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ちょっと専門的なQ&Aスレ

61NAN:2008/07/06(日) 06:26:47 ID:4cqozpBw
つづき

>後天的発達なら意味は通ります。信号は生まれた後にしかセンサーに入力されないからです。
>しかし、生物の目や耳などのセンサーは生まれたときには既にそれらの信号を処理できるように形成されています。

ぶっちゃけた話、ご自分がなにを主張しているか分かっていますか?
かなりの混乱があるようですが、まずはリチャード・ドーキンス「盲目の時計職人(原題:ブラインドウォッチメーカー)」あたりを読んでおくことを強くお奨めします。(※1の回答)

62生がき:2008/07/07(月) 10:52:15 ID:vIWwr2LQ
NANさん
> リチャード・ドーキンス「盲目の時計職人(原題:ブラインドウォッチメーカー)」
はちょっとお時間をください。

ただ、
> 遺伝子には(たとえば)ホメオボックスという、たったひとつの遺伝子なのですがそれが変異することによって大きな形態変化をもたらすものがあることが知られています。
このたった一つの遺伝子とは一つの塩基という意味でしょうか?
これは非常に違和感を感じるんですよね。
と言いますのは、私はコンピュータのプログラムを組むことがあるのですが、たった一文字 (1byte) で動きを制御することは出来ないんですよ。
プログラムと言うのは知っているとは思いますが、究極的にはあるゲートをどのようなタイミングで on/off させるかと言うことに過ぎません。
生物も基本的には機械と同様に単純なことの繰り返しのはずですので、どの蛋白質がどのようなタイミングでどこの場所にあって、それが化学変化でどのように変化して、それが次に伝播して... となら無くてはならないわけです。
もし、それがたった一文字で表現できるとすると、それはバックグラウンドに非常に精巧な仕組みが既にあると言うことに他ならないと思うんですよね。
マシン語と呼ばれるプログラミングできる一番低レベルの言語であっても、一つ一つのゲートを制御すると言うことはありません。
プログラムはある程度抽象化され、それを極めて具体的に処理する為のプロセッサと二つがペアで始めて実行できるんです。
DNA によって伝播できる情報はこのプログラムレベルだと思うのですが、
極めて具体的に情報を処理する為のプロセッサに相当する部分はどのように次世代に渡し、製造することが出来るのでしょうか?
しかも、先にも書きましたが人間の核ゲノムの容量は CD-ROM 約一枚分しかないんですよ。

63NAN:2008/07/07(月) 22:48:17 ID:YMYTEnW2
>>62

>私はコンピュータのプログラムを組むことがあるのですが、たった一文字 (1byte) で動きを制御することは出来ないんですよ。

プログラムなら私も組みますよ。主にCG用のスクリプトやライブラリ(C++)ですが。
そのうえで、生がきさんがどう「混乱しているか」分かります。「たった一文字で」「動き」を制御できますが分かりませんか?forループみたいな典型的な繰り返しルーチンを考えましょう。その繰り返し回数に言語的構造が必要ですか?n回の指定をするだけですみますよね。このnは、まさに一文字です。マシン語の喩えはまったく無意味です。生物はコンピュータではありません。

nの回数が任意に書き換われば、while文やforループの繰り返しは変更されます。たった一文字で複眼や背骨の数が大きく変更されてしまうことは「コンピュータプログラムにおいてですら」十分にあり得ます。

どんなに複雑な動きをするプログラムであっても、ひとつの手続きは非常にシンプルです。また、そうあるべきです。アセンブラで足し算を覚えれば四則演算が全部できることと同じです。ものごとは「複雑なものを複雑なままに」捉えることで理解に近づくこともありますが、たいていはできる限り還元してシンプルな処理を想定することで理解を深めるものではないでしょうか。

64NAN:2008/07/07(月) 23:33:39 ID:YMYTEnW2
さて次に「DNAがたんぱく質をコードする」という意味について、拙い説明を試みてみましょう。

たとえば「骨」を組織するたんぱく質群というものと、これを生成するDNAがあるのだとします。ここでDNAは、生がきさん流のコンピュータプログラム的発想に基づくと、それが「骨という部位」であることの宣言にはじまり、その形状、組成、関節であれば可動範囲やジャンバル角度なども定義しなければまともに機能してくれそうにありません。ところが、実際のDNAにそれほど「ていねいな」人間風のプログラムは書かれていません。これは、人間がより高度なプログラムを組む、と考えることもできなくはありませんが…最小限の情報量で最大の構築を行うという意味においては、DNAが遥かに高度である、と考えることもできます。

ここで忘れてはならないことがあります。DNAというのもまた、炭素ベースの高分子であり、それら高分子は「物質として」様々な性質を「この世界そのものによって」持たされている、ということです。つまり、DNAはそれら物質の特性までをプログラム(コードする)必要はないのです。DNAは、骨材料Aというたんぱく質を作ることができたのなら、あとは骨材料Aという高分子が持っている性質によって、同じ骨分子Aとつながり、温度や水分やPH値や酵素の働きなどによって骨を形成していきます。それら「設計図」の大半は、その物質と生命システムそのものが持つ性質によって「必然的に」身体を構成するのです。

DNA自体は紛れもなくディジタル情報ですが、生物の身体はちょうど機械式オルゴールやアナログシンセザイザー(オルガン)のように、その構造そのものがアナログプログラム的でもあります。オルゴールはドラムの回転速度とピンの高さを定義すれば、音楽を演奏します。別に音楽理論〜ト音記号やフラットやシャープやスタッカートや倍音の理論や和声の規則を記述することもなく、音楽を演奏できるのです。

65生がき:2008/07/08(火) 09:24:39 ID:UpWuEPFE
なるほど...

でも、
> たった一文字で複眼や背骨の数が大きく変更されてしまうことは「コンピュータプログラムにおいてですら」十分にあり得ます。
と言うことは、別の言い方をすれば、ほんのちょっとの変更が重大な変質をもたらす。
ある意味、壊れやすいと言うことですよね。
実際問題、突然変異による有意な情報の発生よりも、情報の欠落の方がかなり多そうな気がします。
例えれば、競馬で大穴狙いで掛け金をつぎ込んでいって、一発当たれば良いけれども (でも、実際にはその一発も小さい)、実際には失うお金のほうが大きいわけですよね。
でも、自然界には複雑な機構を持った生命が多数存在していますので、その辺の折り合いをつける仕組みがあると言うことなのでしょうか?

また、
> それら高分子は「物質として」様々な性質を「この世界そのものによって」持たされている
は単純な物理的現象として細胞を生成できると言う解釈でよろしいでしょうか?
しかし、もしその解釈が正しいとしますと、骨を生成する DNA、脳の細胞を生成する DNA と場所により必要な DNA の位置が異なりますが、どのように折り合いをつけているのでしょうか?
それに単純な生成の繰り返しで大腿骨だとか腰骨だとかと言った形状は決定できるものなのでしょうか?

66NAN:2008/07/08(火) 22:49:16 ID:YMYTEnW2
>>65

>と言うことは、別の言い方をすれば、ほんのちょっとの変更が重大な変質をもたらす。
>ある意味、壊れやすいと言うことですよね。

はい、まさにその通りです。そしてそれは重要な理解です。
ショウジョウバエの実験では、ホメオボックスの変異によって目から足が生えてしまったりという重大かつ致命的な「破壊」が起きることが知られています。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A1%E3%82%AA%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

自然界で起きる「大きな表現型の変異」は正確な数値は分かりませんが99%が役に立たないか、命取りになるような変異でしょう。それはヒトをはじめとする動物たちの奇形としても知られています。またそれが、トカゲの前足が一気に鳥の羽根には「ならなかったであろう」という推測の正しさを物語っています。トカゲの前足や体表の「羽毛への変化」は、ヒトが通常思い浮かべる時間スケールではおよびもつかない試行錯誤(世代交代)を繰り返し、ほんの少しずつ蓄積されていったのだろう…ほんの少しずつの変異でなければ、変化の負担が大きすぎて生存・繁殖できなかったであろうことを教えてくれるのです。

>例えれば、競馬で大穴狙いで掛け金をつぎ込んでいって、一発当たれば良いけれども (でも、実際にはその一発も小さい)、実際には失うお金のほうが大きいわけですよね。

絶滅種の膨大さを考えれば「まさに」ですね。
ときには万馬券のような「大当たり」もあったのでしょうが、大半の変異は「針の穴がほんの数ミクロン広がったり滑らかになったおかげで糸を通しやすかった」という程度の、数世代単位で観察しても分からないくらい小さな蓄積でしょう。預金の金利みたいなものです(笑)。(しかもそれより僅かだと思う)

>でも、自然界には複雑な機構を持った生命が多数存在していますので、その辺の折り合いをつける仕組みがあると言うことなのでしょうか?

これはまったくの私論で、学術的な根拠などありませんが…ヒトが生命システムそのものを実験室で今のところは生み出せそうにもない事情も、そこにあるのでしょう。ある種の動物たち…たとえばワニ程度に複雑な生物でさえ、成獣になってから環境に応じて性別が変わってしまうことがあります。もちろん、DNA配列にそうした「性の変更可能性もしくは柔軟さ」が記述されているのでしょうが「いつどこでどのように」みたいな詳細はないのだ、と思っています。(ちなみにジュラシックパーク〜マイケル・クライトン原作のカタストロフに至るネタはこれですね)

>それに単純な生成の繰り返しで大腿骨だとか腰骨だとかと言った形状は決定できるものなのでしょうか?

いわゆる「胚性幹細胞(ES細胞)」の研究で、すべての身体の部位は「ひとつの共通の材料細胞」から生成されるらしいことが確かめられつつあるようです。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%9A%E6%80%A7%E5%B9%B9%E7%B4%B0%E8%83%9E
つまり、材料となる細胞は一種類あればよく、あとは初期段階で「分化」さえ起きればその後はおのおのの器官へと成長してしまうらしいのです。(もっと極論すれば、クローン人間ができてしまう可能性すらある)
コンピュータプログラムの比喩は一歩間違うと問題とかけ離れてしまうので慎重に行うべきですが…フラクタルによる樹木や地形パターンの生成がCG技術では定着していますが、このプログラムは実にシンプルで単純なものです。そして、初期値に鋭敏な「複雑系の性質」を持っていますので、ほんのちょっとパラメータを動かすだけで無限のパターンを生成することが可能です。しかもすべてが「木に見える」という便利なものです。おそらく、生物の細胞分化や発生においても、そのものではないでしょうが似たような仕組みが働いているのではないか、と思います。生命の基本は「自己複製=子孫を残すこと」ですから、再帰的数学の一種によって、シンプルな初期値からスタートし、およそ想像もつかないくらい複雑な構造を生み出す「もと」になるのではないか、と思うのです。

67生がき:2008/07/09(水) 09:48:48 ID:recw10M.
>>66

> たとえばワニ程度に複雑な生物でさえ、成獣になってから環境に応じて性別が変わってしまうことがあります。
いや、ワニどころか人間でも途中で性別が変わったと言う報告があるみたいですよ(ソースは忘れましたが)。

特にある地域では頻繁に起こるらしいです。


> すべての身体の部位は「ひとつの共通の材料細胞」から生成されるらしいことが確かめられつつあるようです。
これはある意味当然だと思います。人間は (というか多くの生命は) 皆一つの卵細胞から成長していきますよね。

> シンプルな初期値からスタートし、およそ想像もつかないくらい複雑な構造を生み出す「もと」になるのではないか、と思うのです。
フラクタルはずいぶん前にもてはやされた時期がありましたよね。

ただ、生命に適用しようとすると終わりが無いので、際限なく大きくなってしまうことでしょうねぇ。

68生がき:2008/07/10(木) 09:46:36 ID:jgIrGPFc
>>58

>>光 (特に太陽光) と言うのは生命体にとって有害ですよね。
>なぜ有害ですか?
これについてレスし忘れてしまいましたので。
確かに現在の生命体にとって光はさほど有害ではありません。
しかし、初期の生命体にとってはどうでしょうか?
紫外線などの保護機構をまだ持っていない生命体にとって DNA を損傷する光は有害です。
# 保護機構を持った現在でも紫外線の長時間暴露によって DNA が損傷し、皮膚ガンが発生しますよね。

同じように現在の生命体にとって必要な酸素も初期の生命体とっては猛毒でした。
これは細胞内にミトコンドリアを取り込んだことによって解決したんでしたよね。

70NAN:2008/07/12(土) 23:24:59 ID:w9hWvpe2
>紫外線などの保護機構をまだ持っていない生命体にとって DNA を損傷する光は有害です。

初期の生命は云うまでもなく陸上ではなく水中(海洋)で生まれたことが有力視されています。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%A7%8B%E7%94%9F%E5%91%BD%E4%BD%93

私は熱水噴出口における原始生命の誕生説を支持しているのですが、
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E6%B0%B4%E5%99%B4%E5%87%BA%E5%AD%94
この噴出孔は海底火山などの周辺にあり、当然、太陽光線を直接浴びることはないでしょう。生命は化学進化を経て海底で生まれ、やがて海面付近やより深い海へ進出していったのではないだろうか、と思っていますが、海面付近に進出していく生命にとって太陽光線との「戦い」は不可欠なものだったでしょう。


オゾン層のほとんどない原始地球では、紫外線はおそらく、海水が適度に散乱・拡散させてくれていたのではないだろうか、と私は考えています。また、紫外線バリアが現代より遥かに薄かったことは事実ですが、これにより遺伝子変異の加速度が今よりはるかに大きかったことが想定できます。生命の進化とは、絶滅の繰り返しであり、紫外線やその他の波長の太陽光に対して有効な耐性を得られなかったのなら、すべての生命は死滅しこの地球に生命は残らなかったのでしょう。逆に云えば、有害な光線さえ利用してしまう変異(変化)を地球生命は果たしてきたのでしょう。
なお、紫外線は有害なだけではありません。適度に暴露することで先にも書いた遺伝子の変異原となりますし、ビタミンDを合成する触媒にもなります。

71NAN:2008/07/12(土) 23:48:52 ID:w9hWvpe2
>ただ、生命に適用しようとすると終わりが無いので、際限なく大きくなってしまうことでしょうねぇ。

フラクタルについては「過剰な持ち上げ」は終わりましたが、私の関わるCG分野をはじめ、自然界をシミュレートする必要のあるあらゆる分野で利用されています。ちなみに、フラクタルによる樹木などのシミュレーションや血管のシミュレーションにおいては、際限なく大きくすることも、適度に収束させることもできます。生命の発生メカニズムにフラクタルそのものが「そのまま」関わっているかどうかは不明ですが、情報圧縮の観点から云えば、なんらかの数学的規則によって4次元的にポイントを配置していくほうがはるかに効率的ですので、フラクタル的な「なにか」が働き、それをヒトが真似したものの一種が生物的フラクタルなのでしょう。

なお、生命体が際限なく増殖してしまわない要因としてアポトーシスがあります。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9D%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%82%B9
アポトーシスは生物の発生に密接に関わっています。
オタマジャクシの尾がなくなることや、ヒトの指が形成される仕組みがアポトーシスによって制御されていることが既に確かめられていますが、ほかにもテロメアとヘイフリック限界(細胞分裂回数の上限)のかかわりなど、生物が「そのカタチであること=恒常性を持つこと」と遺伝子プログラムのかかわりは相当に密接かつ複雑であり、ソースにもあるようにただ遺伝情報がデータとしてどうなっているかではなく、他のタンパク質や酵素との「相互作用」によって全体としてのシステムを構築するのだろう、と思います。
#DNAだけ解析してもおそらく生命活動そのものは解明できない、という意味です。

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