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怖い話Part2

1名無しさん:2013/04/11(木) 20:47:22 ID:kJlroZZA0
霊的な怖い話を集めてみましょう

前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/study/9405/storage/1209619007.html

497『遺産(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 21:28:00 ID:94SVkDkM0
 「当初作られたのは4個と言われているけれど、現存しているのは3個。
呪いが掛けられた後は、代々、桃花の方様とその娘が相続してきた宝玉、璧。
この璧の号は『真紅』。」
Sさんは左手で宝玉を取り、右手の中指に嵌めた。大きめの指輪に見えないこともない。
そして、中指から外した宝玉を掌に載せて姫に差し出した。
「Lも実際に見るのは初めてでしょ。触ってみる?」
姫は頷いて宝玉を受けとった。それを右の手首に...え?
まるで当たり前のように、深紅の宝玉が姫の手首で輝いている。
「何故、指輪が腕輪に?」
「『大きさ』は決まっていないんです。きっと、足に嵌めることも出来ますよ。」
「実際、男の子が生まれたら足首に嵌めることが多いみたいね。」
Sさんは姫から受けとった宝玉を白い布の上に戻した。
「R君も触ってみたい?」 悪戯っぽい笑顔。
しかしそれは、俺が触ってはいけないもの。何故かそんな気がした。
「いいえ、遠慮しておきます。触ってはいけないような気がするので。」
Sさんは悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「そう、残念ね。どうなるのか、ちょっと見てみたいけれど。」
「試して貰うなら、『力』をちゃんと説明してからでないと。」 姫も笑いを堪えている。
そうだ、未だこの宝玉の『力』を聞いていない。
「その宝玉で、どうやって呪いを逸らすんですか?」
「生まれた子が女の子なら、呪いは発動しない。それなら、
生まれた子が女の子だということに出来れば、呪いの発動を止められる。
そのためにこれを使うの。これを身に付けている間、その子は誰が見ても女の子。
元々これは、ある種の祭祀で神官が女装する時に使われていたもの。
本当に女になるのだから、女装というのは変だけれど。」

498『遺産(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 21:30:02 ID:94SVkDkM0
 「しかし、ずっと女の子として育てる訳にはいきませんよね?」
「生まれてから7日間欺くことができれば、もう呪いは発動しない。
その後はこれを外して育てても大丈夫。ただし、問題が2つ。」
これ程強力な祭具を、生まれたばかりの赤子に使うのだから、問題が有って当然だろう。
「どんな、問題ですか?」
「7日が過ぎたら、なるべく早く縁の神様にお参りして、
生まれたのは男の子だと報告してからこれを外さなければならない。
7日を過ぎてもこれを嵌めたままでいると、戻れなくなると言われてるの。
でも、7日が過ぎたら退院して、そうね、あの川の神様に男の子だと報告してから
これを外せば良い。だからこれは大した問題じゃない。」
「もう1つの問題は大したこと、なんですね?」
「大したことっていうより、ややこしい問題。L、何だか分かる?」
「子供が生まれてからこれを嵌めるまでをどうするか、だと思います。」
「そう、正解。」 「どういう事ですか?」
「もし男の子なら、当然これを使うことになる。
でも、これを使う前は男の子に見える訳だから、
誰かが『可愛い男の子ですよ』って言ったら、その時点で呪いが発動してしまう。
先代の桃花の方さまは、あのお屋敷でご出産なされたから、
その対策はわりと楽だったと聞いたけど。」

499『遺産(結)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 21:31:28 ID:94SVkDkM0
 そうか、Sさんは翠を産んだのと同じ病院で出産する予定だ。
あらかじめO川先生や看護師さんたちに事情を説明し、協力して貰わなければならない。
一族に産婦人科医がいれば、お屋敷で出産することも不可能では無い。
看護師さんの数も限られるし、その方が対策は確かに楽だろう。
しかし出産時に何か事故があった場合、施設の整った病院でなければ
対応出来ない事もある。敢えてお屋敷で出産するリスクは冒したくない。
「O川先生と看護師さんたちに口裏を合わせて貰う必要がある、ということですね?」
「そう、たとえこれを使っていても、7日が過ぎるまでの間『男の子』は禁句。
もし誰かが口を滑らせたら、全てが水の泡。でも大丈夫。私、必ずこの子を守る。」
Sさんは微笑んで、両掌をそっとお腹に当てた。
嫌な予感がする。失敗すれば、折角生まれてくる我が子を失う。
その実感がじわりと重くのしかかってきた。
しかしSさんは普段通り自信に満ちている。もしかしてSさんは。
「これを使わずに守る方法があるんですか?例えば、その、『禁呪』とか。」
「いいえ、これを使うしか方法は無い。だからみんなに協力して貰わないとね。」
「Sさん、私、全力で手伝います。絶対大丈夫ですよ。」 「ありがと。」

『遺産(結)』 完

500 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 21:35:14 ID:94SVkDkM0
藍です。少しだけお休みを頂きます。

501『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:14:41 ID:94SVkDkM0
『新しい命・第弐章』

 少しだけ開けた窓から、鳥たちの声が聞こえてくる。
梅雨の雨がしっとりと山々を潤し、その緑が一層鮮やかさを増す。
輝く夏を間近に控え、様々な命が萌える季節。
未だ大きな不安を抱えたままだが、俺たちも新しい命の誕生を待っていた。

502『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:16:27 ID:94SVkDkM0
 6月19日。既に予定日を2日過ぎていたが、Sさんに出産の兆しは無い。
しかし、大学で姫を迎えてお屋敷に戻ると、Sさんが緊張した顔で俺たちを待っていた。
「少しまずいことになったわ。だから急だけどこれから入院する。
もう病院には了解を貰ったし、あとは当座の荷物を車に積んで移動するだけ。」
「一体何があったんですか?」
「『上』から電話が有ったの。『不幸の輪廻』の活動がかなり活発になってるって。
活動がこれ以上活発になれば何が起こるか予想出来ない。
だからすぐに用意をして。今の段階で説明出来るのはこれだけ。」
Sさんが入院したのは翠を産んだ時と同じ部屋。家族も宿泊可能な広い個室。
週末を家族揃ってのんびりと過ごし、日曜の夜になったが出産の兆しは無い。
俺はさすがに不安になった。しかも不安の種はそれだけではない。
その夜、俺がなかなか寝付けなかったのも当然だった。
O川先生や看護師さんたちへの説明と協力依頼は済んでいるのか。
俺が尋ねると、Sさんは『大丈夫。』と言って微笑んだ。
しかし、本当に大丈夫か、見落としはないか、そう考えるとますます不安になる。
このままでは気配に気付いた誰かを起こしてしまう。
俺はそっと部屋を出て一階へ向かった。気分転換が必要だ。
自動販売機で飲み物を買い、待合室のベンチで眠くなるのを待つつもりだった。
エレベーターを降り、常夜灯の灯りを頼りに廊下を歩く。
しかしベンチに座っても不安は増すばかり、気分転換どころではない。
どれくらい座っていただろう。足許から声が聞こえたような気がして視線を床に落とした。
影? 薄明かりの中では不自然な程に濃い影が、床に伸びている。
見る間にその影は長く伸び、俺のすぐ隣の壁をはい上がった。
影というより、壁にぽっかりと穴が開いたかのような漆黒の闇。これはまるで。

503『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:19:37 ID:94SVkDkM0
 『案ずるな。』
もう一度、ハッキリと声が聞こえた。間違いない、この声はあの時の。
『我が、分かるか?』
「はい。分かります。」
『心配だろうが、5日間、我が時を稼ぐ。
その間、何であろうと誰であろうと、お前達の邪魔をする力を此処へは通さぬ。
ただ一心に、お前達のやるべきことに集中すれば良い。』
あの場所。『聖域』の河口から遠い距離を越えて、一族最強の式が俺に話しかけている。
「とても心強いお話ですが、これは当主様のご指示でしょうか?」
『いや、我の意志だ。危急の場合、我らは独自の判断を許されている。』
「何故、私たちのためにそこまでして下さるのか分からないのですが。」
『礼、だ。あの酒は旨かった。だが、何よりお前達の気持が嬉しい。皆も喜んでいる。
ただし、期限は5日。それが限界だ。あとはお前達次第。さて、迎えが来たようだな。
細君の出産は明日、心してあたれ。』
闇は見る間に薄れ、廊下に小さな足音が響いた。姫だ。
「Rさん、どうしたんです。今の気配はまるで。」
「先月『聖域』の河口で会った、あの最強の式が味方をしてくれるそうです。
だから子供が生まれた後5日間は誰にも僕たちの邪魔は出来ない。心強いですよね。
それにSさんの出産は明日だと教えてくれました。もう部屋に戻って休みましょう。
明日は忙しくなりますよ、ドキドキしますね。」
「大丈夫です。私も、頑張りますから。」

504『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:23:12 ID:94SVkDkM0
 Sさんの陣痛が強くなったのは翌日、6月22日の昼過ぎだった。
「翠、おいで。」 Sさんはベッドで翠を隣りに座らせ、小さな肩を抱いた。
「おかあさんはこれから赤ちゃんを産むの。待っててくれる?」
「うん。あかちゃんはおとこのこ?おんなのこ?」
首筋から背中の毛が逆立った。もし男の子で、翠の感覚がそれを感知したら。
「生まれてみないと分からないけど、おかあさんはどっちでも良いな。
男の子でも女の子でも、大切な宝物だから。早く会いたい。」
「みどりも、どっちでもいいな...」
Sさんの腕の中で、翠は既に寝息を立てていた。
「式が護ってくれるから、ゆっくり寝ててね。さて、これで一番の不確定要素は対応済み。」
Sさんがナースステーションに電話を掛ける間、俺は車椅子を準備した。
姫が車椅子を押してエレベーターに向かう。「いよいよですね。」
「L、頼りにしてるわよ。」 「任せて下さい。」
今回、Sさんの希望で俺と姫は出産に立ち会うことになっている。
O川先生が処置室の前で待っていてくれた。
「お二人は暫く此処でお待ち下さい。Sさんが分娩室に入ったらお呼びします。」
O川先生の表情に曇りはない。全て順調、自分に言い聞かせる。

505『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:27:01 ID:94SVkDkM0
 姫と2人、廊下のベンチに座ってその時を待つ。
ゆっくりと、ゆっくりと過ぎる時間。じりじりする思いで待ち続ける。
30分程で分娩室のドアが開いた。姫が胸ポケットからそっとあの宝玉を取り出す。
事前に確認した手順通りだ。子供が生まれたら姫は宝玉をSさんに渡す。
そしてもし男の子なら、Sさんは宝玉をその子の足に嵌める。それで完了。
いや待て、それでは。
O川先生と看護師さんは男の子が女の子に変わったのを目の当たりにする。
何故それに気付かなかった?
かえって、それが『本当は男の子なのに』と強調する結果になりはしないか。
しかも一族の力の一端が人目にさらされる。その後の対応は一体どうすれば。
「Rさん、Lさん。分娩室へどうぞ。立ち会いをお願いします。」
我に返った。△本さんの声。師長を務めるベテラン看護師。
分娩室の中には看護師がもう1人、◎内さん。若手だが手際の良い人だ。
「Sさん、心強い味方が来ましたよ。」 O川先生が俺たちを見て微笑んだ。
分娩台のSさんがO川先生に右手を差し出し、O川先生がその手を握った。
「O川先生、私必ず元気な女の子を産みます。力を貸して下さいね。」
「その意気です。一緒に頑張りましょう。」
Sさんは△本さんと◎内さんにも手を差し出した。2人もSさんの手を握る。
「△本さんも、◎内さんも、力を貸して下さいね。きっと、女の子ですから。」
何故、『女の子』と二度繰り返したのだろう? しかもその前にSさんは3人の手を。
...そうか、術。確かに、これなら大丈夫。
Sさんは3人の視覚と記憶を一気に、そして確実に操作するつもりだ。
お正月のトランプで見せてくれた術、あの強力な後催眠暗示。
子供が生まれた瞬間にこの術は発動する。
そして生まれた子の性別に関わらず、3人にはその子が女の子に見える。
心から信じていれば口を滑らす心配は無い。恐らくこれが、最善の策。

506『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:29:55 ID:94SVkDkM0
 床に膝をつき、Sさんの手を握る。ずっと声を掛けて励まし続けた。
一時間近くが経っただろうか。
「もうすぐです。生まれますよ。」 Sさんが俺の手を一際強く握り返した直後。
「おめでとう御座います。やっぱり女の子ですね。」 O川先生は満面の笑み。
続いて産声が聞こえた。 姫がSさんにそっと宝玉を手渡す。
やがて△本さんがタオルにくるまれた赤子をSさんに抱かせてくれた。
あとはSさんが赤子の足に宝玉を嵌めるかどうか。
「あの、先生、もう一度性別を確認したほうが。」 ◎内さんの訝しげな表情。
腹の底がヒヤリと冷たくなる。何故だ?彼女には術が完全には効いていない。もしもこの後。
『そうです。性別が間違っていたら困りますから。』 軽い耳鳴り。
姫の『あの声』だ。微かに空気が震えている。
姫はふわりと近づいて、Sさんから赤子を受けとった。
『やっぱり女の子。ほら、Sさんによく似ていますよ。』
3人に向けて赤子をかざして見せる。 3人はボンヤリと赤子を見つめ、小さく頷く。
その時、Sさんが澄んだ声で歌い出した。3度繰り返し、新しい命を言祝ぐ歌。
一瞬ボンヤリしていた3人は、Sさんの歌声で我に返った。
Sさんの術と姫の術、最高のコンビネーション。
今度こそ大丈夫。
『◎内さんの言葉で皆が赤子の性別を確認した。確かに、女の子。』 それが3人の記憶。
O川先生も、△本さんも、そして◎内さん自身も。
そして宝玉を身につけた赤子は、今後3人だけでなく誰が見ても女の子。
取り敢えず山場を1つ越えた。あと7日間、何事もなければ呪いは発動しない。

507『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:31:31 ID:94SVkDkM0
 6月27日、子供が生まれて5日目。
生まれた時刻は3時18分だったから、『御影』が設定した期限は今日の同時刻で切れる。
期限が切れた後は何が起こるか予想出来ない、当然外出は控えるべきだろう。
姫は大学を早退し、2人でお屋敷に戻って籠城の用意を済ませた。
翠に新しい絵本を何冊か買って病院に戻ったのが2時50分頃。ぎりぎり期限内。
その夜は何事も無く過ぎ、翌日も日中は特に変わった様子は見えなかった。
異変が起きたのは夕方。翠が欲しがった飲み物を買いに、一階の待合室に降りた時だ。
既に診療時間は終了している。人気の無い待合室。
玄関脇に並ぶ自動販売機の前まで来ると、玄関から異様な気配を感じた。
玄関のガラス越しにそっと外を覗く。玄関を出てすぐの場所にある小さな植え込み。
その前にボンヤリとした人影が立っていた。 ...まずい、あれは。
今までに見た、どの霊よりもおぞましいもの。
ケアンズのホテルで壁から生えてきた男も、ある男の部屋に現れた鬼も、
これ程までに禍々しい気配をまとってはいなかった。

508『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:35:40 ID:94SVkDkM0
 『部屋に戻れ。』 足元から聞き慣れた声が聞こえた。
管さん。しかしその大きさ、丸くなっているが体を伸ばせば優に2mはあるだろう。
「管さん。あの、どうしてそんな大きさに?」
『『不幸の輪廻』の活動が活発になれば、『良き理』の活動も活発になる。それが道理。
わしらは『良き理』から流れ込む力を借りて活動する。流れ込む力が増えれば、当然こうなる。』
「今、外にいるあれには、『不幸の輪廻』から力が流れ込んでいるということですか?」
『そうだ。だからあれも普段よりずっと強い力を使える。
『御影』が決めた期限が切れたから、此処を探し当てることが出来たのだろう。
これから時が経てば、あれと同じようなものがもっと集まってくる。
『御影』が決めた期限は切れたが、勿論わしらがあれを食い止める。
しかし、今後なるべく此処には近づくな。早く戻れ。』
軽く頭を下げ、飲み物を買って部屋に戻った。姫が窓から外を覗いている。暗い表情。
「呪いは発動していないのに、何故あんなものが此処に。」
「さっき管さんは『不幸の輪廻』の影響だと言ってました。活動が活発化しているからだって。」
「明日で7日目、呪いの発動は止められると思うけど、退院する時が問題ね。」
そうだ、無事7日を過ぎたなら出来るだけ早く此処を出なければならない。
そして川の神様のお社で...しかし『もっと集まってくる』と管さんは言った。
そんな中、どうやって此の病院を出れば良い?

509『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:37:08 ID:94SVkDkM0
 6月29日。子供が生まれて7日目。
昼食を済ませた後、Sさんは授乳を終えて昼寝をしていた。
夜中もほぼ2時間おきに授乳をしているから睡眠不足は仕方ない。
退院の予定は今日の4時30分頃。退院する時の懸念は益々深刻だが、
『考えても仕方ないですから。』と言い、姫も翠と一緒に昼寝を始めた。
1時15分。あと2時間と少し、俺1人起きていても仕方ない。
俺もソファに横になった。やはり疲れていたのだろう。すぐに眠くなり、夢を見た。
俺は翠と一緒にソファに座り、絵本を読んでいる。部屋にSさんと姫の姿は無い。
突然翠が顔を上げた。床に降りてドアに向かって歩く。
ドアを指さし、俺の方を振り返った。
「おとうさん、かみさま。かわの、かみさまだよ。」
ノックの音がした。

510『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:41:20 ID:94SVkDkM0
 ドアが、開く。
『ちょっとお邪魔するよ。』 初老の男性が立っていた。
あの川の神様、○瀬△□◎主之尊。
「〇瀬の主様!」 翠を抱き寄せ、俺は床に膝をついた。
『君に子が生まれたと分かったら、いても立ってもいられなくてね。』
川の神様は部屋の中を見回し、一人掛けのソファに腰を降ろした。
『あんな山の中まで来てもらうのは細君の体に悪いだろうし、私が出向けば済むことだ。
どうしてもこのタイミングでなければ困る仕事もあったし、ついでに立ち寄らせてもらった。
しかし込み入った仕事とはいえ、少々疲れた。歳のせい、かな。』
俺は床に両手をついた。
「本来こちらから伺うべきところ、誠に申し訳ありません。」
『気の短い年寄りが待ちきれずに祭主の子に会いに来ただけ。気に病む必要はない。
さて、この年寄りと祭主が揃えば此所は即席の社。R、聞かせてもらおうか。
生まれた子は姫君かな、それとも若君かな。』
「男の子、です。」
『そうか、どちらにしても目出度い。では顔を見せてくれ。』
俺はベビーベッドから赤子を抱き上げ、川の神様の前に跪いた。
『ふふ、母君に良く似ている。君以上の美丈夫になるぞ。この子の名は?』
「藍と名付けました。」
『姉君の名とも縁があり、君たちの家族を結びつける力の名と同じ音。良い名だ。』
川の神様は赤子の体に三度触れ、何事か呟いた。ゆっくりとソファから立ち上がる。
『これで良い、御陰神様のご機嫌を伺ってから帰るとしよう。
姫君も、ご機嫌よう。弟君を大事にしておくれ。』
川の神様は翠の頭を撫でてからドアへ向き直った。
俺は駆け寄ってドアを開け、深く頭を下げた。
『お前たちも帰る支度をしなさい。何者も、今のお前たちに害をなすことは出来ない。』
ドアをくぐった瞬間、川の神様の後ろ姿は消えた。

511『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:43:21 ID:94SVkDkM0
 赤子の泣き声で目が覚めた。藍?
Sさんが抱き上げると藍は泣きやんだ。 「もうミルクの時間だね。」 Sさんの微笑み。
はっとして時計を見る。3時25分、既に7日を過ぎている。
もう呪いは発動しない。しかし。
そっと窓の外を覗いた姫はすぐにカーテンを閉めた。
「もう、少なくとも数十はいます。あれだけ多いと、対処は難しいですね。」
まだ診療時間内、病院には途切れなく他の客が訪れる。
それでも他の客たちが何の影響も受けないということは、
集まっているものたちの狙いが俺たちだということだ。
「一体、目的はなんでしょうか?」
「はっきりとは分からないけど、一番ありそうなのは『乗っ取り』かしら。
私たちに憑依して体を自分のものにする。Lが言った通り、あれ程多いと対処が難しい。
私やLの術が効くかどうか分からないものも、いくつか混じってるし。」
2人の術が効かない。一体そんな相手に、どう対処すれば良いのか。

512『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:45:52 ID:94SVkDkM0
 念のため、授けられた勾玉と短剣は持ってきている。
しかし、新しく生まれた子まで護ってくれるかどうかは分からない。
その時、俺はさっき見た夢を思い出した。
「あの、もしかしたら対処の必要はないかも知れません。」
Sさんと姫は同時に俺を見た。 「Rさん、どういうことですか?」
「さっき、夢を見たんです。川の神様が『大丈夫だから帰る支度をしなさい』と仰って。」
「それ、ただの夢じゃないかも知れない。私も見たのよ、川の神様の夢。
『これから後に生まれる男の子には何の障りもない。』と、そして
『新しい勾玉を届けに来た。』と仰ったの。もしかしたら。」
俺は未だ解いていない荷物の中から桐の箱を取りだした。
短剣、そして勾玉。水晶、白瑪瑙、翡翠、そして。
もう一個、見慣れない勾玉が並んでいた。吸い込まれるような深い青。
その表面に輝く、夜空の星のような、細かい金色の微粒子。
「Sさん、これ。」 俺はその勾玉をSさんに手渡した。
「瑠璃、そしてラピスラズリ。これは『藍』の極致。やっぱり、正夢だったのね。」
Sさんは藍の左足首からあの宝玉を外した。そして右手に瑠璃の勾玉を握らせる。
「川の神様のお墨付きが出たのだから大丈夫、皆で帰りましょう。」

513『新しい命・第弐章』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:48:49 ID:94SVkDkM0
 「本当に大丈夫なんでしょうか?」 そっと姫に囁く。
玄関の外に集まったものたちは、俺たちが出てくるのを待っている。
「神様を疑うなんて、罰が当たりますよ。」
姫が玄関のドアを開け、俺は意を決して一歩踏み出した。
さわ、と、空気が震えた。俺たちを中心にして、透明な波紋がゆっくりと拡がっていく。
集まっていたものたちのほとんどが、その波紋を避けるようにあっけなく逃げ去った。
残ったものも地面に伏して次第に薄れていく。微かに聞こえる呪詛の声にも力は無い。
傾いた日差しの中で、微かに見える。俺たちの体を覆う夥しい光の粒子、『光塵』。
Sさんも、姫も、翠も、もちろん藍も。全身が淡い光で包まれていた。
川の神様の残り香が、俺たちを護ってくれている。 胸の奥が熱くなった。
そして、Sさんの見た夢によれば、もう呪いが発動することはない。
俺の夢の中で川の神様が仰った『込み入った仕事』とは、この呪いを解くことだったのだろう。
長く一族を悩ませてきた呪いは、遂にその力を失った。 とても清々しい気分だ。
俺の後に翠と手を繋いだ姫、その後に藍を抱いたSさん。ゆっくりと歩を進める。
その後ろには小さな白い影が見え隠れしていた。
「そう言えば、私も見たんです。川の神様の夢。」 俺は立ち止まって振り向いた。
「どんな、夢だったんですか?」 姫の頬がほんのりと紅に染まった。
「『今回の働きは見事だった。』と誉めて下さいました。それから。」
「それから?」 俺とSさんは声を合わせた。
「『次は君が産む子を期待している。』と。」 姫はかがんで翠と視線を合わせた。
「ねぇ翠ちゃん。私が赤ちゃんを産んだら、嬉しい?」 「うん、うれしい!」

 お屋敷へ向けて走る車の中。窓から吹き込む風は軽く、乾いていた。もう梅雨は明ける。
やがて巡ってくる夏に先駆けて、家族5人の新しい生活が始まろうとしていた。

「新しい命・第弐章」 完

514名無しさん:2013/09/27(金) 22:51:18 ID:igV0KfhU0
(・∀・)フッフッフ・・・・(・∀・)アーッハッハッハ・・・・「ウホッ」

藍さん有難う。UP終わるまでF5してましたWW

・・・藍さん・・・

長い間付けすぎてお姉さんになっちゃったんですね♪

515 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/27(金) 22:58:26 ID:94SVkDkM0
 藍です。
お付き合い頂いた皆様、有り難う御座います。
無事に投稿を終えることができました。

 作品の中に、私の使っている名前が出て来て驚きました。
知人に確認したところ、伏せ字も書き換えも相応しくないとの事でしたので
そのまま投稿致しました。何だか不思議な気分です。

 依然、仕事が多忙なので『次』が何時になるかは分かりません。
ただ、知人は少なくともあと2作、原稿を送ってくれると言ってくれました。
それでは今夜はこれで失礼致します。有り難う御座いました。

516名無しさん:2013/09/27(金) 22:59:05 ID:igV0KfhU0
ふむ・・・呪いは解かれたのなら、Lさんのお子さんが男の子でも、遺産を使う場面は無いわけですな。

結局Lさんと当主さんの関係はまだ謎のままですな。

517名無しさん:2013/09/27(金) 23:03:13 ID:igV0KfhU0
知人さんが藍さんに物語を託したのは名前による縁という事もあるのでしょうかね?

伏字も書き換えも相応しくない、か・・・。

518名無しさん:2013/09/28(土) 23:29:10 ID:VSYNbfRg0
(ノ゚ο゚)ノ驚きの展開・・・藍さんが男の子???
((´∀`))んなわきゃない

519名無しさん:2013/09/30(月) 02:34:47 ID:3DwsZmq60
Rさんは、Kさんが死んだ時、術者や組織を恨んだりしなかったのかな・・
ちょっと思ってみた

520浩太郎:2013/09/30(月) 12:40:50 ID:zjGM94ZU0
こんにちは(^.^) ここには初めて書き込みさせて頂きます。
これまでまとめの方にはコメントさせて頂いておりました。
「遺産(結)」「新しい命・第弐章」 こんな展開があるとは考えていませんでした。
細かい内容の整合性等は他の方にお任せすることとして(個人的には苦手なので)、
このようなお話を書いて頂いており、かつ目にすることができることに喜びを感じています。
作者の方・藍さんもお忙しい中 ありがとうございます。
多分 沢山のファンの方がいらっしゃると思います。
大変だとは思いますが、次回作も期待してお待ちしています。

521名無しさん:2013/10/08(火) 21:33:07 ID:.l47KMLMO
産まれたての藍ちゃん元気かな〜?

522名無しさん:2013/10/09(水) 17:29:56 ID:KySWSFYM0
ふふふ・・・あと少なくとも2作ですか

毎日楽しみでなりませんよ〜

523名無しさん:2013/10/09(水) 17:32:19 ID:KySWSFYM0
4つの祭器のうち、3つが現存

仮に4門とすれば、赤は朱雀ですかねぇ

祭器が失われた事件とかどいうのだったんですかね

524 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/09(水) 22:57:14 ID:4W84vs8Y0
皆様、今晩は。藍です。

>>516・517
知人が私の使っている名前に対してどう思っているのか。
大変興味はありますが、直接聞くのは気が引けます。申し訳ありません。

>>518
仰る通り、私は♀です。

>>519
作中の様々な場面で、その点について主人公たちが
複雑な思いを抱いているという記述が散見されます。
ただ、私はKさんを殺したのは『上』の送り込んだ刺客ではなく、
独断でLさんの術を解いたKさんに対する『分家』の報復と考えています。

>>521
私は何とか元気ですが、生まれたての藍ちゃんについては次作以降をお待ち下さい。
それにしても男女どちらでも使える名前、術の用意からして、
Sさんは始めからこの子が男の子だと分かっていたように思われます。

>>523
以前、『徳島の特産が藍』と考察して頂いた方でしょうか?
確かに、元の原稿には『四門に対応する宝玉』という旨の記述があります。
知人の指示で子細は伏せましたのに、いつもながらのご慧眼、感服致しました。
私は、呪いの力を逸らすのに失敗して宝玉が失われたと予想していますが、
今後、その辺りについても明らかになればと期待しております。

この所、コメントの数が私でも対応可能な数になりました。
今後、障りの無い範囲で個別の返信が出来ればと考えております。
ありがとう御座いました。

525 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/09(水) 23:46:23 ID:4W84vs8Y0
>>520
まとめでのご丁寧なコメント、感謝しております。
知人と私のお話を楽しみにして下さる方の数は存じませんが、
いつも本当に有り難く、励みにさせて頂いております。

526名無しさん:2013/10/10(木) 01:36:56 ID:drVH7Cyc0
>以前、『徳島の特産が藍』と考察して頂いた方でしょうか?

うっ・・何故ばれたしWW

今度は私が驚く番ですな。藍さんは術者の方ですか?WW

Kさんの件に関してですが、「罠と知ってて何故ここに来た」というセリフがありました

SさんがRさんに対して気に病む動機としては十分だと推測したのです

527名無しさん:2013/10/10(木) 01:50:45 ID:drVH7Cyc0
うむ・・・祭器の事が何故か頭から離れませんね。

失われた祭器は玄武、色は黒って処ですかね。そんな気がするんです

528名無しさん:2013/10/10(木) 19:29:03 ID:/rtFHnRUO
\(^-^)/藍さん御降臨
ところで、ひょっとしたら赤ちゃんは「あい」ちゃんじゃなくて「らん」ちゃん?

529 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/10(木) 23:42:56 ID:c.UPkwy20
皆様、今晩は。藍です。

>>528
コメント感謝致します。私も最初そう思いましたが、
作中の記述からしてやはり読み方は「あい」だと考えています。

>>527
本当に、驚きました。コメントを読んだ知人から連絡があり、
失われた宝玉の色は黒。作中の式、『御影』の出自と関連しているとのこと。
私の予想は見事に外れましたが、何故か、とても良い気分です。

530名無しさん:2013/10/11(金) 02:25:05 ID:8IlNlepY0
>>529

なん・・・ですと(汗)自分が少々怖くなりましたWW

御影さんはもしかしたら祭器から作られたのかもしれませんね。(というか御影さんがお休み中宝玉になるのかも)

うーん、格色ごとに役割も能力も別だが、基本的に一族に伝わる宝玉という事ですな。

大きな力を制御するのにある程度のカタチにはめて制御する、という事なのですかね

そうすると、朱雀さんも自我をある程度持ってるかもしれませんな

531名無しさん:2013/10/11(金) 03:02:28 ID:8IlNlepY0
うむ。箇条書きにしてみる

玄武=黒→御影さんお仕事中 鬼門の神様を幻想郷の守護者に?
朱雀=赤→神楽舞の時の変身用 山姫や翁の面がある? 舞は4つ?
青竜=青→不明 爪は・・・やっぱり3本かなぁ
白虎=白→不明 裏鬼門 何故か何のイメージも湧きません

あと、何故か思うのですが、北極星を象徴とする別の宝玉が存在しないのか?

お盆に福井に行ったので、祭壇の4つの鳥居のうち、何故か黒の玄武の鳥居の事が物語を読んだ瞬間に頭に浮かんで何故か頭の中から離れませんでした

まんま「勘」だったのです

532名無しさん:2013/10/11(金) 09:26:38 ID:1x32vEtc0
>>531
青竜を3本の爪かもしれないというのはなぜ?

533 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/11(金) 20:16:58 ID:lbNMG2oY0
>>530
その昔、一族のために、黒の宝玉と一体化して式となった術者がいたのでしょうか?
それがかなり高位の術者であったならば、その名に『御』という敬称が使われているのも
納得出来る気がします。黒≒闇≒御影、一体どんな経緯だったのでしょうね。

534名無しさん:2013/10/11(金) 22:02:20 ID:Y/98H8/wO
推論がだんだん高度になってきましたね〜(^_^)面白いです。

535名無しさん:2013/10/12(土) 00:17:51 ID:mW0qrrFc0
>>532

爪の数に関しましては、単純に5本爪=天帝=中国なので、基本的に中国以外の龍はみんな3本爪なのでそう書きました
神社の社の柱の上の軒の支えが、ガーネーシャでない場合龍が彫られることが多いですが、みんな基本は3本です

>>533

管狐さんの事もあるので、基本的に式の強化の為に使われたのではないかと思われます
スーパー優れた術者を惜しんで死者蘇生?反魂?の術を使うのは違和感あるかなーと
単純に力の強い術者なら今よりももっと沢山居たでしょうしね

恐らく強力な守護者が必要な事態に陥ったのではないでしょうか?

北極星=北辰→天帝もしくは太一神もしくは泰山府君=北辰妙見信仰

どうも、Rさんの処は28宿の中央(北斗七星)が、黄龍ではなく、便宜上麒麟になっているようですね。

四聖獣の中心の宝玉の事を聞かずに、北極星の宝玉があるのかなー?とボヤいたのは一つ飛び越した内容のつもりでした

536名無しさん:2013/10/12(土) 22:27:23 ID:mW0qrrFc0
!?

ど、どうしようRさん・・・私は大変なことに気づいてしまいました。

そういえば、一人暮らしの時の荷物は気づかないうちにSさんに運ばれてたんですよね?

・・

537名無しさん:2013/10/14(月) 13:07:44 ID:Mh/aaWCEO
>536
ひょっとして、Sさんが黒い猫の式を使ったとか?

538名無しさん:2013/10/14(月) 21:02:52 ID:VsCfhARM0
>>537

レスポンス感謝します

・・・あのDVDも一緒にお屋敷に届いてしまったんじゃないかと思って(笑)

それとも

Sさん「それと不要なものは全部処分しといたから」

Rさん「キュピーン★ラジャ」

そんな展開だったかもしれません。番外編って希望したら怒られそうですかねぇ

539 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/14(月) 23:30:57 ID:d186HnCU0
皆様、今晩は。藍です。

>>535
以下は、『もし『黄龍』に話題が及んだら』と、知人に指示されていた内容です。

四門に対応する宝玉とは別に、『黄色』の宝玉が存在します。
四門の宝玉を統括し、当主の位を象徴する祭具。
ただ、これ以上の説明はご容赦下さい。

>>537
横レス失礼致します。
送付された原稿のコピーを読み返しましたが
引っ越しに使ったのが黒い猫なのか他の業者なのかは分かりませんでした。

>>536・538
『入学式と卒業式(中)』の原稿には、ご指摘のDVDに関する記述があります。
投稿にあたり、知人と相談して削除した部分ですが、
『補遺』として投稿しても良いかどうか問い合わせてみます。

540名無しさん:2013/10/14(月) 23:40:27 ID:VsCfhARM0
あ、遅れてすみません。知人さん有難うございました。m(_ _)m

まさか知人さんもここを見られたとは。

物語の公開の事に関しましても色々思うところはあると思いますが、感謝申し上げます。

人の思いや繋がりを感じる事って、それが微かなものであっても、何だか心が温まり、嬉しく感じるものですね。

541名無しさん:2013/10/15(火) 00:03:04 ID:MBSEInmE0
しまった・・F5の間隔が長すぎて藍さんのコメントに気づきませんでした

・・・黄龍という事なら朱雀じゃなくて赤龍だったということじゃないですか(汗)

DVDの件、やっぱりあったんですね、夢見る姫の夢を台無しにしかねないとRさんが気にかけてたあのアイテムWW

黒い猫の式=Sの宅急便という事かもしれませんね。お茶目だ。

この物語がRさんの大事な人に見せるのが大きな目的という事を考えれば、我々が見れるRさんの姿が一部オミットになるのは道理でしたね。

ともすれば自分より周りを優先してしまうRさんが、Kさんの事で何も思わないはずなかったですね。

悪しき縁。血縁相克のキーワード。物語一つ一つに重要な言葉が最低ひとつ入っている気がします。
そしてみんなの物語がひとつの結末に向かっている。そんな気がします。

Kさんのお墓は?生き残った分家の人は?今は戸籍がある事が多いのでおおっぴらに制裁は不可能

和解や手打ち無くしておそらく終息は不可能でしょう。そのことについてみんな苦しんだとおもうのです。

気持ちを押し殺して暮らしてたという側面がこの物語には重要な要素の気がします。今後の展開で明らかになるのでしょうか?

542 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/15(火) 01:58:56 ID:B9w23SL20
>>540
私たちの投稿した物語を読み、
人の思いや繋がりを感じることの嬉しさを想って頂けるならば、
まさに冥利に尽きます。ありがとう御座いました。

>>541
朱雀でも、紅龍(七面天女)でも、良いではありませんか。
広く深いご見識に、改めて敬意を表します。

私自身は、『出会い』という軸を中心にして、
他の物語が環状に配置されているイメージを感じています。
環を構成するピースがあと幾つあるのか、興味深いですね。

例えばO川先生の記憶を操作したのだから、
その後『藍』ちゃんの出生証明書は書き換えられた筈です。
(Sさんの術、一族の影響力、どちらかの結果かは分かりません。)
『上』がその気になれば、分家を根こそぎ闇に葬るのも不可能ではない、と
『黒い』私は思っていましたが、『和解』や『手打ち』も十分考えられますね。
新作以降の展開を楽しみに待ちたいと存じます。
ありがとう御座いました。

543名無しさん:2013/10/15(火) 23:10:09 ID:dr7EDH7w0
2chが機能してないのでここに書きたいです。
藍様ではないんですがここに投稿してもよいでしょうか?

544名無しさん:2013/10/15(火) 23:15:00 ID:3uILWdkQ0
>>543
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/9405/1366280047/
がいいでしょう

545名無しさん:2013/10/15(火) 23:41:46 ID:yWbRcS4c0
o(^@^)o このスレに来る人たちは温かいでしゅね〜

546名無しさん:2013/10/16(水) 00:35:29 ID:jBLNwcq.0
ううーむ、年始のお参りにいくお話がありましたが、Sさん一族に障りのある神社って

ズバリ○雲大社ではありませんか?あそこくらいしか思いつきません。(基本、お稲荷さんとは仲がよさそう)

昭和に入って次の口伝のお役目の方も絶えてしまったかもですが、船渡の神様系なら折り合い悪そうだと言われればそんな気もします

それ以外なら出雲の前の、白山神社かなぁ。でも中部地方の方が強いんですよね、あの神社は

547名無しさん:2013/10/16(水) 00:38:58 ID:jBLNwcq.0
ちょっと思ってみた

Rさんってもしかしたら、今「上」になっちゃってるかもしれませんね

548マジ怖い:2013/10/17(木) 22:11:00 ID:CjPMdw.k0
ふえええー




見ない方がいいよ…

自分の声が返ってくる番号
090-11991563

ドラえもんが出る番号
0862ー248899

お経が流れる番号
0924-511809

なぐさめてくれる番号
0835211100

貞子にかかる?
090-44444444

ガチかなー? とりあえず、まわそー
佐賀県にある街、名前は非公開だが
その街で23年前行方不明者が4人も出るという
事件が起きた

最初は皆警察も必死で探した
でも時が流れるにつれて皆その事を忘れていった
行方不明になったのは皆孤児院の5才〜9才の子供達でその子達が居なくなっても誰1人と悲しむ人は居なかったから、という理由でも探索作業が終わったのかも知れない




ここから先ー。
読んでみますか?
後悔しますよ?














実話なのに












呪われるかもしれないに











いいんですか?










じゃあ…











4人の子供達はその事件の3年後に見つかりました
無惨な姿で……
1人目の山本真希ちゃん(5才)は右手が肩から無くなっており黄色い服が赤黒く染まっていた

2人目の坂本竜くん(7才)は顔を殴られて真っ赤に腫れて足首をロープで天井に吊され地面は真っ赤に染まっていた

3人目の野田智くん(7才)は手首と足首を無理矢理ロープで繋がれ一畳の水槽に沈められていた
水中は真っ赤な血がユラユラ浮いていた

4人目の沖田小百合ちやちゃん(9才)だった
4人が殺された林の中にある小さな小屋でただ1人バラバラだった
目はトイレに浮いておりキッチンのまな板にはその子のものと思われる血がべっとりと付いており胴体はテーブルの上、頭は風呂に浮いていた  

これは実話です
4人の子供達は親に捨てられ孤児院にまで見離されたのです
…私がなんでこんな事を言うかって?




私は4人の中の小百合ちゃんの友達だったから
小百合ちゃんが連れ出されて殺された前日に私と小百合ちゃんは喧嘩して口を聞いていなかから


この話を読んでしまった貴方は必ず4分以内に回せ
殺された子供達が1分ずつ交代で60秒数える
回さなかったら貴方の誕生日を命日にする



…( ^ω^ )

549名無しさん:2013/10/18(金) 22:27:53 ID:/snOLK7s0
まだチェーンメールってあるんだね

550 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/18(金) 22:33:32 ID:/7djbiqM0
皆様、今晩は。藍です。

DVDの件、知人と連絡が取れました。投稿の許可が貰えるよう交渉中です。
当初削除した部分ですので、可能性は高くないでしょうが頑張ってみます。

551名無しさん:2013/10/18(金) 23:25:21 ID:1ZfcQSe60
藍さん、知人さんご無理なさらぬようご自愛下さい

552名無しさん:2013/10/18(金) 23:37:09 ID:pvs2FWQM0
>>550

おおおおお(TT)

「姫ナイスフォロー・グッジョブ」に続く面白展開を希望WW

Rさんの、Rさんだけの日常ってどんなんだったんでしょうね。

家族の事も、組織の事も関係なく、本当に自分だけになったときのRさんの姿って興味ありますね

たまには息抜きしててほしいな

553名無しさん:2013/10/20(日) 23:40:05 ID:aA90geeU0
( ゚∀゚)o彡゜DVD!DVD! 楽しみ楽しみ〜

554 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:01:52 ID:amcWH5wI0
皆様今晩は、藍です。

>>543
私自身、ある方に紹介して頂いて此所に投稿させて頂いている立場です。
誰でも自由に投稿出来る場であって欲しいと思っています。

>>544
フォロー感謝致します。

>>545
私も心からそう思います。

>>546
済みません。スルーさせて下さい。

>>547
まさか『上』のメンバーが世襲ということは無いでしょうけれど、
私の計算ではRさんの年齢は現在27歳、少し若すぎる気がします。
将来という意味であればあり得ると思いますし、
『上』ではなく、別の可能性もあるかもしれませんね。

>>551
お心遣い感謝致します。可能な範囲で生温く活動したいと思います。

>>552
釣りや拳法に関する描写、私もRさんの日常に興味はあります。
ただ家族の事も組織の事も関係なくとなると、『出会い』以前のお話なので
読める可能性は無いでしょうね。ただ『忘却の彼方(上)』で
それに近い状況(MTBでの山道散策)の描写がありますし、
必要かどうかは別として、きっと上手に息抜きもしていると思いますよ。

>>552・553
DVDの件、ご期待頂き感謝致します。

555 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:06:24 ID:amcWH5wI0
 さて、DVDの件、思いの他すんなりと知人のOKを貰いました。
元々の原稿では『入学式と卒業式(中)』の冒頭にあたる部分です。
知人と相談の上で削除し、現在の冒頭部分を一部修正して投稿致しました。
この部分を改めて投稿するにあたり、知人の指示に従って加筆・修正をしております。
ただ、物語の本筋からは外れている気もしますし、
「どこが怖い話?」というご批判も覚悟しております。
それでは、ごく短い話ですが、リクエストして頂いた方々にお楽しみ頂ければ幸いです。

556『入学式と卒業式(中・冒頭部補遺)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:09:05 ID:amcWH5wI0
 新学期、姫が初めて登校する日。約束通り姫を高校に送るために少し早起きをした。
既にダイニングではSさんがお弁当を作っている。当分、送迎と弁当作りは分業制になる。
Sさんにおはようのキスをしてからコーヒーを飲む。それから姫の部屋へ。
高校生になるのだから、本来は目覚まし時計を使って自分で起きる方が良いのだろう。
しかし、ただでも生活が大きく変わる訳だし、いきなりそこまで要求するのは無理がある。
我ながら甘いとは思ったが、Sさんもこの点について何も言わなかった。
姫が自分から言い出さない限り、まだ暫くはこの役目を務めさせて貰えるだろう。
「Lさん、そろそろ時間ですよ。」 姫の部屋をノックする。
「はい、おはよう御座います。」 少しの間をおいて返事が聞こえたので部屋に入った。
姫はベッドの上で体を起こしている。まだ、ボンヤリしているが、そこが何とも可愛い。
「おはよう御座います。」 「私、今日から高校へ行くんですね。」
「そうです。いよいよあの制服が着られますよ。ダイニングで待ってますから。」 「はい。」

557『入学式と卒業式(中・冒頭部補遺)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:12:50 ID:amcWH5wI0
 3人で朝食を食べ、姫の持ち物を皆で点検した。やっぱり、過保護か?
姫を助手席に乗せて出発。念のため少し早めに出たので道は空いている。
姫はずっと黙って窓の外を見ていた。気のせいか、少し横顔が緊張しているように見える。
リサーチしておいた通り、姫の高校の裏門近く、広い路肩に車を停めた。
運転席から出ようとしたら姫が俺の左手を掴んだ。目にうっすらと涙を浮かべている。
「どうしたんです?」 「私、Rさんと...」 つい、俺まで泣きそうになる。
「大丈夫、学校が終わるまでにちゃんと迎えに来ます。それまでお互い頑張りましょう。」
「Rさんも、寂しいんですか?」 
「あたりまえです。こんな長い時間離れることなんて無かったんですから。」
姫はハンカチで涙を拭いた。濡れた頬にそっとキスをする。
およそ学校に行くこと自体が初めてなのだから、不安で寂しいのは無理もない。胸が痛んだ。
「ごめんなさい。私、大丈夫です。でも、もうちょっとだけ。」
姫は俺の肩に頭を預け、暫く目を閉じていたが、やがて背筋を伸ばして前を見た。
運転席から出て助手席のドアを開け、車を降りた姫に鞄を手渡す。
「行って来ます。」 「行ってらっしゃい。じゃあ、あとで。」 「はい。」
少しだけ目が赤かったが、姫は爽やかな笑顔になっていた。これなら大丈夫。
小さく手を振りながら裏門をくぐる姿を見届けてから、ゆっくりと車を走らせた。

558『入学式と卒業式(中・冒頭部補遺)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:15:13 ID:amcWH5wI0
 お屋敷へ戻るとSさんがリビングで新聞を読んでいた。
向かいのソファに座った俺を見て、Sさんは小さく溜息をつく。
「あらら、悄気た顔。やっぱり、Lと離れるのがかなり辛いのね。」
「今まで、ずっと一緒だったんですから」 また涙が零れそうになったので慌てて黙った。
「L、学校行くのは嫌だって言ったの?」
「いいえ、Lさんは『大丈夫』って。でも何だかそれが余計に可哀相で。
もし、『Sさんはずっと一緒なのに』って言われたらどうしようと思ってたんですけど。」
「馬鹿ね。Lはそんなこと言わないわよ。」
「でも、Lさんだって少しは嫉妬するかも知れないじゃないですか。」
「嫉妬?」 「はい。」 「Lが、私に?」 「はい。」
Sさんは暫くキョトンとしたあと、笑い出した。
「こんなに想ってもらってるのに、嫉妬なんかするはず無いでしょ。」
真顔に戻ったSさんは自信満々の表情だ。
実は今までも気になっていたから、これは丁度良い機会かも知れない。

559『入学式と卒業式(中・冒頭部補遺)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:18:39 ID:amcWH5wI0
 「あの、前から気になっていたんですけど。」 「なあに?」
「何ていうか、僕たちは三角関係、ですよね。いくら一族では珍しくないとはいっても、
SさんはLさんと気まずい事になったりしないんですか?」
「今まで気まずいことになった事があった?」 「いや、今までは無い、と思いますけど。」
「気を遣ってくれるのは嬉しいけど、今までもこれからも、気まずくなんかならない。」
「でも。」 Sさんは人差し指で俺の唇を押さえた。
「じゃ、あなたは嫉妬してたの?」 「僕が誰に、ですか?」
「あなたは私に許婚がいると思ってたんでしょ?その許婚に嫉妬、してた?」
「いいえ。許婚がいるかもしれない人とこんな関係になって、
少し後ろめたいとは思ってましたけど。嫉妬する気には。」
「嫉妬は、相手を独占したいと思う気持ちから生まれる。自然な感情かも知れないけど、
夫婦や家族の結びつきを深めるのにはむしろ邪魔になる。その意味では邪念と言っても良い。」
「邪念、ですか?」
「あなたは今でも私のこと『Sさん』って呼ぶわね。どうして?」
「だって、Sさんは本当に綺麗で凄い人で。尊敬してるし、それに年上ですから。」
「好きな時に、そう、今だって抱けるんだから、この女は俺のものだって思わない?」
「いや、むしろこの状況が夢じゃないかと、今でも時々心配になるくらいです。
まして、Sさんが自分のものだなんて、とても。」

560『入学式と卒業式(中・冒頭部補遺)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:24:14 ID:amcWH5wI0
 「そう、あなたは私のことをこれ以上無いほどに尊重してくれる。
私たちの一族では、女性がかなり尊重されてるから、表立っての男尊女卑は存在しない。
でも、それに慣れてる私でも、あなたの心の動きには時々本当に驚かされる。
あなたは私を自分のものだと思ってはいない。だから嫉妬もしない。Lについても同じ。
最大限に尊重してるから年下なのに『Lさん』って呼ぶし、自分のものだとも思っていない。
「...Sさんも、Lさんも、僕を自分のものだとは思っていないということですか?」
「独立した魂を持つ誰かが、別の誰かのものだなんて、そんなこと絶対に有るはずがない。」
Sさんは目を伏せて自分の指先を見詰めた。呟くような声。
「どんな人にも天命がある。特に術者は、その天命に忠実でなければ。」
天命を果たすことが魂の旅路の目的なら、夫婦や家族の意味とは何だろう。
いや、長い旅路の途中で出会い、真に結ばれる魂。それこそが『良き縁』ではないか。
「それぞれの旅路の中で出会い、互いの魂が引かれ合うからこそ...」
「ご名答。まあ正直、私だって『呼び捨てにして欲しい』『あなたのものになりたい』って、
思うこともあるけれど。」 Sさんは顔を上げた。悪戯っぽい笑顔。
「それにね、私、嫉妬したことも有るわよ。あなたのことで。」 「誰に、ですか?」
「名前は知らないけど、女優さん。きっと、あなたの部屋に有ったDVDに出てる人ね。」
顔から音を立てて血の気が引いた。
俺は何故、PCの脇、あのDVD(R18指定)の山を忘れていたんだ?

561『入学式と卒業式(中・冒頭部補遺)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/22(火) 21:44:27 ID:amcWH5wI0
 「ちょっと待って下さい!だってあのDVDは。」
「時間的な順番からすれば当然なんだし、別に責めてる訳じゃないわよ。
でも初めて一緒に過ごしたあの夜、あなたの心に彼女の姿が浮かんだでしょ?
『Sさんは彼女に少し似てる』って。さすがにあれは、彼女に嫉妬しても罰は当たらないと思うな。」
「いや、それは...今、今は違いますよ。」
Sさんはふわりと立ち上がってテーブルを回り込み、俺の左隣りに座った。
「誰か別の女性を見た時、あなたが『Sさんの眼に少し似てる』とか、
『姫の髪型に似てる』って思うこと、ちゃんと分かってる。きっとLも同じ。
私もLも、それがとても嬉しいの。だから今は、あのDVDの彼女にも嫉妬なんかしない。
あ、でもLにはさすがに刺激が強すぎるわね。」
一瞬、目の前が真っ白になった。きっと俺の顔も蒼白だったろう。
「あの、もしかして、LさんもあのDVDを?」
「まさか。セーラー服だけじゃなく、白衣の天使も大好きだなんて、私、絶対Lに説明出来ない。」
!? 思わず立ち上がった。
「白衣って!そんな詳しく調べたんですか?中身は。」
「もう、落ち着いて。Lに見られないように荷造りするの、苦労したのよ。
題名やパッケージの写真が見えちゃうのは仕方無いでしょ。それに、半分以上が」
俺は思わず耳を塞いだ。恥ずかしい、もう滅茶苦茶だ。
「あ〜あ〜あ〜聞こえない。聞こえません、聞こえませんよ。」 「馬鹿みたい。」
仰る通りです。 絵に描いたような、今まで経験したことのない、それは見事な、藪蛇。
でも恥ずかしさと同時に、俺の心は不思議な安らかさで満たされていた。

『入学式と卒業式(中・冒頭部補遺)』 了

562名無しさん:2013/10/22(火) 22:59:12 ID:lihH28BU0
藍さん、知人さん有難うございます。

冒頭に部分だったのですね、どこにその文章が入るのだろうとずっと考えてました

>「どんな人にも天命がある。特に術者は、その天命に忠実でなければ。」
>「それぞれの旅路の中で出会い、互いの魂が引かれ合うからこそ...」

これが誰かに読ませたい物語であるのなら、ここは大事な処なのでしょうね

やっぱ翠さんに読ませたい物語なのかなぁ

563名無しさん:2013/10/23(水) 00:08:15 ID:6s6x3PJo0
>私の計算ではRさんの年齢は現在27歳

ううむ、そうだったのですか。

私の勘では33〜35歳くらいだと思ったのですが。

お子さんが手がかからなくなって、もしかしたら緑さんが術者になる前の年齢というとこんな感じではないかと

564 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/23(水) 00:25:36 ID:bZhRoNTA0
無事に投稿を終えて、うっかり居眠りしてしまいました。申し訳ありません。

>>562
早々のコメント、感謝致します。
引用して頂いた2つの部分、私もほぼ同じ考えです。
将来、翠ちゃんと藍ちゃんに読んで欲しい部分という気がします。

>>563
コメント、感謝致します。原稿通りに解釈すれば
『入学式と卒業式』は2006年春、Rさんが20歳という描写があります。
それをもとに現在の年齢を計算しました。もし私の計算が正しくて
翠ちゃんに手がかからなくなる将来と考えれば、別の可能性も、
いや、私の予想は当たった試しがありませんでしたね。

565名無しさん:2013/10/23(水) 00:45:12 ID:6s6x3PJo0
>>564

藍さん・・・それアカン奴やWWW

物語を2006で検索かけても出てきませんそれWWW

うーむ、一応、知人さんか誰かがRさんに取材したって設定でしたっけ?。

27歳にしてはオジン臭い。

格闘技に通じ、釣りと自転車いじりが出来て、山犬とオオカミを区別して理解している。
山童は西日本の伝承。事実に基づいた物語という点で補足のついた展開になるとしても

Rさんの人物像は謎すぎるWW

566名無しさん:2013/10/23(水) 01:01:23 ID:6s6x3PJo0
さて、明日は(もう今日ですが)4時起きなので最後のボヤキを

本家にかけられた呪いの件ですが、呪いが直系と判断するのはどういう状況なのか?それについて考えました

当主さんが居て、娘さんが二人居たとします。片方が分家に嫁いでも呪いから見たら直系の判断基準は変わりません

比較的本家に近い分家は、出産において本家の犠牲になっている?と想像できるのがこの呪いへの対応です

赤の祭具が一つなのに、男の双子だったら? 意図的に早産、流産という手を使えばもう一方を防波堤にできますね。

3つの祭具のうち、世襲でない役職の祭具はあるにしても、赤の宝玉は原則本家にしか相続されないと思われます

昔は今よりも出産に関しては鉄の掟が存在し、場合によっては軋轢も生じたかもしれませんね

成長を待たずに男子が死亡し、残りの嫁いだ女子が出産。そうすると呪いの発動は移動します

時代によっては、本家側が分家のだれかを拉致する事もあったかもしれませんね

もしかしたら分家の反乱は、「何らかの形で」本家から真の独立を目指した物だったのかもしれませんね

567 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/23(水) 01:31:59 ID:bZhRoNTA0
>>565
おそらく知人は意図的に年号の明記を避けています。
しかし物語の中の連休の日付と曜日、月齢や天気の描写を総合して、
私はこれらの物語の起点、『出会い』は2005年の出来事だと考えています。

>>566
病院での出産でないとすれば、赤の宝玉を使わずに呪いを回避する事は可能でしょう。
あるいは青の宝玉か白の宝玉を使う方法が有るのかも知れません。例えば『死産だったことにする』。
いつもながら、本当に深いご考察恐れ入ります。有り難う御座いました。

568名無しさん:2013/10/23(水) 07:34:34 ID:6s6x3PJo0
>>567

ただいま〜。朝のお勤め(期限付き)が終わりましたのでこれから寝ます(汗)

>「あるいは青の宝玉か白の宝玉を使う方法が有るのかも知れません」

白か青が、もしかしたら「女子を男子に偽装する」力があれば本家だけで完結する事が可能かもしれませんが

恐らくそんな都合の良い状況は無かったかも。あったとしても少子化でどの道大変だったでしょうしね

当主が世襲にならなくなったのは力の継承が難しくなったから徳川御三家みたいな存在と合議によると、お家存続の道を模索した結果かもしれませんね

569名無しさん:2013/10/24(木) 23:39:19 ID:VCYCc.0g0
(ノ∀`)アチャー ◎◎◎DVD...

570名無しさん:2013/10/25(金) 08:05:44 ID:mtNTWG/Q0
あまり外野が考察を入れて欲しくないなぁと思ってみたり

571 ◆iF1EyBLnoU:2013/10/26(土) 05:53:40 ID:lotH3uCE0
>>570
コメント感謝致します。
様々な考え方はあると思いますが、投稿する立場からすれば
批判されるより考察して頂くことがずっと多いので素直に嬉しいです。
ただ、考察のコメントと同じように、570様のコメントも嬉しく思います。
何だか欲張りですね、御免なさい。
有り難う御座いました。

572名無しさん:2013/10/26(土) 07:07:21 ID:O1/vYMNA0
>>570
>>571

うむ。世の中には考察本ってのがあると思ってみたり。
一方では確かに「黙って食え」という言葉があったり。

悩ましい。少し自重しますか。

573名無しさん:2013/10/26(土) 14:09:47 ID:wY9Bah760
読むのは楽し
考察するのも楽し
考察しないで読むのも楽し
読み方はひとそれぞれ
それがこの面白きものがたり...なんちって。

575枯れ木も山の賑わい:2013/10/28(月) 20:47:59 ID:wzqnNhsc0
DVDのエピソード、リクエストに応えた後付けって感じになったら嫌だなと思ってましたが、違和感なく楽しく読めました。
538さんの考察がきっかけでこのエピソードが読めた訳だし、考察が物語の本筋に影響しているとも思えません。
これまで私も色々考察させて頂きましたし、藍さんの投稿待ちで皆が好き勝手に考察するのはアリ、な気がしますけどねぇ。

576名無しさん:2013/10/29(火) 03:33:54 ID:vPknypTE0
初めて書き込ませていただきます。
長文な上、前置きも少し長くなってしまいますがお許しください。

私の夫が所謂「見える人」だと知ったのは結婚2年目になってからでした。
正月に夫の実家に帰った際に夫の幼馴染から聞かされて初めて知ったのです。
結婚するまで4年一緒にいましたが一度も彼から霊感があるなどとは聞いたことがなく
私はといえば異常に感が良いと周りから言われますが見えない人間で怖がりなので想像もしませんでした。
でも思い出してみると私が生まれてはじめての心霊体験をしたのも彼と一緒の時でしたし
時々「あれ?」と思っていたことにいくつか腑に落ちたりもしました。
ただ夫が何かを怖がる様を一度も見たことがなく、その幼馴染も「こいつは本当に豪胆だよ
小さいときから怖がったところを見たところがない」と言っていたほどなので
時々「あれ?」と思うようなことがあっても夫の様子を見るとすぐ安心してしまっていたのです。

息子が生まれた時、この子も夫から何か受け継いでいるのではないかなと
少し不安に思ったりもしましたが、産んだ場所が夫の海外赴任で駐在した海外であったこともあり
毎日バタバタと忙しくしている間に時間が過ぎて行きました。

息子には常に何か見えていたようで
私には見えない何かと「きゃっきゃっ」と大きな笑い声を上げて遊んでいたり
おしゃべりしたりしていました、。
そしてそんなときは必ずうちの犬とネコ達が息子のベビーラックやベッドの周りを守るかのように囲んで座っていたのも不思議でした。
いくつも不思議なことがありましたが息子が楽しそうなのと
夫が「大丈夫」といったので見守ることにしたのです。

577名無しさん:2013/10/29(火) 03:36:04 ID:vPknypTE0
帰国した後、息子が3歳になったばかりの頃のことです。
車に乗って家族3人買い物に行きました、その途中夫が「コーヒー買ってくる」と
ある私鉄駅の駅前にある広いコインパーキングに車をいれスタバに行きました。

私と息子は後部座席に座って待っていましたが
夫が車から出て行って1分も経たない内に息子の様子に変化が現れました。
キョロキョロと車の両側を落ち着きなく見ているのです。
いつもと違う何か切迫したものを感じた私は息子を落ち着かせようと思い
横にあった絵本を取ろうとしてはっとしました。
息子の歯が小さくカタカタ音を立てている、震えているんだと気づいたのです。

夫と同じく豪胆で怖がったことのない性格の息子の顔に浮かんでいたのは明らかな恐怖でした。

「どうしたの?お腹いたい?」と話しかけましたが息子は目を見開いてキョロキョロするばかり
只事ではないと感じました、「何が見える?怖いものいるの?」と質問を変えると
「あの人怪我してるよ」
「いっぱい怪我してる」
「血と黒いの黒いのいっぱい、痛いの」
私には全く見えませんでした
夕日から夕闇に変る丁度見難いときでなんとなく霞のようなもやっているような感じでした。
見えても怖いのでしょうが見えないものが傍にいるというのもとてつもなく恐ろしく
なんとか息子の恐怖をとってやりたい、守らねばを思い「どこにいるの?誰がいるの?」と聞きました。
息子は「家族なの、おじいちゃんとおじさん、おばあちゃんとお姉ちゃんとお兄ちゃん」と答えました。
様子と人数から車の両側からこちらに近づいて来ているようでした。

578名無しさん:2013/10/29(火) 03:37:51 ID:vPknypTE0
私は息子をチャイルドシートから降ろし、抱きかかえて外が見えないようにしてから心の中で
「この子に何かしたらただじゃおかない、早く消えろ」と震えながら念じました。
次の瞬間息子が「来ないで!怖い!来ないで!!」っと叫びました。
一瞬体が浮いたような気がして顔を上げると、車が左右に揺れていました。
車の左右に何かがいて、車をすごい力で左右に揺らしていたんです。

揺れはどんどん酷くなり、私は息子の体を包む様に抱いたまま車の左右の窓や天井に頭をぶつけました。
車を揺すっている何かは全員同じリズムで車を叩くように押していて
ドンドンともバンバンとも言えない音が響いていました。
息子を放さないようにするのが精一杯で夫に電話したくてもできません。
私は毬のように車の中で転がされながら、夫が帰ってくることだけを祈っていました。
何分経ったのか、腕の中で息子が「お父さん!」と叫びました。
駅のほうから夫が歩いてくるのが一瞬見えたとたん、車の揺れはなくなっていました。

夫はこっちを見ると急に走り出し、あっという間に車まで来てくれました。
恐怖でまだ何も話せませんでしたが夫は何も聞かず
「遅くなってごめんね、もう大丈夫だよ」と言ってタオルで車の周りをパタパタとはたきました。
私は説明しようとしましたがまだ震えが止まらず、腰が抜けてしまっていました。
夫は息子に「お母さんを守ってえらかった」と言って頭をなでてやり
私には「○○(息子の名前)を守ってくれてありがとうね」と言って暖かいコーヒーを渡してくれました。

私の頭にはいくつもコブができていて、わき腹や体中あちこちに軽いアザが出来ていました。
翌日になって首の痛みが酷いので医者に行くと何度も頭をぶつけたせなのか首が軽い捻挫のようになっていると言われました。
私の怪我以外は息子には何もなく、その後その霊に会うこともありませんでした。

579名無しさん:2013/10/29(火) 03:41:10 ID:vPknypTE0
何年も後にその時の話を息子や夫とすることがあったので(息子に怖い記憶を思い出して欲しくなかったので息子から話すまで禁句になっていました)いくつか判ったのは

外にいた幽霊らしき者達はそんなに古いものではなく、昭和の始め頃の人であったようだということ。(夫から聞きました)
車の中から私達を出したかったようだとも言っていました。
怪我と息子は言いましたが怪我どころではなく、手足が欠けていた人もいたこと
怪我以外に火傷の様な炭化したように見えた部分もあったこと
骨も見えたそうです
全員がとても怒ったような恐ろしい形相だったという事がわかりました。
今更ながらそれを見たときの息子の気持ちを考えると涙が出ました。


随分後になって、駅前でとても立地がいいはずなのにずっと昔からそこは駐車場で
その前は空き地だったと近所に長く住む方から聞きました。
その辺りで一番の地主さんがずっと所有している土地だそうです。
私たちが怖い目にあったのは2005年頃ですが
その土地は今でも駐車場のままです。

拙い上に長文失礼いたしました。

580名無しさん:2013/11/03(日) 16:03:23 ID:akKsrG/.0
そろそろ◆iF1EyBLnoUシリーズ(?)は専用スレ立てた方が良いと思うんですけど

581名無しさん:2013/11/03(日) 20:52:38 ID:qjy7kUSYO
>>580
禿同。ただし知人さんの了解を得ないと。
なお、シリーズ名は結局決まってませんでしたね。

582 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/04(月) 02:04:05 ID:mDFXP0i60
皆様今晩は、藍です。

>>572・573・575
温かいコメント、感謝致します。

>>580
>>581
前述の通り、知人が送付してくれる原稿は残り2話で終了かも知れません。
シリーズ名に関わらず、これから専用スレを立てて頂くのは心苦しいです。
『ご迷惑でなければこのまま最後まで』と思っていますが、
こればかりは管理人様のご判断にお任せしたいと存じます。

有り難う御座いました。

583名無しさん:2013/11/04(月) 20:46:52 ID:7Zs1Y4o.0
>>582

>「前述の通り、知人が送付してくれる原稿は残り2話で終了かも知れません」

なん・・・ですと?
残り少ないSAN値をDVD回で消費してしまった・・・だと?
何ともったいない事をしてしまったのだ、私は。全国のファンに申し訳ない(チラチラ)

584名無しさん:2013/11/04(月) 22:22:06 ID:CPSb0NZE0
怖い話のブログやってます

http://scoby.blog.fc2.com/

585名無しさん:2013/11/04(月) 23:02:38 ID:OXOO4klk0
>>582
あと何回で終わっても...この物語を楽しみにしています。

586 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/05(火) 21:02:34 ID:MPsi13320
皆様今晩は、藍です。

>>583
DVDのお話は投稿時に削除していた内容の「補遺」です。
今後送付される原稿には何の影響もありません。
本当に『全国のファン』がいるのかどうかは別として
DVDのお話について気に病んで頂く必要はないと思います。
また、少し調べてみましたが良く分からなかったので
『SAN値』についてのコメントは控えさせて頂きます。

>>585
率直で温かいコメント、心から感謝致します。
身の引き締まる思いですし、改めて投稿を続ける勇気が湧きます。
有り難う御座いました。

さて、本日知人から次作原稿の一部が届きました。
現状では題名も『仮題』ですし、物語も未完成ということですが、
私の仕事の都合と作業が遅いのを勘案すれば
並行して作業をした方が良いと知人は判断したようです。
とりあえず『仮題(上)』の投稿を目指して作業を進めるつもりですので、
気長にお待ち下さればと存じます。

587名無しさん:2013/11/05(火) 22:07:53 ID:BSj5vcQA0
>>586

>「DVDのお話は投稿時に削除していた内容の「補遺」です。
今後送付される原稿には何の影響もありません。」

ふふっ。藍さんは真面目な人だなぁ。

仮に本当にあと2話で終わるのなら、うむ、Sさんが生きている様な気がしてきた。

ウホッ。何か急に希望が持てた気がする。あと2話で急展開は出来まいWWW

588名無しさん:2013/11/06(水) 23:30:47 ID:mSXpaN2AO
o(^o^)oワクワク

589:2013/11/07(木) 02:24:13 ID:XPUyWTk20
藍さん、この一連の物語のファンは、潜在的にそうとういらっしゃると思いますよ。

毎回ワクワクするエピソードばかりで、読んでいてあきません。

ちなみに私は長崎県在住です。

あまりムリをなさらないで、知人様にも宜しくお伝えください。

590名無しさん:2013/11/07(木) 16:32:18 ID:21FzDk8s0


591名無しさん:2013/11/09(土) 00:06:52 ID:cyGHqjtU0


592名無しさん:2013/11/09(土) 20:46:59 ID:zptQ.KeI0
>>589

確かに読んでいるだけのファンもいっぱいいそうですね。
こういう面白くて謎解きの楽しい物語は、なかなか他にないですし。

593名無しさん:2013/11/12(火) 00:32:14 ID:2gOznRWsO
ほんと、書き込みしてる読者は、全体のごく一部だと思うんだよね。
楽しみに待っている読者はたくさんいるんだって、作者様に伝わ(って)るといいなぁ。

594名無しさん:2013/11/14(木) 08:39:28 ID:kd1KEtH20


595 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/14(木) 20:56:59 ID:/QxSN9gc0
テスト中。

596 ◆iF1EyBLnoU:2013/11/14(木) 21:12:30 ID:/QxSN9gc0
皆様今晩は、藍です。

>>587
>>588
>>589
>>592
>>593
温かい心遣いとコメント、感謝致します。
皆様のために、許される限り投稿を続けたいと思います。
有り難う御座いました。

さて、本日知人から新作の原稿の残りが届きました。
仕事でミスをしてしまい凹んでいたのですが、一気に元気が出ました。
明日は久し振りの休みですし、作業が進めば今夜中に冒頭部を投稿するつもりです。
ただ、どうなるかは自分でも分かりませんので、気長にお待ち下されば幸いです。
本日は予告ということで、明日以降に読んで頂く方が良いかもしれません。


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