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YOU、恥ずかしがってないで小説投下しちゃいなYO!2

110ファンタ ◆jz1amSfyfg:2010/09/28(火) 15:15:26 ID:YZYDeeig
生憎だが、俺の精神はまだ男だ。この程度の痛みには屈しない。
だが、掴まれている場所がまずい。
右腕、もっと細かく言うと右手首である。
右利きで左打ちの俺にとって、右手首の怪我は攻守ともに痛手を負う事になる。
特にキャッチャーにとっては、送球に支障が出るのが痛い。
俺は、ただでさえ弱肩なのにさらに送球に難が増える事になってしまったら……ヒットが全て二塁打、場合によって三塁打なんて事になる。
それはまずい。

「あのっ、離してください!」

痛みを感じた事を隠さず表情に出しながら、男子生徒の手を振り払おうと右腕を振り回す。が、ガッチリと掴まれて振りほどけない。
男子生徒の顔を見ると、俺を見下したような下卑た笑顔を浮かべていた。所詮、女子と侮っているのだろうか。
その顔を見た瞬間、怒りが沸いて空いていた左手を固く握りしめた。
我慢の限界だ、ぶん殴る。
他校で騒ぎを、それも暴力沙汰を起こしたくはなかったが、ここまでくれば正当防衛だろう。
そのニヤけた面をぶっとばしてやる!
怒りに任せて拳を突き出そうとした瞬間、横から別の手が伸び、俺の手首を掴んでいた男子の腕を掴んだ。

「えっ?」

男子の腕を掴んだのは、もう一人の男子ではなくユニホーム姿の女子だった。
その女子は、暗い茶髪の隙間から冷たい視線を、腕を掴んでいる男子に向けた。

「二人とも、練習に来ないと思ったらこんなところでサボって、おまけに他校の女子とは……結構なご身分ですわね」

視線同様に冷ややかな言葉をぶつけられた男子達は、逃げるように去っていった。

「大丈夫でした?」

呆然と、茶髪の女子と男子達の様子を見ていた俺は、女子からかけられた言葉で我に返った。

「あ、は、はいっ」
「手首掴まれてたようですけど、痛みませんの?」
「はい、なんとか……」

助けてくれたし、とりあえず悪い人ではなさそうだ。
ちゃんとお礼を言わないと。

「あの、危ないところを助けていただいてありがとうございました、えっと……名前は」
「春風 遥ですわ」
「ありがとうございました、春風さん」


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