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海のエジプト展

2StudioKODAI:2009/08/27(木) 13:02:38
横浜港開港150年…おめでとうございます。…というわけで、お祭り気分のついでに見ていただきたい企画です。あくまで「ついで」です。メインで期待して行くと「ん〜?」とがっかりしちゃう可能性もあります。なので、帰りがけにビアホールに立ち寄って、美味しいビールを呑むことを目的に横浜へ――桜木町またはみなとみらい駅へお越しください。

とはいえ、つまらないわけではありません。ちょっと、展示内容に対して入場料のコストパフォーマンスが悪いかな、と思われるだけです。

会場は、広々して、ゆったり見られます。照明を落とした中で、ときどき足元に海水をイメージした映像があったりして、海中散歩をしている気分に浸れます。
展示されている物じたいは、掘り出したばかりのものなので、それはほとんど全ての展示品が、初めて目にする物品です。古代エジプトの物をいろいろ図録やカタログや本などで見慣れている者にとっては、目新しいものばかりです。

ただし、ディープな古代エジプト好きの方には、物足りないところもあります。まず、展示品の発掘場所がアレクサンドリア周辺の沿岸部に限られているので、物品の製作された時代がプトレマイオス朝時代のものばかりだからです。プトレマイオス朝って、古代エジプトとはいっても、末期だし、王様はエジプト人じゃないし、彫刻のテイストが古代エジプトというよりも、ほとんど古代ギリシャなんですよ。

おまけに、海から掘り出したものだから、大理石でできたものは、表面が溶けてしまって、何が彫られているのか輪郭がぼやけているものが多いです。
それでも、高さ五メートルの巨像などは、見れば圧倒されますし、最後の残照とはいえ、古代エジプトの栄華の底力を感じさせられます。

ちょっと興味深いのは、金属製品や陶器の破片でしょうか。古代エジプトでは、貴金属の発掘品は、見つかると現地の人が適宜、鋳潰して換金してしまうので、あまり遺物は残っていません。しかし、今回の展覧会では、時代が限られているとはいえ、貴金属が数多く展示されていたので、その細工の精緻さに驚かされることがありました。

陶器や、日常の雑器、神殿での祭具などは、とても古代ギリシャ風で、古代エジプト風とは言いがたいです。けれども、古代ギリシャに興味のある方にとっては、逆に面白いのではないかと思われます。

なお、展示物としては蛇足っぽいのですが、古代エジプトの「香り」を楽しむコーナーがありました。これなどは、企画した人を褒めてあげたいです。意外にいろんな香りがあって、古代エジプト人が香りや匂いに敏感で、清潔感に気を使って暮らしていた人たちであることを印象づける展示品です。

いろいろ不満はありました(とくに入場料)が、ともあれ、大変興味深く、工夫を凝らした展覧会ではあります。
話の物種に、暇潰しに、お子様のリクエストに応えて…目的は何であれ、この(ちょっと高い)入場料を払う余裕のある方には、まあまあ一見の価値のある展覧会でした。


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