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この本ってどうよ?!   (旧:参考文献スレッド)

1仁雛:2005/10/03(月) 13:22:36
『晋書』をはじめとした魏晋南北朝の史書を読む時に、参考になる本・論文・工具書などなどを語るスレッドです。



新刊・休刊・日本書・中国書とわず、いろいろな人のカキコミを歓迎します。

随時、表コンテンツの「関連書籍」に反映していけたらと思ってますのでよろしくお願いします!

84中根:2006/03/05(日) 20:40:22
>NAGAICHIさん
王羲之は、古い本ですが『人物中国の歴史6長安の春秋』(集英社)に
宮川寅雄さんの「王羲之と顧緂之」が収録されてます。

今読んで居ます。全体として非常に誠実に書かれており、ゆるみのない
文章ですね。史料をかなり紹介して、考証を行って居ます。一般向けの
本としては相当高い水準ではないかと思います。晋書王羲之伝・
世説新語にしても「おおかたは逸話や伝承のたぐいで埋められ
ており、枝葉なことがらを洗いおとしてゆくと、家譜や歴任の官職の大まかな
推移になってしまう」と、非常に厳しい態度で見て居ます。
これは本当に宮川先生のおっしゃる通りだと思います。
(逸話伝承の類を削ると家譜と官職推移のみになっちゃう傾向が有るのは、
晋書全般にいえることなんですけどね。)

このシリーズでは、他に第5巻でゲンセキ・ケイコウを富士正晴氏、
6巻で陶淵明を興膳宏氏、唐の太宗を谷川道雄氏が執筆しています。
どれも相当レベルが高いですね。複数の史料を網羅しているので
史料案内としても中々です。

もっとも、このシリーズも当たりとはずれが大きいです。三国志演義の
丸写しをしている部分も有りますから。全部の巻がいいというわけでも
ないのですが、とりあえず6巻「長安の春秋」はいいです。

85巫俊(ふしゅん):2006/03/05(日) 22:47:36
>中根さん
>逸話伝承の類を削ると家譜と官職推移のみになっちゃう傾向が有るのは、
>晋書全般にいえることなんですけどね

骨付き肉の肉の部分をゲシゲシ削った鶏の足のようなものでしょうか。
フライドチキンにするには見劣りしても、コツコツ骨を煮こんでダシを取る分には..
『史記』にしても、『遼史』や『金史』にしても。
そうすると、『三国志』(注付きで)は人物伝として異彩を放っていますよね。
おそらく『三国志』だけじゃなくて魏晋時代の家書・人物伝の盛行が関係してるということでしょうか。
『晋書』って人物伝としてはどうなんでしょう?
(史書には人物伝以上の役割が求められる傾向にありますから。とくに現行の『晋書』が成立した唐代に?
中世中国のことは初心者なのですので、適当なこと言ってるのかもしれませんけど。

86巫俊(ふしゅん):2006/03/05(日) 22:50:33
三国志の裴注は「魏晋時代」じゃないですね^^
その直後の時代なんですが。

87菅原:2006/03/10(金) 20:29:33
>>85巫俊(ふしゅん)さん
『晋書』の人物伝も逸話や伝承のたぐいが多い印象を受けますが、まだ全体を見通したわけではないので、あくまで途中経過の印象です。
それから文章は簡明な『三国志』よりもはるかに難解な印象を受けますね。

88巫俊(ふしゅん):2006/03/13(月) 20:36:52
>>87 菅原さん
そういえば列伝の目次を見ると、それ以前の正史より列伝の数がはるかに増えてるような気がします。
『明史』あたりは列伝を開ける気がしなくなるくらい立伝されてたような。

それと漢文スレッドに投稿しそうになったんですが、内容的にこっちのスレッドで♪

久しぶりにまともな晋書のお話をしてるような気がしますね〜私。
「まとも」かどうかはなお不透明ですが、私って三国志から中国史に入門したはずなのに、
三国志の直下の時代なはずの晋代の知識が脆弱なんですよね。
稀に中国史の研究書の目次を開いたら、目次に五胡の諸民族の名前が全員整列していたりしまして、
中国史は五胡に基礎がある!!みたいに言い切ってしまいそうな素敵な本を渇望してしまいます。
何ぞいい本はございませんでしょうか?
私的には、昭和堂の2005年の『中国の歴史【上】』と、
『五胡十六国』でカバーしようかなということころです。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4812204283/250-6100998-7815439
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4497202011/250-6100998-7815439

89巫俊(ふしゅん):2006/03/17(金) 00:53:58
>稀に中国史の研究書の目次を開いたら、目次に五胡の諸民族の名前が全員整列していたりしまして、
その稀な本というのがやっぱり谷川道雄『増補隋唐帝国形成史論』でした。
目次の見てくれもいい上に内容も期待されそうですが、
読む側の姿勢ひとつで内容が七色に変化してしまいそうな書物と受け取りました。

90仁雛:2006/03/22(水) 02:09:41
>>89

> 読む側の姿勢ひとつで内容が七色に変化してしまいそうな書物と受け取りました。

一言だけレスをするなら、いわゆる「谷川史学」を多少知っておかないと『隋唐帝国形成史論』所収の文章・論文で筆者の言おうとしていることをあまり深くは理解できないでしょう。
それと、北朝〜隋唐への歴史学の研究史もおさえておかないと、ただ著書を読んだだけでは、深い理解に至らないと思います。
その意味では、巫俊(ふしゅん)さんの言われるとおり「読む側の姿勢ひとつで内容が七色」に(も?)変化してしまうでしょうね。

>>88

昭和堂の2005年の『中国の歴史【上】』は未見ですが、五胡時代の歴史などを知りたいのであれば、山川出版社の『中国史』をお勧めします

91仁雛:2006/04/08(土) 17:44:08
福井重雅:編『中国古代の歴史家たち―司馬遷・班固・范嘩・陳寿の列伝訳注』早稲田大学出版部、6300円、2006年3月

神保町で現物を見て知りました。
司馬遷、班固、范曄、陳寿の列伝原文、書き下し文、語釈、通釈、現代語訳を収録しています。
陳寿は当然『晋書』陳寿伝ですが、参考に『華陽国志』の伝も訳されていました。早稲田大、福井ゼミなどで読まれてきて、雑誌『史滴』などで掲載されてきたものの総合再録版かと思います。

92NAGAICHI Naoto:2006/04/09(日) 16:59:46
羅新・葉煒『新出魏晋南北朝墓志疏証』(中華書局)を買ったので、晋と五胡関係の墓誌を並べときます。
司馬馗妻王氏墓志(司馬懿の弟司馬馗の妻)
趙氾墓志(晋故宣威将軍)
劉宝墓志(侍中・使持節・安北大将軍〜)
孟□妻趙令芝墓志(中尚方散都尉孟□の妻)
李廆墓志(燕国薊の人、永昌三年の年号)
温嶠墓志(『晋書』巻67)
王康之墓志(琅邪王氏)
高粔及妻謝氏墓志(『晋書』巻71)
護国定遠侯墓志(建元二年没、十六国漢の人か?前秦の人か?)
王企之墓志(晋故前丹陽令・騎都尉、琅邪王氏)
王建之妻劉媚子墓志(南陽劉氏)
王建之墓志(晋故振武将軍・鄱陽太守、琅邪王氏)
李緝等五人墓志(李緝、李繤妻武氏、李繤、李繤妻何氏、李摹)
王康之妻何法登墓志(廬江何氏)
呂他墓志(呂光の弟、秦故幽州刺史)
謝温墓志(陽夏謝氏)
田焸墓志(大夏二年〜)
謝珫墓志(陽夏謝氏)
劉庚墓志及劉頵妻徐氏墓志(彭城呂県の人)
宋乞墓志(陳郡陽夏〜丹陽建康)

93仁雛:2006/04/10(月) 22:54:55
>>92 NAGAICHIさん

情報ありがとうございます。墓誌名に加えられた解説がGOODです。晋書に立伝されてる人もいますね。買っただけで積ん読になってました^^;
この本、なかなかすぐれた本ですよね。収録原則がきちんと記されているし、新出のものを網羅してくれてますから。「王康之墓志」の王氏の系譜や温嶠墓志の解説などなるほどと思うことばかり。

94NAGAICHI Naoto:2006/04/14(金) 22:30:31
>>93
いい本ですよ。解説がしっかりしてますし、廉価のわりにおいしい資料集だと思いました。
北朝が多いってのと、女性もけっこういるってのも個人的にうれしいんですけど。
琅邪王氏の系譜や陳郡謝氏の系譜も、名族どうしの婚姻関係がよく分かるつくりですね。

95えちぜん:2006/04/30(日) 23:30:32
今日、こんな本を見つけました。

張鵬一 編著 徐清廉 校補『晋令輯存』(三秦出版社)

『晋書』の職官志や輿服志、その他史書・類書に散在している賈充らが作った『晋令』の断片を集めたもののようです。

96名無晋書さん:2006/06/06(火) 15:20:02
はじめまして。
嵆康の「贈秀才入軍」について
調べています。
この詩が書かれた頃の時代背景など
教えていただけませんでしょうか?
よろしくお願いします。

97えちぜん:2006/06/07(水) 23:46:16
嵆康の「贈秀才入軍」が書かれた頃の時代背景など。。。ということで、私はうまく説明できませんので、そのようなことが書いてありそうな本を私が持っているものの中からいくつか挙げます。ちょっと探せばすぐ手に入るものだと思います。

陳舜臣『中国の歴史(三)』講談社文庫
駒田信二『人物中国の歴史5 三国志の世界』集英社文庫
井波律子『中国の隠者』文春新書
吉川幸次郎『阮籍の「詠懐詩」について』岩波文庫
川勝義雄『魏晋南北朝』講談社学術文庫
堀敏一『中国通史』講談社学術文庫

専門的なものは分かりません。どなたかフォローお願いします。

「贈秀才入軍」は文選所収ですね。5首だけですけど。全部で18首あるようですね。
どうして、嵆康の「贈秀才入軍」に興味を持たれたのか、教えていただけるとありがたいです。

98NAGAICHI Naoto:2006/06/12(月) 21:38:01
>>96
はじめまして。
時代背景…といいましても、質問が漠然としすぎていますので、もう少し質問の焦点をしぼっていただければ答えやすいかと思います。
#x5d46;康は竹林七賢のひとりですし、「贈秀才入軍」にも荘子の引用がみられるように、老荘思想や清談が流行した時代と答えれば、教科書的回答になるかもしれませんが。
どの程度の回答を期待されているのかも、答える側にわかりませんので、もう少し具体的にお願いします。

99中根:2006/07/23(日) 20:31:07
久しぶりに投稿します。変り種二つ。

蔡志忠『マンガ菜根譚・世説新語の思想』講談社α文庫
ナ、ナント、世説新語のマンガです。(なぜか菜根譚と同梱されている)
絵が植田まさしっぽいです。
内容は世説をなぞっているだけで余り工夫がないのですが、
私としては晋書の内容がマンガになっているだけで嬉しいです。
三国志マンガは腐るほどあるけど、晋書のマンガは実はこれ以外に
ないんだよなあ。
同じ蔡志忠で「マンガ聊斎志異」(平河出版社)もあるのですが、
蔡さんは六朝が好きなのか、この本も後半部分は六朝志怪で、
「南陽宋定伯」「阮セン無鬼論」などの渋い話が載ってます。
こっちは話に工夫があって面白いけど、マンガ世説はなぁ…

NHK囲碁講座に「囲碁と女流」という連載マンガがあるのですが、
そこになんと晋の恵帝の皇后羊献容と符堅の話が先月今月と掲載されて
いました…でもこれ、陳舜臣の小説十八史略そのまんまですね。

晋書のマンガはどれもこれも微妙ですね。
故横山光輝氏、王欣太氏のような力のある漫画家が渾身の力を
こめて描いているような名作が無いのは、大変残念なことだと思います。

100仁雛:2006/07/24(月) 01:41:39
中根さん、お久しぶりです。

蔡志忠さんの漫画は以前中国に留学した際に全部揃えました(笑)。
六朝志怪も単行で出されていたので、翻訳の方は聊斎志異との抱き合わせかもしれません。僕は蔡志忠さんの『六祖壇経』で禅にはまりました^^;

晋書のマンガはなかなか微妙ですか。。。翻訳が出れば少しは出てくるかなぁ、なんて思ったり。

101七誌:2006/08/26(土) 13:07:58
『図説中国文明史』シリーズは中国本を読んだ方がいい

102名無晋書さん:2006/08/30(水) 16:52:01
>>101 七誌さんへ

中国語版のことでしょうか? いくらくらいするのでしょうかね^^;

103えちぜん:2006/11/11(土) 00:37:34
カラト書房さんに、『晋書斠注』がでてますね。芸文印書館の『二十五史』の分売です。

ttp://www.karatoshobo.com/chugokusho.rekisi.htm

104えちぜん:2007/01/21(日) 23:52:32
井波律子 著『酒池肉林 中国の贅沢三昧』(講談社現代新書1139)

第二章に「貴族の贅沢」と題して、何曾や石崇の贅沢ぶりを表すエピソードなどが紹介されています。

105菅原:2007/07/16(月) 17:26:52
私の恩師の著書から一冊を紹介します。

武田雅哉『楊貴妃になりたかった男たち 〈衣服の妖怪〉の文化誌』(講談社選書メチエ)(講談社・2007)

題名だけ見ると『晋書』とは関係なさそうですが、正史の五行志について言及されていて、
『晋書』「五行志」も取り上げられています。
「五行志」を中国文化史という観点から読み解くためにもぜひ読むべき一冊だと思います。

106中根:2007/08/30(木) 04:39:15
晋書の列伝の翻訳を二つ。

加地伸行『孝経全訳注』講談社学術文庫
孝経の解釈書ですが、孝経の影響を受けた文献として晋書孝友伝のうち
盛彦伝が訳されています。加地氏によれば「孝友伝」という項目を立てた
のは正史の中では晋書が始まりだそうです。

富士正晴『中国の隠者』岩波新書
隠逸伝の内、二伝が訳されています。

107えちぜん:2008/01/27(日) 23:36:34
森野繁夫・佐藤利行著『王羲之の書翰』(第一学習社)

『右軍書記』に収める王羲之の書翰、443帖を訳し、注を加えたもの。
『晋書』王羲之伝の翻訳、王羲之年譜、系図等を附す。

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