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エスペラント改造論

201松戸彩苑:2007/12/07(金) 04:10:02
>>195-198
エスペラントの世界には、すでに(旧版の)『Duden 図解辞典』のエスペラント版というのが
あるんですよね。
エスペラント版の書名は Esperanta Bildvortaro と言うんですが、25000もの項目がある
んだそうです。

このエスペラント版の編纂には、25ヵ国の143人の方が協力したんだそうです。
このプロジェクトを発案・主宰したのは、ドイツ生まれでカナダに移住した R@diger Eichholz
(1922年〜2000年)という人で、この仕事を1964年に始めて、完成したのが24年後の
1988年でした。

で、私の感想ですが、たしかに大変な労作なんですが、しかし私の求めているものとはちょ
っと違うと考えています。

当然のことなんですが、こういう辞典では「絵に描けないもの」はまったく取り上げることが
出来ないんですよね。
抽象名詞や法律・制度、歴史的な事象といったものがそうですし、また病気の名前なんか
もそうですね。

また、ある名詞には、それとともに使われることの多い動詞・形容詞というのがあります。
いわゆる「コロケーション collocation」というもので、大型の辞書にはそういうものが載って
るわけですが、図解辞典では、そういったものを収録するわけにはいきません。

具体的に言えば、カメラというものがあって、これを構成するパーツがあるわけです。
こういったものは絵に描けるわけですが、しかし「カメラの操作の仕方」であるとか「写真を
撮るときのテクニック」といったことを表わす表現がいろいろとあるわけですが、こういった
ものは、当然まったく扱うことができないんですね。

また、動植物は絵に描くことはできますが、しかし、ものすごく種類が多いわけですから、
これをいちいち絵に描くというのは効率が悪いわけです。

それから『Duden 図解辞典』というのは、一般人はほとんど知らないような、かなり専門的
な分野を取り上げていたりするんですよね。
もっとも、シロウトが見ると「〜はこうやって作ってたのか!」と思うこともあるわけです。

想像するに、もともとこの辞書は、ドイツの一般人に、さまざまな分野の初歩的な(ドイツ語
の)専門用語を教えることが目的だったのでしょう。
しかし、そういう本ですから、「エスペラントの基礎的な語彙を提示する」というのには、ちょ
っと向いていなかったように思います。

ということで、かなり批判めいたことを書いてきましたが、しかし、このエスペラント版はきわ
めて大変な著作なんですね。
私が、エスペラントの語彙・表現の問題を考えるうえで、きわめて参考になった本です。

私としては、絵に描ける・描けないに関わらず、現代の文明社会に住んでいるふつうの成人
ならば誰でも知っている事物すべてを対象にしていきたいと考えております。

とは言うものの、そういうことをしようと考えている私にとっても、papageno さんが教えてくだ
さった図解辞典は、大いに参考になるのではないかと思われますね。
良い本を教えてくださってありがとうございました。


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