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YOU、恥ずかしがってないで小説投下しちゃいなYO!

211コゲ丸 ◆CI4mK6Hv9k:2007/09/16(日) 20:46:35 ID:PSAR/bws
赤や黄の果物をかじりながら進むと、森の出口が見えた。
俺が【お爺さん】と勝手に呼んでいる枯れかけた目印である樹は、前と変わらずそこにあった。

森を抜けた先は菜の花に似た花の咲く丘だ。
一面に広がる背の低い花達は、年中風に揺られて蜂や蝶と共存していた。
この丘の端……大きな岩が突き出た場所に俺の父さんと母さんが眠っている。

「よ……っと。葉月、花取って来てくれ。なるたけ綺麗なの」

葉月を降ろした俺は葉月にそう頼んで、岩へと向かった。
葉月は髪を揺らしながら、花畑を走り回っている。

岩は髭のような草に囲まれていた。
花が生い茂り、草木は豊かにその葉枝を揺らす。
そんな自然の中で唯一人の造り出した鉄の板のようなもの。
不自然な、昔の俺に造ることが出来たやっとの墓標。
文字の部分は錆びてしまっているが、【お父さん お母さん】と書いてあるのは読み取れた。

ここに来るのはいつぶりだろうか。
辛いことばかりでろくに訪れる事も出来なかった。
いや、ここに来る事自体、辛いことだったのだ。
冷たい、動かない、もう笑わない両親を思い出すから。
思い出の中の両親はいつも笑ってて、俺の名前を呼んで、優しくて、温かくて……




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