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YOU、恥ずかしがってないで小説投下しちゃいなYO!2

206こっぺぱん:2011/07/02(土) 02:19:09 ID:UY0I91M.
−−−迷う指先の辿る軌跡−−− ⅩⅩⅡ :新しい性別4:


 飲み物を持ってリビングに行き、どう説明しようか困り果てたミノリが結局率直に皆に説明すると、案の定みんなポカーンとしていた。
「でまぁ、コースケは両性具有になった、と……」
 一番度肝を抜かれたのはおそらくワタルだろう。なんせ小学生の頃からつるんでいた親友だったのだから。
「声帯がイマイチ安定してなくて、かすれ声しかでないから説明もあんまり上手くできないんだって」
「前例はあるの?」
 ケイコの質問はミノリも気になっていたことだった。
 女性化に関しては掃いて捨てるほど前例があるので、多少の個人差はあれど、どれくらいの期間でどういう変化が起こるかは膨大なデータを元に予測できる。
 だがコースケの様な例を、皆は見たことも聞いたコトもなかった。
「ある」
 カスれた声でコースケがそう答える。
「すまん、声がこんなんでうまく説明できない。これを読んでくれ」
 そう言ってコースケはある冊子をミノリに渡した。その表紙にはこう書かれていた。

『新生半陰陽』

 コースケの様な存在を、新生半陰陽とカテゴライズするらしい。
「男性と女性、両方の性的特徴を持ちながら睾丸、子宮は存在せず、子孫を残すことは不可能……また、変化は男性の女性化よりも緩やかで、苦痛を伴う場合もある」
 ミノリはページをめくった。
「加えて、変化の過程で臓器ないし変化が著しい部位に欠損が生じる場合もある。時間をかけてのリハビリや、場合によっては手術などの処置も必要となる……」
 ミノリがコースケの方を見ると、彼……というか彼女というか、コースケは苦笑した。
「声はちょっと形成が遅れてるだけで失うことはないってさ。手術もしてないけど、成長痛のかなり強いのみたいのが不定期に来るから学校には行けなかった」
「ねぇ、原因っていうか、そのなんだっけ、新生半陰陽ってやつになる要因ってのはあったの?」
 サナエの質問にコースケは困った顔をして答えなかった。
 答えられないのか、答えたくないのか、それは誰にもわからなかったが。
「まぁいろいろ聞くならとにかく体が落ち着いてからの方がいいよね」
 ミノリはそう言って冊子を閉じ、コースケに返した。コースケは、すまん、と言ってそれを受け取った。


「………オレ、どう接したらいいんだろう」
 帰り道、ワタルがそう呟いた。
 そう思うのも無理はない。ミノリのときとはまた事情が違うのだ。サナエもいつになくおとなしく、複雑な表情をしている。
「今まで通りに接っすればいいと思うけどね、あたしは」
 ケイコはそう言いながらミノリの方を見た。意見を求めているようだ。
「今決めなくていいと思う。私がミノルからミノリになっても変わらない部分があるように、コースケも変わらない部分はあるハズ」
 つまるところ、悩めということだ。
 ここで悩めない程度なら、その程度の友情ということだろう。
「ただまぁ、なんか困ったら頼るのが友達だからね、私らはコースケもサポートするけど、ワタルもサポートするよ」
 ミノリはそう言って、その日を締めくくった。


 −続く−


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