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雑談スレ
556
:
正樹
◆6z10n91cnw
:2006/01/12(木) 23:28:28
手記
児玉正子(児玉隆也夫人)
夫は、それを結婚して以来、三度目の涙だと言った。
しかし、それが三度目だとしたら、それの前の二度とはいつのことだろう。
一度は、夫が週刊誌『女性自身』の記者時代に、「サリドマイド児」の特集を
写真入りで精魂込めて作り上げたにも関わらず世間から厳しい非難を浴びた
ときに、もう一度は義母が亡くなったときとある程度は見当が付くが、はっきり
しない。何度も訊いてみようと思いながら、妙に躊躇(ためら)いがあり、
今度こそと思っているうちに、突然に夫は逝ってしまった。
「サリドマイド児」の件は、ひどいことになった。子供を見世物にしている
とかで、朝、毎、読の三紙には叩かれるし、評論家の皆さんからも攻撃され、
夫は、例えば秋山ちえ子さんなどには、読みもしないで、と腹を立てていた
ようだ。
その時に、三島由紀夫さんが、「『文芸春秋』とか『世界』とかの固い雑誌
で同じことをやれば、英雄になれたのにな」と言って下さったと聞いている。
『ガン病棟の九十九日』(児玉隆也;新潮文庫120頁〜121頁)
【三島由紀夫氏との関係は】
児玉は編集者時代(正樹注:光文社社員記者時代)、三島氏と親交を深め、
私淑していた。また、それの感化を受けて、自分に対しても他人に対しても
ストイックなまでに厳しさを求めた。折に触れ、「文芸専門の出版社から単行本
を出せるようになりたい」と漏らすようになったことも三島氏の影響だろう。
解説・伊達宗克氏より
『ガン病棟の九十九日』(児玉隆也;新潮文庫、208頁)
【児玉隆也氏とは】
ガン患者が感ずる死への恐れも生への希望も、自己不信も、医者・家族に
対する疑惑も、全てがここにはある−−−田中金脈追及でジャーナリストとしての
力を見せ、将来を期待されながら急逝した著者が、ガン病棟で死と闘う自分自身
の姿を冷静な筆致で描き出したと最後のルポルタージュ。表題作の他に、絶筆と
なった「さるのこしかけ」、「闘病ノート」、正子夫人の「手記」を収録した。
表紙カバーより
『ガン病棟の九十九日』(児玉隆也;新潮文庫)
6 庶民の味方を誇示しつつ自己利益を図る人々
田中角栄で食っている金利生活者
立花隆(評論家)
『文芸春秋』(昭和49年(1974年)11月号)の「田中角栄研究」の
反響が大きかったかは、発売直後に同誌が品切れなり、神田(正樹注:東京)
の古本屋で5千円の値が付いたと言うことからも想像が付きます。最も、田中
首相を退陣に追い込んだことでの直接の契機は、同時に掲載された児玉隆也氏
の「淋しき越山会の女王」の方だったと言う説が有力なのですが、・・・・・。
『日本をダメにした新100人−蛇蝎(だかつ)の巻』
(山手書房、149頁〜150頁)
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