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YOU、恥ずかしがってないで小説投下しちゃいなYO!
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「落ち着いたかい?」
「……最初っから落ち着いてますよーだ」
「そうだったな。じゃあ、行くかい?」
しばしの静寂の後に―――私は頷いた。
私の手荷物が入った小型のスーツケースを抱えた神代先生の後を追うように、階段を一歩一歩……踏み締めるように、噛みしめるように、降りていく。もう、登ることはないだろう傾斜のキツい階段を。
出口が見えてきた―――
「僕を恨んでいるかい?」
―――と、同時に掛けられる声。
ホント、先生ってば空気読みませんよね。天然なのか敢えてなのかはこの際置いといて。
「本気で恨んでるなら刺し違える覚悟で包丁握ってるか、"陵辱されたー"って世間に言い触らしてますよ?」
「命の抹殺か社会的抹殺かの二者択一か……それは恐ろしい」
「あははっ、こーんな可愛い子だったらみんな信じてくれますし?」
「否定はしないが、自分で言うと価値が下がると思うが」
「くすっ、そんなコト、本気で思ってるなら恋愛で二連敗なんて喫しませんよーだ」
『恨んでないか』と問われたら、首を縦にも横にも触れない私が居て、笑って誤魔化すしか出来なかった。
……気持ちの整理をつけるには、まだまだ時間が必要なのかもね。うん。そういうお年頃だもん。
―――外に出たら、空っ風と照りつける太陽が私達を出迎えてくれた。
水気を失った落葉が、どこか知らない場所へと消えていく様を、どことなく自分に重ね合わせてしまう。
「さぁ、乗って。あまり時間に余裕がない」
そう手招きする神代先生の横には、意外にも銀色の小さな国産車が停車していた。
これ、先生の私用車……なのかな? それにしてはちょっと安いような気もしなくもない。
「僕が自分の給料で初めて買った愛車だよ。可愛らしいだろう?」
確かに、可愛らしい。
……訊いてもいないのに、その小さな車を得意気に自慢してくる先生が。
意外とこの人って可愛らしい人なのかも。
「じゃ、その可愛らしい車で―――今度こそ……エスコートをお願いしますねっ」
乗り込んだ助手席の車窓から、少し背の低いマンションを見上げる。
その上には、私の新しい門出を祝うみたいに、澄み切った高い高い空が広がっていた。
自分勝手で自己満足に、どこまでも透き通る青。私はそれを黙って睨みつけることしか出来なかった。
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