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【コピペ】政治経済スレ【専用】

122時事専修:2010/12/27(月) 19:24:13

■米国の競争力分析から得る示唆

 2004年、「パルサミーノ・レポート」と呼ばれる米国の新しい競争力強化を提言した報告書が出された。
この報告書は「イノベーションこそが経済成長の原動力となる。イノベーションによる経済成長を実現するためにも、
我々の現状と将来を理解し、戦略を立てることが必要である。」と指摘している。
レポートの実行計画は人材、投資資金、インフラの3大項目から構成され、37の提言から成っている。

   (1)人材養成・確保に関して
      ① 多様な創造力のある高度な技術知識を有し訓練を積んだ人材を輩出する国家イノベーション教育戦略の策定 
      ② 次世代イノベーターの養成教育の強化
      ③ グローバル経済で競争力のある労働者養成の教育

   (2)イノベーションのための投資―イノベーションのための投資促進と資金調達の強化策
      ① 先端的で境界領域的研究の再活性化
      ② 起業家経済の活性化
      ③ リスク許容と長期的展望を持った投資活動の増強

   (3)インフラ整備
      ① 国全体としてイノベーションによる成長戦略への合意形成
      ② 21世紀型の知的財産制度の創設
      ③ 米国の「モノ作り能力」の強化
      ④ 21世紀型のイノベーションインフラの整備―ヘルスケア分野でのモデル事業の実施

 2000年以前のこの種のレポートでは、主に日本との競争力比較を行っていたが、
「パルミサーノ・レポート」ではインド、韓国、中国などの新興国を比較対象としている。
新興国は単に安い労働力を利用した国際競争力を持つだけではなく、
科学技術に関する教育にも力を入れることによって、イノベーションに向けた国家戦略を
実行していると、同レポートは分析している。

 現在、日本政府が掲げる成長戦略は上記の内容を研究して作られているが、実行が徹底されず、
中途半端に終わりそうなことが問題である。国の長期ビジョンが選挙対策という名目で迷走することは不幸である。
競争力がある分野の強化と、生産性を向上させることの重要性が再認識されるべきである。
生産性が低い分野への資源配分を続けると、国全体が世界で埋没する道をたどるしかなくなる。



尾崎弘之 東京工科大学大学院ビジネススクール教授

東京大学法学部卒、ニューヨーク大学MBA、早稲田大学博士。
野村證券NY現地法人、モルガン・スタンレー証券バイス・プレジデント、
ゴールドマン・ サックス投信執行役員を歴任後、ベンチャービジネスに転身。
2005年から現職。専門分野は環境ビジネス、金融市場論、ベンチャー企業経営論など。
主な著 書は「出世力」(集英社インターナショナル)、
「次世代環境ビジネス」「投資銀行は本当に死んだのか」(いずれも日本経済新聞出版)。
http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/images/ozaki_300.jpg15/3255391-1-jpn-JP/ozaki_300.jpg_image_Col3wide.jpg

WSJ日本版  2010年12月27日
http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_164259


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