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エスペラント改造論

1やぱーの@管理人:2006/10/12(木) 17:46:51

申し訳ありません。すでに、このスレを立てたのですが、タイトルが「敢えて...」でした。
管理人初心者でしたので、お許しください。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/7882/1158318733/l50
改造論のスレを立てます。アルファングル以外は、こちらでどうぞ。

47松戸彩苑:2006/12/24(日) 12:57:51
「エスペラントは、日常生活に関する用語でさえも不足・混乱している」という私の持論を、
さらに詳しく説明してみようと思います。

まず最初に「分割払い」と「割り勘」という表現をエスペラントでどう表わすかについて調
べてみます。
どちらも「分けて支払う」ということなので、よく考えて造語しないと区別がつかなくなって
しまうわけですが、結論から言いますと、やっぱり混乱してるんですよね。

『日本語エスペラント辞典』では

ぶんかつ【分割】 (中略) 〜払い partopago. 〜払いする partopagi. (後略)
わりかん【割勘】 〜で払った Cxiu kotizis; Cxiu pagis sian parton.

となっていました。
「割り勘」のほうは、これでは「みんなが支払った」ということしか判らないので、良い表現
だとは思えません。
しかし「分割払い」のほうは、これで良さそうな気がしますね。

次に『エスペラント日本語辞典』の pagi の項を見ると

partopago 手付け(金);分割払い(金)

となっています。
つまり、ここでは「分割払い(金)」の意味だけではなく「手付け(金)」の意味もあるんだと
いうことになってました。
しかし考えてみると「手付け(金)」と「分割払い(金)」の表現が一緒というのは、混乱しな
いでしょうか?

そんなことを考えながら Nova PIV の pagi の項を見てみると

parto〜o. Parta 〜o, farita kiel garantio de la pli malfrue pagota sumo: (後略)

と書いてありました。
つまり「手付け(金)」の意味しか無いというのです。
さらに、念のために旧版の PIV を見てみますと、parto〜e という副詞のかたちで副見出
しになっていて

Kiel ek〜o: (f) nur unu kiseton, parto〜e de nia edzigxo!

とあり、文末に z マークが付いています。
つまり、ザメンホフが使った用法なのですが、たしかにこれは「手付け」の意味だと思わ
れます。
Nova PIV も、このザメンホフの用法を踏襲しているわけです。

話をもとに戻しますが、どうやら『エスペラント日本語辞典』では、Nova PIV には書いて
なかった「分割払い(金)」の意味を付け加えたらしいのです。
まぁ、実際に使われているから付け加えたのでしょうか、しかし、先に述べたように「手付
け(金)」と「分割払い(金)」の両方を partopago という同一の表現で表わすというのは、
やはり問題だと思います。

ちなみに Peter Benson(編)『Comprehensive English-Esperanto Dictionary』の install-
ment(分割払い) の項には partopago が載っています。
つまり『日本語エスペラント辞典』と同じで、Nova PIV とは違っているというわけです。
また、この辞書の go Dutch(割り勘にする) のところには iri mempage と書いてありま
すが、この表現もやはり「自腹で支払う」という意味しかないと思います。

48松戸彩苑:2006/12/24(日) 12:59:27
>>47 の続き)

このように、いくつかの辞書を見てきたわけですが、ここまで来れば、これらの表現をも
っと明確に表わす方法はないだろうかと考えるわけです。
まずは「割り勘」ですが、いろいろと考えて思いついたのは egala pago という表現でした。
みんなで同額を支払うことなので egala を付けてみたわけです。

次に「分割払い」ですが、lau'grada pago あるいは grada pago というのはどうでしょうか。
po-parta(po-ioma、po-era) pago とか、「分割払い」を直訳した divid-pago なんてのも
考えたんですが、これらは「割り勘」と誤解される危険があるかもしれませんね。
---

次に「逆立ち」をエスペラントでどう言うかについて考えてみようと思います。

英語では handstand と言うらしいので、これを参考にして man-stari あるいは brak-
stari などと言えば良いと思われます。
さらに「逆立ちした状態で歩く」というのは man-pasxi、man-marsxi、man-iri (あるいは
man- の代わりに brak- としても良い)で表わすことが出来るでしょう。

このように考えていくと何でもないような気がしますが、しかし実際には man-star(ad)o
という表現が載っているのは(私が知るかぎりでは) Esperanta Bildvortaro くらいのも
のなのです(同書278−24)。

『エスペラント日本語辞典』の kapo の項にある surkape という副見出しのところには
「stari sur〜e 逆立ちしている」というのが載っています。
これはどうやら、ドイツ語の Kopfstehen、Kopfstand などの影響をうけたもののようです
が(英語にも headstand という表現がありますが)、しかし細かいことをいうと、頭を地面
につけるタイプの逆立ちならば良いでしょうが、頭をつけない場合にも surkape と言うの
はどうかなと思います。
もっとも「慣用句だ」と言われれば、それまでですが。

『日本語エスペラント辞典』を見ると

さかだち【逆立ち】 〜する starigxi kapmalsupren. 〔頭をつけて〕starigxi kappiede. 〜し
て歩く pasxi per manoj. (後略)

となっています。
「逆立ちして歩く」だけはすんなりと処理していますが、「逆立ち」のほうは、かなり難しい
表現をしています。
pasxi per manoj を参考にすれば starigxi per manoj という表現がつくれると思うのです
が、なぜかそうしていません。
---

このように、エスペラントを勉強していきますと、日常生活に関する用語の不足・混乱とい
うものが嫌でも目につくという事があるわけです。

一部の専門家しか知らないような単語は、無くても仕方がないと思いますが、いわゆる文
明社会の一般人なら誰でも知っているような事物を表わす単語・表現が無い(あるいは混
乱している)というのは、大問題だと思います。

もちろん、こういうものは、割合から言えば、ひじょうに小さいものですが、しかし「使ってる
うちに自然に決まる」と信じて、こういったものを放ったらかしにしておくのは良くないだろう
と思うのです。

(終わり)


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