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蠱毒の壺
1
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/05/24(日) 03:29:06 ID:???0
今回は、エヴァというストーリー全体、あるいは製作者の意図その
ものも含めて、それが「蠱毒の術式」だとする解釈の試論である。
蠱毒の術式は、中国最古の王朝である殷において既にあったと推測
されているが、具体的には、壺などの器の中に多数の蟲を入れて共
食いさせ、最後に生き残った最も生命力のある最強の毒性を持った
蟲の毒を用いて人間に呪いをかける、あるいは暗殺を行うのだとい
う。
セカンドインパクトがエヴァのストーリーにおける宇宙(コスモス)
開闢の建築供犠であるなら、それによって構築された知(論理思考)
の有機空間は、まさにこの蠱毒の壺だといえる。なぜなら、ヒト対
シトの構図は同類の殺し合いであるということが明らかにされてい
るからである。そして最終的には人間同士の殺し合いが始まり、蕩
尽であるサードインパクトが起こるわけだが、これはアルケーから
テロスにいたるまで、内的宇宙・外的宇宙の双方問わず、全ての蟲
(ヒト・シト問わず)が食い合いを続け、まるで進展性のない躁宴
(オルギア)だけが描き出されたに過ぎないということである。
劇中においては、この最後に生き残る最強の生命力と毒性を持った
蟲に該当する者が残った。それは誰のことかといえば、ただ一人、
時空を超越していく存在となったユイだということができるだろう。
また、この「蠱毒の壺」という名の「知の有機空間」を「製作・構
築」したデーミウールゴスおよびアルコンテスに該当するもの、つ
まりは「製作者」であるが、「彼ら」はまさに劇場という閉鎖的空
間において、最強の毒でもって「あたかもそれらしい<人間>の図」
を言葉巧みに操作し、観客を暗示にかけるという方法で呪ったので
ある。
2
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/05/24(日) 13:40:00 ID:???0
スキゾ・パラノで笑ってしまうのは「庵野不在の座談会」である。
彼らの関係の構図が『この世の起源について』のヤルダバオート(デー
ミウールゴス)とその部下である「権威」(エクスーシアイ)たちの滑
稽な構図とそっくりだからだ(笑)。§36で語られるこの「権威」たち
とは、つまりアルコンテスのことが語られるわけだが、同書の§66では、
ヤルダバオートの愚かな言葉としてほぼ定式化されている『イザヤ書』
からの引用(「私こそが神である。私の前には何者も存在しない。」)
がなされ、その部下であるアルコンテスはその「嘘の言葉」を嘲笑する。
そして、§67で彼らはヤルダバオートに対して問う。「我々の業を滅ぼ
してしまったこの者(光のアダム『人間』)こそ神ではないのか」と。
これに対してヤルダバオートは以下のように言う。
「その通りだ。さあ、もし彼(光のアダム)がわれわれの業を滅ぼすこ
とができないようにとお前たちが望むのであれば、来なさい。われわれ
は一人の<人間>を、われわれの<身体>の形に従って、また、この者
(光のアダム)の姿に倣って、地から造ろうではないか。そして彼がわ
れわれに仕えるように、また、自分の模像を見て、それに恋するように
しようではないか。そうすれば彼はもはやわれわれの業を滅ぼしたりし
ないであろう。むしろ光から生まれてくる者たちを、われわれはこの世
の全時間にわたってわれわれに仕える者とするであろう。」
バタイユ的に腹の底から大笑いなのは、ヤルダバオートを嘲笑した部下
であるアルコンテスも、この言葉に従ってしまうところである(笑)。
ここでこれを読んで下さっている方たちに特に注目していただきたいの
は、私が「人間」といったとき、<人間>と『人間』とを意味の違うも
のとして用いているということである。また、キーワードとしては<身
体>という用語も、グノーシス主義的な意味として用いていることを強
調しておく。特に『この世の起源について』の§68・69・78・79などを
まとめて参照すると分かりやすい。
(この項続く)
3
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/05/27(水) 23:46:18 ID:???0
おっと失礼、ヤルダバオートに相当するのが総監督であり、それを嘲笑
しつつ分かっていないままに付き従っているアルコンテスが、製作者の
中でも一部の人間を除いて(大月らのことだが、庵野不在の座談会には
ほとんど出席していない)のものたちだといえる。
<人間>は、ヤルダバオートとアルコンテスが、自分たちの<身体>の
形に従いつつ、光のアダムに似せて形相を与えて造り上げた<身体>の
ことであり、『この世の起源について』の場合は「心魂的人間」をさす。
ここでいう<身体>とは、仏語でいうところの“corps”であり、解剖学
的に、つまり物質的なレベルで用いられる<肉体>“chair”ではなく、
あたかも<自然本性的>なもののように思いこまされた<非本来的自己>
を『本来的自己』と取り違えて、『本来的自己』を忘れてしまった<人
間>という観念、つまり、ヤルダバオートのこさえた「真理=誤謬」の
「観念形態」を意味しているのだといえる。丸山の言う、「言分けられ
たゲシュタルト(=身)」もここに該当する。
これがいわゆる<心魂的人間>の置かれた状態であり、ちょうどヤルダ
バオートとアルコンテスが、『本来的自己(=『人間』)』に対して、
<つくり物>としての<檻>を形成したという説明になっている。ここ
までで既に説明してしまったに等しいが、『人間』とは『本来的自己』
について覚醒し、心魂の檻をぶち破った人間のことである。エヴァとい
う虚構の知の有機空間(=蠱毒の壷とその中の毒虫)を在らしめた「製
作者」たちは、その壷の中から「現実に対する復讐」という名の(しか
もこの「現実」ってのが「パソコン通信」などという非常に視野の狭い
環境でしかない)最も毒性の強い呪いをもって、それが<真実>である
と称して押し付けたのである。
そしてそのマスコミや余暇産業などと結びついた商法は、「自分の模像
を見てそれに恋するようにしよう」というヤルダバオートらの手口と全
く同じである。このような「あたかもそれっぽいもの」を呪いのように
精神に刷り込むことによってこの<真実>とやらに従順な<身体>を自
ら表徴する客層を増やすというわけだ。この「呪い」によって形成され
る従順な<身体>こそが、フーコーの言うところの、行動的な<肉体>
を縛る監獄装置としての<精神>“âme”だといえるだろう。まさに、
政治的領域に投げ込まれた身体を攻囲する権力を行使することによって、
人間が先験的に持ち合わせている身体性の知覚器官を通して肉体の行動
に規律化された精神を刷り込み、それを現実態として現実化せしめるこ
とと同義である。
4
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/06/04(木) 10:58:26 ID:???0
モチーフ的にはアリストテレスの『霊魂論』における本姓的・器官的身体の
「完全現実態」としての「魂」も、グノーシス主義では「心魂」に該当する。
これは身体のために現実化するものであるが、アリストテレスの場合はこれ
が人間の本質として扱われてしまう。「魂」が<身体>の業であり、完成で
あるとされるからだ。これは「言分けられた身」の硬直化である。そしてこ
の魂が身体を治めているという構図は、フーコーのいうところの監獄装置と
しての<精神>=身体性が、肉体の行動を縛っているという構図と同義であ
ろう。『監獄の誕生』のフーコーの場合は、このアリストテレスで言うとこ
ろの「魂」が、つまり精神に形作られる「心象」が、いかにして発生しうる
かを緻密に説明した書物であったといえる。基本的にニーチェの『権力への
意志』の「認識衝動の生物学、遠近法主義」のアフォリズム群に準じる様相
を見せているが。
周知の通り、グノーシス主義では本来的自己である霊(魂)は心魂とは区別
されている。ここでは霊は身体性(=心魂)と無知の産物である肉体の二重
の牢獄に閉じ込められているということができる。私はこれによって何が言
いたいかというと、本来的自己に無知である人間は、普段は肉体の知覚器官
を通して形成される心魂を本質と取り違えており、ニーチェの言うところの
パースペクティヴィズムに陥っているということである。それはバタイユに
言わせれば人間が自身の有限性を勝手に想定して造り上げている呪詛、すな
わち「呪われた部分」である。存在は<語ること>によって存在者(知)を
生成せしめる。存在者は<語られたこと>であり、今度はそれ自体が存在と
化して、<語ること>を行う存在を縛る。これがゲシュタルトの硬直化の最
初の形態である。
6
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/06/05(金) 02:31:42 ID:???0
「光は闇の中にあって輝いている。闇は光を理解しなかった」
語ることは形相を与えて知(存在者)を在らしめるということだ。しか
し光のグノーシスではなく、盲目で暗闇の洞窟に住んでいるかのような、
その唯一の価値あるものとされるのが、一種の「自家醸造」式のナルシ
シズム(=自分固有の身体性)であるヤルダバオートは、頓珍漢なこと
を「真なりと思いこむこと」によって倒錯を語り、その倒錯を語ること
によって倒錯状況の知の有機空間を生成し、それを現実化する。是が非
でもそう思い込まなければ気がすまないという呪詛の闇にまみれること
を是としている連中。何ゆえ連中が「真なりと思いこむこと」が発生し
たのか。「真」の背後にはいかなるおぞましい感覚が潜んでいるのか。
8
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2009/12/30(水) 17:08:29 ID:???0
「最大級の皮肉」
“air”(空気)+“まごころを君に”
気前のいい(?)〈神様〉が、貧乏な連中を太らせてやろうとの思し召しから彼らに
支給した、滋養分(悪質なナルチシズム)豊かな物質。しかしそれは貧乏な連中をさ
らにじり貧にするだけである。
(ネタ:ビアス)
新生(?)デーミウールゴス(δημιουργος)
じり貧な共同居住者デーモス(δημος)のために、さらなる滋養分をたっぷり含ま
せた製作物を製作する製作者。しかし太っていくのはデーミウールゴスだけで、デー
モスはさらにじり貧になりゆく一方である。
「なんたら説の種類」
どう転ぼうがツァラトゥストラの前で〈永劫回帰〉の趣旨を勘違いした侏儒の語り草。
9
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2010/01/02(土) 15:32:43 ID:???0
「希望」
→欲望と期待とを丸めて一つにしたもの。
「運命」・「現実」
→「原因と結果」の逆倒を自分で引き起こしたことすら分からない〈暴君〉=〈デー
ミウールゴス〉が悪事を行う時に利用する典拠。
「嘘」
→その従事する職業、商売、乃至天職がなんであれ、自由旅行ならぬ自由悪口の権限を
与えられている〈弁護士〉=〈デーミウールゴス〉らの一派の口八丁。
「欺瞞」
→商業の生命、なんちゃって宗教の集団的ナルシシズム、求愛(?)の際の餌。最低
タイプの〈力〉(=力への無力)に縋りついたものの基礎。
「閉塞・停滞の打破」→「暴君の偽善」
→〈暴君〉らは実際にはそんなものなど少しも尊重していない。彼らはいくつかの美
徳を身につけていると称して、自分が軽蔑している当のそれらしく見せかける方法を
とるという、虫のいい条件を確保する者の語り草。
「生きることを望む」
→以上のすべてをもって「観客を浄化することを望む」
10
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2010/01/05(火) 14:58:34 ID:???0
「閉塞・停滞の打破」→「暴君の偽善」(訂正)
→〈暴君〉らは実際にはそんなものなど少しも尊重していない。彼らのその言説は、
いくつかの美徳を身につけていると称して、自分が軽蔑している当のそれらしく見せ
かける方法をとっている、虫のいい条件を確保する者の語り草。
「インタビュー」
→「卑しい厚かましさ」が「虚栄と野心の戯言」に耳を傾ける「告解室」。
11
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2010/01/16(土) 20:25:43 ID:???0
「醜い」=「力への無力」=「弱さ」
→彼らが悪怯れることもなく天下に示した製作物は、一言で言えば「醜い」。それは
製作物の内外問わず何をとってもひっくるめてである。一体どうすればこんなに醜く
することができるようになるのだろうか。彼らがこのような「醜悪」としか言いよう
がないものを示したということは、彼らがこうしたものを示すことに「快感を覚えた」
ということだ。これ以外にありえるとしたら、逆に製作することに快を覚えていない
ということ、金儲けのために嫌々ながらに作っているということになる。このどちら
であろうと、どちらにしても、かつてと同じく「力への無力」に憑かれた者たちが示
したモノとしか言いようがないだろう。言葉とは裏腹に、そこには新たなるモノへの
「創造への意志」など微塵もない。「力への無力」、暴君の縋る、ある種の根源的な
〈力〉、その〈力〉の行使には、何らの新たなるモノの創造性を伴わない。暴君はそ
の〈力〉を振るって同じ種族に属する観客を支配し、観客をがんじがらめにして、お
のれの意志に奉仕させ、その「生」を無力なものにするだけである。ここにおいて生
じているのは「力への無力」から暴君に同一化した集合的意識であり、その「力への
無力」の更なる促進である。この集合的意識に同一化した者たちが、この暴君のこと
を〈神様〉と呼ぶ種族=観客である。そしてこのような集合的意識からすれば、この
ような見解は「便所の落書き」である。
14
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2010/02/16(火) 14:51:13 ID:???0
ニーチェ+ユング+フロム+バタイユ+ハイデッガー+ビアス+丸山圭三郎+グノー
シスなどなどの論理の錬金術。その論理の解釈による「製作者+オタクの第三の狂気」
の分析(参照例:アマゾンのレビュアー及びスキゾ・パラノ)。
バッカス(ディオニュソス)とバッカスの巫女(あるいはディオニュソス的野蛮人)
の躁宴(オルギア)、反復的陶酔
+
マイナス面的トリックスター元型憑依状態(ウィネパゴ・インディアン神話の酋長、
猿芝居)
+
ネクロフィリアと悪性ナルシシズム(生命阻害の症候群)
+
デミウルゴス(ヤルダバオート)とデーモス
+
楽天観、楽天主義者
+
アグノイア(無意識的状態)
+
バーサーカー(ベルセルク)
+
非エンターテイメント
15
:
【管理人】アイオーン・アブラクサス★
:2010/02/20(土) 23:32:43 ID:???0
ノイマンの「ウロボロス近親相姦」とフロムの近親相姦的絆を入れてなかった…orz。
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