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手形小切手法 その2

410なんぽさん:2006/01/22(日) 21:52:08
【問二】
AはBから金銭を借り入れ、その借入金額の返済期日を満期とし、借入金を手形金額とする約束手形を振り出し、受取人Bに交付した。Bはこの手形を割引のため、Cに裏書譲渡した。この手形上の権利が時効により消滅した後、Cは誰に対してどのような請求をできるか。

解答
 CのAに対する手形債権が時効消滅すると、Bに対する手形上の権利も2次的な権利である以上消滅し、CはBに対して遡求できない。
 また、BC間の割引のための裏書は手形の売買と解されるので、Cが原因関係上の権利を行使できることもないと思われる。
 では利得償還請求権(手形法85条)をAまたはBに対して行使することができるのであろうか。
利得償還請求権の成立要件としては、
①手形上の権利が有効に存在していた。
②手形上の権利が「手続ノ欠 又ハ時効二因リテ消滅」したこと。
③請求の相手方である手形債務者に利得が存在すること。
である。
 本問では、Cが取得した手形上の権利は有効に存在していたのであり、その権利が時効消滅しているので、①と②の用件はみたされている。
 このうち、Bに対する手形債権が消滅した場合には、Bの「利得」の有無が問題となるが、BはAに提供した対価をCへの手形割引により回収しているので、損失も利益もなく、③の利得が認められない。したがって、CのBに対する利得償還請求権は認められない。
 しかし、Bに対する手形債権が消滅した場合には、Bに「利得」があると考えられる。
 すなわち、BがAに対する原因債権を持っていても、既にBはCに手形を譲渡してAに提供した対価を回収しているので、BのAに対する原因債権の行使を認めるべきでなく、その結果、Aに「利得」が存在することになる。
 したがって、Aは③の要件を具備しているのでCはAに対して利得償還請求できると解される。


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