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エスペラント改造論
145
:
松戸彩苑
:2007/06/17(日) 11:07:00
最近エスペラント界では「digxita と cifereca のどちらにすべきか」なんてことが問題にな
ってるらしいですが、私に言わせれば、こんなものは問題でも何でもありません。
両方使えば良いじゃないですか。
考えてみれば、エスペラントには「大学の講師」を表わす表現が3つあります。
docento と lektoro と lekciisto です。
docento と lektoro はザメンホフが使ったものらしいんですが、今では docento のほうが
rekomendi されていて、NPIVの lektoro の項には (ark.) と書いてあります。
で、lekciisto ですが、これはおそらく英語の lecturer の直訳だと思われます。
NPIVなどでは lekcio が主見出しになっていて、副見出し語として 〜i が収録されている
だけで、lekciisto という語は載っておりません。
しかし現実には、たまに見かけるんですよね。
また「ブドウ」はふつう vinbero と言いますが、uvo とか vito などという語根もあります。
もっとも厳密に言いますと、uvo は vinbero(ブドウの実)で、vito は vinberujo(ブドウの木)
のことらしいです。
まぁ現実には uvo や vito という語根はほとんど使われていないんですけど、それにして
も、ブドウを表わす表現がどうしてこうたくさんあるのか、不思議に思います。
このように「ひとつの物事に対して複数の言い方がある」などということは、エスペラントで
は珍しくもなんとも無いんですね。
で、digxita と cifereca ですが、digxita は「西欧でほぼ共通の言い方」である digital に由
来しているわけです。
Wiki などで調べましたところ、英・独・西・葡・伊・蘭・スウェーデン・フィンランド・ハンガリー・
チェコ・セルビア語などで digital に由来する単語を使っているらしいですね。
ただしフランス語では、digital がもともと「指に関する」という意味で使われていた(たとえば
「指紋」のことを empreinte digitale)せいか、デジタルのことは numérique というらしいで
す。
また欧米語だけではなく、日本語・韓国語・インドネシア語・トルコ語などでも digital に由来
する語をそのまま使っています。
そして、もう一方の cifereca は「エスペラントの既存の語根を利用して作られた合成語」な
わけです。
フランス語の例はすでに見ましたが、ロシア語ではдигитальный(digital'nyj)という語と
цифровой(cifrovoj)という語の両方が使われてるみたいですから、エスペラントでも2種
類あって構わないように思います。
かつて「コンピューター」をどう表わすかということが問題になったときは、よく使われるもの
だけで3種類あり、そのほかの言い方もあったという状態でしたので、これはたしかに問題
だったと言えるでしょうけど、「デジタル」に関しては、西欧的な言い方が1つと、固有語の合
成による言い方が1つあるだけなのですから、べつに問題では無いと思いますね。
むしろ問題なのは、「デジタル」を表わす表現が複数あることには過剰に反応するのに、「大
学の講師」とか「ブドウ」といった表現が複数あることは問題視しない、という点だと私は思う
んですね。
要するにこれは、学術や文学に関するものには興味を示すが、日常生活に関するものには
興味を示さないという、エスペラント界にありがちな(あるいは、インテリにありがちな)選り好
みのようにしか見えないのです。
このように、日常生活に関する語彙・表現の不足・混乱にはまったく気づかす(あるいは、た
とえ気づいても、まったく関心を示さず)、デジタルのような、どうでもいい事だけが問題に思
えてしまうようでは、エスペラントの将来は暗いと言わざるを得ません。
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