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エスペラントの思想と国家権力

888松戸彩苑:2008/10/05(日) 17:19:58
>>886 に対する補足です。

これまでにも何度か書いたと思うんですが、世間の革新派の人たちにとっての最大の関心
事は、当然のことながら「社会問題」なんですね。

この人たちは、仕事や学業や家事のほかに、こういった活動にたずさわっているわけです
から、時間があまり無いわけです。

ですから、こういう人たちが、エスペラントのような、どこの国の言葉でもない、話者がどのく
らい居るんだかもよく判らないような言葉を勉強しようとは、なかなか思わないわけです。
---

エスペラント界には、思想を重視するがゆえにエスペラントを学んだという方がいらっしゃい
ますが、私の考えでは、そういう人たちというのは、たまたま「エスペラントは話者が少なす
ぎるんじゃないか」とか「そんなものを勉強するよりは、社会運動に専念したほうが良いんじ
ゃないか」などとは考えなかったという、ちょっと珍しい人たちなのではないでしょうか。

つまり、そういうことを考えなかったというのは「まったくの偶然」であって、ふつうは「話者の
数」だとか「なんの役に立つんだろうか」といったことを考えるものだと私は思うんですね。

ですから、思想重視派のエスペランティストの方々には「自分の体験は、ちょっと変わってい
るんだ」「一般的ではないんだ」ということを自覚していただきたいんですね。

おそらく今は、自分の体験というものを「ごく普通のもの」だと考えておられていて、だから
「エスペラントの思想を訴えることで世間の人たちから理解されるんだ」と考えておられるの
だと思うんですが、しかしそれははっきり違うと思いますね。
---

考えてみますと、世間の革新派の人たちに限らず、世間の圧倒的多数の人たちは、エスペ
ラントの話を聞きますと、必ずと言って良いほど「話者はどのくらい居るのか」と尋ねてきます。

で「100万人くらい」とか「数十万人」などと答えますと、相手は「ウ〜ン」などと唸ったりしま
す。
これはもちろん、話者の数に満足したり感動したりしているわけではなく、「少なすぎるよね」
という意味なんですね。

エスペラントがどんなに規則的に出来ていると言っても、何千もの単語を憶えなければなら
ないわけですから、こんなマイナーな言語を勉強しようという気には、なかなかならないわ
けです。

そもそも皆さんは、話者の数が100万人(あるいは、それ以下)という小言語(民族語)を勉
強したことがおありでしょうか?

ひょっとしたらアイヌ語を勉強したことがあるなんて人もいるかもしれませんが、そういう人も
少数派だろうと思いますし、会話ができるほど勉強したなんて人はほとんど居ないだろうと
思うんですね。

つまり、エスペランティストでさえも、話者の数が100万人以下の小言語なんて、なかなか
勉強する気にはならないということです。

で、自分たちにもなかなか出来ないようなことを他人に勧めても、なかなか受け入れてくれ
ないのは当然だろうなと思うわけなんですね。
---

ということで、エスペラントを「理論」によって広めようとした場合には、必ずこの「話者の数」
でつまづくことになるわけです。

このように考えますと絶望的にならざるを得ないわけなんですが、しかし「エスペラントを遊び
としてやるのなら面白そうだ」と考える人たちであれば、「話者の数」にはあまり厳しくないわ
けです。

こういう人たちというのは、めったにいない貴重な人材なわけですから、やはり仲間に入れ
て大事に育てていく必要があると思いますね。

あと、こういったことに関してここにも書いておきましたので、御一読を願います。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/7882/1199456754/259

ところで最後になりましたが、そうは言っても、世間の革新派の人たちのなかにも、たまには
「エスペラントをやっても良い」と考える人がいるかもしれませんので、そういう人を見つける
べく頑張ることには意味があると思います。

(終わり)


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