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千手
:2009/02/11(水) 03:40:18
[上記のヌマの場合の説明]
ヌマはこの上なく正確な供犠執行者であり、信頼(フィデス)の人である。にもかかわらず、
彼は最小限の出費でその義務を果たそうとする。恐ろしいユピテルの要求する人身供犠を、
策略によってまんまと玉葱と毛髪、小魚に代えただけではなく、プルタルコスによれば、彼は
一度も流血供犠を行わず、小麦粉や灌奠、「他のたいへん質素なもの」(「ヌマ伝」8)を
捧げるだけで満足していたそうである。とりわけテルミヌス女神の祭祀*を定めた際には、
「分別のある彼は、平和の守護者であり正義の証人でもある境界の神がいかなる殺生によって
汚されてもならないと知っていた」ため、生き物を殺すのを避けたという(同書16)。この種の
「ためらい」こそがローマ伝説のヌマをピュタゴラス学派に結びつけるきっかけになるわけだが、
だからといって、それが道学者風の歴史家たちによって人為的にピュタゴラスからヌマに
もたらされたなどと考えてはならないだろう。むしろそうしたためらいはあらゆる暴力を憎む
祭司=王という理想に完璧に一致している。ヌマはただ血を流すことを控えることで、理想を
極限まで押し進めているだけなのである。
(同前)中村忠男訳『ミトラ=ヴァルナ』ちくま学芸文庫より。*はわたしが訂正したところの印。
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