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雑談スレ
727
:
正樹
◆6z10n91cnw
:2007/09/26(水) 20:56:48
『大田洋子集 第三巻 夕凪の街と人と』(三一書房)
解説 栗原貞子
−403頁〜404頁−
「いつかは書かなくてはならないね。それを見た作家の
責任だもの」と言う決意は、大田洋子の被爆翌日の極限状況の
中での、揺るぎない作家宣言だった。
出発時の「人間の眼と作家の眼と、二つの眼で書く」と
原爆の悲惨にも負けず、抵抗の美しさを示した反核文学宣言に
比べて、終わりは例えようもなく暗い。
以上の衝撃的な3つの時点の洋子の姿勢は、被爆後の洋子の
作品と人を知る上で、見落としてはならぬ程、決定的である。
と同時に、一人の体験作家の半生を、かくも無惨に敗北させた
ものの背景に、日米両政府による原爆隠し、被爆者見殺しの
政治があり、そのことによって不当な文学環境の中で、孤立
させられ、疎外されて悪戦苦闘の結果、敗北したことに対し、
私は早くから義憤のような怒りと傷みを感じていた。
そのことは、一人の作家の敗北だけではなく、長く続いた
占領と、占領が解けた後も尾を引いた原爆タブーの下で、
完全に救いを断たれた被爆者の歴史とも重なっているのである。
>一人の体験作家の半生を、かくも無惨に敗北させたものの背景に、日米両政府に
>よる原爆隠し、被爆者見殺しの政治があり、
こう「あなた方は、大衆を支配する人々」「私たちは、あなた方に支配される人々
(大衆)」と変な固定概念があるから、政治家層が固定化されるのである。
そもそも、「政治家になることを卑しいことだ」と変な禁欲主義に染まっている
ことも原因の一つだ。
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