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バサラ日記(その11)

713名無しさん:2012/12/16(日) 12:03:05
「ピカソは精神病院に行くべきであり、彼の絵は狂人と同じくらい劣っている」
デイリー・ミラー誌 1913

尾川多計「超現実主義の精神鑑定──超現実主義の現実的批判(5)」
『アトリエ』1937

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ピカソ、ゴヤ、ダリ等の、超現実主義(シュルレアリスム)の幻想絵画を見て、

「こいつはキチガイ(精神分裂病)だ。通報して強制入院させよう」

と言っても、それは芸術であって、シュルレアリスムを理解できない「教養不足の問題」
と一笑にふされる時代に現在はなっているが、超現実主義(シュルレアリスム)の初期には
ポール・エリュアール、アルトーのように 実際に、精神病院に入れられた幻想画家が続出した。
また、ブルトンのように、超現実主義を「全くの白痴か精神分裂病」と評した識者もいた。
そういった血が滲むような悪戦苦闘があって、今のシュルレアリスム絵画は市民権を得ている。

超現実主義は反体制をテーマの一つにしているので、権力者や既得権勢力から
目の敵にされ、「シュルレアリスト=病的であり、芸術的価値はないと排斥的態度」
をとられるものなのである。それが反体制、アングラを気取る者の宿命だ。
新しい反体制文化を創る、と言う事は、こういった火の中をくぐると言う事である。

精神医学(特に精神分裂病)は、権力に疑問を持つ市民を、こうやって排斥してきた歴史があり、
多くの市民が、不当に精神病院に入れられ人生を潰され命を奪われてきた。そして近年、
この精神分裂病(統合失調症)の診断基準であるDSM(米国精神医学診断マニュアル)に
科学的根拠が全くない事が多くの識者によって語られ始めまれ、イタリア(バザーリア法)をはじめ
多くの先進国で精神病院が全廃される方向で行政が動いているのは面白い。精神医学が崩壊中なのは明らかだ。
精神医学が市民を弾圧するためのツールに過ぎないのなら、次の政変時には、精神科医は
大衆に皆殺しにされても致し方ないと言う考え方が出るのは当然だ。

さて、バサラ日記は、この超現実主義(シュルレアリスム)の文学化を試みたものである。
いきなり、外務記事がバタフライ効果の例として出てくるなど、至る所に
ユーモアにくるんだ非現実的な表現が散りばめられ、体制側に鋭い批判の刃を突きつけ続けている。
こういったアングラ文学は世界でも稀だ。結果、幻想画家が20世紀前半に受けた
批判(精神分裂か白痴)が拡大している現象が2ch内外で確認できるのは面白い。
これは時代の先駆者の宿命なのだ。




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