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雑談スレ

759正樹 ◆6z10n91cnw:2007/12/24(月) 23:11:25
 
        『「大和」とは何か−巨大戦艦にみるソフト学』
        (ワック株式会社:日下公人、三野正洋)
        −86頁〜89頁−
        三野正洋「奇跡の技術は民間人が開発」
        アメリカ、イギリスは思ってもいない新兵器を次々と繰り
       出して来る。それも航空機、艦艇、戦闘車輌の性能向上型など
       ではなく、周辺機器の充実、新システムの開発とち言った分野
       なのである。
        それの最も顕著な例がレーダーで、これが直接に敵機を射ち
       落としたり、戦車を破壊するわけではないが、勝利を確実に
       呼び込む働きをする。
        或いは、数学者、物理学者、動物行動学者まで動員したオペレーションズ・
       リサーチの手法により、例えば、
          敵の潜水艦による味方の輸送船団の被害の、大幅な減少
          戦略爆撃の際の目標の選択
          特殊な高性能無線通信機の開発、実用化
       と言った
       「一見すると地味だが、広義での着実な戦力の向上」
       を可能にしている。
        ここで強調しておきたいことは、レーダー、VT信管、オペレーションズ・
       リサーチと言った<奇跡の技術>に近い物の大部分は、民間人
       科学者の協力によって生まれていることだ。いや、協力と言うことは
       正確ではなく、民間人主導で開発されている。
        つまり軍人は、色々な意味でかなり束縛された生活を送って
       いることもあり、新しいアイディア、豊かな発想などは無縁に近い。
       軍の研究所で行われていることは、兵器と直結するような研究
       ばかりであって、先の戦争をシステムとして見るORのような
       発想は全く生まれて来ない。
        しかも当時の日本においては、現在に何が問題になっているのか、
       と言ったことさえ民間人には知らせないままであった。例えば、
       太平洋は大西洋より格段に広い。従って、日本本土とアジアを
       結ぶ輸送船団の安全と言う点から見れば、敵に発見される確率は
       大西洋より低いのである。
        それにも関わらず、いつも同じコースを辿り、アメリカ潜水艦により
       徹底的に痛め付けられた。これに対抗するために、数学者を始めとする
       民間の学者を動員して船団の編成、出港のタイミング、護衛艦の
       配置などを検討させるべきであった。こうすれば、アメリカ−
       イギリス−ソ連を結ぶ海上補給路と同様、船舶の損失をかなり
       減らせたはずだ。
        太平洋戦争の時の日本は、
       「民間人を大量に肉体労働者として利用したが、反面、それの頭脳を
       最後まで活用しようとしなかった」
       と言えるのではないか。
        だいたい軍人たちがこの点に気付かないこと自体が、発想の貧困で
       あると指摘できよう。そしてまた、素人である民間人を使うことに
       よって戦争の兵器、戦略、戦術についての新しいアイディア、
       豊かな想像性など、これまでと違った発想の根本が見えて来る。
        それは、結局のところ<自由>から生まれるのである。古くから
       続く習慣、これと言った理由もなく単に正しいとされて来た
       物の見方などを振り捨てて、全く新しい技術を開発するために、
       もっとも必要とされることは自由以外に何ものでもない。
 
 これは、現在にも通じる指摘ではないか。
 部外者から見るとおかしなことが官公庁にあるのだろう。例えば、阪神大震災時にも
問題になったことでの消防車放水ホースの接続器具の太さの違いなど。
 このスレッドの上記の方や、或いは、2ちゃんねるの書き込み人は、防衛省や
防衛産業の人ではないのだろう。
 防衛関係の部外者で優秀で有能な人は市井に無数にいるのであるから、防衛省
技術研究本部も、市井の人を防衛研究に参画させる制度を発足すべきである。


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