30秒は睨んでたかな…)
オバサンは立ち上がり、シッシ…と手で追い払うような仕草をとって家に戻っていきました。

また別の日に隣から掃除機音がするとボロ家からオバさんが出てきて

また吸い取り屋か!また吸い取り屋か!

さらに

ドコッ!クシャッ!

ブロック壁に何かをぶつけた音がしたのです。
あとテレビの音量や洗濯機のガタ音などがすると

ガタガタガタガタ壊れとんか〜!
とか
テレビ消さんと燃やすぞ〜!

など次々と意味不明な罵声をとばしてきます。
少しでも物音や話し声などが聞こえるとそこの家に近づき叫んでくるのです。
私は隣の住人が可哀想になってきました。

私もここのところ不眠症が続いています。

ヘタに刺激すれば何をするか分かりません。
警察もよほどなことでないと動かないと思います。

相談所みたいになってすみませんが何とかあのオバさんを黙らせられたらと思ってここに書いてしまいました。

926名無しさん:2014/02/05(水) 04:30:37 ID:OVHoSTjUO
何でもいいって言っといて人が折角、実話を書いた途端にレスが途絶えるもんな〜
応えられないの?
何だっての?一体?

927名無しさん:2014/02/05(水) 04:34:17 ID:OVHoSTjUO
どうしてこうなんだろうね?サイトって
ちょっと何か書けばすぐこれだもんな〜
本当腹立つ!

928名無し:2014/02/05(水) 21:09:38 ID:gvVg0HW.0
アレ?

929名無し:2014/02/05(水) 21:22:11 ID:gvVg0HW.0
>>926
まあ落ち着けって。
何でか書き込みが蹴られたから、も一回書く。
俺の偏見って思われてもしょうが無い。でもココは大事な隠れ家な訳。
もちろん怖い話なら何でも良い。君の話もしっかり読ませてもらったよ。
でもレスが沢山ついて変なのが集まるのは避けたいんだ。
だからマサさんの話も藍さん達の話も皆のレスは極力控え目。そういうこと。
(できれば上の方のレス読んで察してくれ)
どうしてもレスが必要なら、ココ以外にも掲示板用意してウェルカムな
まとめサイトがある(怖い話まとめでググレ)。しかもかなりメジャーだ。
ただ、そういうトコは辛辣なレスも覚悟して書き込む必要があるな。
書き込んでくれてアリガト。

930名無し:2014/02/05(水) 21:31:13 ID:gvVg0HW.0
>>926
ああ、忘れてた。思い出したからもう1つ。
とりあえず「創作」って前置きがあると好き勝手にレスできるけど、
生身の人間の、しかも『実話』はレスしにくいぞ。
「こうすりゃオバさん黙るぜ。」って提案して
「逆効果じゃねぇか。どうしてくれる!」って展開は避けたいだろ?
次からは、けなされなかったらOK、くらいの感じで書き込んでくれよ。
怖くて面白い話、待ってるよ。

931名無しさん:2014/02/06(木) 00:32:58 ID:srw5Xuis0
あなたは大人だ。

932名無しさん:2014/02/06(木) 09:21:46 ID:ZvDqe1060
>>925
確かにお前さんの話はリアルに怖い話になるけど
ここは語り部がいてそれに感想付けるだけの様な憩い場的なスレ
925さんの話は怖い話ではあるけど最後
「相談所見たいになって申し訳ありません」
と自分で言ってしまっている以上
レス返しがない可能性も考えて頂きたいです
また>>926-927の様に思ってしまうのなら
相談スレなどご近所トラブル系の板なり探すなどやりようが他に有りますので
そうしていただけないでしょうか?

ではまた怖い話があれば是非読ませて頂き
楽しみに待っております

933名無しさん:2014/02/07(金) 01:58:09 ID:GuVu659IO
それは悪かったと思う。
でも悩みのサイトがなくて…

934名無しさん:2014/02/07(金) 02:36:05 ID:GuVu659IO
925の話は仕方ないとして、自分もいくつか怖い話を知ってるのでぼちぼち出したいと思います。

935いじめ:2014/02/08(土) 04:06:53 ID:XbM63.TsO
小5の時、クラスで凄くイジメられていた生徒がいた。
その生徒を仮にMとします。
Mは家が貧乏で制服はいつも泥臭かった。
同じクラスにMをイジメていたガキ大将Sがいてそいつに連られて何人かの生徒が彼をイジメていた。
私はイジメていたわけじゃないけどSとは時々話しをするので【もうやめろよ】と言っても彼は聞こうとはしなかった。
そのMという生徒はとても変わっていてSが彼の頭を叩いたり体を殴ったりすると怒るどころか笑っていた。
彼が教室にいない時、教科書や筆箱を隠されても困った様子も見せずただ笑っていた。
何をされても笑うだけで、そんな彼をSは許せなかったのだろう。
体育の授業でSは不意打ちを噛ますようにMの背後から飛び蹴りをしたこともあった。
それから彼をイジメる生徒は減っていったがSだけは相変わらずでどうしようもなかった。

社会人になって数年ぶりにSに再会しました。
彼は今、県外で働いており父の墓参りのため数日間の休暇をとって帰ってきたという。
最近の話題や過去の思い出話をしているうちに彼の口から怖い話を聞かされることに…

彼が墓参りの途中の道を歩いている時、彼の前方、遠くから犬を連れた男の人がこちらに向かって歩いてくるのが見えたそうだ。
彼も歩いているのでもちろんお互いの距離がどんどん縮まってくる。
30mほどで彼は相手の男が誰かに気づいたそうだ。

その犬を連れた男の人…
彼が小学生の時にイジメていたMだったって。
会社の作業着かは知らないがヒドく汚れていたそうだ。

Mと出くわした事に彼は非常に戸惑ったそうです。
過去が過去なので

よーッ!久しぶりッ!元気だったか?

というわけにもいかず、俯き加減で歩いていた彼…
何故かそんな気持ち
すぐに吹っ飛んじゃったって。

それはMが連れた犬を見てゾォ〜ッと血の気が引いたからだそうだ。

そのMが連れた犬…
あちこちにケガをしていて血の塊のようになってたって。
片目は潰れ、前足の片方は折れていたとか。

こう言ってはなんだが…

Mはもしかして今までイジメられてきたツケの全てをその犬に当たっていたんじゃないか…
と彼は想像したそうだ。

さらにもっと怖かったのが彼がMとすれ違う直後だった。

まだ生きてんのか…
早く死ね…クソ…

小声ではあったがはっきりとそう聞こえたそうだ。


その日の夜、彼はあの言葉が耳にこびり付いて眠れなかったそうです。

936名無しさん:2014/02/08(土) 04:08:26 ID:XbM63.TsO
途中から敬語になってゴメンナサイ

937名無しさん:2014/02/08(土) 16:51:13 ID:m6DNAdmY0
あんまり怖くないかもしれませんが。

私が小学生だった頃、山奥に住んでいたのですが
小学校へ通うのにバス乗り場まで歩いて行かなければいけませんでした。
私はランドセルを背負って軽い坂道を降りるのですが、
ある道を通ると背中を押されたりする間隔を感じるようになりました。
しかし、背中を押されても後ろには何もいません。
「気のせいだろう」そう思っていたのですが、中学生の時
学校帰り、バスを使わないで歩いて山道を歩いて帰っていた時。
耳の近くというか、頭の中(?)で「しね!!」という声がしました。
聞いた瞬間、背筋がぞくぞくぞくっとしましたが、誰もいませんでした。

その他には特に何もなかったのですが、あれは何だったんだろう?と不思議に思います。

938名無しさん:2014/02/09(日) 03:34:21 ID:ZK8d8Kj6O
その山道には霊がさまよっていたりして

939鏡に映ったモノ:2014/02/09(日) 16:51:24 ID:ZK8d8Kj6O
ある土曜日の夜
私の知人、男4人女3人でカラオケに行きました。(因みに私は女性です)
7時に入店し飲んで食べて歌いまくりで気がつくと深夜12時を回っていました。
男の1人がベロンベロン状態でふらふらになっていたのでその場で解散することにしました。
私ともう1人の女の子は道がこっちだと言って2人で帰りました。(女の子をAとします)
面白話しをしながら歩いているとAが今から私のウチに来ない?と誘います。
明日は日曜ということもあってAの家へ行くことにしました。
Aの家はマンションで広々とした部屋です。
私が彼女のベッドの横にある小さな椅子に座るとAはカーテンを開け、ガラス戸を鏡代わりにし、髪を溶かしていました。
(外はガラス戸が鏡代わりになるくらい真っ暗だった)
私も喉が渇いていたので氷水かなんか貰えない?

と彼女に言ったその時です。

髪を溶かしていた途中でAがクシを机に置き私にこう言ったのです。

○○ちゃん(私の名前)最近車買ったんだよね、ちょっと見せてくれる?
と言い、私の手を強引に引っ張って部屋から連れ出します。
私は

えっ?何っ?
何言ってんのこの子?

全くわけが分かりません。

だって私は車どころか免許すら持っていないのです。

それにここはAのマンション。

外に出た瞬間Aは私の手を掴んだまま走り出したのです。
Aに引っ張られたままマンションから数百m離れた所まで連れて行かれました。

痛ッたいッて〜!もう何なのよ急に〜ッ!
と私はAに怒ります。
そこでAは走るのをやめ、手を放し、息を切らしながらこう言ったのです。

ゴメンね○○ちゃん!

あのね、よく聞いてね…

さっき私たち部屋に入ったでしょう。

私が窓で髪を溶かしてた時ベッドの下に男が刃物持って隠れてたのが見えたの!

ということだった。

私は呆然とし言葉を失いました。

Aが男の存在に気づいた時、慌てて逃げると襲われると思いワザとあのような行動をとったという

Aはとにかく持参していた携帯で警察に連絡し15分ほどでマンションに来てくれました。
警察が部屋に入った時、すでに男の姿はなく特に部屋中が物色された形跡はありませんでしたが…

警察からは別のマンションに引っ越したほうがいいと言われ、それ以来Aは私のマンションに移ることになりました。

940名無しさん:2014/02/09(日) 16:53:52 ID:ZK8d8Kj6O
またまたゴメンナサイ
タイトルが鏡に映ったモノではなくガラス戸に映ったモノでした。

941名無しさん:2014/02/09(日) 16:57:52 ID:cg3OVZZo0
一行あけはハングル変換のせいだろうか

942名無しさん:2014/02/10(月) 04:53:02 ID:1Uwm/JjEO
文章を連続で繋げたり詰めると内容が分かりづらかったりするから。
貴重なところは一行あけたほうが読みやすい

943どこの子?:2014/02/10(月) 14:59:10 ID:1Uwm/JjEO
俺は現在、会社の紹介で安いマンションに住んでいる。
一年前から住んでるんだけど、それまでは古いアパートに住んでいた。

これはそのアパートに住んでいた時の話。

仕事を終え帰宅したのは夜の8時過ぎ。
当時住んでいたアパートの周辺は真っ暗で何も見えないほどではなかったが少し怖いくらいだった。
このアパートはとても古く、通路の電灯はほとんど点かない状態。
階段も同じで俺の部屋は2階。(家賃もタダに近い部屋)
近所の外灯もあてにならなかった。
階段を上がり踊場に出るとそこの隅っこに【何か】置いてあるのが見えた。
暗くてよく見えず持参していた携帯のライトで照らすと思わず一歩引いてしまった。
何とそこには4、5才くらいの男の子が丸くなって座り込んでいたのだ。
一瞬驚いたが恐々としながら俺はその子に歩み寄り

どうしたん?こんなトコで?

返事がない。
もう一度聞くが返事がない。
ここに住む子なんだろうか?
俺はその子に

お父さんは?お母さんは?

と訪ねるがやはり返事がない。
男の子は俺の顔を見るがすぐにうつむいてしまう。
きっと腹を空かしてるだろうと思い部屋からパンとジュースを持ち出し男の子に与えた。

早よお家帰り
家の人、心配しとるよ

と言い、俺は部屋へ戻った。
シャワーを浴び夕食を済ませ、寝る前にビールとつまみを採ろうとすると、つまみがなかったので近くのコンビニへ買いに行こうと階段を下りると男の子がまだ踊場で座り込んでいた。

何しとん?早よ帰りーや!

思わず声を荒げてしまった俺。
男の子は泣き出してしまい

あぁ悪りィ悪りィ
怒ったんちゃうで
しょうがねーなー

俺は一晩だけならいいかと男の子を部屋に入れてやり、明日大家に聞いてみる事にした。
男の子の体を洗ってやり服も洗濯した。
そして俺は男の子と同じ布団で寝た。

翌朝になって気がつくと男の子の姿はなかった。
トイレかと思ったがいない。
部屋中探してもどこにもいなかった。
服もなくなっていた。
うちに帰ったんやろか?
大家に聞いてみるがそんな子は知らないとのこと。

大家が言うには、つい2日ほど前に1階の○号室に住んでいた若い夫婦が退室したらしいが、その夫婦が男の子と関係してるかは不明。

そして数日後の朝、俺がゴミを出そうとゴミ置き場に行くと幼稚園用のカバンとシューズが捨ててあったが、あの男の子のものなのかは分からない。

無事でいるのだろうか…

944おじちゃん:2014/02/11(火) 04:00:22 ID:xLElbtfAO
幼稚園の頃の話

私を入れて家族4人、そしてもう1人知らないオジちゃんと暮らしてました。
そのオジちゃんが来てから私が母に

あのオジちゃん誰?

と聞くと母は

○○(私の名前)は知らなくていいの

と言われました。
兄も知りません。
けどそのオジちゃんはとても優しくていつも私と兄を遊びに連れてってくれたり
お菓子を買ってもらったりしてくれました。
私はそのオジちゃんを実の父のように思うくらい大好きでした。

でも家にオジちゃんがいない時、母はよく私と兄に言ってました。

あのオジちゃんと2人きりになっちゃダメよ

って。

えっ?なんで?
あんなに優しいのに?

3ヵ月ぐらい経ってからまた母にさり気なく同じことを聞いてみました。

ね〜、本当にあのオジちゃん誰なの〜?

しばらく母が沈黙したあとこう言いました。

親戚の人…

の一言。

当時私は小さかったのでオジちゃんのことを不審人物や悪い人だとは全く思いませんでした。

ある日のこと

私と兄が部屋でオジちゃんに遊んでもらっていた時です。

ピンポ〜ン♪

家の呼び鈴が鳴り母が出ると相手は警察官でした。
私と兄もソ〜ッと玄関前の部屋で立ち聞きすると警官が母に中年の男性を捜してると訪ね、母がうちにいるオジちゃんの事を話した。
私が奥の部屋に戻ると一緒に遊んでいたはずのオジちゃんがいつの間にか消えていました。

家中探してもいませんでしたが兄の部屋の窓ガラスの鍵が開いているのに気づき、戸が少し開いていました。

きっとここから飛び出したんだ

でもどうして?

その日からオジちゃんが家に戻ることはありませんでした。

会ってもいません。

オジちゃんがどこの人で何故うちに居座っていたのかは分かりませんが20年経った今、さり気なく母に聞いてもあの人の話になると相変わらず何も言いません。

何者だったんでしょうか?

945去年の花火大会:2014/02/11(火) 11:22:37 ID:xLElbtfAO
みんなテトラポットって分かる?
海岸でよく見かけるヤツ
三菱のマークの形に似たコンクリート
船虫がいるよね

去年といっても3年前になるんだけど
8月某日に花火大会があって隣町の海岸がよく見えるということで家族で見に行ったの

海岸に着くと砂浜にはたくさんの人たちが風呂敷を広げて打ち上がる花火に注目していました
私たち家族も場所をとって見ていました
海岸沿いにあるテトラポットの上に座って見ている人たちも大勢いました

しばらく花火を見ていた時です

キャーッ!!

私たちから左、数10m離れた所から女の人の悲鳴がしました

私が姉と悲鳴がした辺りまで走って行くとテトラポットの周辺に人集りが出来ていました
あまりの人集りに何が起きてるのか分かりません

数分後にパトカーがやって来て警官が出てくると第一発見者と思われる人が警官に早く早くと急かします
警官が慌てて

どこです?

と訪ねると発見者は

あそこ!あそこ!

と指を指します

警官が人集りに入った時、私たちも入りました
そこで私たちが見たものは…

何とテトラポットの下に死後数ヶ月は経とうかという男の人の死体があったのです
死体には船虫がウヨウヨと集っていました
警官が警棒で突くと
ザァー…と船虫が一斉に散らばり近くにいた人たちが悲鳴をあげてその場から放れます
私たちは気分が悪くなり、両親に今の出来事を話し、すぐ家に帰ることにしました

車で帰る途中、反対車線から救急車が通って行くのが見えました
きっと海岸へ向かって走っていたのでしょう


でも本当に良かったね
男の人見つけてもらえて

946名無しさん:2014/02/11(火) 13:23:52 ID:DeG3ZGNw0
自作怪談のブログやってます よろしければどうぞ

http://scoby.blog.fc2.com/

947名無しさん:2014/02/11(火) 16:13:00 ID:xLElbtfAO
今まで書いた文章をまた1から書き直すの面倒だから、このまま爆進するよ

948 ◆iF1EyBLnoU:2014/02/13(木) 21:56:32 ID:R8bu/kHI0
テスト中。

949 ◆iF1EyBLnoU:2014/02/13(木) 21:58:15 ID:R8bu/kHI0
皆様今晩は、藍です。
今回はかなり時間のかかるお仕事を手伝っておりまして、
まとめの方で頂いたコメントに返信するのが精一杯でした。
一昨日帰ってきて、昨夜こちらを覗いたら書き込みが沢山あって嬉しかったです。
『玉の緒』以降の作品がどうなるのか全く分からないので、
今夜は私の経験を書かせて頂きます。

確か小学6年生のことです。
私と母は小正月の行事のために、本家に手伝いに行きました。
母や叔母たちが繭飾りを作るのを手伝って、とてもウキウキした気分でした。
そうこうしている内に、高校生の娘さんが部活から帰ってきました。
彼女は私の従姉妹、本家の娘さんでとても綺麗な人です。
私は彼女が大好きだったので、すぐに玄関に迎えに出ました。
言葉を失うというのは、ああいう状態を言うのかも知れません。

950 ◆iF1EyBLnoU:2014/02/13(木) 22:01:25 ID:R8bu/kHI0
靴を脱いで廊下を歩いている彼女は何故かボンヤリした表情。
その後ろを小さな男の子が歩いています。
まるでその顔が彼女のお尻にぴったりくっつきそうな距離。文字通り「異様」。
一体あの子は誰だろう?何であんなにくっついて歩くんだろう?
今まで見た事のない男の子は、従姉妹が手伝いを始めてからもその後をついて回りました。
私の視線を不思議に思ったのか、母は私を勝手口から庭に連れ出しました。
「藍、さっきからずっと○●ちゃん見てるよね。何が見えてるの?」
「○●お姉ちゃんの後ろをね、小さな男の子がついて廻ってるの。帰ってきてからずっと。」
「その男の子、どんな格好してる?着物?それとも洋服?」
「洋服だよ。黒い服。靴も黒いよ。ピカピカで。」

その途端に、母の表情が変わりました。とても険しい表情だったと思います。
「藍、今話したこと、皆には内緒ね。お利口に出来たら帰りに好きなもの買ってあげる。」
「うん、約束ね。」 そんなやりとりがあって、私は何時の間にか寝てしまったようです。
ふと、目が覚めると薄暗い居間のソファの上でした。台所は明るく、話し声が聞こえました。
母を探そうと立ち上がったとき、突然左肩を掴まれました。
年上の従姉妹が私の顔を覗き込んでいました。大きく見開いた目は少し怖かったです。
そしてその左肩の後ろ、あの男の子の顔が見えます。
「○●お姉ちゃん、その男の子、誰?」
「ああ、やっぱり藍ちゃんには見えてたんだ。この子はね。」

951 ◆iF1EyBLnoU:2014/02/13(木) 22:02:59 ID:R8bu/kHI0
その後の記憶は途切れ、目が覚めたら私は母に抱かれていました。
母との約束を憶えていたので、あの男の子のことは口にしませんでした。
見た事の無い人たちが沢山いて、すごく慌ただしい雰囲気だったせいもあったと思います。

その年のお盆に本家を訪ねた時には、何の異変もありませんでした。
○●お姉ちゃんや他の従姉妹達と一緒にホラー映画のDVDを見て楽しかったです。
あの日の記憶は一体現実だったのか、それとも夢だったのか、確かめる術はありません。
いつか○●さんに聞いてみたいような、そうしてはいけないような、不思議な気持ちです。
今にして思えば、母と、もっと沢山話をしておくべきだったと、そんな気もしています。

さて、取るに足らない昔話、お付き合い頂いた皆様に感謝致します。有り難う御座いました。
他の投稿者さまの邪魔にならなければ良いのですが。

952名無しさん:2014/02/13(木) 22:41:22 ID:HzLDXNfE0
ふむ。やはりそうなるか。では私も一つ後で上げさせてください。

953名無しさん:2014/02/15(土) 03:36:45 ID:nh4jCeCIO
怖い話じゃないけど

最近のトイレって入口入るとセンサーが反応して電気点くようになってるよね
(ある程度時間経つと消えるようになる仕組みで)
この前、暗くて誰もいないと思って入った時、センサーが反応した瞬間、大便のほうからいきなり人が飛び出して出て行った!

ちょっと驚いたけどその人、電気消えている間、何やってたんだろね?

954金縛り:2014/02/17(月) 01:10:23 ID:2azV4/860
私の話をしようと思います。これは私が初めて金縛りに遭った時の話です。

私と言えば幼少のころから実家には私にしか見えないお化けが出ました。そういったものが怖いという考えすら持ってなかった頃から見えていました。
当時の実家は平屋建てで北入り玄関。向かって左が8畳キッチン。その奥が8畳和室+広縁の子供部屋
向かって右が水回り、その奥が両親の寝室で8畳和室。一番奥が寝室と続き間になった座敷で8畳和室+広縁。つまり座敷ぶんだけ南側に出ている形の家でした。
一番奥の座敷から玄関までまっすぐの廊下が伸びており、キッチンに行くには家南の端から玄関までの北端まで歩く格好になります。
東京の赤門近くの病院で父と知り合った母は免許はありましたが、結局還暦超えても紙ドライバーで車は父の運転する一台のみ。
TVは座敷のみで、TVや車が複数台有るというのは当時で言えばブルジョワでした。そんな時代の話です。

955金縛り:2014/02/17(月) 01:11:10 ID:2azV4/860
夕飯に呼ばれてキッチンに向かうと必ず出るんです。髪の長い女の人が。
子供部屋の入り口のドアの正面は、お仕置きにも使われた半畳の物置スペースなのですが、そのドアの表面から、すっと女の人が湧いて出て3尺の廊下をまたぎ子供部屋に音もたてずに入っていくんです。
仕事を手放さない母は兄が生まれても1週間で内職を始める元気人間で、一度も髪を長く伸ばしたことがありません。

私「今女の人が子供部屋に入っていったよ」
父「誰も居ないじゃないか」
私「うん、誰も居ないね」

水曜スペシャルの心霊モノを見た日はトイレに行けなくなるほどビビりだった割には実物を見ても怖いとは感じてませんでした。唯一気になったのは決して顔が見えないという事くらいでしたね。
こんなやり取りをしながら平和に育った私は中学生になりました。

956金縛り:2014/02/17(月) 01:11:56 ID:2azV4/860
中学になった私はある事情で虐めにあう事になりました。クラスの女子からバイキン扱いというテンプレなアレです。
男子にはあまり伝播しませんでしたが中には2チャンネルに出てくるコウトのような嫌な奴も居るんです。
結局虐めは中学2年の終わりまで続くことになるのですが、その中で数度、虐めにやり返したことがあります。
今思えば、子供の社会と言うのは大人の世間体とあまり変わらないんですね。だから底辺の私が逆らうとその人は私に恥をかかされたことになるんです。因果応報もへったくれもありません。
虐めは辛い物でしたが学校は休まず通っていました。そんな中で事件は起きたんです。

休日の私はいつも昼近くまで寝てるような子供で、晴天にも関わらずその日もいつも通り昼前になって母に「いい加減起きろ」されました。
兄弟は上と下に居て3人で子供部屋を使っていましたが、私の寝床は広縁。つまり窓際だったんですが、いつも通りめんどくさそうに体を起こすと私を呼ぶ声が聞こえたんです。

957金縛り:2014/02/17(月) 01:12:39 ID:2azV4/860
「*澤〜」

身を起こしたままで目を開けたまま後ろ=窓際を振り返えようと力腰にひねる力を入れた瞬間に金縛りに遭いました。
その後金縛りに習慣的に遭うようになるんですが、初めての金縛りだけは違っていました。何と言うんですかね「恐怖の感情を首の後ろから瞬時に注入されて即時に体に広がる感じ」です。
習慣的になった金縛りは、足から感覚が抜けていき、次第に体の上まで徐々に動かなくなります。最後には歯の麻酔をしたときのようにブツブツと歯の神経が切り離されていく感じで終わります。恐怖は感じません。
しかしその時は何も見てない状態「恐怖の対象が何か認識してない状態」で一瞬にして体の自由が奪われて恐怖に体全体が支配されたんです。

958金縛り:2014/02/17(月) 01:13:30 ID:2azV4/860
訳が分からなくなりましたが必死で頭の中で

「御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい」

と頭の中で繰り返したところ恐怖が体の中から消え去り体が動くようになったのを「何故か」把握しました。
お調子の者の私は何でか安堵と言うよりは、何故か腹が立ってしまい、もう一度背後を振り替えようしたんです。「と力を入れた瞬間にまた体が動かなくなり」恐怖で再び体と感情が支配されました(アホや私)
「あいつ」は私と繋がり、私の精神を読み取っていたんです。私を「向こう側から」覗いていたんです。

「御免なさい御免なさい御免なさい御免なさい」WWWW

情けなさと共に再び力が戻った私は、今度は振り返ることなく立ち上がることが出来、母に金縛りに遭った事を伝えると心配どころか本当のアホ扱いされました。

959金縛り:2014/02/17(月) 01:15:02 ID:2azV4/860
・・・ここまでは皆に話している事です。実は誰にも話したことがない部分があります。

あの時、後ろに窓ガラスがあるにも関わらず、距離を無視してまるで首根っこの後ろに向かって息をかけるように、声色を排した囁くような吐く息だけのあの声の持ち主。
そして名字の呼び捨てでお互いを呼び合うのは、当時では中学の同級生だけだった事。
声が聞こえた瞬間に、その声の持ち主が、私が逆らったあの同級生男子、M・Aだという直観を感じた事を。

私もあの時きっと「あいつ」と繋がっていたんです。

おわり。

みなさん、不条理でも何でも、人から念をかうと飛んでもない目に遭いますよ〜

960 ◆iF1EyBLnoU:2014/02/25(火) 20:00:23 ID:oJwXw81Q0
皆様、今晩は。藍です。
本日知人から、残っている作品の準備を始めた旨の連絡がありました。
単純に喜ぶ訳にはいかないのですが、考えていたより早く
次作以降の投稿に向けた作業が出来そうです。
次作以降をご期待頂いている方々、どうかもう暫くお待ち下さい。

961名無しさん:2014/02/25(火) 21:56:33 ID:zX3u160QO
o(^o^)o WAKWAK

962名無しさん:2014/02/26(水) 01:38:28 ID:ZDduScas0
藍さんこんばんわ。

うーん、原稿の準備ですか。知人さんの課題の進捗はどうなのでしょうか。

続きは非常に読みたいのですが、心配。

963 ◆iF1EyBLnoU:2014/03/01(土) 21:33:56 ID:mBDek2jo0
皆様今晩は、藍です。
昨日、新作の原稿を受け取りました。掌編なので作業は既に終了。
知人にもメールで送信済み、投稿の許可を貰え次第投稿致の予定です。
今夜か明日中に投稿できれば良いのですが。

964名無しさん:2014/03/02(日) 17:15:22 ID:Psr7awH60
シリーズ物スレを建ててみました
http://jbbs.shitaraba.net/study/9405/#1
藍さん、できればそちらの方に投稿できまんでしょうか?
他意はありません。ただ、藍さんの作品が投下されると少なくないレスがついて
スレが肥大化してしまうでしょう?
他の作品も埋もれてしまうし、住み分けしてもいいと思うんですがどうでしょうか
他の方の意見も聴きたいです

965名無しさん:2014/03/02(日) 17:17:15 ID:Psr7awH60
すいませんシリーズ物のスレのアドレス間違ってました
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/9405/1393747823/
こちらです

966 ◆iF1EyBLnoU:2014/03/02(日) 18:03:01 ID:G/hhzQKA0
>>964
管理人様でしょうか?
わざわざ新しいスレをたてて頂き、感謝致します。
今夜投稿予定のお話から、そちらに投稿させて頂きます。
本当に有り難う御座いました。

967名無しさん:2014/03/02(日) 18:04:21 ID:ouWq9OMQ0
スレ主さん、まとめ係さんのご負担も減りそうですね。

968 ◆iF1EyBLnoU:2014/03/03(月) 00:04:18 ID:LfliCkpY0
>>967
スレ主さんとまとめ係さんにご負担をおかけして来ましたこと、
心からお詫びしたい気持ちでいっぱいです。申し訳ありませんでした。

969名無しさん:2014/03/03(月) 00:19:29 ID:WTsA43ho0
>>968

藍さん、少し落ち着いて。私が悪かったのです。色々書き込んでしまったから。

970名無しさん:2014/03/04(火) 15:55:56 ID:HpfLGtcw0
>>964
意味のあるスレ分けだと思うし賛成だけど、建ててから
> 他の方の意見も聴きたいです
ってどうなのよw

あと、そのスレタイだと祟られ屋の人にも今後移動をお願いする訳ね?

971と、徳島です:2014/03/07(金) 00:14:59 ID:5KCMgYSY0
こんばんわです、私も少し気持ちを練ってました。まずは、やることやりますね。

藍さん、ごめんなさいm(_ _)m

私はちょっと変わった営業やってまして、ある物を売る事と、クレーム対応が一緒になったような仕事をしています。自分で言うのも何ですが全国表彰レベルの営業です
普通の方よりも何倍も人に会って、何倍も怒られ、褒められる仕事です。喋る順番を間違えただけで印象を悪くする事は常に気を付けてたのですが・・
他の方にも怒られちゃいましたね。(有り難い話です)
ブラックリストのお客様とか他の担当が出禁になった案件とかもよく回ってくるので、自然と人の気持ちや、生活の姿には考えを向けることが多いです。

リアルでは、因縁とかそんな話はしてません。そんな事したら、扱い、ではなく本当の「アホの子」になってしまいます。
しかし、この問題が起きた時に、ここでしかできない、ここだからこその話をしようと「何故か」思いました。

①怖い話Part2 の藍さんオリジナルの話。②そして今回のお話。③枯れ木さんのお姉さんに関するお話で「何のイメージがお心にあって」今回の様な反応をされたのか私なりの見当はついています。
正直、私の心の在り方が善悪を問わず、藍さんにとって悪影響があるのなら、もうここにはこれないなと考えていました。それが今回の「出会い」とも。
3つの事前の「お手配」がありながら、私は「それ」を認識できず、今回の事を予防することが出来ませんでした。
普段の私の修行も、普通の人から見たらバカみたいな話ですが、こういう事、小さな分岐を自分で認識して改善したい過去(因縁)を変えることにあるので、どうしても喋ってしまいました。

972と、徳島です:2014/03/07(金) 00:15:43 ID:5KCMgYSY0
管理人さん・・・・投稿先間違えちゃった(TT)

973名無しさん:2014/03/08(土) 17:29:07 ID:huBAd/ao0
もうずいぶん昔のことです。そのころ私は、和服の行商をしていましてね。
いや、荷を担いで廻ってたわけじゃありません。
カタログ販売です。むろんインターネットも携帯電話もない頃でしたから、
本社からその県のね、拠点となる場所に商品を送ってもらって、
私はカタログを持って小さな集落を廻って歩くんです。
一軒一軒を訪ねて注文があれば代金をいただいて品物を送らせる。
今にして考えれば悠長な商売ですよね。のんびりした時代だったんです。

移動は、経費節約のため鈍行列車を使うことが多かったですよ。
集落に入ってからは、自転車を調達できればそれで、なければ徒歩で回っていました。
たいした給料ではありませんでしたが、
いろんな場所へ旅から旅の生活は楽しかったですよ。
ああ、すみません。前置きが長くなってしまいました。
夜行列車に載っていました。もちろんローカル線の各駅です。
当時は鉄道も単線の区間が多くて、急行列車を待つために駅でもなんでもないところで
数十分くらい停車しているということがよくありましてね。

974名無しさん:2014/03/08(土) 17:29:45 ID:huBAd/ao0
夜の10時頃だったでしょうか。私は商売柄、列車の中で寝るのは得意だったんですが、
その日はどうしたわけか寝つけなくて、
4合瓶をちびちびやりながら窓の外を見てたんですよ。
他の乗客はわずかしかおらず、ほとんどの方は眠っていました。
季節は夏の終わり頃で、まだ列車の天井では扇風機が回っていましたね。
急行待ちのアナウンスがあって列車が停まったのは、線路脇に芒(すすき)、
その向こうは雑木のまばらな林となっているところでした。

ぼんやりと見ていると、その林の中をですね。白いものを着た人が歩いていた。
暗くってはっきりとはしませんが、烏帽子のようなものも被っていました。
つまり神主さんの格好ですよ。
そういう人が20mばかり離れたところをゆっくりと歩いている。
その人がちらと、こちらのほうを見て、
そのときに顔の造作が車窓からの光で見えたんです。
いや、何の変哲もない中年男の顔でしたよ。

975名無しさん:2014/03/08(土) 17:30:18 ID:huBAd/ao0
ただ、その人の後ろに何か動くものがありました。
鹿です。大きな鹿がたくさん、その人の後をついて歩いてたんです。
鹿は、みな一様に首をうなだれてとぼとぼと元気のない様子でした。
不思議なことがあるものだな、と思いました。
鹿を飼っていて慣れているのだろうか、
神主の格好をしているのはどこかの神社で飼っている鹿なのだろうか・・・

ところがですね。その鹿の群れがだんだん列の後ろにいくにつれて、
別のものに変わっていったんです。夜の中で黒ぐろと見えていた鹿の地肌が、
だんだん白くなっていった。
あれっ、と思ってよく見ると・・・四つん這いの人間です、まる裸の。
鹿と人間が混ざったようなのもおりましたよ。背中だけ毛皮が生えているようなね。
列の後部のほうはまるっきりの人間でした。男も女もいましたね。
裸で尻を高く上げた四つん這いで、頭を垂れて歩いていました。

976名無しさん:2014/03/08(土) 17:30:51 ID:huBAd/ao0
見ていたのは数分程度のことでしたが、長く感じました。
ああ、たしかに酒は飲んでいましたので、幻を見たという可能性はありますよ。
ただ、話には続きがあるんです。
列車はまもなく出発して次の駅に着きました。
そこで私たちの車両に乗り込んでこた客が一人いたんです。
中背の勤め人のような背広を着た、40代くらいと思える男の人でした。
大きな風呂敷包みを抱えていましたね。

その人が、席はガラガラに空いているのに、私の前にきて座ったんです。
ほら昔の車両ってのは、向かい合った4人がけの席になっていることが多いでしょう。
その向かい側の席です。そのとき、その人の顔を見て驚きました。
さきほど林の中で異形の鹿の群れを連れていた神主とそっくりなんです。
あの・・・狩衣というんですかね、それと背広という違いはありましたが、
まったく同じ人だと思いました。

977名無しさん:2014/03/08(土) 17:31:26 ID:huBAd/ao0
その人は、「ここ失礼します」と言って座り、
風呂敷包みは網棚に上げずに横の席に置きました。
様子を見ていると、「失礼ですが、どのようなご商売ですか」と、
向こうのほうから話しかけてきたんです。
それは柔らかな、笛か何かを思わせるような声でした。
それで、問われるままに行商のこと、旅のことなどいろいろ語りました。
お酒が入っていたせいか、自分でもびっくりするほど饒舌になっていました。

その人のほうはと言えば、
自分のことはほとんど語ることなく聞き役に徹していましたよ。
いや、今にして思えば上手な聞き役でした。
私は子どもに死なれたことや、それが原因で妻と別れたことまで話してしまったんですから。
その人は私の話をひととおりり聞き終えると、改まった感じで「わたしと一緒にきませんか」
というようなことを言ったんです。
どういう意味かはわかりませんでした。
もしかしたらさきほど林の中で見たことと関係があるのか、とは思いましたが。

978名無しさん:2014/03/08(土) 17:32:01 ID:huBAd/ao0
するとそのときです。ガクンと列車が揺れ、ギィーッという長いブレーキ音ととに停止しました。
私はずいぶん長く鉄道を利用していましたので、
これは何か事故があったんだなとわかりました。
その人にもわかったようで、
額にしわをよせて、「飛び込みでしょうかね」と言いました。
そのあとでそわそわとした様子になり、「ちょっと見てきますね。野次馬趣味でお恥ずかしい」
そう言って、荷物を持つと前の車両に移っていきました。

席を立つときに、その人はつぶやくように歌うように「しかぞなくなる」と言ったんです。
・・・それからもう戻ってはきませんでした。
前の車両に席を移して、そのままどこかで降りられたのかもしれません。
列車は動き出し、私はいつしか眠ってしまいまして、気がついたら朝になっていました。
これだけの話です。・・・「しかぞなくなる」というのは、
万葉集にある「世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる」
という和歌のことではないかと、だいぶ後になってわかりました。

979名無しさん:2014/03/09(日) 03:32:53 ID:79iyLaOQ0
a

980名無しさん:2014/03/09(日) 03:33:28 ID:79iyLaOQ0
ずいぶん昔のことになるけどな。闇金の取り立てをやってたんだ。
まあ今みたいにすぐ弁護士が出てくるようになる前のことだ。
で、ある客のとこに取り立てにいったときの話。
いや、俺らはサラ金とは違うからフツーは客の家に行ったりはないよ。
電話催促だけで、紙貼ったり家の前で怒鳴ったりなんてことはしなかった。
特に利息分だけで元金超えてる客に関しては。

そんときの客は三田って40過ぎくらいの女だった。
もともと知ってる女でね、新興宗教の教祖みたいなことをやってたんだ。
その頃は羽振りもよくて、闇金屋と客っていう関係じゃなかった。
ちょっと世話になったりもしたんだ。
ところが未成年の信者の親が警察に不法監禁で訴えてガサ入れがあり、
そんときに覚醒剤とかも出てきてしまったんだよ。実刑にはならなかったがな。
で、教団のほうはおじゃん。それでもしばらくは蓄えた金で生活してたが、
先物とかに手を出したらしくスッカラカンになりサラ金に金を借りた。
それが返せなくってブラックリストに載り、俺らのとこに来たわけだ。

俺が店にいたら止めとけって言ったんだが、ただの取り立て係だしな。
金は5万、端金だろ。それでも最初のうちは利息払ってたから元金分は回収してあるし、
あとは督促の電話に出なくなったらそれで終わり。
どうせ違法商売だしね、ありえない利息を払い続けられるやつなんていない。
腐ったミカンを奪い合うような商売なんだ。
むしろ訴えられるとかのトラブルのほうがヤバイんだよ。
三田の場合は利息が入らなくなって連絡して、いやいや、優しく話したつもりだよ。
だが次にかけたときは電話を止めらたみたいだった。
まだ携帯の普及してない頃だ。

981名無しさん:2014/03/09(日) 03:34:04 ID:79iyLaOQ0
それで気になって家まで出かけてみたんだ。
いやいや、惚れてたとかそうじゃないって。もうババアだぞ。
三田が教団の本部にしてた家が自分の持ち家で、何かおいしい話が転がってないか、
そういう下心はあったけどな。で、上司には内緒で夕刻に行ってみた。
宗教団体の目立つ看板はそのままだったが、サラ金の紙が貼られたままになってた。
古い一軒家なんだが、簡単に売れるとこでもないし借地なのかもしれない。
草ぼうぼうになった庭を入っていって玄関でインターホンを押したが誰も出ない。
ああ、逃げたんだろうなと思った。田舎にでも帰ったか。

閉まってるだろうが、ためしにと思って戸に手をかけたらカラッと開いた。
んで入ってみたんだよ。違法だろって?まあな。
中は民家というわけじゃなくて、宗教団体時代のゴテゴテした飾り・・・垂れ幕とか
よく知らないが梵字の書いた掛け軸とか・・そんなのがあちこちにあった。
電気も止まってるようだし、薄暗くて不気味だったよ。
部屋を順々に見ていったが、金目のものはなさそうだった。
え、自殺してるとか考えなかったかって?
ないない、ないよ。そんなやつじゃない。
確かにガサ入れ食らってからは覇気もなんもなかったが、そんなタマじゃない。

一階を見て回って、階段で2階にあがった。
前にも入ったことがあるんで様子は知ってた。上には信者の寝泊まりする部屋と
奥にご神体のある祭壇があったはずだ。
・・・最初の6畳が信者が生活してたとこで、最盛期には5人は詰め込まれてたと思った。
襖を開けると奥に何枚も布団が積み上げられて窓を塞いでいた。
床は畳でこ汚いタオルケットが数枚敷かれ、畳は黄ばんで焼け焦げの跡もあった。
焼け焦げは広範囲に畳が炭化してて、火事になんなかったのが不思議なくらい。
やっぱ金目のものはなんもない。
この部屋の隣が、急造感のある一畳ばかりのトイレ。

982名無しさん:2014/03/09(日) 03:34:42 ID:79iyLaOQ0
次が洋間になってて、祭壇があったはずだ。
ドアを開けると衝立があって、そこを曲がって入ると祭壇が目の前にある。
仏教系なんだろうな、前に見たときは鐘や木魚なんかも置いてたが、
今はただホコリが積もった白い布がかけられてあるだけ。
で、その前に押入れほどの巨大な仏壇。これはさすがに処分できなかったんだろう。
そのままの形で残ってた。
どうせ空だろうと思ったが、閉まってた扉を開けてみた。
ぶわっとホコリが舞った。中の板仕切りのようなのが叩き壊されて下に山になって落ちてた。
その奥にキラと光るものがあった。

板をかきわけて拾いだしてみると、高さ20cmばかりの仏像だった。
俺にはお釈迦様なのか観音様なのかもわからん。
暗い中でもキンキラに輝いて、ずっしりと重い。まさか金なのか、まさかな・・・
メッキかもしれないが、骨董屋に持ってくくらい安いもんだと思ってゴミを払ってバッグに入れた。
とたんにドーンと雷が落ちたような音と振動を感じた。
それだけじゃなく、部屋全体が真っ赤に見えた。
仏壇の奥から何か白いものが出てきた。這いずっていて小さい。赤ん坊というより胎児だ。
それが固まったように動けないでいる俺の前まで出てきたんだ。
てらてらした白い背中にまわりの赤い色が映ってた。蛙の顔をしていた。

それが急に素早いトカゲみたいな動きになって俺の手から肩に跳び移ってきて、
顔の横で「くえあ」と鳴いた。
・・・そっから記憶がないんだよ。気がついたときには兄貴分に肩を抱えられていた。
俺が出てこないんであちこち探してくれたらしいんだ。
そしたらここの電話番号のメモが机に残ってて、
探しにきたら部屋の隅で膝を抱えて小刻みに震えてる俺がいたってことだった。
兄貴から日付を聞いて愕然としたね。ここに入ってからなんとまる2日もたってるんだ。
仏像はどうなったかって?ああ、それだよ。バッグを開けたら中に入ってたのは
バラけないようにあちこちヒモで縛った小さい小さい人骨だった。胎児の骨だと思う。
仏像なんてどこにもない。

983名無しさん:2014/03/09(日) 03:35:15 ID:79iyLaOQ0
骨は白く乾いてて、頭の部分に小さな字がたくさん並んでいて、
その最後にやや大きく、普通の字で「しね」って書いてあった。
・・・三田の最後っ屁だったんだな。家を訪ねてくるやつに罠をかけたんだと思う。
さあなあ、俺を狙ったとは思えないが。
恨まれるようなことはしてないし、世間のやつらが憎くて誰でもよかったんじゃないか。
それにしても、こういうことって実際にあるもんだとは思わなかった。
何というか、宗教家としての力はあったってことなんだろうな。
それから三田のゆくえは探してないし、俺もしばらくして闇金をやめた。

984名無しさん:2014/03/10(月) 23:45:10 ID:5K3TS0ng0
小学校の3年のときの話です。
だから記憶があいまいなので、今、卒業アルバムを見ながら書いています。
クラス替えがあって、最初の担任が30代前半くらいの女の先生でした。
名前は北見先生です。卒業アルバムは当然ながら6年生のときの写真が中心なんですが、
その先生方の集合写真の中に顔が見えます。転任されていなかったのでしょう。
この先生は最初の9ヶ月くらいいて、それから産休に入られたと記憶しています。
代わりの担任として、湊先生という若い女の先生がこられました。
冬休み過ぎ、3学期のことでした。

いえ、学級崩壊などといったことはありませんでした。
わりとおとなしいクラスだったと思いますよ。
新しい先生に反発したということもとくにはなかったと記憶してます。
この湊先生は今にして思えばかなり変わった人でした。
低学年の担任はジャージを着ていることも多いと思うんですが、
いつも白いスーツで来られていたんです、
小さい子ども相手で汚れることも多いだろうに。
それから、教室に大きな牛のヌイグルミを持って来られていました。
あの牛乳をとる白黒のホルスタインじゃなくて、薄茶色の牛なんです。

985名無しさん:2014/03/10(月) 23:45:47 ID:5K3TS0ng0
授業はあまり上手ではなかったと思います。慣れていないというか・・・
田舎だったので、産休の講師がおらず急になられたせいかもしれません。
体育の時間などはジャージに着替えておられましたが、
かなりとまどってる感じがしましたね。
それで、週一回学級活動の時間というのがあったんですが、
その内容がかなり奇妙なものだったんです。
さきほど話した牛のヌイグルミですが、座った形をしていて、
かわいいというよりリアルな感じの顔でした。
・・・何か考えこんでいるような顔といったらいいか。
もしかしたら先生の手作りだったのかもしれません。
大きさは小学3年生が座るより大きいくらいです。
名前は・・・湊先生は「ケンちゃん」と呼んでいました。
どういう字を書くのかはわかりません。

そのケンちゃんは、背中がジッパーで開くようになっていて、
中には綿が詰められていました。
その綿を取り出して、中に順番に生徒が入るんです。1時間に3人くらいでしたけど。
手足の先まできちんと入ることができて、
もしかしたら最初から着ぐるみだったのかもしれません。
入った子はケンちゃんを着たまま黒板の前の教卓に座って、
それに向かってみんなでお願いをするんです。
・・・最初は先生の合図で声をそろえて、
「世界が平和になりますように、この世の差別がなくなりますように」と言います。
さらにその後、一人一人が順番に願い事を言うんですが、ルールがありました。
個人的なお願いはだめなんです。
「おもちゃがほしい、足が速くなりたい」などの、
自分だけに得のあることは言ってはいけないことになってました。

986名無しさん:2014/03/10(月) 23:46:38 ID:5K3TS0ng0
これって3年生には難しいですよね。
だからみんな「戦争がなくなってほしい」とか、同じようなありきたりの内容だったと思います。
一人が10分くらい入ってて、3人が体験すればだいたい45分授業は終わりました。
私ももちろん入りましたよ。すごい窮屈だったのを覚えています。
ケンちゃんは、外側はふわふわですが、中の布は固くて身動きがとれませんでした。
特に顔のまわりは詰め物が厚く入っているようで、
みんなの声が遠くでしているように聞こえました。
それから、目などの穴が空いているわけではないので外は見えず、息も苦しかったです。
みんなが願いごとを言ったら、ウンウンとうなずくことになっていました。
今から考えれば意味があるような、ないような授業ですよね。
もしかしたら学校の管理職に聞こえたら止められたかもしれません。
でも湊先生がいたのは短い期間だったし、保護者の間で問題になることもなかったと思います。

3月になって、もうすぐ年度が終わるというときでした。
湊先生と過ごす最後の週に、またこの授業がありました。
その時間に3人がケンちゃんに入ると、クラス全員が体験をすることになります。
最後に入ったのは山田君という子で、男子の出席番号の最後尾です。
その子は、こう言ってはなんですがとても勉強のできない生徒で、
ほとんどものをしゃべらず友達もいませんでした。
表立ってイジメられているというわけではなかったと思いますが、遠足などの班を決めるときに
最後まで残ってしまうような子だったんです。
着ているものもいつも同じで、不潔な感じもありました。
その子がケンちゃんに入って、みんなで「この世の差別がなくなりますように」
と言ったとき、急に山田君が「うーっ」と叫んで立ち上がろうとしたんです。

987名無しさん:2014/03/10(月) 23:47:26 ID:5K3TS0ng0
でもケンちゃんの中は頑丈で立ち上がることができません。
そのまま前のめりに教卓から落ちました。頭が床にあたるボコッという音が聞こえました。
着ぐるみの詰め物がなければ大ケガをしていたかもしれません。
そのまま床の上で、机やイスを弾き飛ばしてのたうち始めました。
「あじ、あぶう、あぶあ、あぶういい」と叫んでいるように聞こえました。
もし着ぐるみごしでなければ「熱い」と言ってたんじゃないかと思います。
あわてて湊先生が駆け寄り、
山田君のうつ伏せの足の上に載って強く背中を押さえ、ジッパーを開けようとしました。
びびびっという感じで、ジッパーの横の布が大きく裂けました。
そのすき間から両脇をすくうようにして山田君を抱き上げました。
山田君は小さかったのでひっかからずに出てきましたが、そのときにはぐったりとしていました。

外面的なケガはなかったのですが、頭を打っているので先生が保健室に連れていきました。
とくに大したこともなかったようで、次の日からも登校してきたはずです。
湊先生はまもなく、みんなにお別れを言って学校を去られました。
そして春休みに入り、町のある地区で大きな火災が起きました。
十数件の家が燃え、死者が二桁にのぼりました。
その地区はごちゃごちゃした木造の家屋が密集しているところだったので、
被害が大きくなってしまったのだと思います。
その死者の中には山田君も入っていました。家族全員が亡くなったと記憶しています。
・・・これで私の話は終わりです。

988名無しさん:2014/03/11(火) 00:03:10 ID:BMUIYRBs0
中学校2年のときのことです。
最近はそうでもないみたいだけど、昔はいろんな学校行事があったんです。
マラソン大会とか鍋っこ遠足とか・・・今もやればいいのにと思いますけどね。
で、写生大会というのもあったんです。
中学校の近くに城址公園があって、歩いて20分くらいです。
2時間授業をしてから体育着に着替え、2年生の4クラスが組ごとに並んでそこへ行きます。
スケッチブックと絵具箱、あと弁当を持ってです。
午前中2時間でスケッチをして昼を食べ、午後2時半くらいまでで色をつけて完成させる。
そんな活動でした。

俺は美術は得意でも好きでもないし「カッタルイなー」とか言いながら出かけましたが、
普通の授業よりははるかにマシでした。
クラスで仲のよかった3人ぐらいとずっとダベってても怒られる心配はないからです。
ツツジ祭りというのに合わせてやってたので、時期は5月だったと思います。
城址公園はそれほど大きくないお堀に囲まれてました。
少し坂を登ったとこにある広場で、150人の生徒が思い思いの場所に散らばり、
自分の書きたい風景を見つけてスケッチブックを広げました。
平日なので一般のお客さんは少なかったですね。

989名無しさん:2014/03/11(火) 00:03:40 ID:BMUIYRBs0
俺とあと2人のダチはもう最初から描く気はなく、
木の陰の芝生になったところに寝そべって、30分くらいゲームの話とかしてました。
ただ教師がずっと巡回してて、スケッチブックが白いままだと注意されるんで
全く何もやらないわけにもいかず、鉛筆で殴り書きのようなことはしてましたね。
その場所からは下のお堀と街路が見下ろせるんですが、
何気なくそのあたりを見てると、同じクラスの岸ってやつが、
端を渡ってお堀の向こう側に行って、体育座りで膝の上にスケッチブックを置いて
夢中になって絵を書いてるんです。
意外だな、と思いました。普段からそんなに真面目なやつじゃないんです。
むしろこんな機会ならいちばんにサボるのが定番なんです。

それと意外というか変だなと感じたのは、スケッチって普通景色を描くもんでしょ。
それが岸のやつはすぐ目の前にある雑草の生えた斜面のほうを向いてて、
しかもまだ絵の具は出さないはずなのに、絵筆で色をぬってるようなんです。
「おい、あれ何やってるんだろうな」
「草を描いてるんじゃないか。緑と黄緑だけ使って塗りつぶせば楽だし」
「にしても、いやに熱心だよな」
こんな話をしていると、こっちに西田先生がやってきました。
この西田先生というのは、教師ではなくて地元の女流画家なんです。
新聞の挿絵とかも描いてたし、なんとか展覧会にも入選したという地元では有名な人で、
好意で俺らの学校の美術の時間にときどき来てくれてました。
当時60過ぎてたと思います。

990名無しさん:2014/03/11(火) 00:04:32 ID:BMUIYRBs0
「あんたたち、さぼってないで描きなさいよ」と、西田先生が言いましたが、
目は笑ってました。俺が「でも、あれ」と下の岸のことを指さすと、
西田先生はいぶかしそうにそっちを見てましたが、
「何か変ねえ。ちょっと行ってみようか」と俺らをふり返ったんで、
4人で階段を下に降りて行きました。橋を越えて岸の近くまでくると、
「おい何描いてる?」とダチの一人が後ろから声をかけましたが、
ふり向きもしませんでした。
肩越しに絵筆を握った手がフルフルと震えているのがわかりました。
それから、岸の描いてるとこは上からはただの斜面に見えたんですが、
土がくぼんで1mくらい掘れたような形で草が生えてました。
「・・・ここ、昔は防空壕があったって話よね」西田先生が言いました。

岸の背後までくるとヒザの上のスケッチブックが見えました。
西田先生が息を呑む音が聞こえました。
スケッチブックは鉛筆の下書きの跡もなく、四隅からどぎつい赤紫で塗られ、
中央の部分だけ白く残ってましたね。
パレットには絵の具の赤、黒、青がチューブ全部絞り出されてました。
「おい岸、何やってんだ」声をかけてもこっちを見ようともしないので、
前に回って驚きました。
目が完全に据わって血走ってるんですよ。
ダチが肩に手をかけて揺さぶっても、
絵筆を持った手を宙に浮かせたままでガクガク揺れるだけです。
西田先生はじっとスケッチブックをのぞき込んでいましたが、
「あんたたち、これ何に見える?」と聞いてきました。

991名無しさん:2014/03/11(火) 00:05:08 ID:BMUIYRBs0
「赤黒い・・・渦巻きですか」俺が答えると、
「そうじゃなくて、白く残ったとこ。人の顔に見えない」
そう言われると、おかっぱの女の人、いや子どもかもしれない横顔にも見えました。
「すごい絵ね。念が入り込んじゃってる」西田先生はそう言うと、
目を半眼のようにして岸の正面の草のほこらを見ていましたが、
すっとしゃがんで岸の絵具箱から余ってた細筆を取ると、少しだけ水をつけて
慣れた手つきで何かを描き始めました。
それは・・・輪郭だけの仏像、今にして思えば観音像だったと思います。
西田先生がそれを描き終えたとたん、
岸が目をつむり体育座りのまま横にコテンと倒れ、
脇に落ちたスケッチブックを素早く西田先生が拾い上げました。
「ん、ん、ん」とうめいて岸がゆっくり起き上がり、
「あれ・・・俺、何してた?」と呆けたような声で言いました。

「ちょっと陽気にあたったみたいだったよ」と西田先生が答えましたが、
実際は雪国のここらはまだ肌寒いくらいでした。
「俺のスケッチブック・・・」と西田先生が小脇に抱えているのを見て岸が言いました。
「少し濡れたみたいだから、特別に新しいのをあげる」
西田先生はそう言って、俺らに向かって目配せをしました。
それから皆で上に登り、先生方の本部になっている公園の休屋に行って、
岸は先生のスケッチブックをもらいました。
「さっきのとこはもう行かないほうがいいよ。あの手すりから下を見て描いてごらん」
西田先生はポンと岸の尻を叩きました。
それから俺らを脇のほうにうながすと、
「あの顔を描いてたこと、絶対に岸くんに言っちゃダメだからね。
本当はもう帰ったほうがいいんだけど・・・」とやや強い口調で言いました。
俺が「そのスケッチブックは?」と聞くと、
「これは預かっておきます」とだけ答えてくれましたね。まあこんな話です。

992片輪神:2014/03/14(金) 00:09:58 ID:dujTma560
私の故郷は東北地方のM県の沿岸部。海と山に囲まれた自然豊かな場所です。

でも恐ろしい部分の秘めていました。

私の生まれ育った場所は5つの集落からなる小さな町です。
それぞれの集落にリーダー的な立場にある家が一つずつあり(A、B、C、D、E家と表記します)、私はその中の一角、E家の一人息子でした。

A家の家紋は『扇』の紋
B家の家紋は『亀甲』の紋
C家の家紋は『霞』の紋
D家の家紋は『井筒』の紋
そして私の家、E家の家紋は『藤』の紋です。

みなそれぞれわかりやすい形の家紋になっています。

そして私の町には『奇妙な場所』と『不思議なしきたり』があります。

『奇妙な場所』とは学校の裏山でした(以降、山と呼びます)。長い長い石の階段を登った先に大きな鳥居があります。
鳥居を通るとそこに石碑のようなものがあり5つの家の家紋と何らかの文字が刻まれていました(文字は昔の言葉であり何て書いてあるのかわかりません)。
その奥には鬱蒼とした山道が続いています。

そして『不思議なしきたり』とは『5つの家で誰かが死んだ際、四九日が過ぎるまで山に入ってはいけない』というしきたりでした。

993片輪神:2014/03/14(金) 00:55:56 ID:dujTma560
私が小学校6年生の頃でした。

私の学年はクラスは1つしかなく、男子8人、女子8人の合計16人でした。
その中にA家の息子のA太。Cの家の娘のC子(初恋の相手でした)。そしてE家の息子の私がいました。

3月の上旬、D家のおばあさんが亡くなり、大人たちが私を含めた子供達に『49日過ぎるまで山に入るなよ』と忠告します。
何度も経験してましたが、ある日クラスメイトの1人が『49日が過ぎないうちに山に行ってみないか』と提案しました。
ずっと『してはいけない』と言われつづけたしきたりを破りたいという冒険心がいつしか芽生えたんでしょう。私もそれに勝てませんでした。
私とA太と2人の男子、下級生の男子3人。合計7人で山に行く事にしました。

親に内緒で学校が終わってからおやつを買い、学校の校庭に集合。全員がそろったところで出発。この時点ではハイキング程度にしか考えてませんでした。
長い長い石の階段。私はひょいひょいと登ってましたが、肥満体の下級生がヒイヒイ言ってみんながそれを待ちつつ進む感じだったので登りきるまでに15分程かかりました

そして階段を登りきると大きな鳥居。それをくぐった瞬間。


ギャア!ギャア!ギャア!ギャア!ギャア!


周囲のカラスが一斉に不気味に鳴きながら羽ばたき、皆ビクッとしました。
そして雰囲気というか空気がガラッと変わったのを覚えています。弱虫の下級生の1人が泣き出し帰宅。
残るは6人。すこし歩くと家紋が刻まれた石碑がある場所に到着しました。

何かに見られているような感覚を覚え、私は山に来たことを後悔していったのを覚えています。
さらに山道を歩き、しばらくすると道の左右に一際大きな杉の木が生えていて、その杉の木を繋ぐかのようにすごく古びた注連縄が飾られていました。
その注連縄は結構な太さと長さで、私は少し感動しました。

すると隣でA太が注連縄を見ながら何かを確かめるような動作をしてました。
私が「どした?」と聞くとA太が「あれって逆じゃない?」と言いました。
逆?わたしが何が逆なんだと聞くとA太が「結ってる方向」と答えました。
そう言われながら見ると確かに違和感を覚えました。確かに他の場所にある神社の鳥居にある注連縄とどことなく違うような。
「結っている方向が違うとどうなるんだ」と質問するとA太は「そこまではわからない」と返されました。

道はその向きが逆だという注連縄が飾られた2本の杉の木を挟んでまだ続いていました。

994片輪神:2014/03/14(金) 01:25:19 ID:dujTma560
道は続きどんどん歩きます。まだ3時過ぎだというのに薄暗く不気味な雰囲気でした。
すこし疲れたので休憩を提案しました。皆そこらへんの岩に座り、ジュースを飲んだりお菓子を食べたりしました。

私も桃の天然水を飲んで一休み。すると同級生の1人が「なにか言った?」と聞いてきました。
「何も言ってないよ」私がそう答えると同級生は不思議そうな顔をしました。

重い静寂が場を支配していました。休憩も終わり、先に進んでみようとした時。


シャリン


私の背後で鈴の音が聞こえました。私がバッと振り向くとそこには何もいませんでした。
でも感じたことのない不安と恐怖が私の心にハッキリと現れたのを今でも覚えています。

どんどん進み、大体感覚で4〜5キロ歩いたところで道は途切れていました。
そこは少し開けた場所でお社がポツンとあるだけの場所でした。
同級生の1人が「ここで終わりだ。もう何もない。結局なにもなかったな」と言い、引き返すことにしました。
でも私はずっと不安と恐怖を感じ続けていました。得体の知れない何かにずっと追いかけられているかのような、見られているかのような。

空を見ると薄暗くなり、私は「もういいだろ。帰ろう」と提案しました。
他の5人も何かしら感じたのか神妙な面持ちで同意してくれました。
そして私たちは岐路についたのです。時刻は5時過ぎ。3月の空はどんどん暗くなります。

しばらくして私は違和感を覚えました。どんなにどんなに歩いてもあの石碑がある場所に辿り着かないのです。
そのうち強がってた下級生の1人が泣き出し始めました。他の皆もものすごく不安な顔をしているのが手に取るようにわかりました。
正直、私も泣きたかったです。

しばらくすると今度は見たこともない場所に辿り着きました。広い場所。その先は行き止まりです。
すぐさま引き返します。でも道は一本道。間違えようがありません。またしばらく歩くとあのお社。
全員混乱します。そして逆の道を行きまた広い場所。同級生が「もしかして遭難したんじゃいのか俺達!?」と叫びます。
でも遭難なんてありえません道は一本しかないのですから。皆、半狂乱、パニック状態に陥りました。

995片輪神:2014/03/14(金) 01:50:55 ID:dujTma560
すると声がしました。

「ケタ…ケタ…ケタ…ケタ…」

私が振り向くとそこに誰かが立っていました。見たこともない服でした。
黒い獣の毛皮を纏い、勾玉か牙のような装飾品。鹿の角のような冠(?)、木の板の仮面。そしてその仮面には目のような奇妙な模様。
そんな得体の知れない人物が我々の後ろに立っていたのです。悲鳴も出ませんでした。

「ケタ…ケタ…ケタ…カケタ…カケタ…カケタ…」

その声は違う方向からも聞こえてきます。
「おい!見ろ!」下級生の1人が叫び、その方向を見ます。すると同様の格好をした人物がもう1人立っていました。
いや、1人だけではありません。私たちをぐるっと囲うかのように同様の格好をした人物が立っているのです。
何人かは数えていませんが10〜12人くらいに感じました。皆それぞれ仮面に描かれた模様が違うのです。

「「「「「「カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…カケタ…」」」」」」

もう声も出ませんでした。皆も震えてすくんでいました。
その人物達が徐々にじりじりと私たちに近づいてきます。

そしてゆっくりと一斉にギギギ…という感じで首を傾げ始めます。そして

ゴキン!

得体の知れない人物達が音を立てて首を横に90度折り曲げたのです。

そして全員が一斉に言葉を放ちます。


「「「「「「じゅら」」」」」」


その言葉を聞いた瞬間、意識が遠のき私は気を失いました。

996片輪神:2014/03/14(金) 02:21:41 ID:dujTma560
気が付くと誰かに頬をペチペチと叩かれる感触を覚えました。
町の消防隊のお兄さんでした。

「おい!大丈夫か!おい!」
私はハッと気が付きました。辺りを見回すとあの石碑がある場所。
あの得体の知れない人物たちはもういませんでした。
いるのは私と消防隊の人たち数人。そしてA太とクラスメイトの男子2人。そして下級生1人だけ。
「あれ?」と思いました。いくら周囲を見回してもあの階段でヒイヒイ言ってた不満体の下級生がいないのです。
そこに私の父親とA太の父親がやってきました。

私が何か言うのを待たず、父親は私の頬を思いっきりぴっぱたき、次の瞬間泣きながら私を抱きしめました。
父親が泣いたのを私はそこで初めて見ました。あとは問答無用で全員公民館に連れられものすごい時間をかけてお祓いを受けました。
お祓いが終わると私の父親を含めた各家5人の当主達と住職さんが別室で話し合いを始めました。
私はこっそり聞き耳を立てると住職さんが「これでも祓えたかわからん」と言っていました。

自分たちがとんでもないことをしたんだと実感し始めたころ、A太が話しかけてきました。
「なあ、お社とあのバケモンがいた場所を行き来しても注連縄なかったよな?」
確かに。あの逆だという注連縄はあれから一度も見ていませんでした。

そこにドタドタドタとすごい勢いで誰かがやってきました。あの肥満体の下級生のお母さんでした。
「うちの子は!?うちの子は帰ってないの!?」
その大声に5人の当主と住職さんが飛びててきました。あの子の母親は私たち子供の顔を見て察したんでしょう。
「何故行った!?Dのとこのおばあさん死んで49日経ってないのに何で行った!?返せ!!うちの子を返してよ!!!!」
ものすごい見幕で怒鳴られました。それこそ殺されそうな勢いで。ありったけの恨みの気持ちが伝わってきました。

それから5人の当主と住職さんがあの子の母さんを何とか落ち着かせることに成功し、我々に全てを告げられました。

「お前たちは…恐らくこの先『かたわ』になる」

997片輪神:2014/03/14(金) 02:56:41 ID:dujTma560
『かたわ』
差別用語ですが障害者の人を表現する事は知っていました。
でも私の地元ではそんなのお構いなしに日常生活で使います(部落やバカチョンなど)。
さらに住職さんは続けます。

「お前たち、山の中で何かに会っただろう?それはな『片輪神』ちゅうもんだ」

続いて当主達が口を開きます。

「片輪神はなあの山の神様だ。ここら辺で野菜や果物が獲れんのも、漁で魚が獲れんのも、ここの女が子宝に恵まれんのもあの神様のお陰だって言われてる。
ただ、多くの恵みをもたらすのは片輪神がとんでもなく祟る神様だからだ」

「5つの家は片輪神を昔からあの山に封じてきた。俺たちはその祖先なんだ。だから知らんが5つのうちどこかの家で死人が出るとその封じる力が弱まる」

「すると片輪神は山に姿を現すようになって、山に入った奴を連れていくか祟るんだ。お前たちは連れていかれなかった。そのかわり、どこかしらカタワになる」

同級生の1人が「何でそんなこと知ってんだよ」と聞くとA太のお父さんがこう答えた。

「49日が過ぎないうちに山に入ったのはお前たちが最初じゃない。昔から何人も入った。そして連れていかれなかった奴は皆カタワになってるんだよ。俺を含めてな」

そう言うとA太の父親は義手を外した。A太の父親は数年前船の機械に手を巻き込まれ、右腕を失っているのだ。
ただ、自分の父親が山に入っていたことを知らなかったA太は愕然としていた。

あれから20年近くが過ぎる。あの肥満体の下級生の遺体は今でも見つかってない。

10年前。残った下級生がガス爆発で手の指を失う重症を負った。

7年前。A太が次亜鉛ソーダが目に入り失明した。

5年前、同級生の1人が転落事故で右半身マヒとなった。

同じく5年前、もう1人の同級生が交通事故で左足を失った。

そして3年前の東日本大震災の際、私は津波に流されるも命だけは助かるも、一生車いすでの生活を余儀なくされた。

駄文、連投スマソ

998名無しさん:2014/03/16(日) 14:21:56 ID:YfJdMgoY0
欠けた…欠けた…か

999名無しさん:2014/03/18(火) 23:27:31 ID:SWLKdpC.O
>>997
信じる信じないは別として君の「駄文」が何かリアリティーがあって怖い(^o^)

1001名無しさん:2014/03/20(木) 06:47:52 ID:LoKxXeWw0
まさか1000で書けないとか思ってないよな?

1002と、徳島です:2014/03/20(木) 16:53:42 ID:sCQSkWYw0
まさか1002が書けるんじゃないかと、誰か試さないかと思ってないよな?

1003名無しさん:2014/03/20(木) 20:34:42 ID:DLtRDkK60
BBS_THREAD_STOP=10000だからまだ書けると示しただけ

1004名無しさん:2014/03/21(金) 00:53:52 ID:nYO2GicI0
祟られ屋の続編を心待ちに毎日覗きにきてしまっているのは俺だけかな?(笑)

1005名無しさん:2014/03/24(月) 00:38:51 ID:rwLrVDIY0
去年の秋のことなんですが、男女4人で心霊スポットに行ったんです。
心霊スポットといっても、幽霊が出るとかそういうところじゃなくて、UFOです。
UFOが飛ぶのが見られるとか、宇宙人の秘密基地が地下にあるとか、
そういう噂のあるところです。
もちろんそんなのは信じていませんでした。そこは山まではいかない、小高い丘になってて、
夜景がきれいだともいわれているんです。
だから心霊スポットを探索するというより、みんなで夜景を見に行ったようなものです。

わたしと、カレのあつしと友だちのナミとそのカレの4人ですね。
そこは急カーブを連続して登っていくので、昔は族なんかも来ていたということでしたが、
今はまったくそんなことはなくて、カップルで来ている人が多いです。
それで、あつしの車・・・名前は忘れたけどホンダの中古のワゴンです。
それに乗って行って、頂上の公園付近の道路に停めて、4人で夜景を見てました。
時間は9時過ぎくらいです。初めてだったんですが、きれいでしたよ。
空も晴れていて、星もよく見えました。

1006名無しさん:2014/03/24(月) 00:39:25 ID:rwLrVDIY0
ナミが空を指さして「あれ、UFOじゃない。ほら、あそこ」なんて言ったりしましたが、
わたしには何も見えませんでした。ふざけてるんだろうって思いました。
宇宙人なんていないと思うし、前からそういうところのある子でしたから。
カレたちも「どこどこ、・・・わからないなあ」って言ってましたよ。
それからナミがトイレに行きたいって言いだして、
トイレは公園内の200mくらい離れたとこにあるんだけど、
車に鍵をかけて全員で行くことにしたんです。

・・・ここから記憶があいまいなんですが、
警察に何度も聞かれたのでくり返し話しているうちにまとまったことを書きます。
トイレに行くまでに誰とも会いませんでした。公園に人の姿はなかった思います。
トイレに入ってたのは数分です。それからナミといっしょに出て、
繁みの陰で待っていたあつしたちと合流して車に戻ったんです。
車の後ろのほうから近づいてったんですが、たまたま変なことに気がついたんです。
車のナンバープレートってありますよね。あの数字が裏返っていたんです。

1007名無しさん:2014/03/24(月) 00:39:59 ID:rwLrVDIY0
ほら、鏡に数字を映すと左右逆になってるじゃないですか、鏡文字って言うのかな。
あれになってたんです。
それでびっくりして「あー、このナンバー なんか変!」って叫んだんです。
そしたら前を歩いていたナミのカレが「ナニ、ドウシタノ?」と言ってふり向いたんですが、
その声が機械の声だったんです。よく自動朗読する機械があるじゃないですか・・・あんな声です。
それから目と口の中が青紫に光っていました。
頭の上の方で「バチバチッ」という聞いたことのない音がしました。

「えーっ!!」と思って、その場に立ち止まりました。
あつしもふり向いて「ヘンナコト ナンテ ナイヨネ」と言いましたが、
やっぱりその目と口も青く光ってて、青い豆電球をくわえているみたいでした。
それとカレの着ていたフライトジャケットに書かれたアルファベットも、
鏡文字になっていたと思いました。
ナミはいつのまにか自分のカレと手をつないでいて、
カレが変になってるのに気づいてないみたいだったんです。

1008名無しさん:2014/03/24(月) 00:40:33 ID:rwLrVDIY0
「ぜったい変だ、これあつしじゃない」そう思って後ずさりしたんです。
するとあつしとナミのカレは顔を見合わせていましたが、
ナミの手を引っぱって車の後ろに押し込んだんです。
そのときナミが始めて不安そうな顔をしました。
「マヅ ヒトリデイイ」あつしの顔をしたものがそう言うと、運転席に乗って車を急発進させました。
わたしは呆然と見ていたんですが、頭の上のバチバチいう音が大きくなって、
「ブーン・ブーン」といううなりに変わったんです。
急に頭が痛くなって、その場にしゃがみ込んでしまいました。

「おい、どうしたの?何かあったのか」心配そうなあつしの声がしてわれに帰りました。
車のあるところまで戻ったと思ったのに、女子のトイレの前にうずくまっていました。
バチバチという音はまだ聞こえていました。
そのほうを見ると、電柱からトイレに引いてある電線の付け根のあたりから火花が出ていました。
ナミのカレが「ナミは?」と聞いてきたのですが、
「車に乗って行った」とも言えずどうしたらいいかわかりませんでした。

1009名無しさん:2014/03/24(月) 00:41:18 ID:rwLrVDIY0
なんとか立ち上がれるようになったんで、手分けしてナミを探しましたが、
トイレ付近にはいないし、車にも戻っていませんでした。
ナンバープレートは通常のものでした。
カレのアパートにも、自宅にも、あちこち連絡した友達のところにもナミはいなくて、
朝方に警察に連絡したんです。そのときこの話もしましたが、
警官が妙な顔で聞いていたのを覚えてます。信じられないのも無理ないんですが・・・

それからナミはずっと行方不明のままで、もう半年になります。

1011名無しさん:2014/03/24(月) 00:42:26 ID:rwLrVDIY0
60歳で印刷会社の定年をむかえ、その後数年は嘱託で働いていたんですが、
年度いっぱいでそれも終わって、4月から完全な年金生活に入ったんです。
長い間の念願であったし、あれもこれもとやることを考えていたものの、
いざそうなってみると、もてあます時間というのはかなりあるものです。
家の中にいても家内にじゃまにされるだけなので、
ウオーキングを始めることにしました。どちらかというとわたしはやせ気味なので、
ダイエットというわけではなく、足腰の力を落とさないようにと考えたんです。

無理なく長く続けることが目標でしたので、早朝ではなく9時半から1時間ばかり、
万歩計をつけて家の周囲を歩くことにしました。
家は新興住宅地にあって碁盤の目のように区画が整備されており、通勤の時間帯を過ぎると
車も人もほとんど通らず、歩きやすかったです。
ウオーキングを始めてみると、いろいろと気づくことがありました。
例えば橋のたもとにとても大きなイチョウの木があったり、
住宅街の中に小さな金管楽器の修理店を見つけたり、あれっと思うようなことがあるんです。

1012名無しさん:2014/03/24(月) 00:42:59 ID:rwLrVDIY0
とは言ってもね、1ヶ月を過ぎると少し飽きが出てきました。
遠出をすればいいのかもしれませんが、
1時間以内で帰ってこれる距離にはあまり面白いスポットがないんですね。
せいぜいちょっとした児童公園があるくらいです。
それで、せめてもと思って毎日歩くルートを変えてみたんです。
家の前は通常の道路で、右か左のどちらに行くか、それと右にちょっと歩くと縦に入っていく道があり、
家を出た段階で3方向の選択肢があります。それを毎日変えてみることで、
少し気分転換にはなりました。

あと、パソコンから町内の地図をダウンロードしまして、
すべての道を通って最短距離で家まで戻ってくる方法なども考えたんですよ。なにしろ暇ですから。
当然ながら一筆書きは無理なんですが、今日はこのルートにしようと暗記してから出かけると
それなりに頭を使ってボケ防止にもなりそうでした。そんなウオーキング中の出来事です。
その日は、縦に入る道を選んで、ここの丁目と隣との境界となる道路まで歩き、
少し歩いてから別の縦の道を折り返してみることにしました。
入っていくと、ああこの道は通ったことがない、とすぐにわかりました。

1013名無しさん:2014/03/24(月) 00:43:29 ID:rwLrVDIY0
ところがしばらく行くと前方に車止めが見え、行き止まりになっていることに気がつきました。
失敗したな、引き返さなくちゃなんないと思いましたが、
右手があまり大きくはない廃工場のようなところで、入り口の鉄扉がなくなっていました。
そしてその向こう側に裏門が見え、そこも開いていたので、
中を通っていけば一つ向こうの道路にショートカットできそうでした。
駐車場には車は一台もなく、3つならんだコンクリ製の四角い建物のシャッターもすべて閉まっていて、
稼働しているようには思えませんでした。

そこに入ってみたんです。1分もあれば抜けられそうだったし、人の気配もありませんでしたから。
真ん中の建物の前まできたとき、「チコッ、チコッ」という聞き慣れない音がしました。
分厚いシャッターごしに聞こえてくるようなので、もとはそうとう大きな音なんだろうと思いました。
それで・・・いらない好奇心を出しちゃったんですよ。
建物と建物の間が1mくらいのスペースになっていて、
音が聞こえてくる建物には低いところに窓があるようでした。
その隙間に入り込んで、窓から中をのぞいてみたんです。

1014名無しさん:2014/03/24(月) 00:44:12 ID:rwLrVDIY0
サッシ窓は中で×字に板が打ちつけられていましたが、内部はよく見えました。
高い天井にたくさんの蛍光灯が灯り、奥に巨大な振り子時計がありました。
よくあるアンティークの柱時計、あれをとてつもなく大きくしたもので、
高さは3m以上あったと思います。
ちょうど軽自動車を縦にしたほどの時計です。さっきの「チコッ」という音はずっと続いていて、
この時計の車のタイヤほどの振り子が振れたときに出る音だとわかりました。
不思議なものがあるなあ、と思いました。何かの展示にでも使ったのだろうか・・・

見ていると、時計の裏側のほうから台車を押して人が二人出てきました。
作業服を着て帽子をかぶっていましたが、色が浅黒くどちらも外国人だと思いました。
台車の上には金属製の大きなバケツが二個のっていました。
一人が時計の横にまわりパネルを開け、
もう一人が、シャベルを取り出して一つのバケツにつっこみ持ち上げました。
シャベルの上にはピンクと赤の、うねうねとした生き物の内臓に見えるものがのっていました。
それを無造作に、時計のパネルの中に注ぎ込みました。
片方のバケツが空になると、もう一方のバケツをすくいました。
・・・これは自分の見間違いだと思うのですが、シャベルには乳児の頭のようなものが二つ・・・


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