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エスペラント改造論

179松戸彩苑:2007/11/25(日) 10:10:41
エスペラントには ekspliki (説明する) という語根がありますが、この語根が提案される
以前には klar-igi (直訳すれば「明らかにする」)という合成語で「説明する」を表わしてい
ました。

一見するとこれで問題ないみたいですが、しかし「説明をしたが(相手にとっては)明らか
にはならなかった」という事もあるので、klarigi を「説明する」の意味で使うのは不適当だ、
という議論があったんですね。

つまり「説明」して「理解される = (相手にとって)明らかになる」というところまで行かない
と klarigi とは言えないだろう、だから「理解される = (相手にとって)明らかになる」かど
うか判らない時点での動作でしかない「説明する」を klarigi と表現するわけには行かない
んじゃないかって事なんですね。

だから「説明する」は ekspliki で表わそう、と提案した人がいたわけです。

で、こういうことに敏感で、新語根に抵抗のない人たちは ekspliki を使い、新語根に抵抗
がある人たちは klarigi を使うという事になってるわけです。
---

「ふーん」って感じですけど、じつは、同じような問題をかかえた表現は、ほかにもたくさん
あるんですね。

たとえば「(洗濯物などを)干す」というのをエスペラントでどう表わすのかを調べてみます
と sek-igi が出てきます。
しかし「干したけれども乾かなかった」という事もありますので、これではマズイんですね。

これも klarigi とまったく同じタイプの問題だということがお判りになると思います。

それから「釣りをする」を調べてみますと fiŝkapti とか fiŝhoki などという表現が出てきま
すが、これも実際に釣れたときのことを表わす表現であって「釣りをしたが、一匹も釣れな
かった」という場合には不適当なわけですね。

さらに「ダイエットする(痩せるための努力をする)」を svelt-igo としてしまうと「ダイエットを
したが痩せなかった」というのを表現できなくなるわけです。
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これらはみんな、まったく同じ問題であるということが判っていただけたと思います。
で、これを解決する方法として、いくつかのやりかたが考えられます。

(1) ekspliki のように、新しい語根を導入して解決するというもの。
    すでに「釣りをする」に当たる新語として peski というのを使う人がいます。
    (もっともこの語根はNPIVにも『neologisma glosaro』にも『Nepivaj vortoj』にも収録さ
    れていませんが)

    とは言うものの、同じタイプの問題がこれだけあるのですから、一つ一つに新語根を
    与えるというのは、かなり不経済な感じがします。

(2) ということで「接辞」を使って表わすということを考えるわけですね。
    いちばん簡単なのは -um をつけて表わすというやりかたです。
    すでに -um を使った別の表現がある場合にはダメなんですが、そうでなければ問題
    ないわけですね。

    -um 以外の接辞で表わすことも考えましたが、これはなかなか良いものが思い浮か
    びません。

(3) もうこうなったら、こういう問題を一律に解決するために「新しい接辞」を導入しても良い
    んじゃないか、などと考えたりもしてみました。

    とは言っても、具体的な案(語形)があるというわけではないんですが。

みなさんにも、この問題について、ぜひとも考えていただきたいと思います。


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