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YOU、恥ずかしがってないで小説投下しちゃいなYO!2

217こっぺぱん:2013/02/08(金) 23:58:43 ID:bNtL74f2
新生半陰陽編はこれで終わりです〜


−−−迷う指先の辿る軌跡−−− ⅩⅩⅥ :新しい性別8:下

「先生、コウの扱いが男子の理由を説明してください」
 ミノリは、自分はわかっていたがあえてそう言った。先生も、それを承知の上で続けた。ちなみにミノリは後から先生に、助け船ありがとうと感謝された。
「あー、まぁなんというかな、コウのケースはちょっと希でな、男性器も女性器もあるんだ。だからまぁ、一応男性器のある者を女子のグループにいれるわけにはいかんのだ」
 これにはさすがにクラスがざわめき始めた。が、次に言ったミノリの言葉で、クラスは別に意味で騒がしくなった。
「ちょっと……それって………夢のふたなりじゃん!」
 ミノリが大げさにそう言って驚いたことで、クラスの中の張り詰めた空気が崩れた。
「すげぇ! ふたなりとかマジすげー! 羨ましすぎるじゃねぇか!」
 そう言ったのは、ワタルだった。
 その言葉を皮切りに、男子達の間で「たしかに……」「男の夢じゃねーか……」などと言う言葉がちらほら聞こえ始めた。それを見てミノリはホッと息を吐き、ワタルを見た。ワタルは複雑そうな笑顔を浮かべていたが、どこか吹っ切れたような印象もあった。

 こうして見事に、コースケはゲイだったという事実のインパクトを、コースケはふたなりになったという事実の方のインパクトで上書きしたのである。

 そして放課後、詳しい話を聞こうと集まってきたクラスのメンバーの間にサナエが入ってきて言った。
「ねぇねぇ、コーちゃん顔色よくないけど、まだ調子悪いんじゃないの?」
 質問責めにされているコウに助け船を出したのである。
「うん、ちょっとまだ本調子じゃないみたい」
 コウは苦笑いしながらそう言った。確かに顔色はあまりよくない。
「体が変わるときにすごい負担がかかる場合もあるんだってね、コーちゃんはそうだったんでしょ?」
「たぶん、ね。おかげですごい痩せちゃって」
 確かにコウの体は健康と言えないくらいには痩せていた。
「お話はまた今度聞かせてもらおうよ、ね、みんな」
 サナエがそう言うと、皆はコウの体を心配しながらそれぞれに散っていった。
 そしていつも通りのメンバーで、いつも通りの道を歩く。ついに男子生徒の制服が一人になってしまった。
「いやしかし、ナイスだったね今日のワタルは」
 まだ暑いアスファルトの上を歩きながらミノリがそう言った。
「っていうか、マジでミノリすげーな。オレはのっかっただけで、おまえがすげーよ。神かと思ったぜ」
「いやいや、生まれたときから神なんで」
「謙遜しねーのかよ!」
 ミノリとワタルのこんなやりとりを見て、コウは本当に本当に良い友達を持ったと思った。そう思っていたら、自然に涙が流れていた。
「二人とも、ありがとう。本当に感謝してる。二人が困ったときは私が全力で助けるから」
 涙を流しながら笑顔でそういうコウの顔は、とても魅力的な中性の美しさで彩られていた。


 −続く−


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