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【研究】立命館大学 大学院 情報交換スレ【研究】

549名無しの立命生:2009/02/21(土) 12:48:27 ID:VDaHYX6A0

多発性硬化症における
髄鞘再生妨げる分子機序を解明
http://tech.braina.com/2009/0122/bio_20090122_001____.html


  慶応大医学部の鈴木則宏教授、相磯貞和教授、中原仁講師らの研究グループはこのほど、多発性硬化症において髄鞘の自己再生能力が低下する原因を特定することに世界で初めて成功した。同症の脳では病変部位に髄鞘再生を妨げるTIP30分子が過剰に発現していることを突き止め、その機序を解明したもので、成果の詳細は国際医学誌『ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション』(1月号、電子速報版12月22日号)に掲載された。

  世界で約250万人、わが国では約1万2000人の患者がいるとされる多発性硬化症は、若年女性に好発する原因不明の神経疾患であり、脳・脊髄・視神経(中枢神経系)に病変が出現し、四肢麻痺や失明などを含む多岐にわたる神経症状を一度に呈する難治性疾患である。神経機能を支える髄鞘が多発性に崩壊(脱髄)し、神経機能の喪失が進行性に失われるため、多くの患者が発病後約10年程度で車椅子あるいは寝たきり生活を余儀なくされる。

  中枢神経系で髄鞘を形成しているのは「オリゴデンドロサイト」と呼ばれる細胞で、多発性硬化症の病変では脱髄に伴ってオリゴデンドロサイトが死滅していることが知られていた。しかし、98年以降の研究展開によって、”未熟なオリゴデンドロサイト”である「オリゴデンドロサイト前駆体細胞(OPC)」が、脱髄病変においても多数存在していることが判明したことから、慶大グループは、体内に残存するOPCをオリゴデンドロサイトへ成長させる髄鞘再生医療の研究開発に取り組んできており、03年にはOPCをオリゴデンドロサイトへ成長させるための鍵となる分子を突き止めている。

  一方、OPCは能動的にオリゴデンドロサイトへ成長し、髄鞘をほぼ完全に修復する能力を持っているにもかかわらず、多発性硬化症ではOPCがそうした機能を発揮できないのかはわかっていなかった。今回、同グループは、多発性硬化症脳を詳細に解析、残存するOPCによる自己再生能力を障害している原因分子を同定するとともに、その機序を解明することに成功した。

  OPCがオリゴデンドロサイトへ成長するには、それにかかわるDNAの遺伝子情報を読み出すことが必要である。その役割を担っているは転写因子と呼ばれるタンパク質群であるが、その際に使用される転写因子はNICDというタンパク質であることが知られていた。OPCが脱髄した神経軸索を感知すると、OPC内部にNICDが出現、核内部に入ってDNA上の遺伝子情報を読み出す。しかし、核は核膜によって覆われており、細胞内の他の部位とは明確に隔離されているので、NICDが遺伝子情報を読み出すためには、インポーチンと呼ばれる運搬タンパク質に乗って核膜に開いた小さなゲート(核孔)を通らなくてはならない。

  同研究グループはまず、髄鞘の自然再生が成功した例外的病変に存在するOPCでは、このNICDが核内に移動し遺伝子情報の読み出しに成功しているのに対して、髄鞘再生に失敗した大多数の病変ではNICDが核内に入れず、細胞質内に滞留してしまっていることを見いだした。さらに、これらのOPCにおいてNICDはインポーチンに搭載される段階まで達していたが、その運搬能力を阻害するTIP30分子が異常に増加しており、結果的に核内移送されなくなっていることを解明した。

  TIP30分子は本来、不用意な遺伝子情報へのアクセスを制限する”ゲートキーパー”タンパク質であり、例えばTIP30分子を阻害すると癌細胞が生じることがわかっている。しかし、多発性硬化症脳に残存するOPCではこのTIP30分子が必要異常に増加しており、その結果としてNICDが核内へ移動できず、オリゴデンドロサイトへの成長や髄鞘再生に必要な遺伝子情報を読み出せなくなっている。したがって、残存するOPC内部で過剰に発現しているTIP30分子を減少させたり、その機能を阻害する薬剤は、髄鞘再生医療の新たな候補分子になるものと期待される


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