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【研究】立命館大学 大学院 情報交換スレ【研究】

609名無しの立命生:2009/04/25(土) 08:19:10 ID:jVeS6Wa.0


閉塞感を感じている皆様へ
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20090424/169281/


 「閉塞感を感じているんですか? 技術者が? ちょっと信じられないなぁ。だって,技術者がやるべきことなんて今,いくらでもあるじゃないですか」――。

 AR(augmented reality:拡張現実)技術の研究の第一人者である慶応義塾大学 大学院 メディアデザイン研究科 教授の稲見昌彦先生にお会いしてきました。頓智・(とんちどっと)の「セカイカメラ」や,芸者東京エンターテインメントの「電脳フィギュアARis」といった製品の登場で,急速に盛り上がり始めたAR技術の応用や可能性に関して,お話を聞きたいと思ったからです。

 詳しいお話は5月18日発売の日経エレクトロニクスに掲載予定のインタビュー記事に取っておくとして,ブログでは今回のインタビューで反省した話とワクワクした話,あとちょびっと宣伝を一つずつ記しておきます。

 インタビューが始まってすぐ私は,自分のARの理解がかなり浅はかだったことに気づき,反省しました。例えば,WikipediaではARを「拡張現実とは現実環境にコンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを示す」などと書かれています(Wikipediaへのリンク)。私はそれこそ,セカイカメラや電脳フィギュアARisあたりでARに興味を持ったクチなので,不勉強にもARというのはそういうもんだろう,と理解していたわけです。従ってARの応用も,携帯機器向けの情報サービスや作業補助といった辺りが中心になるのかなと,勝手に考えていました。

 でも稲見先生のお話を伺うと,その理解はかなり違っているのが分かりました。ARの本質は人間の脳内に形成される「リアリティー」への介入にある,というのです。例えば現実の映像に「ある情報」を足すことで,今まで見えなかったものが見えてくる。あるいは,映像から一部の情報を消して見せることで,本来見るべきものが見えやすくなる。これを稲見先生は「リアリティーの設計」と表現します。

 それを理解すると,リアルタイムの実映像に情報を付加して見せるというユーザー・インタフェースへの応用は,ARのほんの一部でしかないのが分かります。ARの対象は画像(視覚)だけではありません。聴覚や触覚といった人間の五感(入力インタフェース)に関わるものはすべて対象になりえます。ARはGUI技術の「新潮流」程度の話ではなく,ヒューマン・マシン・インタフェースの設計を根幹から変えるかもしれないインパクトを持っているのです。稲見先生は「数年先には『AR』などという言葉が,あえて使われないほど普及するでしょう」とその将来を予想します。

 だから「技術者がやることはいくらでもある」と稲見先生は力説します。AR流のインタフェース設計が今後の主流になるとすると,従来のセンサやディスプレイといった入出力デバイスも,それに向けて改良する必要が出てくるからです。

 革新的な技術が必要という話ではありません。というかそんな安直な話ではないのです。基本の技術は同じです。しかし,これまで「リアル」に向けていた開発の方向性を「リアリティー」に向けて修正する必要がある。センサなど既存のデバイスは使われ方が変わってくる。ARを意識することで新たな活路を見つけられるかもしれない。なんだかワクワクしませんか?

 私がプログラムの構成に関わっている「センサ・シンポジウム 2009」の2日目「先端ユーザー・インタフェース技術」セッションで,大阪大学の安藤英由樹先生に講演を急遽お願いすることにしたのも実は,今回の稲見先生のお話に思いっきり影響を受けたからです。安藤先生にはこの講演で,ARを利用したユーザー・インタフェース研究の先端の現状をお話いただくと共に,錯覚を利用して人間に凹凸感を感じさせる触覚インタフェースの研究などについてもお話いただく予定です。


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