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スマナサーラの上座仏教入門
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アルボムッレ・スマナサーラ
:2011/01/28(金) 10:10:01 ID:p4/Hgfqk0
私たちは「もう怒りたくない」と思っても、怒ってしまいます。自分の意思ではどうにもならないものが、怒りです。仏教では嫉妬、物惜しみ、後悔、軽視など、十種類の感情も、怒りの姿を変えたものだといいます。生命の根源にあるもの、それは怒り、生きることの矛盾に真正面から答えを出します。
私は正しいと思うから怒る
なぜそこまでして「わたし」を消し去らなければならないのか? といえば、「怒り」は「わたし」のエゴから生まれるからなのだと思います。たとえばなぜ私たちが怒るのかと言えば、それは「私が正しい」と思っているからです。たとえば電車で隣のおっさんがこっちを触って来たとか、あるいは道で困っている人を助けてあげたら特にお礼もいわずにいってしまったとか、そうやって怒るのは「電車で触るのは間違いで」「人に助けられたらお礼を言わなければならない」という常識で持って、「私は正しい、あの人は間違っている」と判断しているからです。
相手の方が正しい、と思っていたら、だから私たちは怒らんのです。ただし私たちは往々にして「自分こそが正しい」と思ってしまう。それは、間違いだ、というんですね。そりゃそうです。完全な人間なんかいるはずはありません。誰だって間違いをおかしますものね。「自分は常に間違いを起こす可能性がある」事を常に頭の片隅に入れながら、もし相手が間違っている「かもしれない」と思ったならば、「ひょっとしてあなた、少々間違えているのでは?」と冷静に尋ねればいいと言っているのです。
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