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怖い話Part2

458『遺産(下)』 ◆iF1EyBLnoU:2013/09/12(木) 19:21:08 ID:AZimxqIY0
 河口のポイントに着いたのは4時半過ぎ。満潮の潮止まりに近い時間だ。
これから下げ潮に入ればスズキの活性も上がる筈。今回の狙いは大物。
群れる小魚の様子を見ながら、ゆっくりと釣り具を準備する。
まずは姫の釣り具。昨日より少し強い竿に大きめのリールをセットした。
ルアーは昨日と同じ9cmのミノー(小魚型のルアー)。
姫は早速キャストを始めた。綺麗なフォーム、飛距離も十分。
もともと身体能力は高いし、器用な人だ。何度か一緒に釣りをするうちに、
軽いルアーでの釣りなら俺よりも上手なほどに上達していた。
姫の様子を見ながら自分の釣り具を準備する。準備完了、竿を近くの木に立てかけた。
「Rさんは釣らないんですか?」 遍さんは不思議そうな顔だ。
「大物は警戒心が強いので、1人ずつ、ポイントを休ませながら釣ります。
日暮れまではLさん、日が暮れたら僕がこれで。」 「なるほど。」
何度目のキャストだったか、テンポ良くリールを巻いていた姫が、突然竿を跳ね上げた。
竿が綺麗な弧を描く。見事な合わせ。チリチリとリールのドラグ(ブレーキ)音が聞こえる。
「オーストラリアで釣った魚みたいな引きです。多分、大物ですね。」
姫の頬は紅潮しているが慌てた様子はない。


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