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YOU、恥ずかしがってないで小説投下しちゃいなYO!2

52ファンタ ◆jz1amSfyfg:2010/04/23(金) 18:09:55 ID:Lg5vGo6g
この時間だと、青山君は山吹君と投げ込みしているはず。
正直、投げ込みの練習では何か手伝いできるとはあんまり思えないんだけど、坂本先輩の言った事なので、口からの出まかせとは思えない。
ま、行ってみればわかるよね。
と、言う訳でビニールハウスで作られた簡易ブルペンの前に着いた。
いつもならここで練習しているはず。
ビニールハウスの扉を開くと、予想通りに投げ込みをしている二人……そして、予想外な事に、キャッチャーの斜め前方、わかりやすく言うならバッターボックスの位置にバットを構えて立っている者がいた。
ビニールハウスの中にいた三人……青空翔太君、山吹陽助君、川村龍一君、は一斉にわたしの方を向いた。
多分、誰が入ってきたのかと思って見たのだろう。頭の中ではそう理解できるのだけど、実際に一斉に見られると、不可視の圧力みたいなのを感じて、軽くのけ反りそうになる。
しかし、今はのけ反っている場合ではない。のけ反るよりも練習の手伝いという大切な事がある。

「えっと、坂本先輩に言われたんです。青山君達の練習で人手が足りないって」

ここに来た理由を簡潔に述べると、バッターボックスにいた川村君が構えていたバットを下ろす。

「……それなら、俺の役目は終わりだな…………」
「役目? 役目ってなんですか?」
「少しでも実戦に近い雰囲気で練習したかったから、仮想敵バッターとして、龍一にバッターボックスに立ってもらったんだ。ただし、バットは振らずに立ってるだけでな」

川村君の台詞の疑問に、青山君が答えた。

「そもそも、ここでボール打とうものなら、ビニールに穴空いちまうな。龍一のパワーなら尚更だ」

山吹君の言葉に、わたしは心の中で頷いた。
川村君は、入部当時からずば抜けたパワーの持ち主だった。飛ばす事に関しては多分部内一だろう。
その反面、バットコントロールがイマイチで、ボールに当たる事は十球中、一、二球がやっとといったところだ。

「……マシン打撃してくる」

川村君は、山吹君の台詞にも表情一つ変えず、バットを持ったままビニールハウスから退出した。今言った通り、バッティングマシンで練習しにいくのだろう。

「じゃあ、早速だけどバット持って打席に入ってくれ」
「はい」

近くに立てかけてあったバットを手に取り、川村君がいた場所と同じ位置に立つ。


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